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滋賀の文化財講座『花湖さんの打出のコヅチ』第1回 ・・・なだけじゃない!

 5月21日水曜日、開催いたしました~本年度第1回目となる滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」!講座のメイン会場であるコラボしが21(大津市)3階大会議室には、事前にお申し込みをいただいた100名を超える方々がお集まりくださいました♪

 「ご無沙汰です!」「今年もご参加有り難うございます!」「お元気そうで何よりです!」毎年参加いただいている常連さんたちとの再会も嬉しく楽しく、受付でのやり取りにも気合が入ります💪(笑)。

 8割の常連さんと2割のご新規さんに支えられ、滋賀の文化財講座は開催18年目に突入🌟。毎年こんなに多くの方が受講される文化財講座って・・・ちょこっと自慢したくなります♪当館の『宝』の一つでゴザイマス💛。
 開催のご挨拶では、当館の大橋光広館長からも、皆さまへの感謝の言葉が述べられました。

 

 さて、待望の第1回を飾ったのはコヅチに久々に登場:古川史隆主幹(滋賀県文化財保護課兼琵琶湖文化館)です。「近江梵鐘紀行」と題し、私たちにとても身近な(?!)文化財が紹介されましたよ。

 今回の講座の主役:梵鐘(ぼんしょう・平たく言うと寺院にある釣鐘)について、講師は冒頭に「生きている文化財」「現地を訪ねてその空気感を味わえる文化財」と説明されました。そしてスクリーンに映し出された5つの画像。「予備知識なしでご覧ください」と・・・。皆さんどうでした?最初の印象は??・・・う~ん正直なトコロ何が違うのかがワカラナイ・・・そんな顔をされてましたネ(笑)。いえいえ、講座を最後までお聞きくださった皆さんなら、もうわかるハズ!あの地味~ぃなカネ・・・否々、見た目は同じように見える釣鐘ですが、形状や年代、技法、注目すべき龍頭や撞座、伝承の由来などなど、鐘が持っている情報量は(意外と)多い!そんなに違いが(特徴が)あったのかと、驚くばかりです。

 講師は過去に、県内にある国指定文化財、滋賀県指定有形文化財を除く137口の梵鐘について、4年の歳月をかけて調査をされています。(梵鐘は「口:コウ」と数えます。)
 指定文化財以外の梵鐘ということは・・・それこそ個々の特徴や他との“類似性”あるいは"相違点“など、事細かに調べあげた、その経験が、文化財技師としての今の自分を支えている・・・とも言っておられました。調査当時のエピソードやその知識の豊さ・深さは、「ちょっと寄り道」どころの話ではなかったですよね(講座を聴いていた人ならわかる「ちょっと寄り道」)。梵鐘に対して「地味」なんて思っていたことをオ許シクダサイ・・・。。。

 ここに、講師が最後に語った、まとめの言葉を紹介しておきます。

 梵鐘の調査をしていたとき、なぜこんなことをするのか、と聞かれたことがあります。確かに、生活に必須のものではないため、そのような疑問を抱かれるかもしれません。
 文化財は、過去の歴史や文化の証、人類が歩んできた道筋を、今に伝えるものであると思います。そこには、様々な価値観などが内包されています。文化財を守ることは、様々な価値観を認め合うことにつながり、ひいては差別や暴力などを無くすことにつながると思います。そうした社会の実現のために、私は文化財保護の仕事にまい進したいと思っています。

・・・よくぞ言ってくれました!これには運営スタッフ一同が、思わず感涙・嬉し泣き!!(笑)。これが私たちの『打出のコヅチ』です♪♪

 次回の講座は、6月18日「湖国の文化財建造物~新県指定と近年の保存修理状況~」についてのお話です。皆さま奮ってご参加ください🌟

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副館長がバラエティ番組に出演しました📺

 みなさま、ご覧になりましたか!?5月7日(火)に放送されたフジテレビ「世界の何だコレ!?ミステリーを!!!

