月別アーカイブ: 11月 2021
ライトアップ / 文化館 & オオツクエスト/文化館
日暮れが早くなりましたね~。日の短さで季節を感じる今日この頃です。
さて今日は、遠方よりあきつブログを読んでいただいている方に、また明るい時間に湖岸を散歩されている方に、なかなかお目にかかれない「夜の文化館」を紹介します。実は現在、このようなコトになっております。。。
ライトアップされた文化館・・・ステキですね~威風堂々の佇まい♡(自画自賛♪)。
これは現在大津市で実施されている「琵琶湖畔でまじめに、ぐうたらしよう。「SLOW OTSU」」というイベント(なんて大胆で魅力的なネーミング♡)の一環で、様々な所でライトアップが行われています。そのスポットの一つとして、我がお城も17時から22時まで、このように幻想的に照らしていただいてます(12月26日まで)。
ちょっと待って??コレ、観光で来られた皆さんの目にはどのように映るのでしょう??向かい側には総ガラス張りの滋賀県警さん、隣には特徴的な形の琵琶湖ホールさん、大津港では花噴水のライトアップ・・・間に挟まれた我がお城は・・・さながら「ミステリースポット」デスカ??
いえいえ、道行くカップルさん。もしかして彼氏さんはお城好きですか?彼女さん、屋根の上にご注目ください。大きなトンボ、昔は眼が光っていたのですよ?!
それぞれの楽しみ方で、当館を思い出の一つとして、心に刻んでいただければ幸いです。
そしてもう一つ!時を同じくして実施されている大津を歩こう企画「オオツクエスト」を紹介しておきましょうか。こちらはスマホで遊べるデジタルスタンプラリー。遊び方は簡単?!スマホにDIIIGというアプリをダウンロードし、アプリ内で「オオツクエスト」に参加、大津の街中をテクテク歩いていると、スマホにミッションが表示され(たいていは4択クイズ)、答えてポイントをためると、『大津ならでは』の賞品が抽選で当たるというもの(1月10日まで)。
実はこの「ミッション」に当館も参加しておりまして、クイズを出題中です。ズバリ!「琵琶湖文化館の愛称」は?
① 琵琶湖のお城
② 大津のお城
③ カイツブリのお城
④ トンボのお城
答えはもう、おわかり・・・
ですね?!
当館は現在休館中で中を見ていただくことはできませんが、この個性的な建物を、外から存分にお楽しみくださいませ♪♪♪
会期終了:「渋沢栄一と中江藤樹・熊沢蕃山」展
皆さまご来場ありがとうございました。高島市で開催しておりました「渋沢栄一と中江藤樹・熊沢蕃山 -高島市ゆかりの文化財とともに-」展。全20日の会期を終え、11月14日(日)に閉幕いたしました。会場には1,165人もの方がご来場くださったとのこと、本当に有り難うございました。
本展は高島市の協力のもと、休館中の琵琶湖文化館と地域をつなぐ「地域連携企画展」の一環として開催されました。おかげさまで多くの方々にご鑑賞いただけたこと、特に現在注目されている渋沢栄一と、決して無縁ではなかった(!)滋賀県との深い縁など、作品を通じて新たな知見・発見を得ていただけたのではないでしょうか。
私どもとしましても、渋沢栄一と滋賀県との関わりを中心に展覧会準備を進めるうち、地域の方々から教わることも多く、郷土の歴史について改めてその奥深さを知る、貴重な機会となりました。
また、高島市に伝わる文化財と、当館に寄託されている高島市ゆかりの文化財を、共に公開できたことは、当館としましても誠に心嬉しいことでございました。ご寄託の文化財所蔵者さま、ならびに関係方々にも、多数ご来場いただいたと聞いております。里帰り展示となりましたこの機会に足をお運び下さいましたこと、深く感謝いたします。改めて地域の宝として、誇りに思っていただければ幸いです。
本展の開催にあたりまして、様々な形でご協力賜りました皆さまに、厚く御礼申し上げます。本展をともに企画し、尽力いただいた高島市の皆さん、本当に有り難うございました。教わることが多く、何より勉強させていただきました。心から感謝いたします。
なお、本展は終了いたしましたが、第2会場であった近江聖人中江藤樹記念館では、「史跡指定100周年記念 藤樹書院跡」という展覧会を開催されています(~3/31まで)。 中江藤樹に興味を持たれた方、ぜひ会場にお立ち寄り下さい。会場では藤樹先生をこよなく愛する職員さんたち♡が、詳しく解説して下さいますよ。
そして是非、中江藤樹の居宅・私塾があった藤樹書院跡にも足をお運び下さいね(徒歩で10分かかりません)。地域の人々に大切に守られて100年、深い歴史を感じさせてくれる貴重な史跡を、こちらも地元の方が、楽しく説明して下さいます。
ところで皆さん、「展覧会クイズ」にはチャレンジしていただけましたか?会期中、ヒントは随所に散りばめておいたのですが・・・気付いていただけましたか?
