月別アーカイブ: 12月 2024
明智光秀寄進状 再発見!当館副館長が記者会見に臨みました!
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皆さま、もうご覧になっていただけましたよね?【速報】〜所在不明古文書の再発見〜を!!
大津市・聖衆来迎寺にて再発見された、明智光秀の寄進状。
当館が調査したところ、天正5年(1577)に坂本城主であった明智光秀が聖衆来迎寺に発給した古文書の貴重な原本であることが判明しました。昨日12月19日に滋賀県から発表されたこのニュースは、新聞やテレビを賑わせました!
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さて、この発表をしたときの記者会見の模様をご紹介したいと思います✨なんと14社もの新聞社やテレビ局が集まった会見では、寄進状の実物を前にして、井上副館長から30分ほどの概要説明。さらに10名近くの記者から質問があり、このニュースへの注目度の高さが感じられるものでした。
「昨年度の西郷隆盛書簡の再発見など、古文書の再発見が続くことを踏まえて、井上副館長はどんな思いか」という記者からの質問には、「古文書など文化財への興味を高めていただければ嬉しい。そして何か古そうなものがお家などから出てきたら、県や市町、博物館にご相談いただきたい」。文化財の保護を願う井上副館長のコメントが素敵でしたよ!
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その後は寄進状に近づいてのカメラ撮影(井上副館長も映りました!)。撮影中も、様々な質問が飛び交い、深くご取材いただけたのではないでしょうか?
寄進状は当館に寄託され、そして年明けには安土城考古博物館にて展示される予定です✨
「速報!! 再発見 明智光秀の寄進状!」
【会場】滋賀県立安土城考古博物館
(近江八幡市安土町下豊浦6678)
【会期】令和7年1月7日(火)~2月4日(火)
*休館日:月曜日
(月曜日が祝日・休日の場合は翌日)
【入館料】大人500円(400円)
大学生320円(260円)
*()内は20人以上の団体
安土城考古博物館は、1月から高校生の入館料が無料になります!ぜひお気軽にお越しくださいね~!
≪NHK大河ドラマ「光る君へ」と近江の文化財≫記事まとめ
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いや~、終わってしまいましたね、NHK大河ドラマ「光る君へ」。12月15日放送の最終回は、まひろの自由への旅立ちにくわえて武士の台頭を思わせるシーンで締めくくるという、壮大な時の流れを感じさせるものでした。
さて、「光る君へ」に近江の文化財関係が出てきた回は、毎回このあきつブログで記事にしてご紹介してきました。その数、な・なんと17回!!!これをまとめれば、紫式部や平安文学と近江の文化財の関係を概観できるかもしれません!?それではいってみましょう~!
20240220 打毬に胸キュン 20240226 琵琶湖の国で 20240408 来週の大河に 20240416 藤原道綱母も 20240513 紀行に当館も 20240520 舟、実は当館も 20240530 清少納言も 20240603 越前下向の旅路 20240624 越前から上京編 20240806 和泉式部も打出 20240902 源氏物語「桐壺」 20240909 当館源氏物語 20240930 紀行に登場! 20241016 大津祭・源氏山 20241111 横川の僧都 20241125 紀行に三井寺が 20241209 光る君へで打出
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おすすめ記事はたくさんありますが、中でも藤原道綱母も文化館の近くに来ていた!でしょうか。当館の掲示板をご覧いただいた方が、詳しい『蜻蛉日記』の内容についてお尋ねくださったこともありました。
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似たところでは、和泉式部も打出浜に来ていた!もオススメ。京と石山を二往復する童に思いを馳せてしまいます。
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当館収蔵品をご紹介した記事では、当館源氏物語画帖で楽しむ「帚木」と「空蝉」が変体仮名のお勉強もできるのでオススメです。ドラマを思い出しつつ、あきつブログもお楽しみいただければ幸いです♪
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来年のNHK大河ドラマは、蔦谷重三郎が主人公の「べらぼう」。江戸が舞台ということで、滋賀の文化財が登場することは少ない気がします ・・・が、これからも時機を逃さず滋賀の文化財の魅力をご紹介していきたいと思います!
