月別アーカイブ: 5月 2023
講座「花湖さんの打出のコヅチ」第1回 開催しました
「毎回参加してきた最大の最高のお話しでした。有り難う。」
「杉本哲郎氏と山元春挙のつながりを楽しく興味深く知ることができました。 」
「タイトル通りに人間的なあまりにも人間的な経緯が如実に語られてました。 」
「お話がわかりやすく感動しました。ありがとうございました。 」
「「春江」印から哲郎の心を読み解く研究、すばらしいと思いました。」
「なぞ解きの面白さ、杉本氏の心の動きがドラマの様に見ることができた。」
「 涙がでました。ありがとうございました。 」
いかがです皆さん?!これ、文化財講座に参加した方々の「ご感想」ですよ?!!この満足度の“高さ”が、当講座のウリでございます♪
ということで、5/24に開催した滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」、 今年もテンション“高め♪”に始まりました !第1回の講師を務めたのは県文化財保護課・井上優(琵琶湖文化館副館長兼務)、今回は「杉本哲郎壁画「舎利供養」に秘められた師・春挙への想い」というテーマでお話しさせていただきました。
こちらが、杉本哲郎 (1899~1985)氏が描いた「舎利供養」です。杉本は滋賀(大津)出身で、若くして山元春挙に弟子入りをし、15歳の時に「春江」の名を師から与えられました。しかしその後、春挙の門人団体・早苗会の幹部(兄弟子たち)と画法をめぐって対立、24歳の時に師の元を去り、「春江」の名を捨てて「哲郎」の名で活動します。一方で、「先生(春挙画伯)の真の後継者は僕」であるとインタビューに答えるなど、師に対する尊敬の念は晩年まで変わらずに持ち続けます。兄弟子たちとの確執は深まり、春挙の逝去に際して葬儀参列も阻まれる杉本。師に別れを告げられなかった深い悔恨、尊敬する師への敬意。その想いが50歳にして描き上げたこの巨大壁画に込められている・・・「杉本哲郎魂の傑作」と、講師は言います。
壁画は当初「来迎図」として、県庁の隣にあった産業文化館(旧武徳殿)の壁に描かれました。来迎とは、阿弥陀仏が諸菩薩とともに死者を迎えに来て、極楽浄土へと導くことを意味します。ですので本来、観音・勢至菩薩が立ち並ぶその間(中央)には阿弥陀如来が描かれるべきところ、本図は舎利塔が描かれています。更にはその真下に長らく使わなかった「春江」号の印。これは杉本が、「春挙の真の後継者として、師を鎮魂供養する画墓」とすることを意図したのではないか、と講師は推察します。それこそがこの壁画が描かれた真の意味だと・・・。
うぅ、皆さまドラマです(涙)。壮絶なドラマです!1時間半の講座があっという間で、講師が熱く語る言葉をとおして、画家・杉本哲郎の揺れ動く心を旅をしてきたかのような気分です。
参加された皆さんも同じ思いだった?それが冒頭にご紹介した「感想」に表れているのではないでしょうか?
このたびの講座、この大きな壁画の中のたった4cm四方に注目し、作者の深い想いを読み解いた講師の洞察力に、感想:「大満足」をあげてもいいですか?(笑)。熱弁お疲れさまでした!講師も語り尽くしてこの笑顔です(笑笑)。
さて、次回の講座は、
6/22(木)第2回「海北友松の事績と檜図について」
を開催します。更に!会場では『7/27(木)に特別講座』が予定されているとのアナウンスが・・!・・その内容とは?・・・➡【コチラをチェック!】!!
当館の「山法師強訴図」がBSテレビに登場!!
3月某日、当館に取材のカメラクルーを乗せた車が到着しました。皆さん黒服でいかにも “それ”風のオーラが・・・。実はこれ、当館所蔵の山法師強訴図屏風の撮影に来られた方たちなんです。現在、当館は休館中ですが、収蔵品の貸出や写真利用における画像提供、取材等の対応など、休館中も継続して活動を行っています。今回は、東京の番組制作会社さんが来館されました。
来館の目的は、「白河上皇」に関係する資料の撮影・・・ということで、当館の山法師強訴図をコッテリ撮影されました。白河上皇と山法師?強訴?この関係に「?」を持たれた方は、先ず当館が作成した「近江の宝ぬりえシリーズ 山法師強訴図」編でお勉強しておきましょう。以下、豆知識として紹介しております。
山法師とは、比叡山の武装した僧侶(僧兵)のことです。彼らが比叡山の鎮守であった日吉社の神輿をかついで京都に乱入し、神威を背景にして朝廷や幕府に無理やり訴えを通そうとする「強訴」は、大変おそれられました。強大な権力を持つ白河法皇が、朕(自分)の意のままにならぬものとして、「賀茂川の水、双六の賽(さい)、山法師」の三不如意を挙げたという有名なエピソードがありますが、実際の画題として描かれることは珍しく、本図は貴重な絵画資料として、教科書などに掲載されることが多い作品です。
如何でしょう、ご理解いただけましたか? ということで、番組では、白河上皇の歴史的「決断の背景を探る」作品として、山法師強訴図が撮影された・・・というワケなのです。
(何の番組かわかったかな~?)
