奇石マニア

最近、ちょっと気になる展示があります。それは、草津市立草津宿街道交流館で開催されている企画展「石亭を継ぐもの」(12月6日まで開催)。当館にも出陳依頼がありました。
木内石亭は、江戸時代、近江国滋賀郡下坂本村(現:大津市下阪本)の生まれで、後に母の生家である栗太郡北山田村(現:草津市)の木内家の養子となります。小さいころから「石」に興味を持ち、珍石、奇石、鉱石、化石などを収集、弄石家(石の愛好家)の間で指導的役割を果した人物です。その石亭が今年生誕290年、今回そのご縁で草津市での企画展が開催される運びとなりました。

奇石(変わった石)収集家として有名な石亭は、「石の長者」とも呼ばれており、かの有名な平賀源内とも交流があったそうです。でも僕がこの「奇石マニア」さんのコトを知ったのは、文化館の収蔵品紹介で「雲根志(うんこんし)」を紹介した時でした。江戸時代になんともマニアックで変わった人がいたものだと、ビックリだったことを覚えています。お山へザルを持ってトパーズを探しに行った僕にとっては師匠と呼べる人かも・・・学芸員さんの話では、石亭が集めた貴重な石たちは残念ながら散逸していまい、コレクションの全容を知ることは出来ないということですが、見たかったなぁ~という思いとともに、僕の記憶に石亭の名が刻まれたのでした。

20151113今回の展示では、「伝木内石亭収集奇石類」(栗東歴史民俗博物館蔵)が、彼が集めたであろうその一部が、展示されるそうです。・・・やっぱりちょっと気になります。。。

文化館へは、木内石亭書蹟「石」の出品依頼がありました。学芸員ではない僕は、個人さまから寄託されているこの書蹟がどのようなモノか知りませんでした。ですが今回!こちらのチラシの表紙に使っていただいたみたいです!コレですッ!

究極の石マニアが「石」と書いたその想い・・・是非会場で見てみたいと思います。皆さんも足を運んでみてはいかがですか?

   筆:あきつ

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工房お訪ね日記①

先日、文化財の修理を依頼している業者さんのところへ、学芸員さんと一緒に事務方代表として行って参りました。初めて見る修理工房にテンションが上がってしまい、自分でも「イチイチ素人の質問やな~」と分かってはいるのですが・・・いろいろと質問してしまいました。31お仕事中、さぞ煩わしかった事と思います。今思えば大変申し訳なく・・・でもここは気を取り直して!工房で仕入れてきた「あきつ豆知識」を皆さんにしっかりご紹介!させていただきます。。。

先ず目にしたのが、あろうことか霧吹きで濡らした和紙の上に、掛軸の表面が置かれて・・・(あきつ心の声)「ぎゃぁ!そんな事をしたら墨や絵の具がにじむじゃないですかーッ!」。(あまりの衝撃に絶句・・・写真を撮るのを忘れました・・・)その後も裏側から霧吹きで水をぷしゅぷしゅと・・・「マジですか。あかんでしょ・・・」と心の声はどこまでも疑心暗鬼だったのですが、専門家曰く、「ニカワが墨や絵の具に使われていて接着剤の役目をしているから大丈夫」なのだそうです。ホッ。なるほどです。だって小学校で絵を描いた時には、そんな秘密兵器なかったですもの。。。そうでした。絵の具からして違うのデシタ。。。

さてここで、「ニカワ」についてお勉強です。漢字で書くと「膠」。20151110-2こちらの工房で使われていたのは「鹿膠」で、状態を見ながら今回の場合は水に約2%の濃度で溶かして絵の具の剥落止めなどに使うとのことでした。重要な役目を担う膠も実はこんな魅惑の物体。琥珀のような色合いですが、動物の骨や皮、腱などを煮詰めて作られるとのこと。コラーゲンデスカ?会話の途中、頭の中では『ニカワ=煮皮』の漢字を思い浮かべてしまい・・・気持ち的に手を合わせてな~む~。。。ちなみに牛から作った「三千本膠」や「兎膠」というのもあるそうで、「シカ」より「ウサギ」の方が軟らかく、水に溶かす濃度も違うそうです・・・な~む~。。。

20151110修理工程では、裏からたっぷり水を吹きかけた後、裏打紙(肌裏紙)をピンセットと指先で器用に剥がしておられました(解装)。きれいに剥がれるものなのですね~イチイチ驚きです。実はこれには秘密があります。。。
あぁ!もっとご紹介したいのに、書くスペースに制限が・・・残念!ということで、こちらのお訪ね日記は、不定期に継続される予定デス。かなりもったいぶった連載となるかもです~(笑)。

   筆:あきつ

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仏さまのご帰還

皆さん覚えておいでですか?本年4月9日のブログ「文化館の存在意義」に書かせていただきました甲賀市からお預かりしている仏さま。無事、お寺の本堂の改修が完了したということで、お預かりしていた仏さまをお納めさせていただきました。

P1010759今回はお預かりしていた仏さまも付随する持物も多く、2日間に分けて搬出するので、先ずはその選別から始まります。どの仏さまから運ぶのか、トラックに乗せる順、お堂に納める順、各仏さまの持物の確認、段取りが命の「指令」が飛び交います。

P1010794文化財を移動させる際には実はとても天気が気になります。作業をした2日間はお陰様で秋晴れの良い天気。さすが「私は晴れ女」と豪語する日頃の行いのヨロシイ学芸員さんが付いておられましたからね(笑)、晴れて良かったです。お寺の駐車場から本堂まで距離があるので、天気が悪いと運ぶのが大変だと聞いていましたし、何より文化館のこの階段が・・・晴れていればこの正面玄関から運ぶのが一番!・・・「重いぞーチカラ入れろー!」「階段!前上げるぞー!」「斜めにするなー!」・・・なんだか文化館ならではの掛け声が混じっていますが・・・抜群のチームワークで難なくクリア。無事お寺さまに到着です。

DSC08741お預かりして約7ケ月、咲いた桜が見事な紅葉に変わるころまで・・・と申し上げていましたが、お寺さまにとってはご本尊がいらっしゃらないお盆やお彼岸を過ごされ、待ちに待ったご帰還であったことでしょう。トラックが到着すると、ご住職さまが鈴を鳴らし般若心経を唱えて仏さまをお迎えされた、とのことでした。地元の方たちも入れ代わり立ち代わり見に来られていたそうです。

DSC08927文化財の移動、それは失敗が許されないシビアな状況の中で、無事に届けて当たり前のお仕事・・・とは言え、こうして事故無く無事終えることができ、地元の皆さんに喜んでいただけた、それが何よりの励みにもなり、やり甲斐にも繋がっています(お留守番の僕もそう思っています)。

いつも皆さんのおそばに文化館・・・
頼りにされる存在でありたいと願っています。

   筆:あきつ

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県外初出品!

151030今から約160年前の1854年、日本はアメリカとの間に「日米和親条約」を結び、約200年続いた鎖国から開国することになります。ここから日本の近代史が始まります。
現在、幕末期から昭和時代にかけての日本の外交のあゆみを紹介する展覧会が茨城県立歴史館で開催されており、琵琶湖文化館収蔵の「大津事件関係資料」(滋賀県指定文化財)の中から、サーベル・木綿のハンカチ・「凶行者近傍配置巡査調書」が展示されています。これらの「大津事件関係資料」が県外で公開されるのは初めてです。

大津事件は歴史の教科書に記載されることもあり、また、学校の歴史の時間で習ったことがある方もおられるかと思います。「大津事件関係資料」については、HPなどでこれまでも紹介してきましたので(コチラ)、みなさんよくご存じかと思います。明治24年(1891)日本を訪れたロシアのニコライ皇太子を、警護にあたっていた津田三蔵巡査がサーベルで突然斬りつけた大津事件は、日本の司法権の独立を守った歴史事項として知られています。「大津事件関係資料」は当時の様子と、ニコライ皇太子を介抱した呉服屋永井家を巡り、事件後にロシアと日本との間で水面下で買収の駆け引きが行われたことが記録されているなど、近代政治史・外交史上貴重な資料です。
展覧会ではその他に、幕末から昭和時代にかけての条約を中心とした外交に関する貴重な史資料が展示されています。
現代に生きる私たちに直近の近代史、特にグローバル化が叫ばれる中、世界の中で日本がどのように歩んできたのかを知ることはとても大切ですね。ぜひ、みなさん、展覧会にお運びくださいませ。