文化館周辺の水鳥と館蔵品のご紹介
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12月のある日の朝、文化館の中池に、あまり見かけない水鳥が一羽・・・。
冬に中池に来る水鳥といえば、めっちゃいっぱいいるオオバン、こちらもいっぱいヒドリガモ、数は少ないけれども割といるマガモ、くらいでしょうか?
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文化館の周りでは、もう少し多くの種類の水鳥が冬を越しますが、あまり見かけないお顔です。特徴的なのは長くて平べったい嘴。中池の水草が浮いているあたりで、しきりにくちばしを水に潜らせながら、ごはんを食べているようです。どんどん食べて~!
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調べてみるとこの水鳥、ハシビロガモというカモ科の鳥のようです。ハシビロガモのオスは、緑光沢の頭(写真では分かりづらいです)、胸は白く、脇から腹は赤茶色。「嘴広鴨」という名前のとおり、他のカモ類より幅広のくちばしを持っており、プランクトンを漉し取って食べるそうです。どんどん、どんどん食べて、琵琶湖の美化に貢献を~!!!♪
さて、文化館の館蔵品から、水鳥をかたどった品をご紹介します。安土城考古博物館で開催した地域連携企画展「琵琶湖文化館の『博物誌』 浮城万華鏡の世界へ、ようこそ!」(令和3年2月~3月)でご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それがコチラ↓、うばが餅焼の香合です!
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ころっとしていて、かわいらしい水鳥を表していますよね!うばが餅焼きは、東海道と矢橋道の分岐点・矢倉村(草津市)にあった茶屋「うばがもちや」で、名物のうばがもちを載せて給仕するために焼かれたお皿がはじまりとして知られています。この水鳥、きっと琵琶湖の水鳥?くちばしが長いので、もしかしてハシビロガモ・カモ?うーん、ちょっとちがうカモ??
朝に一心不乱にごはんを食べていたハシビロガモは、おなか一杯になったのか、昼過ぎにはぐっすり寝ていました。起きたらまた、どんどん食べてってな!
「光る君へ」で打出のコヅチ≪仏像の基本≫を思い出す
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NHK大河ドラマ「光る君へ」。いよいよ最終回も目前ですね!12月8日放送回「哀しくとも」では、黒木華さん演じる源倫子が、吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)へ、穏やかなのにキョーレツなひと言を放ちドラマ終了…となる、視聴者を「ここにきてついに!?」と困惑&ワクワクさせたシーン、すごかったですね。。最終回までどうなるのか目が離せません!
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ドラマの視聴後、最終回の次回予告と「光る君へ紀行」を見ていると、「あれ…?これたしか、今年度の打出のコヅチで聞いたかも…?」。
次回予告では藤原道長らしき人が、丈六坐像らしき仏像の前で横たわるシーン。また、「光る君へ紀行」では、道長が土御門殿(つちみかどどの)の隣に建立したという法成寺(ほうじょうじ)の解説です。
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もう半年前になる6月に開催した、今年度第2回目の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」、和澄主任学芸員が講師となった「目からウロコの仏像の基本」(6/21付けブログ)。ここに道長による仏像造立の話がちょろっと出ていたのを、皆さん覚えていらっしゃいますか?
・・・講座を振り返ってみますと、上記リンク先のブログにもあるとおり、この講座で講師が最も伝えたかったことは・・・
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「仏像を造るとはどういうことか」、そもそも形のない「仏」は、
①「いつか」(時代)
②「誰かが」(願主)
③「何かのために」(願意)
④「誰かに」(仏師)
造らせなければ、「仏像」としてこの世にあらわれることがありません。
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ということからすると、この次回予告に登場した丈六仏は・・・、
① 平安時代中期に
② 藤原道長が
③ 極楽往生のため
④ 仏師・康尚(こうじょう)に
造らせた、という、≪仏像の基本≫が分かりやすくなっている事例なんですね✨
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当館の人気講座「花湖さんの打出のコヅチ」は勉強になりますね~(自画自賛💛)!打出のコヅチは、来年度🌟も引き続き開催する予定(🌟🌟)ですので、どうぞお楽しみに!