作品の撮影には学芸員が立合い、部屋の明かりを落として、それはそれは魅力的に、たっぷり時間をかけて撮影していただきました。
ここからは撮影現場で交わされた会話の一部を抜粋して紹介いたします。現場の雰囲気をお楽しみ下さい。
「あぁいいですねぇ、もう少し照明を落としてみましょうか」
「屏風であることがわかるように影・・・・いいですねぇ」
「このあたりでシャを入れましょう」「シャですね、用意します」 「家紋を入れてグーッと寄ってみてください」「・・・いいですねぇ」
立合いを終えた学芸員が申しておりました。「当たり前のことかもしれませんが、プロの方たちとのお仕事はやはり楽しいですね。専門集団と言いましょうか、それぞれの担当が阿吽の呼吸で自分のベストを尽くしているのがとてもいい。楽しかったです。」こちらもいい刺激になったようです(笑)。
さぁ、皆さん気になりますよね・・・?その番組、放送は??ズバリこちらっ!
【番組】NHKBSプレミアム・BS4K「英雄たちの選択 」
平安時代を壊した帝王 白河上皇 山法師との戦い
【初回放送】 令和5年5月24日(水)20:00~20:59
【再放送】 令和5年5月31日(水) 8:30~ 9:30
です。番組シリーズ見たことある~♡。ということで、 皆さまお見逃しなく♪
琵琶湖文化館屋上防水改修その他工事【完了しました】
本日の夕方、屋上防水改修その他工事のために設置されていた足場組が完全撤去され、約4カ月ぶりに、お城の姿に戻りました。工事中は足場組みのシートに囲われていたので、久々のご対面にちょっとドキドキ。皆さんの目には、どのように映りますか?巷では「ひこにゃん化」したと専らのウワサですが・・・やっぱり??
当館はお城の形をしていますが、文化財を守る収蔵施設として、このたびの工事で大屋根と4階部分の防水改修をさせていただきました。
「その他工事」では、当館のシンボルモニュメントとして屋根の上に設置されていた”大トンボ”を取り外し(〔写真集〕をご覧ください)、新たに避雷針を設置しました。パッと見た目にはそれと思しき「針(棒)」は見当たりませんが、よく見ると雷撃を受ける導体が屋根に沿って設置されています。
そうなんですよ・・・大トンボが居ない状態で久々のご対面。少し離れたところから見た方が「文化館、低くなったな」と言っておられましたが・・・ナルホドそうかも?
低くなった分、一抹の寂しさはありますが、私たちには「記録に残そう大作戦!」で皆さんに残していただいた数々の思い出写真がある!!明るい元気カラーとなった屋根を見て、そんなことも ちょこっと思い出していただければ幸いです。
当館のワンコが文庫本の表紙になりました! びよ?!
皆さんはペットと一緒に暮らしておられますか?一般社団法人ペットフード協会さんが実施された令和4年(2022年)の「全国犬猫飼育実態調査」によると、〔犬:705万3千頭〕 〔 猫:883万7千頭〕という結果なのだそうです。十年前まではワンちゃんの方が人気が高かったようですが、昨今の家庭事情などが影響し、近年ではネコちゃんが多く飼われているようです。ちょっと気になったので調べてみました。
とか何とか言いつつ、飼い主にとって「我が子(ペット)」が一番!」なのは、全人類共通!
ということで本日は、当館のワンコを、皆さんにたっぷり自慢させていただきます!♪!
こちらは、当館所蔵の近世絵画「狗子図」です。狗子(くし)は、
「狗=いぬ」の
「子=こ」
のことです。
かの有名な円山応挙(1733~95)が描いた作品で、収蔵品の中でも貸出や写真掲載の依頼が、とても多い作品です。
それがこのたび、文庫本の表紙を飾らせていただきました★♪。
どうです皆さん、本屋さんで思わず手に取ってみたくなる“可愛さ”です (親ばか♥♪)。
【タイトル】犬は「びよ」と鳴いていた
日本語は擬音語・擬態語が面白い
【著 者】山口仲美
【発 行】株式会社光文社
(光文社未来ライブラリー)
ワンコの可愛さもさることながら、本のタイトルも気になりますね~。犬は「ワン」と鳴くのでは??・・・その「?」の謎が解ける、日本語の面白さを紐解くこの文庫本は、5月20日より店頭に並ぶ予定です。
気になった方は、ぜひ本屋さんで 、手に取ってみてくださいね~。
「黄色の帯」をチラッとめくると、文化館の名前がホラここに・・・!