展覧会:特別展 外務省外交史料館・茨城県立歴史館共催
「日本外交のあゆみ」
会 場:茨城県立歴史館
会 期:平成27年10月10日(土)~11月23日(日)

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ホームページ10月のアクセス数

20151102本日は朝から珍しく冷た~い雨が降っております。気温も低く、湖上に浮かぶが故の文化館の名物「足元の底冷え」が厳しい季節ともなってきました。しかしおかげで周辺の紅葉がすすみ『オータムイン打出浜』の景色も一段と鮮やかです。

皆さん大丈夫ですか?もう今年も残りあと2ケ月となりましたよ?月日が過ぎるのがとっても早く感じてしまうのは・・・そういうお年頃?否否、充実しているのでございます。必死過ぎて記憶がないのでございます。。。やっぱり歳のせいかなぁ・・・

ということで、淡い記憶を行きつ戻りつ、先月のホームページのアクセス数についてご報告です。驚くべき10月のアクセス数はなんと1,400件!出ましたピッタリ賞です!
アクセスの地域別トップ10は、大津、大阪、京都、名古屋、草津、港区、横浜、新宿、彦根、神戸となりました。一方で平均滞在時間の長い地域となると、こちらはやはり地元に愛されている文化館。大津、東近江、長浜、甲賀、野洲、高島と滋賀県内から強いご支持を頂いております。有り難い事でございます。

さて、10月のブログでは、文化館の近くにある井上敬之助氏の銅像について、ご紹介させていただきました。1週間に2本。しかも連続で。「どれだけ敬之助さんのこと好きやねんなぁ(笑)」と職場内で話していたのですが、ここ最近、変化というかその効果が表れ始めています。20151102-2
ホームページのあきつブログは、更新毎に館の前にある掲示板に貼り出されるのですが、明らかに足を止めて読み込んでおられる方が増えた!ような気がします。信号待ちをしている時に、ちょうど視界に入ってくるのですよね~敬之助氏の凛々しいお顔の写真が。銅像の前の道を毎日通っておられる方、あの銅造が一体誰なのか、ちょっぴり気になっていたでしょ?!

皆さんの「?」が「!」になるように、あきつブログ、お役に立てれば幸いです。

   筆:あきつ

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あの方の側にある石碑

前回のブログで紹介しました「あの方」:井上敬之助氏(元治2年3月(1865)~昭和2年(1927)享年63歳)。今回は井上氏の銅像の側にある石碑について紹介します。
石碑には次のように書かれています。

20151027-4彰徳表
井上敬之助翁は慶応元年甲賀郡石部村
に生れ若年にして政治に志し明治二十三
年自由党の傘下に走せ県会議員に当選同
議長に挙げられ地方自治体の健全強化に
貢献同三十五年以来衆議院議員に当選す
ること六回出でては立憲政友会領袖とし
て重きをなし専心国家憲政の伸展民主政
治の確立に尽瘁入りては同県支部長とし
て党を統べ官僚政治の是正民意の暢達に
努力県民のための県政を推進その功績は
政治史上燦として不滅に輝
翁資性剛毅果断大政治家の風格を備え
事に処するや公明正大身を持するや清廉
潔白名利栄達眼中に無く憂国の至誠烈々
全身全霊を政治に捧げ昭和二年八月十日
六十三年の政治的生涯を閉じらる以来三
十有七星霜景仰の念追慕の情今さらなが
ら切郷党並びに各界の賛同を得て翁の銅
像を建立もって崇髙な遺徳偉大な業績を
永遠に顕彰するゆえんである
昭和三十七年四月吉日

この銅像は井上氏が亡くなってから35年後に建立されましたが、碑文からは氏への尊敬の念と偉業を称える強い気持ちがうかがえます。

僕は悩みました。最初はこの石碑を写真に撮って、何が書かれているのかを簡単に要約して皆さんに紹介するつもり・・・だったのですが、パソコンで文章を入力している内に「アツイ・・・この文章アツイわ」と何かしら影響されてしまったのです。これはヘタに要約するよりもこのままの原文を皆さんに見て貰った方がいいと。皆さんも是非この碑文をじっくりと見てみて下さい。言い回しが独特でリズムが難しい部分もありますが、この文章を書いた方の井上氏に対する心酔しきった感というか、氏を仰ぎ見る感じが文面からヒシヒシと伝わってきます。後進から見た井上敬之助氏が、いかに大きな存在であったかがわかります。この碑文に込められたチカラを通して、この時代のパワーというかエネルギーが感じられる、そんな気がします。

20151027銅像の足元には湯呑みが2つ置いてあり、時々花が供えられているのを見かけます。お参りされているのは氏に所縁のある方でしょうか。亡くなられてから88年、氏は今も変わらず鋭い眼差しで琵琶湖を眺めておいでです。その眼に今の世の中はどのように映っているのでしょうね。

郷土の偉大な先輩に・・・敬礼!

   筆:あきつ

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あの方はどなた?

皆さんご存知でしょうか?文化館の近くに、とある人物の銅像が建っていることを。先日「あの方を調べています」と、文化館をお訪ねいただいた老紳士がいらっしゃいました。この機会に是非皆さんにも知っておいていただきたい「あの方」を紹介します。

20151027写真を撮って参りました。この方は明治時代の政治家:井上敬之助氏でいらっしゃいます。元治2年(1865)甲賀郡石部村(現:湖南市石部)に生まれ、若くして政治家への道を志して自由党の傘下に入り、明治23年(1890)には、板垣退助が再興した愛国公党に参加しました。明治25年(1892)、27歳の時には県会議員に当選、以降5回当選という経歴を持ち、地方自治の健全強化に大きく貢献ました。
明治31年(1898)に自由党と進歩党が合流し憲政党が結成されると同党滋賀支部常議員に、更には憲政党が明治33年(1900)に立憲政友会(総裁伊藤博文)と改称した際には、政友会滋賀支部の結成に多大な尽力をしたとも言われています。そして、明治35年(1902)には衆議院議員に初当選、翌年も再選を果たすなど、政治家として大きな功績を残しています。
官僚政治の是正や民意の反映に努め全身全霊を政治に捧げたその姿から、滋賀県政の大御所として「其当時県に知事が二人いる」と言われたほどで、明治後期から昭和初期にかけての滋賀県の政治家を語る上で、忘れることのできない人物でもあります。

銅像の建設にあたっては、滋賀県の初代民選知事であった服部岩吉氏が中心となって計画が進められ、彫刻家として有名な森 大造氏に制作が依頼されました。完成したのが昭和37年(1962)。文化館の開館が昭和36年ですから、その1年後にはもうこの場所にいらっしゃったことになります。制作当時、井上氏が亡くなってからすでに35年が経っており、一度も会ったことのない翁の像を作る命を受けた森氏は、かなりご苦労をなさった様子で、「資料を集めてもらつた所写真が二三枚という貧弱さであつたが、翁の性格なり風貌なりは服部氏の説明や20151027-6、当時各界の名士の感想文等を拝読して翁の偉大な広く重い人格を伺い知る事が出来た」と書籍「井上敬之助」の中で語っておられます(昭和37年4月発行)。森氏は、井上氏が生活しておられた石部町のお宅を訪ねて参考資料を見せて貰ったり、当時でもあまり見かけなくなったこのマントのような「フロックコート」をわざわざ借りてきて制作にあたるなど、井上氏の持っておられた個性の描写に力を注がれました。

その甲斐もあって、レトロな装いでありながら背筋をピンと伸ばして立つお姿は実に凛々しく、力強い眼差しからは断固たる決意とその人柄をうかがい知ることが出来ます。

なお、この銅像の側には井上氏を称える石碑が設置されています。コチラについてはまた次回ご紹介します~!

