日別アーカイブ: 2017年7月18日

1枚の写真の確認 その②

さて、前回のブログに引き続き、一枚の写真からどこの「庭園か?」を突き止める:あきつのぶらり旅(そんな名前でしたっけ?)です。インターネットで検索をし、アタリを付けたのは、長浜市にある「孤蓬庵」さん。こちらは、小堀遠州(1579-1647)の菩提を弔うため、江戸時代前期に開山した臨済宗大徳寺派のお寺で、遠州が京都大徳寺に建立した孤篷庵にちなんで、近江孤篷庵とよばれています。昭和34年4月には、庭園の石組み等が江戸当初の遠州流庭園の基本的な条件を遺しているということで、滋賀県史跡名勝にも指定されました。
人里離れた山奥、喧騒を離れてひっそりと佇むその庵は、なんともしっとりとしたいい雰囲気・・・季節は初夏、鳴き始めた蝉の声はまだ疎らで、逆に静けさが際立ちます。中に入らせていただくと、開け放たれた襖の奥に見事な庭園が!!なんてステキ!心躍るとはこのことです。。。癒されるわぁ。。。

っと、ここで今回のミッションを思い出せ!・・・お目当ての石はいづこに???あった!ありました!本堂の南西側、イブキリンドウの群生が広がるその奥に、石組みが確かに!!あぁなんだろう。アイドルの追っかけをして現地でご対面しちゃった気分(笑)。テンション上がります~!
お庭の紹介には、【五老峰、海、舟石等を配した枯山水庭園】とあります。また、【小堀遠州の号でもある「孤蓬」とは、『一隻の粗末な葦舟』という意味で、この庭に因んだもの。美しい光の世界(浄土)を求めて、一隻の小さな舟(一人の人間)で大海原(社会)を漕いでいく私たちの姿を象徴しているように思われます】とも書かれていました。なるほど美しい悟りのお庭。白黒写真と同じ角度で撮ってみると・・・はは~ん、白黒写真には左手前の舟石や大海原が写っていない・・・だからパンフレットから外れたの・・・かな?

(パンフレットに掲載されたのはコチラ:北東面の池泉回遊庭園→)

とは言え、出会えたこの感動、1人で持ち帰るには勿体ない。。。そこで庵にいらっしゃったご住職夫妻にお声をかけさせていただきました。「琵琶湖文化館で昭和30年代に開催した近江の庭園写真展の関連資料なのですが、この写真には裏書がなく、どこの庭園かわからないままに今日お訪ねさせていただいたのです」『まぁ、この写真だけでここまで・・・』『確かにこれはウチの庭です。石組は江戸時代から変わっていませんのでね。』そぉですかぁ、そぉですよねぇ、アリガトウゴザイマス!。
ご住職夫妻とお話しできたことで、今回の旅がさらに充実したものに感じられました。
・・・なんだろう、1週間分の肩凝りもフッ飛ぶようなこの晴れ晴れとした気分は。。。正にライブ。生ライブ!。皆さん、現地を訪れるということは、とても大切なことなのでゴザイマスネ(笑)。

ちなみにこのお話には続きがありまして、後日、紙焼き写真の元となるネガフィルムが見付かり、そこにはきちんと「どこの何か」が書かれていたという・・・見事なオチがありました。。。さすが先輩。。。

ということで、まだまだ続く写真整理(笑)。ン千枚の写真の内の1枚が判明しただけですが、今後も新たな出会いが見出せそうな、文化館の歴史をたどる、楽しい、写真整理の旅はまだまだ続きます。。。

筆:あきつ

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