月別アーカイブ: 7月 2022
夏の勉強会 電気講習会を受けて
暑い日が続きます。皆さん体調を崩していませんか?この時期、毎年言われるのが“熱中症対策 ”です。水分・塩分補給は当然ですが、ここ数年よく耳にするのが「適度にエアコンを使用すること」ではないでしょうか。電化製品も熱中症対策に使われるほど、私たちの暮らしに当たり前になっている電気。 皆さんは電気の事をどれくらい知っていますか?あえて考えない方も多いのでは? かく言う私も…ですが、先日電気について勉強できる機会をいただき、関西電気保安協会主催の「電気講習会(入門編)」を受講してきました。
最初の講習会テーマは、「設備更新による省エネルギーについて」です。最近のニュースでも電力不足について取り上げられており、環境問題の他にも“省エネ”について考える機会が増えました。「使っていない電気をこまめに消す」など簡単にできるものもありますが、今回は、設備更新による省エネ方法です。特に空調設備は古い機器を更新するのが最も効果的なのだとか。産業用空調機の寿命は15~20年となっており、15年以上前の空調機を最新式に更新すると約30%以上の省エネ効果が得られるそうです。更には、長く使っていると摩耗故障が頻繁に起こり、修理にもお金がかかります。「古いものを直して使う」という行為はすばらしいですが、省エネを考えると必ずしも良い事だけではないようです。ただ、電気の使用を最小限に抑えることが“省エネ”と思っていたので、意外な内容に目からウロコの思いで話を聞いていました。
後半は「電気事故」についてのお話でした。文化館で使用している電気は、高圧電力で、施設内に大きな電気室があり、受電設備の周りはフェンスで囲まれています。講座で紹介された事故事例は、この高圧受電設備において、機器の品番をスマートフォンのカメラで撮影しようとし誤って電路に接触し、感電事故になったケースです。何気ない油断が重大事故につながります。改めて電気の恐さを知り、専門家である電気主任技師さんと連携しながら、しっかりと保守管理をしていかねばと気を引き締めました。
また、感電事故は職場だけとは限りません。暗い場所でコンセントプラグの接続を行ったりしていませんか?誤った接続をしてしまい感電事故につながる恐れがあります。プラグの抜き差しは、普段から行う慣れた動作であるため、安易にしてしまいがちです。ご家庭でも注意して下さいね。他にも、経年劣化した古い機器の漏電など、身近な電気の危険が事例として取り上げられていました。家庭の電気は「“低圧”という言葉で油断しがち」なのだそうです。電気を正しく使うことの大切さを感じました。
電気はあって当たり前ですが、その使い方を間違えれば危険なものであることを忘れてはいけませんね。夏になって電気を使う事が多くなってきました。皆さんも、古い機器の点検や、電気の使い方を今一度考え直してみませんか。
「花湖さんの打出のコヅチ」第3回 開催しました
ここ最近はまるで梅雨に戻ったかのような雨続きでしたが 、この日は晴れてくれました!7月21日(木)、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第3回の開催日です。講座メイン会場には、開催を心待ちにした 92名の方がお越しくださいました。
今回講師にお迎えしたのは、県文化財保護課の矢田直樹氏です。 おやおやこれは・・・なんてステキ な青のハッピ姿でのご登壇です♡ オトコマエ度が一層上がっております↑ (笑)!何を隠そうこの方、「県下随一のお祭りオトコ」と言っても過言ではない?!どんなお話が聞けることやら・・・とても楽しみです♪
講座のテーマは「民俗文化財の保存修理」です。文化財保護法によると「民俗文化財」とは、衣食住、生業、信仰、年中行事に関する風俗習慣、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で、我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないものとされています。身近なものであればこそ、民俗文化財を継承していくための保存修理が大変重要となります。今回の講座はそんなお話です。
保存修理の一例として、日野町にある馬見岡綿向神社の「祭礼渡御図絵馬(県指定)」について紹介されました。(※皆さん覚えていらっしゃいますか?平成30年度の打出のコヅチで紹介した“あの” 絵馬です。)
約200年前に描かれた絵馬は、にかわの接着力が弱まったことで絵の具の剥落が見られ、修理にはにかわを挿して接着力を戻すという作業が行われました。縦206cm横422cmもある大きな絵馬を修理するのはとても大変で、剥落止めの作業だけでも一年かかったのだとか・・・調査も含めると2年の歳月をかけた大事業であったとのことです。
修理完了後は、神社の建物などで保管することも考えられましたが、地域の繁栄を願って奉納された絵馬であるため、「地元の人達に見てもらうのが一番!」と、以前と同じように境内の絵馬殿に掲げられたそうです。とてもいいお話・・・心にグッときます。ヨッ!これぞ民俗文化財!!皆さんも文化財の在り方を考える、良いきっかけになったのではないでしょうか。
また、近江の無形民俗文化財には曳山祭があります。祭りに使用される山車には、本体を造る建築・木工、塗装の漆工、飾り金具などの金工、幕の染織など様々な技法が用いられています。山車によっては、からくり人形の仕掛けがあったりもしますよね。講師のお話の中で「山車は“山 ”ひとつで、多様な工芸技術がある総合文化財」と言っておられたのがとても印象的でした。何だかとても日本人の魂に“響く”言葉だと思いませんか?