(くれぐれもご購入後にご確認ください(笑)。)
BIWA-TEKUで武将カードをゲットしよう!
皆さんGWのご予定はお決まりですか?家でゴロゴロ??そんなのもったいない!! どこかへお出かけしたいけれども、車で渋滞に巻き込まれるのはイヤ・・・。そんな方にうってつけのお楽しみがありますよ~。新緑の滋賀を電車に揺られながらゆったり旅気分♪てくてくウォーキングを楽しんで日頃の運動不足を解消♡頑張ったあなたにとっておきのご褒美が?!
滋賀県では、県内JR4駅の改札窓口で健康推進アプリBIWA-TEKU(ビワテク)をダウンロードして画面を提示した人に、「近江ゆかりの武将カード」をプレゼントする取り組みが、5月1日から始まります。
そうです。昨年話題になったあの「武将カード」です。ご好評♡につき再配布決定♪前回集め損ねた人にも再びチャンス到来♪です!
何故にそこまで「武将おし」?➡カードに使われている武将イラストを当館から提供しているから~♪♪♪近江の歴史・文化をこよなく愛する琵琶湖文化館の特別協力です★
ぜひ多くの方にこの武将カードをゲットしていただきたい!
カードの配布・プレゼントの条件は、
①配布期間中の当日に、JRの鉄道を利用して配布駅の改札窓口を訪れること。
②健康推進アプリBIWA-TEKUの画面を、配布駅の改札窓口で提示すること。
BIWA-TEKUはその場でダウンロードしてもOKだそうです。これなら気軽にチャレンジできます~♪
気を付けたいのは、駅によって配布される武将カードが異なること!これは集めなければっっっ!5月1日~31日の配布予定は、
※駅の改札窓口対応時間:9時~20時
※各駅500枚 (先着順 )
ちなみに皆さん、これらの武将が「近江にゆかり」であること、わかります??そのナゾも、カードを集めればスッキリ判明しますよ~。武将にゆかりのある土地や史跡も併せて紹介されています。ちょっとそこまで足を延ばしてみようかな ➡ 歩行距離が伸びる ➡ 健康増進につながる ➡ 素敵なチャレンジ☆ となります。
武将カードの配布は月毎に変わり、12月まで実施されます。楽しみが増えますね♪
BIWA-TEKUにはお城を含む数多くの探訪コースが登録されています。駅を基点にぜひいろいろなコースを訪ね歩いて健康づくり励んでみてはいかがでしょうか♪。詳しくは滋賀県のHPを要チェックです!
4月のHPアクセス数&大型連休のお出かけは・・・
新年度が始まって早1ヶ月、フレッシュな気持ちはそのままに、5月が始まりました。新緑が気持ちいですね。皆さんはいかがお過ごしですか?
近頃では、屋根の改修で足場シートが残る当館のことを「風雲た〇し城」と言っておられる方がいるとかいないとか・・・(泣)。ウワサの元となるこの足場組も5月中には取り外されますので、くれぐれもお間違えなく!!
さて、4月の文化館は、一つの展覧会が始まり、二つの展覧会が終わり、毎年恒例の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」受付がスタートするという、怒涛の幕開け(笑)。おかげさまでホームページへのアクセス数も、好調維持の2,942件のアクセスをいただきました。
このアクセス数調べ、とっても面白いのですよ。例えば「コヅチ」の受付が始まった4月25日を見てみると、この日はいつもより1.8倍位アクセス数が!皆さんの「お待ちかね度合い」がこんなところにも表れてます(笑)。こちらのテンションも上がります♪。
今年度の開催は、例年通りコラボしが21(大津市)をメイン会場に、オンライン配信によるサテライト会場での受講も可能です。5月24日の第1回は、彦根市稲枝公民館さんと、長浜市曳山博物館さんで受講できますので、皆さん奮ってご参加くださいね。
さてさて、新型コロナウィルス対策の緩和が進む中で迎える大型連休。これまでいっっっぱい我慢してきたのでそのご褒美に♡と(?!)、多くの方が楽しいお出掛けの予定を組まれているのではないでしょうか。各地で開催されるお祭りも「4年ぶりに復活」したとのニュースに心がザワつきます(笑)。
当館に文化財を寄託されている草津市の芦浦観音寺さまでも、コロナ以降春の特別一般公開を控えておられましたが、今年は5月4日・5日に開催するとのお知らせをいただきました。
外から見ると石垣と堀で囲まれた城郭のような外観ですが、中に入るとお庭も美しく、草津市の観光ボランティアガイド協会の皆さんがいろいろと案内してくださいます。
この特別公開に合わせて当館からは、滋賀県指定文化財の芦浦観音寺文書や槍、弓などを一時返却いたしました(寄託品のお里帰り)。中には鷹羽の矢・110本(!)も展示されます。会場でぜひご注目ください。
大型連休、皆さんめいいっっっぱい気分転換を楽しんでくださ~い♪♪