日別アーカイブ: 2023年5月25日
講座「花湖さんの打出のコヅチ」第1回 開催しました
「毎回参加してきた最大の最高のお話しでした。有り難う。」
「杉本哲郎氏と山元春挙のつながりを楽しく興味深く知ることができました。 」
「タイトル通りに人間的なあまりにも人間的な経緯が如実に語られてました。 」
「お話がわかりやすく感動しました。ありがとうございました。 」
「「春江」印から哲郎の心を読み解く研究、すばらしいと思いました。」
「なぞ解きの面白さ、杉本氏の心の動きがドラマの様に見ることができた。」
「 涙がでました。ありがとうございました。 」
いかがです皆さん?!これ、文化財講座に参加した方々の「ご感想」ですよ?!!この満足度の“高さ”が、当講座のウリでございます♪
ということで、5/24に開催した滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」、 今年もテンション“高め♪”に始まりました !第1回の講師を務めたのは県文化財保護課・井上優(琵琶湖文化館副館長兼務)、今回は「杉本哲郎壁画「舎利供養」に秘められた師・春挙への想い」というテーマでお話しさせていただきました。
こちらが、杉本哲郎 (1899~1985)氏が描いた「舎利供養」です。杉本は滋賀(大津)出身で、若くして山元春挙に弟子入りをし、15歳の時に「春江」の名を師から与えられました。しかしその後、春挙の門人団体・早苗会の幹部(兄弟子たち)と画法をめぐって対立、24歳の時に師の元を去り、「春江」の名を捨てて「哲郎」の名で活動します。一方で、「先生(春挙画伯)の真の後継者は僕」であるとインタビューに答えるなど、師に対する尊敬の念は晩年まで変わらずに持ち続けます。兄弟子たちとの確執は深まり、春挙の逝去に際して葬儀参列も阻まれる杉本。師に別れを告げられなかった深い悔恨、尊敬する師への敬意。その想いが50歳にして描き上げたこの巨大壁画に込められている・・・「杉本哲郎魂の傑作」と、講師は言います。
壁画は当初「来迎図」として、県庁の隣にあった産業文化館(旧武徳殿)の壁に描かれました。来迎とは、阿弥陀仏が諸菩薩とともに死者を迎えに来て、極楽浄土へと導くことを意味します。ですので本来、観音・勢至菩薩が立ち並ぶその間(中央)には阿弥陀如来が描かれるべきところ、本図は舎利塔が描かれています。更にはその真下に長らく使わなかった「春江」号の印。これは杉本が、「春挙の真の後継者として、師を鎮魂供養する画墓」とすることを意図したのではないか、と講師は推察します。それこそがこの壁画が描かれた真の意味だと・・・。
うぅ、皆さまドラマです(涙)。壮絶なドラマです!1時間半の講座があっという間で、講師が熱く語る言葉をとおして、画家・杉本哲郎の揺れ動く心を旅をしてきたかのような気分です。
参加された皆さんも同じ思いだった?それが冒頭にご紹介した「感想」に表れているのではないでしょうか?
このたびの講座、この大きな壁画の中のたった4cm四方に注目し、作者の深い想いを読み解いた講師の洞察力に、感想:「大満足」をあげてもいいですか?(笑)。熱弁お疲れさまでした!講師も語り尽くしてこの笑顔です(笑笑)。
さて、次回の講座は、
6/22(木)第2回「海北友松の事績と檜図について」
を開催します。更に!会場では『7/27(木)に特別講座』が予定されているとのアナウンスが・・!・・その内容とは?・・・➡【コチラをチェック!】!!