問題①渋沢が神社創建に深く関わった神社は?
藤樹神社 or 白鬚神社
問題③パネル展示:千手観音二十八部衆像において
千手観音の「手のひら」にあるものとは?
この2問については、11月6日付ブログをご覧いただくと答えがわかります。(問③のスペシャルヒントは第2部の講師:山下立氏講演時の画像アップ写真)
問題②誰がどの字を書いたのか、その“人となり”なども
想像しながら、文字と作者を線で結びましょう。
(あくまでクイズ出題者のイメージにより字を選んでいます。)これにもヒントがあります。
渋沢栄一は? =経済人 =忙しい
中江藤樹は? =近江聖人と呼ばれている
熊沢蕃山は? =風のように生きた人(※イメージです)
わかりましたか?ちょっとマニアックな問題を出題させていただきました♪お楽しみいただけたなら幸いです(笑)。
次回の「琵琶湖文化館地域連携企画展」は、令和4年2月5日より近江八幡市・安土城考古博物館において、「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展を開催します。開幕までしばし・・・楽しみにお待ちくださいませ~♪
「花湖さんの打出のコヅチ」第5回 開催しました
秋も深まった11/11(木)、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第5回を開催しました。本来は9月開催予定でしたが、新型コロナ感染拡大の影響により2カ月遅れでの開催。その間に第6回の現地探訪が行われたため、今回が今年度最後の文化財講座となりました。会場には、この講座をずっと心待ちにして下さっていた89名の方々が受講されました。
今回は「建造物のさまざまな屋根技法」をテーマとして、県文化財保護課の菅原和之氏にお話しいただきました。 ひとことで“屋根”と言っても、その形や素材は様々。講座では、歴史的建造物の屋根の形状・葺き材とその技法について、スライドの豊富な写真とともに、ひとつひとつ丁寧に説明していただきました。屋根の形状は、切妻造、寄棟造、宝形造、入母屋造など多様にあり、素材も檜皮(ひわだ)や杮(こけら)、とち、茅、瓦、銅板と様々です。茅葺きでお馴染みの茅材は草の総称であるため、地域によって使用するものが異なるそうです。琵琶湖岸ではヨシですが、山間部ではススキを使用するという、同じ滋賀県でも違いがあるのが印象的でした。形と素材の組み合わせは自由なため、建造物に求める用途や使用年数、地域ごとの気候や資材入手等の条件によって組み合わせが検討されるとのお話には、その奥深さに感嘆するばかり。皆さんからも「屋根について詳しく知る機会がなかったので知ることができてよかった」とのお声を頂きました。
会場には「屋根技法について」の文化財保護課の出張展示が設けられました。詳しく書かれたパネルの他に、講座で紹介された屋根葺き材の檜皮や杮の実物、葺き方の模型なども展示されました。熱心に見入る人たち・・・普段は間近で見る事ができない屋根の葺き方がよく分かり、講座の内容もより理解が深まったのではないでしょうか。
今年度の打出のコヅチは、本講座を持ちまして全てが終了いたしました。新型コロナに悩まされながらも、全6回を無事に開催できたこと、深く感謝いたします。サテライト会場でご参加いただいた皆さんも有り難うございました。アンケートに「このコロナ禍で開催してくれてありがとう」と書いてくださった、そのあたたかいお言葉にも感謝です!
