日別アーカイブ: 2026年4月1日

桜の季節がやってきました🌸

 今年も桜の季節がやってきましたね🌸滋賀県にお花見スポットはたくさんありますが、中でも大津市・三井寺(園城寺)は古くから桜の名所として親しまれてきました。

 例えば、平安時代後期に成立した『千載和歌集』には、「さざなみや 志賀の都は 荒れにしを 昔ながらの 山桜かな」という歌が掲載されています。「昔ながらの 山桜かな」の「ながら」には「ながらの山」、すなわち三井寺の背後にあり、その山号でもある「長等山(ながらやま)」がかけられています。「志賀の都は荒廃してしまっても、長等山の桜は昔と変わらず美しく咲いていることだなあ」という意が込められている歌です。

 『平家物語』によれば、この歌は平家一門の武将・平忠度が詠んだものです。都落ちの最中、忠度は和歌の師匠である藤原俊成に自らが詠んだ歌を託します。忠度が一ノ谷の戦いで討ち死にした後、『千載和歌集』の撰者となった俊成は、朝敵となった忠度のこの和歌を、読み人知らずの歌として掲載したと言います。

 『平家物語』によってこのような話が伝えられたこともあり、江戸時代の三井寺は桜の名所として大変に賑わっていたようです。江戸中期に活躍した俳諧師・上島鬼貫は「花散りて また閑なり 園城寺」という句を残しています。普段は静かで穏やかな時が流れる三井寺(園城寺)。桜の季節になって、花見客で活気に満ち溢れる様子が想像されますね。

近江八景図屏風 吉田元陳筆(琵琶湖文化館蔵)

 当館の収蔵品にも三井寺の桜が描かれています✨こちらは江戸中期の鶴澤派の絵師・吉田元陳が描いた「近江八景図屏風」。琵琶湖周辺の景勝地・近江八景を一双の屏風に描いた作品です。

 このうち左隻には、満開の桜に包まれた三井寺の伽藍が描かれています。花見に来た客なのか、はたまた参拝客なのか、旅人姿の人物が見えますね。

歌川広重「近江八景」三井晩鐘
(複製/ 琵琶湖文化館蔵)

 

 この他にも、歌川広重が描いた浮世絵「三井晩鐘」など、三井寺を描く江戸時代以前の絵画作品には、しばしば桜の花が描かれます。今でも桜の名所として有名な三井寺ですが、当時から三井寺と言えば桜という印象が強かったことがうかがえます。 三井寺の桜はもうすぐ満開を迎えるとのこと。この週末はお出かけして、お花見を楽しんでみてはいかがでしょうか🌸🍡🍺

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