   筆:あきつ

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米原秘蔵の4ケ寺寺宝展2015

なんともソソられるタイトルの特別公開のお知らせです。
滋賀県米原市にある4ケ寺(大原観音寺・成菩提院・清瀧寺徳源院・蓮華寺)では、10/24(土)~11/15(日)の期間、各寺院の公開日に合わせて寺宝が特別公開されます。多くの文化財を所蔵されている寺院さんの寺宝展ですから、見応えたっぷりかと思われます!

軽く寺院の紹介をしておきますと、
〇大原観音寺(日本古寺百選):石田三成と豊臣秀吉の出会いの地。
鷹狩りで立ち寄った秀吉を三成が「三献の茶」でもてなした逸話が残る。
(公開は10/31.11/1.7.8の4日間のみ)
〇成菩提院:最澄が談議所を開いたのに始まりのちに比叡山延暦寺の別院となった古刹。
織田信長をはじめ、豊臣秀吉、小早川秀秋など数々の武将が宿営した。
(公開は10/24.25.31.11/1.3.7.8.14.15の9日間)
(※その上なんと!「11/21.22.23も特別公開します」とご住職から嬉しい情報が!※)
〇清瀧寺徳源院:中世、北近江を支配した京極氏の菩提寺。
34基の宝篋印塔が並ぶ京極家墓所は国の史跡。
(公開は10/31.11/1.3.7.8.14.15の7日間のみ)
〇蓮華寺:本尊は釈迦如来と阿弥陀如来の二尊。
「瞼の母」の「番場の忠太郎」の故郷として、忠太郎地蔵尊が建てられている。
(期間中毎日公開23日間)
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そもそもこの情報をゲットしたのは、文化館に寄託されている文化財がこの特別公開に併せて里帰りされたから・・・なのでございます。先日学芸員さんが、浄土曼荼羅図(重要文化財)と釈迦曼荼羅図を、お寺さまに届けて来られたのですが、特別公開を控えていろいろと忙しくご準備されていたそうですよ。紅葉シーズンにはまだ少し早いようですが、各寺院それぞれに趣きがありますので、これを機会に是非一度米原の地で「秘蔵」とのよい「お出会い」をして来て下さい。。。

注意すべきは公開日!各寺院さんによって公開日が異なりますので、スケジュール調整は念入りに・・・詳しくは米原観光協会さん(電話:0749-58-2227)にお問い合わせ下さいね。

   筆:あきつ

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文化館のRINPA!

仏像や絵画など、日本には世界に誇る多彩な芸術作品がありますが、これらの制作にあたっては様々な流儀があります。それが「流派」です。江戸時代に誕生した「琳派」もその一つです。
そもそも「琳派」って?ここから少しお勉強。
江戸時代の始めの京都に本阿弥光悦と俵屋宗達というスーパーアーティストが現れます。彼らはこれまでの形式にとらわれない新しい作風を確立し、当時経済力をつけてきた京の町衆から絶大な支持を得ます。光悦は「寛永の三筆」といわれるほどの書家であり、陶芸や漆芸などにも秀でた人で、宗達は京都建仁寺の国宝「風神雷神図屏風」を描いたことでも有名です。
そこから時代が下ること100年、彼らをリスペクトするアーティストが現れます。それが尾形光琳・乾山兄弟です。二人は京都の雁金屋という当時のハイファッションを生み出した高級呉服屋に生まれ、恵まれた環境の下、宗達のような画風を目指し、絵画にとどまらず陶芸・漆芸・衣裳などの分野で次々に新しいものを生み出し、やがて光琳風が流行するようになります。
そして、江戸時代後期にふたたび、光悦・宗達・光琳・乾山たちに熱い思いを寄せるアーティストが現れます。それが酒井抱一です。抱一は江戸で生まれ育った人でありながら、京都で活躍した宗達や光琳たちの芸術活動に傾倒します。そして抱一は、ついに光琳風を「琳派」という一つの美術のスタイルにまで高めます。
あきつその他江戸時代を通じてダイナミックに展開する「琳派」ですが、日本にとどまらず、ジャポニズムとして西洋美術にも影響を与え、また現在でも琳派のオマージュ作品が作られるなど、その人気と影響力は絶大です。
琳派は今年で誕生400年を迎えました。これを記念して、現在京都国立博物館や京都国立近代美術館をはじめとして、あちこちの美術館で琳派の展覧会が催されています。

ちなみに琵琶湖文化館でも酒井抱一の作品「扇面散花鳥図」を所蔵しています。詳しくはコチラをご覧くださいませ!抱一の洒脱さが伝わるイッピンです。

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歴史を極める

51秋晴れの良い天気が続いています。絶好のお出かけ日和だった先週の土曜日、当館の学芸員さんは湖北にある米原市柏原宿歴史館へ出張されていました。お仕事の内容は、その名も「歴史を極める」というお題の講演会。依頼をいただいた米原市教育委員会さんでは、「少しでも多くの方々に歴史に親しみ、かつ極めていただきたい」とシリーズ講座「歴史を極める」を毎年開催されており、今年度のテーマ「和紙を極める」の中で、当館の学芸員さんにもお声が掛かったのでした。

開催日が近づくにつれて、学芸員さんは各方面に電話で確認したり「モノ」の手配をしたりと、忙しそうな中にもその段取りにスキがなく・・・ん?・・・モノ?・・・お話しに行かれるのではナイノデスカ?

そう、今回の講演会、学芸員さんが用意されたのは、参加して楽しい『体験型』の講演会。テーマは「古文書の形-和綴じ本をつくろう-」です。身内ながらうまいなぁ~と思います。そう思いません?このタイトル。僕は先ず「古文書の形」のカタそうな雰囲気に腰が引けそうになってしまいましたが、それを「つくろう」なんてひらがなで呼びかけられた日には・・・はいハイはいッ!参加しま~す!となっちゃいませんか?(笑)

当日は、そんな素直な人たち(笑)・・・いえいえ勉強熱心な人たち約25名が、実際に文化財の修理などに使われる和紙と針・糸を使って、楽しく和綴じ本作りを体験されたのでした。

・・・いいなぁ・・・うらやましいなぁ。僕も参加したかったです!これって日記帳なんかも作れますよね?日々の出来事を筆でサラサラと・・・くーっ格好いい!・・・我が国最初のとんぼ文学『あきつ日記』が世に出る日も近いかと思われます。。。

あぁっでもその前に!習字のお稽古が必要デス!(泣)

   筆:あきつ

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「千年の美」つたえびと養成講座のご案内

今年度の滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」は9月をもって終了しましたが、まだまだ勉強したいと思っている方に朗報です!
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前年度に引き続き、滋賀県教育委員会事務局文化財保護課さんから『「千年の美」つたえびと養成講座』開催についてのお知らせが届きました。この講座は、滋賀県に伝承されてきた「千年の美」とも言うべき文化財(仏教美術、神道美術等)の魅力を学び、また受講者自らが「つたえびと」となって発信していただくことを目的とした講座です。
今年度は、仏教美術(彫刻)の研究者や仏像・仏画修理の技術者等を講師に迎え、計4回の開催が予定されています。

【内容・日程等】
第1回 近江路の観音像(仏教彫刻史特論1)
平成27年10月12日(月・祝)午後1:30~3:00
講師:高梨純次氏(MIHO MUSEUM参事 仏教美術史研究者)

第2回 仏像の修理
平成27年11月23日(月・祝)午後1:30~3:00
講師:高橋利明氏(楽浪文化財修理所代表 仏師)

第3回 近江の仏画の流れ(仏教絵画史総論)
平成27年12月19日(土)午後1:30~3:00
講師:古川史隆氏(滋賀県教育委員会事務局文化財保護課主査)

第4回 屏風・掛軸・巻子の形と構造-屏風をつくってみよう
平成28年2月14日(日)午後1:30~3:00
講師:佐味義之氏(株式会社坂田墨珠堂 文化財修理技術者)

【会  場】コラボしが21(大津市打出浜2-1)3階大会議室
【募集人員】各200名  *受講料無料、事前申込み制
【主  催】滋賀県教育委員会
【申込み先】滋賀県教育委員会事務局文化財保護課(美術工芸・民俗係)
       電話077-528-4672   FAX 077-528-4956
       〒520-8577 大津市京町四丁目1-1 メールアドレス ma07@pref.shiga.lg.jp

文化財ファンの方は必見ですね。第1回開催日まであまり日がありませんので、受講希望の方はお申込みをお早めに!