滋賀の文化財について、学びの機会を皆さんとともに・・・今後とも「打出のコヅチ」をよろしくお願いいたしま~す♪
11月7日 県民フォーラム「新しい文化館を考える」 開催されました
ワクワク・ドキドキ、我らが関係者にとって大変“緊張する”1日を迎えました。この日、会場にお越し下さったのは、(仮称)新・琵琶湖文化館に関する県民フォーラム「新しい文化館を考える」に参加申込みいただいた皆さん。当館の今後について、未来について、関心を持ち注目して下さっている方々が、こんなにもたくさんいらっしゃる・・・そのことが大変有り難く、また心強く、気を引き締めてフォーラムを開催させていただきました。
先ず始めに、三日月知事からの挨拶では、この度新しく琵琶湖文化館の後継施設となる新・文化館が浜大津で再建されること、令和9年度の開館に向けて昨年度策定した基本計画に沿って準備を進めていることなどが説明されました。
講演では、石山寺責任役員でもいらっしゃる鷲尾龍華氏より、「石山寺の文化財保護のための活動」という内容で、お話しいただきました。皆さんご存じの大津市・石山寺さんでは文化財収蔵庫を持っておられ、寺宝である文化財の公開にも力をいれておられます。文化財を保護し守ってゆくためには、先ずはその文化財があるという事を知っていただくことも大切、それを誇りに思ってもらえるような取り組みが必要であると、文化財所有者の立場からお話しくださいました。それは滋賀県が目指す新しい文化館の未来像と重なることでもあります。
続いて青山学院大学文学部教授で近江八幡市出身の津田徹英氏より「新しい文化館開館に向けての期待と展望」ということで、新しい文化館の基本計画に示されている「活動の基本方針」について、より具体的に
“期待を込めて”(ご本人談)お話しくださいました。活動の基本方針については5本の柱として、①収集・保管 ②展示 ③調査・研究 ④情報発信・交流 ⑤地域の文化財の保存・活用支援 が掲げられています。これらを実現するために、学芸員の確保、アフターコロナを見据えたwebサイトの充実、若年層向けの発信など、具体的にわかりやすく説明いただきました。参加の皆さんも「うんうん(そうそう)」と頷きながら聞いておられたのが印象的でした。
パネルディスカッションでは、先のお二人に(公財)秀明文化財団理事の高梨純次氏と、合同会社nagori代表・観音ガールとしても活躍される對馬佳菜子氏が加わり、様々な角度からご意見をいただきました。 特に活動方針の⑤に掲げられる「地域の文化財の保護・活用支援」について、孫の代までつながっていくようなつながりを、地域の皆さんといっしょに勉強しながら育てていくような施設であるようにと、新しい文化館に託されたように感じられました。
フォーラム終了後、皆さんからいただいたアンケートには、
「地域の活性化に向けて進んで下さい」「若い方にどう興味を持ってもらうか」
「県民・国民と近江の文化財のつながりを役目として、新文化館が役割を果たして」
「施設改修時の文化財収蔵など県内博物館施設への支援も是非お願いしたく」
「滋賀県の特性を踏まえて地域と共に考え、地域に寄り添う、そんな活動・役割を
特に期待したい」
「県民とのコミュニケーションを大切に!」
など、様々なお声を頂戴しております。新しい文化館について考える、貴重な時間を皆さんと共有できたことに感謝しつつ、今後更に検討を重ね具体化できるよう、皆さまと共に進めていければと願っています。今後ともご支援・ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
11月6日 展覧会関連講演会 開催されました
現在開催中の「渋沢栄一と中江藤樹・熊沢蕃山」展の関連講演会が6日(土)に高島市藤樹の里文化芸術会館で行われました。会場にお集まりいただいた54名の皆さん、ご参加有り難うございました。
冒頭、当館の佐野館長より開講のごあいさつをさせていただきましたが、「琵琶湖文化館を知っている方・行ったことがあるという方は?」との問いかけに、皆さんの手が勢いよく上がった(!)のが、とても嬉しかったデス!!(感謝♪)
講演会は3部構成となっており、先ずは本展覧会のメインテーマにもからんでおります、「渋沢栄一と滋賀」について、その内面に与えた影響・・・という大変興味深いテーマで、県文化財保護課(文化館兼務)の井上優氏にお話しいただきました。
皆さんは不思議に思われませんでしたか?展覧会タイトルに名を重ねる3偉人の関係性について。「中江藤樹と熊沢蕃山は分かるわな。近江聖人・中江藤樹先生の門人として教えを受けたのが熊沢蕃山やろ?でも渋沢栄一がわからん。生きた時代も違うのにどう関係があるのか。」疑問の声をよく耳にしました。・・・その答え・・・「講演を聞いてスッキリわかったわ!」と言っていただけたものと確信しております!
渋沢栄一が儒教に傾倒していたことは知られていますが、なかでも特に陽明学、とりわけ「陽明学の祖」と言われる中江藤樹を深く尊崇していたことは、あまり知られていません。しかし、講師の口から語られたのは「渋沢栄一の内面は“滋賀県人”そのものである」というビックリ発言(笑)!
