日別アーカイブ: 2020年7月17日

お月さまは何処に?

皆さんは最近、「月」を見た覚えはありますか?夜空に浮かぶあの「月」です。明るい街中にあっては、あまり意識されないかもしれませんね。たまに地平から出たばかりの月が、いつもより大きく見えたりする(気がする)時に、「すごいなぁ大きいなぁ」と感動することがあります。・・・が、実は最近、なんだか「月」が恋しくてなりません。それは何故か?!
・・・それは夜空に雲がかかり続けているから・・・。一体何日雨が降り続くことやら~!この長雨で被災された地域の皆さまにおかれましては、謹んでお見舞い申し上げます。
太陽はね、わかるのです。その存在が。雲があっても日中は明るくなりますし、7月に入ってからも時々ですが、きれいな夕焼けにお目にかかれたりします。では月は?あの、淡くてひっそり、慎ましやかに夜空に浮かぶ月を何日見かけていないでしょう?(そういえば今年は長雨とコロナで”七夕“の存在もすっかり忘れていたことに、今気づきました・・・)。

「お日さん(太陽)には元気をもろて、お月さんにはなんや慰めてもろてる気がしますなぁ」ある小説に出てきた印象的な言葉です。そうなのです。まさしく今、夜の静寂に、物言わぬお月さまを眺めつつ、「はぁ・・・」とため息をつきながらも、「また明日も頑張ろう」と・・・思う時間が足りていない!皆さんの心を慰め、励ます力にもなり得ましょうに・・・。

ここで、困った時の文化館。館蔵品の中に「深林明月図」という絵がございます。江戸時代の作品で、作者は紀楳亭(きばいてい)【詳しくはコチラ:収蔵品紹介】。墨の濃淡で表現される水墨画の世界は、音のない静寂な空気が漂い、禅の精神にもつながるようでとても心が静まります。そして小さく控えめに描かれるお月さま。いえいえ、明かりのない夜の風景を、細部にわたって照らし出し、際立たせているのは、お月さまの御業なのですよ。神秘の力が宿ります。

館蔵品の中には、このようにお月さまが描かれている作品が他にもあります。皆さんに元気になってもらうには、画面いっぱいにドンと描かれたお月さまも・・・良いかな?と思ったのですが、それはこの梅雨時の空気感とは違う気がして、それはそれで、また次の機会にしたいと思います。今は静寂を楽しみつつ、長い梅雨が明けるのを楽しみに、雲が晴れることを願うといたしましょう~。

むむっ!確認したところ、本日の月齢は25.8、新月に向かう有明月!月出は1:37、月入16:02?!う~ん、これは夜に見えてないワケだ(笑)。次の満月は8月4日、その頃にはスカッと元気な日常を取り戻していたいものです。

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