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ホームページ9月のアクセス数

巷では秋の匂い~金木犀のあま~い香りが鼻をくすぐります。車を運転していても、窓から入ってくる金木犀と無花果の匂いだけは何故かわかるあきつです。皆さん元気にお過ごしですか?

さぁ、今日も元気にホームページのアクセス数についてのご報告です。9月は1,611件のアクセスをいただきました!皆さまいつもご贔屓いただき有り難うございます~。

若干アクセスの伸び率が下降線をたどっておりますが、マイヤーガーデン滋賀特別展が終了し、海外からのアクセスが減少した事と、滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」が終了した事が影響しているかと分析致します。・・・大丈夫ダイジョウブ。休館中という現状ではイタ仕方ない。。。しかし!平均サイト滞在時間は、ググンと伸びて約2倍!むしろ前向きに、皆さんとのコミュニケーションツール、これからのホームページ運営が大切であると心得ます。皆さんどうぞお付き合い下さいませ。

検索キーワードでは、おやおや?人のお名前が上がってますね。一人は西川吉輔。幕末維新期を駆け抜けた近江八幡出身の勤王家です。先日、とある新聞の「おうみ歴史人物伝」というコーナーに紹介されていましたから、これがヒットに繋がっているのかもしれません。当館のホームページ収蔵品紹介:書跡・典籍部門には、情熱的なその人柄も知りえるような『西川吉輔の書簡』231紹介していますので、是非こちらも参考になさって下さいね。

他には・・・何故か当館の学芸員さんのお名前が・・・9月の「打出のコヅチ」で講師を務めさせていただきましたからね。シリアス&ユーモアを併せ持つ頼りになる学芸員さんですヨ?!

さてさて、10月はどんな月になるのやら。楽しみです!

   筆:あきつ

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思い出を語る会

去る日曜日、懐かしい方々と久々の再会を果たして参りました。それは、文化館の心強い応援団「琵琶湖文化館友の会」の皆さんです。「琵琶湖文化館友の会の思い出を語る会」と題した今回の催しは、「お世話になった事務局の人にお礼をしたい」という有志の方々からお声かけをいただき(いえいえ楽しませていただいたのは私たちの方です)、解散から約7ヶ月の寂しい期間もなんのその、変わらぬ笑顔で29名の方々と楽しい時間を過ごさせていただきました。

20150927-3先ず会場に入って目に付いたのが、各席に置いてあったコロンと可愛い物体デス。それはナント渋柿。自身の葉っぱをお皿代わりにちょこんと座したその姿が超らぶり~。渋柿にこんな愛くるしい一面があるなんて・・・食べられなくても、それだけで会話が弾みます。その存在感が素晴らしい!
こんなさり気ないおもてなしを用意して下さったのは、受付を買って出て下さったお母さん方です。自然の恵みを日常にさらりと取り込んで楽しめる、ステキでしょ?!何よりこの日を楽しみに準備して下さっていた感が、とても有り難かったです。

さて、会の方はと申しますと、冒頭に「マイヤーガーデン滋賀特別展」の報告と琵琶湖文化館の近況について、当館の学芸員からお話しさせていただきました。期間中の入館者数が38万人を超えたことを報告すると、皆さんの口からどよめきが・・・「立派なもんや」「すごいことやな」と感心しきりでした。こちらとしては、38万人の凄さを瞬時に理解された皆さんの「感度」の方が驚きで(笑)、さすが琵琶湖文化館友の会の皆さんでございます。また、現地入館者の感想や国際交流が深まったことなどをお話しすると、我がことの様に喜んで下さって、この展覧会が無事成功して良かったなと、改めて実感した次第です。ほんと皆さん聞き上手、喜ばせ上手なんですからッ!

その後、記念撮影をしてお食事をしながらしばしのご歓談タイムです。あちらこちらから聞こえる笑い声は、会わなかったブランクを微塵も感じさせない和やかな雰囲気で、ココはまさかの一泊二日「友の会バス見学会の宴会場?」と錯覚したほどです。ほんとに皆さんお変わりなく、恒例の「自慢ののど」を披露していただいたり、とても元気な会員さんの「アタマとカラダの老化防止体操」(?)を伝授していただいたり(笑)と、和気あいあいとした雰囲気で会場は盛り上がりました。ほんとにいつでもパワーを貰える人たちです。20150927-4

 また、元事務局にはお花までいただきました・・・お礼をしないといけないのは僕たちの方なのに。。。「忙しくて世話するのは大変だろうから手間のかからない花を選んでおいた」と、とっても有り難いご配慮も・・・この夏、外に置いていた鉢植えを枯らしてしまった事バレてます?このお花は、室内で栽培できるそうなので、あきつ君と一緒にお客様のお出迎えをしていただくことになりました。色気ない職場に×××否!彩りの少ない職場に冬までキレイな花を咲かせてくれそうです。心あたたまるお心遣い、有り難うございます。大切に育てさせていただきます。

そんな楽しい時間もあっという間、最後には「ガンバロー!」と右手コブシを突き上げて、皆で更なる発展を誓い合ったのでした。本当に楽しい時間を有難うございました。心より感謝申し上げます。

20150927-1さぁそこで!楽しい時間とあたたかい気持ちを下さいました皆さまに、何ができるかと悩みまくりの帰り道々。ふと見やると、近江の厳島(いつくしま)とも呼ばれる白髭神社の大鳥居がライトアップされていました。
そこでちょっと寄り道、皆みな様の延命長寿・縁結び・子授け・開運招福・学業成就・交通女全・航海安全など、一切合切を20150927-2「導きの神」にお願いして参りました。
・・・勝手を申しますが、何卒皆さまにご利益が届きますように、切にお頼み申しマス。。。

折しも時は中秋の名月。これまた秋の名物うろこ雲、その隙間からのぞくまん丸い月が、何だかとても満ち足りた気持ちにさせてくれました。(9月27日)

   筆:あきつ

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琵琶湖の絵

皆さん覚えておいでですか?文化館のHPを検索するキーワードで『琵琶湖の絵』という言葉がヒットしている・・・と報告した事(9月1日のブログ)。僕は、「地元を愛するがゆえに滋賀の歴史を探究したいという、アダルトな想いから生まれた検索キーワード」と分析しました。これには身内からも「???ワカラナイ???何の事?」と質問されましたが・・・。

よ~く考えて下さい『琵琶湖の絵』ですよ?文化館の所蔵品で・・・あるでしょ?ほらほら・・・思い出して。。。おそらく文化館の近世絵画部門で、他館への貸出回数ベスト10に入る人気者(推定きっと多分)、歴史的にも意義深いあの絵ですよ?ギブアップ?

文化館で「琵琶湖」の看板背負っているのは、円山応震筆の『琵琶湖図』!これでしょ!皆さんが探しているのは?!間違いないでしょ!!