というのも、渋沢が尾高惇忠(従兄)の「知行合一」塾で学んだことは(「知行合一」は陽明学の基本命題)、中江藤樹の思想と深くかかわっていて、その教えが行動・変革を肯定する渋沢の内面の原動力ともなった、とのこと!また渋沢が三井寺ゆかりのご先祖様をもち、天台宗上野寛永寺檀家で延暦寺顧問であるなど、信仰上も滋賀と深い縁があったのだそうです!更には漢詩文の師もまた、明治の三詩人の一人であった小野湖山(浅井郡高畑村・現長浜市出身)であったことなどが、熱く語られました。中江藤樹を祀る藤樹神社の創建に渋沢が関わったのは歴史の必然、「渋沢栄一の内面は“滋賀県人”そのもの」。講師の言葉に『納得』の講演内容でありました。
第2部では、「高島市指定文化財の仏教美術」として山下立氏がお話しくださり、その魅力をたっぷりと画像も含めてご紹介いただきました。高島には、指定文化財もさることながら、指定されていない身近な文化財にも素晴らしいものがある、目を向けて大切にしてほしい、との言葉が心に残りました。
そして第3部では、「未来に守り伝える地域の宝~高島市指定文化財の修理報告~」として坂田さと子氏が講演。自らの工房で手掛ける文化財修理の現場の様子をご紹介くださり、百年先の修理のために「今」出来ることを行う・・・そのご苦労や継承していくことの難しさが語られました。知る機会のなかった業界の興味深いお話に、皆さん”前のめり“です!過去と未来をつなぐ修復の「今」を、大切なことを教えていただきました。
講演終了後、「いい話が聞けたわ」と皆さんからいただいたお声がとても嬉しかったです♪
本展覧会の会期は、残すところあと1週間となりました(11月14日まで)。天高く澄みきった秋の空と比良山系の紅葉、母なる琵琶湖の景色を堪能しながら、ぜひ湖西路へ、展覧会会場へとお出かけ下さい♪♪♪
10月のホームページアクセス数
文化館前の通りの街路樹も色づきはじめ、いよいよ秋が深まってまいりました。本館5階から見下ろす町並みも見事な秋景色。秋晴れのさわやかな陽気に誘われて、10月のホームページアクセス数の発表と参りましょう!このひと月に文化館のホームページにご訪問下さった数は2,276件。今回も滋賀県だけではなく、日本全国津々浦々から多くアクセスを頂戴しました。本当にありがとうございます!
では、皆さんがどのようなページに興味を持っているか、ここでご紹介しましょう。10月に最も見ていただいたページは、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」となりました。新型コロナ感染拡大の影響で、延期となってしまった第4回と第6回現地探訪の開催により、ひと月に2回のコヅチ開催となったことから、アクセスが多くなったようです。そして、10月22日から開幕した地域連携企画展「渋沢栄一と中江藤樹・熊沢蕃山-高島市ゆかりの文化財とともに-」にも、多くのアクセスがありました。皆さんに興味を持っていただいて、本当に感謝!感謝!のランキングとなっています。
さて、その「皆さんの閲覧ページのランキング」ですが、今回は様々な「収蔵品紹介」がランクインしています。今日は収蔵品紹介に焦点を絞って、閲覧ランキングを発表。文化館収蔵品のトレンドをご紹介します。
10月最も人気のあった収蔵品第1位は、「渋沢栄一書跡」です。現在、NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公でもお馴染み渋沢栄一の書跡が堂々の1位を獲得!こちらは現在、「渋沢栄一と中江藤樹・熊沢蕃山」展でも公開されており、多くの方にご興味を持っていただいているようです。
そして第2位は「源平合戦図」、3位は「青面金剛図」となっています。どちらも、最近に更新されたページではないため意外だったのですが、「青面金剛図」は、これまでにも定期的にランクインしており、コロナ禍で「伝染病から守ってくれるほとけ」として注目されているのかなと。文化館の収蔵品の中でもちょっとした人気者なのです。
続きまして4位と5位に「中江藤樹坐像」「中江藤樹書跡」がエントリー。こちらは、「渋沢栄一書跡」と同じく展覧会に出品されているため、納得のランキングです。
改めて見ますと、展覧会関係の作品が上位に来るとは思っていましたが、他の作品も上位に上がる意外な結果に驚きました。琵琶湖文化館収蔵品のトレンド、皆さんもぜひチェックしてみてくださいね。