後半では曳山の修理について、とてもよく分かる映像が紹介されました。 各分野の職人さん達が持てる技術を駆使して作業される姿や、文化財修理に対する熱い思いが伝わる映像です。こちらは滋賀県文化財保護課You Tubeチャンネルの「近江の曳山祭と曳山修理 祭りを支える技」で、ご覧いただく事ができますので、皆さんも是非チェックしてくださいね♪ 【ここまで曳山祭に特化した番組は全国でもとても珍しい、貴重映像が満載です!!】
受講者の中には、曳山祭に直接関わっておられる方も参加されていたようで、「修理の様子は見ることができないので映像で見れて良かった」とのお声も寄せられました。
民俗文化財には、少子高齢化や人口流出や、資金・原材料確保や修理技術の継承など、様々な課題があるそうです。使い続ける文化財として、また多様な素材や技術が使われている文化財を修理をすることで、民俗文化財としての価値を守りつつ、次世代に引き継ぐことになります。身近にある地域の文化を長く守り続けていく大変さと大切さを知る講義となりました。 ワッショイ!!
びわ湖の日 一斉清掃に参加しました
滋賀県においては、7月1日は「びわ湖の日」です。1980年に「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」ができて1周年を記念し、この日を「びわ湖の日」と定められました。湖岸や河川・道路などを皆できれいに清掃する取り組みが県内各地で行われ、「滋賀ならでは」の良き伝統となっています。
文化館が建つ湖岸一帯でも一斉清掃が行われ、当館も滋賀県が実施する「びわ湖を美しくする運動」に参加しました。
例年ならば未だ梅雨の時期ですが 、今年は観測史上最も早い6月に梅雨明け。朝から気温も高く、熱中症に十分気を付けながらの活動です。参加されているのは、一般の方やご近所の事業者・各種団体などの皆さん。この日ばかりはお仕事の手を止めて、皆で一斉にご奉仕です。集合場所の大津港で火ばさみとゴミ袋を受け取り、いざスタート!知らない者同士が湖岸沿いを、ゴミを拾いながら進みます。
歩いていると「あれ?あまりゴミが落ちていない?」
・・・なんて思った瞬間!たばこの吸い殻を発見!!草むらに隠れているプラスチックなど小さなゴミもしっかり拾います。湖岸の石垣には、歩道よりもたくさんゴミが・・・(泣)!飲みかけのペットボトルや空き缶、お菓子の袋、コンビニ弁当の容器・・・挙句の果てには絡まった釣り糸の針まで(危ない!)。これらが次々と参加者のゴミ袋に回収されていきます。
約2km先のゴール地点では、拾い集めたゴミを分別。案の定と言いますか、やはりペットボトルのゴミが一番多かったです。これから夏真っ盛り。水分補給は必要ですが、皆さん飲み終わったペットボトルは、きちんと持ち帰って捨てましょう・・・ね。
毎年この活動に参加されている方から、今年はゴミ少ないなぁ」とのお声がありました。エッ!コレで少ないんですか?!結構たくさん拾いましたよ?!! きっと、この清掃活動が始まった頃は、今よりも多くのゴミが捨てられていたのでしょうね。それが長年の活動を通して、徐々にゴミが減っていったのかもしれません。こういった活動のおかげで、県民の皆さんの環境美化に対する意識が変わってきたのではないでしょうか。ポイ捨てを無くして、キレイな琵琶湖が取り戻せますように!
この活動に参加して、改めて琵琶湖の環境を考える、良き一日となりました。