え~っと、詳しくは収蔵品紹介:絵画部門の『琵琶湖図』を見ていただければと思いますが、画面中央に大きく琵琶湖を描き、その湖岸を如何にも異国風の人々が大行列をなす、そう、この絵には江戸時代の朝鮮通信使の様子が描かれているのです。それがこの絵を「超有名にしている」と当館の学芸員さんは言っておられます。

20150926-1今回もそのご縁で、とある展覧会に出張中です。その展覧会は「朝鮮通信使ユネスコ記憶遺産登録推進事業 雨森芳洲と朝鮮通信使~未来を照らす交流の遺産~」。滋賀県の北部にある長浜市で、高月観音の里歴史民俗資料館と長浜城歴史博物館の2会場で同時開催されています。10月17日には記念シンポジウムも予定されているそうですから、滋賀の歴史を探究したい皆さんの欲求も満たされるのでないでしょうか。湖北の秋は散策にもぴったりです。是非お出かけ下さい。

20150926-2偶然もう1枚のチラシが目に付きました。こちらは名古屋市の蓬左文庫(徳川美術館)で開催中の「日韓国交正常化50周年記念 豊かなる朝鮮王朝の文化-交流の遺産-」展です。

なんだか今年は朝鮮通信使がアツイです。

   筆:あきつ

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滋賀の文化財講座「打出の裏コヅチ」

皆さん先日の文化財講座、ご参加いただきましたか?残念ながら参加出来なかったという方のために、ご用意しましたよ。「ぷっ」と笑える復習教材「裏コヅチ」!
僕、9月3日のブログでキーワードは「ニジョウジョウ」と「アサクサ」といいましたが、皆さん覚えていますか?種明かしをしておきますね。

えぇっと、「見立絵」というのはですね~、うーん説明するのが難しい・・・いろいろあるんです。例えば連想ゲームによく似ていて、何かを想像させることで結果オーライとするもの。タコさんウィンナーが良い例です。ちょっとひねりを利かせたシャレというかダジャレというか。。。

それでは皆さん、問題です。下の絵は一体何を表しているのでしょう・・・か???
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左)『江戸名所はんじもの』より:「あ」の人が「さ」っとオナラをして隣の人が一言。
・・・地名です。
右)『勝手道具はんじもの』より:「頬」に「蝶々」がとまると?
・・・よく切れます。

わっかるっかなぁ~♪これを浮世絵で有名な歌川一派の一人(歌川重宣:2代目歌川広重)が描いたとなれば、「ほんまかいな~」と笑えるやら呆れてしまうやら。。。絵解き謎解きは、当時の庶民の娯楽ですね。20150918

ちなみに「ニジョウジョウ」は、現代の作家さんが洛中洛外図に見立てて、「畳が二畳」で二条城、「(囲)碁所」は御所、「本の牛」で本能寺など、ダジャレ満載に京都の名所を描いた作品・・・の紹介でした。ん?何だか文字だけだと面白くな・・・い?現代の作家さんも、頑張って「笑いのDNA」を受け継いでおられるのです。

ならば僕も有名な作品に見立てましょう。これはダジャレではありません。「見立て」という「パロディ」です。「見立て」なら『国宝』にだってなれちゃうのです。
あぁ~不思議な見立ての世界~僕もいつかは国宝級~・・・歴史に名を刻むトンボでありたい・・・と願っています。・・・イヒッ。
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   筆:あきつ

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滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」⑤

先週、今年度最後の「打出のコヅチ」(第5回)が開催されました。前日は台風18号の影響で県内各域に気象警報が発令され、あわや中止か?と一時開催が危ぶまれましたが、何とか予定通りに開催することができました。最終回にふさわしく、93名もの方にご参加いただきました。
そして今年度は計5回の講座を実施し、参加者は延べ425名でした。ご参加下さいました皆さま、本当にありがとうございました。
20150915-2今回は当館の上野良信学芸員が「見立絵 ― 江戸絵画の楽しみ方 ―」と題し、江戸時代に流行した「見立絵」の世界について同時代の作品はもとより、そのDNAを受け継いだ現代の作品についても、詳しく解説いたしました。
琵琶湖文化館というと「仏教美術の宝庫」といったイメージが先行しがちですが、実は江戸絵画の名品も数多く収蔵しており、他館でも頻繁に展示公開しています(詳しくはコチラ)。
そのなかでも今回は、見立絵(歴史的事象や人物を当時の人々に親しみやすく、かつ連想ゲームのように知的な趣向を凝らした絵)の作品(「友禅蹴鞠図」、「業平東下り図」など)を取り上げ、関係する題材や類例の作品を紹介しつつ、一種の「謎解き」を参加者の皆さんと楽しみながら、丁寧に解説されました。
20150915特に見立絵の一種である「判じ物」(文字や絵にある意味を隠しておき、連想させる作品)の解説では、その答えに時折笑いが起きるなど終始和やかなムードでした。

なお、今年度の「打出のコヅチ」はこれで最後ですが、県教育委員会文化財保護課では前年度に引き続き「「千年の美」つたえびと養成講座」の開催を予定してるとのことです。詳細がわかり次第、当ブログでも告知させていただきます。お見逃しなく!!

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友好の鍵

245 先日のブログで、マイヤー展終了の報告が担当学芸員さんからありました(コチラ)。担当学芸員さんは、8月16日のマイヤー展の閉幕に合わせて、撤収作業のためにミシガン州に出向き、帰国後も作品の点検・返却作業をされ、9月の初旬にようやく作業がひと段落されました。1つの展覧会を開催するのに3年もの時間をかけて行われたこと、展覧会の閉幕が終わりではなく、無事に作品が返却されるまでが大切なことがよくわかります。体力・気力ともにハンパありません。本当にお疲れ様でした!そしてマイヤー展の入場者数を聞いて、その数の多さに館員一同驚くとともに、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

さて、以前のブログで、ミシガン州の大学から滋賀県に贈られた感謝状と、滋賀県とミシガン州の交流の歴史についてご紹介しましたが(コチラ)、琵琶湖文化館にはまだまだ交流を物語るモノが遺されています。

それが「友好の鍵」です。古い順に1594
・1969年 ランシング市から大津市
・1969年 アナーバー市から彦根市
・1976年 バーミングァム市から栗東町
・1976年 ポンティアク市から草津市
の4つの「鍵」が遺されています。ミシガン州と滋賀県の交流が開始されたのが、1968年ですので、47年間も続く友好交流の始まりの頃を物語る品々となります。

ところで、なぜ友好都市の印となる贈り物が「鍵」なのでしょう。それは、ヨーロッパの中世都市に起源があります。中世都市の多くは、外敵の侵入から住人をまもるため、都市の周りに塀をめぐらせた城塞都市が主流でした。入口は城門で固く閉ざされており、門を開けるための鍵は都市の人々の命を守る大変大切なものでした。そのため鍵はその都市象徴するものとなりました。ここから都市と都市をつなぐ友好の印として「鍵」が贈られるようになったのです。

文化館にある4つの「友好の鍵」を見ていると、1つ1つの交流がつながって、今回の展覧会へと実を結び、広くミシガンの皆さんに近江の美・日本の美を知っていただくことができたのだとあらためて思いました。
そして今回の展覧会が次への友好交流の礎となることを願ってやみません。

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打出のコヅチ、予定通り開催します!

9日昼現在、台風第18号が滋賀に一番近いところを北北西に移動中・・・今夜には温帯低気圧に変わり日本海に抜ける見込みです。

そんなことで皆さん、「明日のコヅチは?」「開催されるの?」とご心配のことかと思いますが・・・大丈夫です!予定通り開催します!

明日10日の滋賀の天気は、湿った空気の影響で雲が広がり、雨が降るところがある見込み・・・28ただ、台風の影響で交通機関の乱れなどが発生するかもしれませんので、最新情報を確認し、念のため時間に余裕を持って会場へお越しくださいね。

それでは明日、今年度最後の滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」開催!皆さまのお越しを会場でお待ちしていま~す!

   筆:あきつ

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マイヤー展終了!!