 昭和12年9月に工事着手、昭和14年5月に竣工した、滋賀県庁。この滋賀の近代建築を代表する建物内の、執務室の壁紙が剥がれたところに、まるで屏風の下貼り文書のように「謎の古文書」が貼られているのが近年発見されました。

 今回、なんと上記の番組にてこれが取り上げられました!2時間番組の中ほど「気になる謎現場!直撃調査」にて、取材いただきましたよ~♪

 下貼り文書については、過去のブログでちょっとだけ触れているのでご覧いただければと思いますが、下地に使われていた反故紙です。屏風や襖と違って、滋賀県庁は鉄筋コンクリート造なので、こうした下地は不要のように思われます。番組に出ていた専門家の方も、「他に例を見ない」とのこと。本当に「何だコレ!?」ですね😲

番組内ではアンガールズ田中さんや専門家と一緒にみんなで文字の解読を試みました。

 さてさて、番組中では、当館の井上副館長と、文化財保護課の坪田主任技師が出演しました。終始アンガールズの田中さんにいじられながら、軽妙なトークを交えて取材が進められました。井上副館長、何かと小ネタが多すぎる!?とも思いましたが、85年以上前に建てられ現在も使われている滋賀県庁に、誰も解明していない謎が秘められているということ、そして文化財の守備範囲の広さとその面白さを分かっていただけたんじゃないでしょうか。

 身近な職員が出演しているからだと思いますが、何度も笑ってしまいました。あ~、面白かった!

 ・・・え?・・・ご覧になっていない方もいらっしゃる??大丈夫です!TVerで見られますよ!!!今のところ配信終了まで1週間以上ありますが、お早めにチェックしてくださいね。

 そしてさらに!この番組に出演した、坪田主任技師の打出のコヅチも控えています!6月18日(水)の回のテーマは「湖国の文化財建造物~新県指定と近年の保存修理状況~」ですが、撮影の裏話も聞けるかもしれません!?お申し込みはコチラからどうぞ♪

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琵琶湖文化館の定点観測(?)

(投稿:RKさん)

 こちらの写真、実は一般の方から3月にご投稿いただいた写真です。ご近所の皆さん、どこから撮った写真かわかります?・・・そう、場所は浜大津。新しい琵琶湖文化館の建設地で工事を進めるショベルカーに注目したしゃし・・・ん?
・・・違う!?・・・よぉく見ると、その向こうにはお城が、現文化館が映っているではありませんか!

 滋賀県のWebサイトでは、「新しい琵琶湖文化館定点観測」のコーナーで、工事の進捗過程を皆さんにご紹介していますが、この角度での定点観測はさすがにムズカシイ(笑)。ということで、私たちも知らなかった新たな“気付き“をいただきましたので、感謝の気持ちを込めて当館がご用意した“お返し写真”がコチラ🌟↓

あ、すみません・・・何かわからない?小さすぎました??改めてコチラ🌟🌟↓

  現文化館・お城の5階から撮影した工事現場の写真です~。いやぁ当館からも見えていたとは!うっかり気付きませんでした!(ほんの一部ですが☆彡)。

 

(投稿いただいた同じ角度で撮ってみました💛)

 ところで、新しい琵琶湖文化館の建設工事が、“今”どうなっているか?気になりますよね。現在は地中に杭を打ち込む基礎工事が進められています。

 オレンジ色の重機が基礎杭を吊り上げるクローラークレーン、黒いのが杭打機(パイルドライバ)です。見ていて飽きません(笑)。
 建物の土台となる重要な工程、毎日少しずつ場所を移動しながらしっかりと工事が進められています。

(建設地全体を撮影した)定点観測写真は随時更新しておりますので、ぜひこちらもご注目・お楽しみください♪〔滋賀県webサイトへリンク

 新たなお楽しみもできたところで、もう1枚写真をご紹介しましょう。

(投稿:RKさん)

 こちら、同じ方からご投稿いただいた写真。右下の方に確かに現文化館が写り込んでいますね。
 さて、ここでご近所さんに問題です。

「一体どこから撮影した写真でしょう・か?!」

 吊り行灯がとても印象的🌟「けまり」で有名な“あの”神社です。答え合わせは「琵琶湖文化館写真集」をご覧ください♪

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