IMG_2791 滋賀県とアメリカ・ミシガン州が姉妹州県であることが契機となってフレデリックマイヤーガーデン&スカルプチャーパークで開催されていた滋賀特別展「Splendors of Shiga:Treasures from Japan」が終了し、貸し出されていた作品もすべてが無事にそれぞれの所有者のもとへ帰ってきました。私たちは作品を安全に輸送するため、可能な限りの知識と技術を総動員して万全の対策をとっています。ですが、帰ってきた作品の梱包が開かれる瞬間は、学芸員としてもっとも緊張する場面の一つであり、無事を確認すると心からホッとします。

今回の展覧会の入館者数は、386,555人でした。開催日数は199日だったので、平均すると1日あたり2,000人が会場を訪れてくださったことになります。仏像や着物、信楽焼など滋賀を代表する美術品をご覧になった方からの反応はとても良く、中には「6回来たよ!」という方もおられました。カナダからわざわざ来られた方もいらっしゃったようです。そして、滋賀から見に行かれた方も。

IMG_2379 文化館がこのプロジェクトに関わるようになったのは、3年前。マイヤーガーデンが滋賀の美術品を紹介する展覧会の開催を希望しており、実施の可能性を探るところからのスタートでした。どのような美術館なのかを知るために視察に行き、展覧会の開催準備を進めてきました。お互いの考え方やルールの違いに直面することもありましたが、両国の関係者が歩み寄りながら実現した展覧会でした。

IMG_2710 展覧会最終日に出会ったある女性は、「とても素晴らしい展覧会で、本当に話題になった。展覧会が始まる前までは滋賀を知る人はほとんどいなかったが、今ではみんなが知っているよ。」と、どれだけ強いインパクトがあった展覧会かを興奮気味に話しておられました。展覧会は終わってしまえば形は残りませんが、この女性のように多くの人々の心にこの展覧会の感動が残り、それが美術を通じての新たな国際交流の芽となり再び花を咲かせることができたなら、それは素晴らしいことだと思います。

多くの関係者のみなさま、そして展覧会をご覧いただいたすべてのみなさんに感謝です。

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申込みはお済みですか?第5回

皆さん、もう申込みはお済みですか?10日(木)は滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」開催日です。今年度最終となる今回は、「見立絵(みたてえ)-江戸絵画の楽しみ方-」と題し、当館の学芸員が講師を務めさせていただきます。
皆さん、「見立?」「江戸絵画?」「何?」と難しく考えたりする必要はありません。『見立て』は実は私たちの生活の中にシャラランと取り込まれています。ダジャレが好きな方なら尚のこと・・・

今回はスライドをたくさん見ていただく予定となっております。「喋る時間が足りんかも・・・」という講師のボソっとしたつぶやきに「何なに?何喋らはるんですかぁ?」と聞いてしまった僕らも悪い。。。「コレはこんな意味」「じゃぁコッチは何に見える?」と小半時ほど、お先に講義の予習をさせていただきました。その内容は何故か笑いがいっぱい!真面目に何を考えていたの江戸時代の絵師さん達は(笑)!って。。。そりゃ弥次さん喜多さんも「珍」道中にもなります(笑)。今回の江戸絵画はコメディ満載です。
笑いばかりではなく、キリッと豆知識・教養を高めたいと思っておられる方、ご安心を。マジメ部門は、文化館の館蔵品の中からキッチリ紹介させていただきますので!

今回講師を務められる学芸員さんは、近世絵画や仏教絵画が専門で、よくその分野でお話をされています。ともすれば難しくなるお話を、いつも穏やかな口調で解りやすく267喋ってくださるベテラン学芸員さんです・・・いやいや、僕がそう思っていただけで、実はそれは世を忍ぶ仮の姿・・・だったのかも知れません。。。今回の講座でこの印象がガラリと変わるカモ?ですよ~・・・必見です!
会場では「クスッ」とした笑いではなく「プッ」とした笑いをお届けできる?・・・かな?!キーワードは『ニジョウジョウ』と『アサクサ』です。ご期待下さい。

皆さん、ちょっと参加してみたくなりましたか?日々の生活に「見立て」を取り入れて、「人生に潤い」を感じるようになっていただけたら、講座としては大成功?!皆さまのご参加を心からお待ちしております!

   筆:あきつ

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ホームページ8月のアクセス数

ホームページのアクセス数について、8月はナント!・・・2,000件を割ってしまいました。しょぼん。。。皆さんも夏バテですか・・・?
それでも!1,978件のアクセスをいただいております!感謝感謝でございます。

アクセスが5件以下の“レア”な検索キーワードを見てみると、季節の特色がよく表れています。「琵琶湖の絵」「琵琶湖 トンボ」「ズナガニゴイ」・・・あー・・・夏休みの宿題ですかね(笑)。琵琶湖文化館は開館当時、水族館としても親しまれていたので、研究紀要には水族部門の研究成果が載っていたりします。中には「ウマビル 食性」で検索され、当館HPに辿り着かれた方も・・・ここここれって、ビル?=ヒル?もしかして血を吸う??同じように検索をかけてみると、確かに当館の研究紀要第5号に辿り着きます。諸先輩方の研究成果です。あぁでもごめんなさい。「文字」で見ることは出来ても「画像」をクリックする勇気が僕にはない・・・意気地なしをお許し下サイ。。。
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ちなみに、文化館にあった水族部門は、平成8年に滋賀県立琵琶湖博物館(草津市)がオープンした際に、お魚も専門学芸員さんたちも丸ゴト移転されております。
ちなみにちなみに、それより前の昭和59年には、滋賀県立近代美術館(大津市)の開館に伴い、館蔵の近代絵画が多数移管されています。
ちなみに×3、平成4年の滋賀県立安土城考古博物館(近江八幡市)の開館の際には、考古資料が移されています。

ふふふ、あきつ、近ごろ、文化館のコト、勉強しているのデスヨ。

それにしても文化館が担ってきたもの(分野)は、なんと幅広く。。。時代とともに設置が求められてきたテーマ館。その度に巣立っていった各分野の若い学芸員さん達は、巣立った先でベテランさんとなって、今でもご活躍のことでしょう。中にはもうOBさんになられた方も・・・開館から54年ですもの。人にも歴史ありです。あぁ、なんだか感傷的な気分です・・・秋ですから。。。
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むむむっ!今気づきました!検索キーワードの「琵琶湖の絵」。これは夏休みの課題キーワードではないですね?!地元を愛するが故に滋賀の歴史を探究したいという、アダルトな想いから生まれた検索キーワードですね?!あきつ分かりましたよ~!よし!まだまだやれることはある!
ということで、皆さんへの答え合わせはまた後日!お楽しみに~

   筆:あきつ

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滋賀特別展 裏話

8月16日、米国ミシガン州で開催されていたマイヤーガーデン滋賀特別展「Splendors of Shiga」が、好評のうちに無事終了致しました。それに伴い、当館の学芸員さんをはじめ関係者方々が、出品作品のお迎えにアメリカに出張されていました。それも25日には、無事滋賀に戻って来られ、お留守番をしていた僕たちも語られる土産話で盛り上がっているところです。

しかし・・・僕が最初に言った言葉が「お帰りなさい!セミは鳴いてましたか?!」だったなんて、苦労して帰って来られた学芸員さんに、今思えばなんと失礼な事か・・・つい8月3日のブログに書いていたことが気になっちゃって(笑)。皆さんも気になり・・・ますよね?・・・結果、、、鳴いていたそうです!違う種類が!学芸員さんは現地で「なんでこんなにセミの鳴き声が気になるのやろう」と不思議に思っておられたそうですが・・・イヒッ・・・それは僕の仕業です。

泊まったホテルではこんな素敵な出会いもあったそうです。20150828それがコレ!トンボが茎に留まっています!クリップ型のトンボが花のアレンジをお手伝いしているのです!うふん、どこへ行っても働き者~(笑)。最初学芸員さんは、トンボのお城:文化館から来た自分のために用意されたまさかの粋な計らい?!と感激されたそうですが、後から聞けば他の皆の部屋にもトンボクリップはあったらしいです(笑)。偶然でも嬉し素晴らし!有り難う!
お食事はやっぱりどこへ行ってもアメリカサイズ!山盛りのサラダだけでもお腹が満たされると言っておられました。また、博物館から空港へは作品をトラック2台に積み込んで、伴走車とともに長距離を移動をされたそうですが、このトラックの運転手さんが、これまたアメリカサイズなご夫婦で・・・マッチョムキムキ、それはそれは頼もしかったと言っておられました(笑)。有り難いこと!

他にも、「名付け」がうまいしっかり者の女性学芸員さんや、ダンディなムードメーカーのベテラン学芸員さん、そして鉄壁の仕事をこなして下さった運送のスペシャリストさん達、また各方面への段取りと調整を完璧にしていただいた滋賀県職員の方々、更には海外での展示を快く承諾して下さった所有者の方々、何よりマイヤーガーデンでお世話になった現地スタッフの皆さん。本当に多くの方々と関わり合い、助けていただいた展覧会でありました。有り難うございました。
今回のお仕事は、お互いを苗字ではなくファーストネームで呼び合うなど、日本では有り得ない空気感で、とてもいいチームワークで、達成することが出来たみたいです。「楽しかった」とウチの学芸員さんは言っておられます。

普段は各専門分野で特色を出している県立施設ですが、枠を超えた展覧会で活躍される皆さんのそのお姿を間近に見ることが出来た、それが僕にはとっても嬉しかったです。。。
滋賀の文化、芸術、美術作品、まだまだ『魅せ』ドコロは限りなく、266今後もこのような展覧会が世界で開催できればいいなぁと、思います。
これからコレカラ!滋賀の魅力をどこまでも↗↗↗

   筆:あきつ

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滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」④

先週、今年度4回目となる滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」が開催されました。今年のコヅチはなかなかお天気に恵まれないのですが、それでも当日85名の方にご参加いただきました。誠にありがとうございました。
20150821-2今回は、県教委文化財保護課美術工芸担当の古川史隆氏より「山から下りた梵鐘 ― 菅山寺梵鐘の移動と保存修理 ― 」と題し、長浜市余呉町坂口に所在する管山寺の梵鐘(重要文化財)について、平成26年度に行った修理に伴う大規模な移動と保存修理の内容についてお話がありました。
菅山寺は湖北大箕山の山中にあり、中世末の菅山寺縁起によれば、最盛期には3院49坊を擁する大寺院として、大いに栄えたといいます。また徳川家と所縁の深い増上寺(東京都港区)に伝わる「宋版一切経」(重要文化財)は、元々菅山寺に収蔵されていたもので、徳川家康の求めに応じて、増上寺に寄進されました。
そんな菅山寺伝来の梵鐘は、在銘のある梵鐘としては県内で二番目に古いものです(ちなみに一番古いのは同じく長浜市に所在する日吉神社の梵鐘)。製作年と製作者が明らかな基準作例として、大変貴重なものです。
265今回はこの梵鐘の修理について、特に重量356㎏もある梵鐘をいかにして山寺から運び出したか、その点を中心に多くのスライド画像を交えてお話しされました。前述のごとく、菅山寺は山深い場所にあり、当初はヘリコプターで運び出すとの案もあったようですが、最終的には険しい陸路を地道に輸送することに。梵鐘を専用のキャリアダンプに載せて、舗装されていない急斜面の山道をゆっくりと慎重に。
終了後のアンケートには「文化財保護の具体的な様子が今日の話でよくわかった。」、「保存活動の実態がわかった」といったご意見が多数あり、本講座が文化財保護をより身近に感じていただける機会になったといえるのではないしょうか。
さて、次回はいよいよ最終回。「見立絵 ― 江戸絵画の楽しみ方 ―」(9月10日)と題し、当館の上野良信学芸員が収蔵品を中心にお話しいたします。引き続き皆さまのご来場、心よりお待ちしております。

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文化財里帰り

朝晩すこぉ~し涼しくなりましたか?とは言え、世間様はお盆休み真っ盛り。故郷へ帰ってゆっくりまったりされている方も多いのではないでしょうか。そんな中、文化館でお預かりしている文化財も里帰りされています。

それは、大津市坂本比叡辻の聖衆来迎寺さまからお預かりしている寺宝の数々です。これらは毎年8月16日に行われる虫干会(むしぼしえ)で一般公開されるため、この日には文化館だけでなく、京都や奈良の国立博物館に収蔵されている寺宝も一斉に里帰りされ、にぎやかなお盆を迎えられます。
文化館からは、国宝の「六道絵」を江戸時代に模写したものや、重要文化財の「阿弥陀二十五菩薩来迎図」「銅造薬師如来立像」、「堆朱香合」など、他にも多くの文化財を、昨日お寺さまにお届けさせていただきました。移動は大変でしたが、無事作業を終えてホッとしています。
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先日も大学の留学生さんが六道絵の論文を書くため、わざわざアメリカから来日されてました。六道絵は「地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人、天」のありさまを絵画化したもので・・・リアルに怖いです。人生考えさせられます。悟りの境地です。
夏休みで浮かれている子ども達よ、これを見て泣け!否!ちゃんとした人生歩まにゃいかんよ!と、僕は言いたい・・・自分にも言いたい。。。(泣)。
江戸時代に模写された「六道絵」とは言え、15幅すべてが揃う貴重な機会です。大人も子どもも、熟覧していただきたいイッピンです。

実はコレ、暑い夏を乗り切るために『ヒヤッ』とするいい機会・・・なのかもしれませんよ?!

   筆:あきつ

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申込みはお済みですか?第4回

皆さん、もう申込みはお済みですか?20日(木)は滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」開催日です。20150812第4回目となる今回は、「山から下りた梵鐘 ― 菅山寺梵鐘の移動と保存修理 ― 」と題し、滋賀県教育委員会事務局文化財保護課の古川氏にお話ししていただきます。

ねぇ皆さん・・・梵鐘の保存修理って「どんな」なんでしょうねぇ?僕は、ご近所のお寺さんに除夜の鐘を突きに行った時に、マッチョなお兄さんのあまりの怪力に、柱に繋がれていた突き棒のヒモが切れてしまった!のを目撃しましたが・・・(翌年には直っていた)。田舎では時を告げる時報代わりに、またお葬式や法事の際に鐘を鳴らされるお寺がありますが、僕は今まであまり鐘本体の事に注目したことはありませんでした。

今回お話しされる長浜市余呉町の菅山寺(かんざんじ)の梵鐘は、鎌倉時代の制作で、県内に残る在銘の梵鐘では2番目に古いもの。しかし全体に錆(サビ)が付着していたため、平成26年に保存修理が行われたそうです。梵鐘を1週間かけて山から下ろした苦労話や保存修理の過程、また工芸史的価値について、詳しく紹介されます。

梵鐘は言わば地域のシンボルでもあり、保存修理は地元の皆さんのご理解ご協力無くしては、決して達成し得ない事業だと思います。講座に参加して下されば、きっと「自分とこのお寺さんの鐘はどうだったかな?」と、気になると思います。何がキッカケとなるのやら?!地域の文化財に目を向ける機会としていただければ幸いです。
皆さまのご参加を心よりお待ちいたしております。

   筆:あきつ

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花火と文化館

皆さん、ちょっと面白いモノを見つけましたよ~。
それがコレ!昭和37年8月1日の夜空に咲いた花火と文化館の写真です。写真も昭和の歴史を感じるとっても小さなサイズ(6×9cmくらい)。らぶり~。当時はデジカメなどないフィルム撮影の時代、ましてやすべて手動のマニュアルカメラでの撮影ですから、ピント合わせや露出の調整など、大変だったでしょうに。。。
よくぞ花火が花咲くその瞬間と文化館を、1枚の写真に収めてくれてました!とっても貴重です。

ちなみに明日開催予定のびわ湖大花火大会は、今年で32回目。写真が撮影されたのは53年前ですから、相当古い?!32年目のびわ湖大花火大会がかわいく思えてしまいます(笑)。

文化館の周りでは、明日の花火大会本番に向けて掲示板やバリケードが設置されるなど、着々と準備が進められています。ちょっと殺気立ってきたくらい(笑)。心配なのがお天気で、夕立の可能性が若干無きにしも非ず・・・サッと降ってサッと止んでくれたら気温も下がっていい花火が見られるのですが・・・。
夜空を彩る花火の今年度のテーマは【日本遺産ビワイチの旅~水の文化の花めぐり~】。文化庁に認定された滋賀県の日本遺産「琵琶湖とその水辺景観-祈りと暮らしの水遺産」をとりまく花にスポットを当て、約1万発もの花火で表現します!ってことらしいですよ~。ハイ、皆さん、想像して~!決して地元贔屓じゃないですが、湖面で花咲くびわ湖の花火は、夏の思い出に一見の価値アリですよ。

あぁ、一度は上げてみたい「あきつ花火」。花火師さん、おめめがクルクル、夜空へ羽ばたくトンボ花火、作ってみてはくれまいか・・・

   筆:あきつ

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ホームページ7月のアクセス数

暑い日が続いています。皆さんお元気ですか?少し前のことになりますが、僕の周りではセミとトンボがそれはもう一気に数が増えた日がありました。それを喜んだ僕の制作者は、ブログの季節ネタに使えるようにと、得意のコスプレ『セミバージョン』と『トンボバージョン』のあきつ君を作るべく、真剣に考えたそうです・・・・・あれ?

ちょっと待てちょっと待てオニイサン!
セミはともかく、「あきつ君」は元々トンボなんですけど?!!

・・・そうとうお疲れの様子です。。。

さて、7月もあっという間に終わってしまいまして、皆さんに見ていただいたホームページアクセス数は2,547件。テンション上がる数字です~ありがとうございます~。

1月末から始まったマイヤーガーデン滋賀特別展「Splendors of Shiga」も残りあと2週間!長いなが~い開催期間と思っていましたが、なんと、もうカウントダウンです。
ホームページのアクセスも、約1割がアメリカからのアクセスだったので、重ね重ね有難いことでございました。僕としては、英語版の閲覧ページをご用意出来なかったのが心残りで・・・[very sorry]です。。。
文化館の受信メールには、現地から定期的に送られてくる入場者数の報告や、展示室の温湿度管理についてのご相談など、英語のお題が並ぶ事が、日常となっていました。時差を気にして、歯がゆいながらも連絡は電話じゃなくメールでのやり取り・・・コレ実は、内心ホッとしていた僕でゴザイマス。。。モチロン学芸員さんは英語を話されますよ?!近ごろは展覧会終了に向けて、関係先との連絡調整が頻繁に行われており、学芸員さんは、撤収、移送、受入と、この展覧会事業の「成功」を迎える体制に入っておられます。
先生に言われましたよね「遠足は家に着くまでが遠足です」。基本です。

お盆の頃に、学芸員さんは展示作品のお迎えのため、現地に向かわれます。地球の裏側とは言え、季節は夏。あちらでもセミはミンミンからシンシンへ、カナカナやツクツクボウシなんてのも鳴くのでしょうか。(無理な気もします・・・)
まだ行かれてもいないのに、学芸員さんの帰国が待ち遠しくなりました。
さぁ、展覧会事業の成功を見るために、皆でこの暑い夏を乗り切りましょう!

   筆:あきつ

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げんごろうクンの夏

琵琶湖の夏がはじまりました。記録的豪雨となった台風11号。各地の被害も心配でしたが、文化館の周りでは1週間経った今でもその爪痕が目に飛び込んできます。悲しいかな、嬉しくないかな、湖岸にたたずむ文化館にとってはもはや夏の風物詩、大量の「藻」が湖岸に押し寄せてしまったのです。

そんな中、おやおや鳥さん達、何か間違ってないですか?
シラサギさん、仁王立ちですがそこは琵琶湖の上ですよ?
カモさん、主食となる藻の上に乗るなんてお行儀悪いですよ?!


そこで、頼りになるのが通称「藻刈りクン」こと、藻刈船の『げんごろう』(白い方)。先週から大津湖岸一帯の藻の刈り取り作業を行ってくれてましたが、今日はもう1台追加されて2台がフル稼働してくれています。頼もしい限りです。清掃のために人員も動員された様子で徹底的に美化清掃が行われています。

文化館の付近の湖岸一帯では、
28日:全国高等学校総合文化祭「びわこ総文」(文化館前の道路でパレード!)
31日:びわ湖大津夏まつり(江州音頭(ごうしゅうおんど)の総踊り!)
8月7日:びわ湖大花火大会(約1万発の花火が湖上で乱舞!!!)

と、夏のイベントが目白押し!観光に多くの方がお越し下さるこの機会、是非きれいな琵琶湖を見ていただきたいですものね~頑張れげんごろうクン!!

しかし、台風は嫌なモノばかりを連れてきたわけではありません。一気にセミが鳴きだしましたね。また僕のお友達のトンボが、湖面をスイスイと泳ぐように群れで飛びまわるようになりました。なかなか楽しそうに飛んでます。
これからが夏本番です~。

   筆:あきつ

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滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」③

昨日、本年度3回目となる滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」が開催されました。台風接近中という大荒れの天気にもかかわらず、73名の熱心な方にお越しいただき誠にありがとうございました。
今回は「魅力あふれる滋賀の近代建築と「滋賀県庁舎本館」」と題し、県教委文化財保護課建造物担当の池野保氏がお話しされました。
前半では、まず滋賀県の歴史的建造物についての概説がありました。滋賀県が全国有数の国宝・重要文化財の保有県であることは周知のとおりですが、さらに建造物に限っていえば、全国第3位の指定件数を誇っています。また「古代の奈良、中世の滋賀、近世の京都」といわれるように鎌倉時代や室町時代といった中世の社寺建築が多いのが特徴となっています。
近年になって近代建築にも注目が集まるようになり、滋賀県においても魅力的かつ豊富な近代建築の調査・研究、また保存・活用が盛んに行われるようになりました。
池野氏はその第一線で活躍されており、本来は中世の社寺建築を専門とされていますが、活躍の範囲を広め『湖国のモダン建築』(京都新聞社)、そして『滋賀県庁舎本館』(サンライズ出版)といった共著も出されています。
後半では、今回の話のメインである「滋賀県庁舎本館」を多くのスライド画像を交えて、予定時間いっぱいまで丁寧に解説されました。
滋賀県庁舎は佐藤功一(1878~1941)と國枝博(1879~1943)の二人によって設計されており、「庁舎の佐藤、装飾の國枝」といわれた二人の技量が相まって、荘厳でありつつ、随所に優雅な装飾が施された庁舎建築の傑作となったと講師は話していました。さらに職場環境を意識した実用的で機能性を兼ね備えた設計であるというお話しには、皆さん納得のご様子でした。

さて、次回は「山から下りた梵鐘 ― 菅山寺梵鐘の移動と保存修理 ― 」(8月20日)と題し、県教委文化財保護課美術工芸担当の古川氏がお話しされます。「悪天候のため参加出来なかった」という方のために、今回の資料もお渡し出来る様にご用意しますので、ご希望の方は受付にお申しつけ下さい。引き続き皆さまのご参加をお待ちしております。

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目指せ巻子マスター

「アイタタ~」「イタタタタ~」
近ごろ文化館では、決まった曜日の決まった時間に、不穏な『うめき声』が、階段の方から聞こえてきます。かれこれ2ケ月ほども経ちますでしょうか。事務所でお留守番のあきつは、その度に、あぁやっぱり今日もか・・・今日も挑まれているのか・・・と心配しつつ、「お疲れさまでございます」の声を掛けずにはいられません。。。

と言うのも、現在文化館ではお経の調査が行われており、その作業は、巻子(巻物)を紐解き写真撮影、記録を書き留め、後はひたすら巻き直すという動作を、一日中ほぼ正座で行っている・・・ということ、なのだそうです。
・・・するとどのような事が起こるのか、もうお分かりですね。ご想像通り!そりゃどんなベテランさんでも『シビレ』がきれますよね~筋肉が固まりますよね~「アイタタ~」ご愁傷サマです(笑)。お願いですから階段から落ちないでー!

今、挑んでおられるのは大般若経の600巻!・・・先日紹介した石山寺さんの「校倉聖教」修理約1,000点に及ばないまでも、果てしない、それは果てしない作業です。それもようやく終わりが見え始め、近頃は「目指せ!巻子マスター!」を合言葉に(?)、巻子の扱い、巻きにかかる時間、巻の美しさなど、その『技』を極めようと、初心に返り身内同士で改めて切磋琢磨されているようです。そうですよね。文化財を扱う学芸員さんでも、なかなかこれ程集中的に、かつ大量に触らせていただく機会なんて滅多にないですよね。厳しい判定員さん(先輩学芸員)の前での作業は、いつもより緊張を強いられて・・・いるようですよ(笑)。

このような貴重な機会を大切に!『巻子マスター』が誕生されることを、心よりお祈り致しております(笑) イヒッ。

   筆:あきつ

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