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あきつ君を見つけました
むむむっ。ひょんなトコロで「僕」じゃない『僕』を見つけましたよ。
そもそも僕:あきつ君は、休館前の平成19年に、4階パネル展示「とんぼとめぐる近江の文化財」の中で、小学生にも滋賀の文化や文化財に親しみをもって学んでもらおうと、当館の頂上に設置されているとんぼ「あきあかね」のキャラクターとなったのがきっかけです。(詳しくはコチラ)。この時作ったのが50パターン位でしたか。現在活躍の場は、このホームページに限定されていますが、近ごろのあきつ君は「なりきり」度合いに拍車がかかり、時には閻魔さまや神さま仏さま、風神雷神なんてのもありました。木製の神像をイメージして変身した時に「これは土偶かッ?!」と、厳しいお言葉を頂戴したりもしましたが・・・今の作り手のマイブームは、いろんな場面での「コラボ」企画です。。。おかげさまで今では300パターンくらいにまで成長いたしました!(一体何自慢?(笑))これもひとえに皆さまに育てていただいたおかげです~。。。
話が逸れました・・・それは、とあるノートの表紙に描かれていました。このノートは週に1~2回、文化館に収蔵品の整理調査の補助に来て下さっている方々の伝達日誌です。聞くところによると、この日誌にはその日何をしたのか、どこまで作業が進んだのか、次はどこからか、作業する人が代わっても分かるようにと、自分たちで考えて書き始めて下さったとのことです。毎回同じ方に来ていただけるわけではないので、非常に有り難い伝達日誌です。
その表紙がコレなのですヨ!文化館の本館も見事に再現されています!そしてあきつ君が元気に体操しながらウインクしています!見ているこちらも元気になるマル秘ノートです。この表紙で泣けるのは僕だけかもしれませんが。。。
ふと外を見ると、本家「あきあかね」でしょうか、トンボの数が増えたような気がします。いろんな事に励まされている自分、もう少し頑張ってみようと思うのです。
筆:あきつ
お申し込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第4回
立秋を過ぎて、暦のうえではもう秋です。秋といえば、「スポーツの秋」(リオ五輪も始まりましたね~!)、「芸術の秋」、などいろいろありますが、ここはやっぱり「食欲の??」、いえいえ「収穫の秋」でしょう!
というわけで、8月17日(水)滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第4回のテーマは「近江の奇祭-中山の芋競べ祭り-」。講師には、矢田直樹氏(滋賀県教育委員会文化財保護課)をお迎えいたします。
毎年9月1日、日野町中山ではちょっと変わったお祭りが行われます。滋賀県には奇祭といわれるお祭りがいくつもありますが、この「芋競べ祭り」もその一つ。その名の通り、芋の長さを競い、作況を占うのだそうです。。。なんだか不思議なお祭りのようですね。気になります。。。「一度見てみたい!」と思われた方は、ぜひ、事前に講座で「芋を掘り下げて」から行きましょう。祭りの面白さが倍増すること、間違いなしです!
講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで、①お名前、②お住まいの市町名、
③連絡先(電話番号)、④参加回、⑤講座のことを何で知ったかを、お知らせ下さい。
第5回のお申込みも同時に受け付けております。
秋とはいえ、お盆明けの17日はまだまだ残暑の厳しいころ。涼し~い会場(大津市打出浜2-1 コラボしが21 3階大会議室 13時30分から)で、みなさまのご来場をお待ちしております。
新たな寄託品
先日、湖西地域のとある神社に行ってきました。というのは、神社様の方から、宝物である県指定文化財の経典数百巻を文化館に預けたいという要望があり、受け取りのために行ってきました。
写真は神社にむかう途上の写真です。長く険しい山道をいった、山深いところに神社はあります。近頃、こういった場所での宝物(文化財)の管理は大変むずかしくなったといわれています。これは全国的な傾向ですが、地域の高齢化や過疎化が進むなかで、十分な守り手が確保できなくなってきたためです。また大型の緊急車両が迅速に対応しにくいという防災上の課題もあります。このような現状を一因として、残念なことですが、文化財盗難という事件も発生しており、文化財をめぐる環境はますます厳しくなっています。
今回も、地域での管理が難しくなったという防災・防犯上の理由から琵琶湖文化館でお預かりすることとなりました。新たな寄託品の中には、古くは奈良時代の作品と思われるものも含まれており、滋賀県の経典研究を進めるうえで大変貴重な資料です。大切にお預かりしたいと思います。
ホームページ7月のアクセス数
梅雨が明けて土用に入ると、さすがに暑さも増してきましたね。一昨日、7月30日は土用の丑の日。最近はウナギが絶滅の危機に瀕しているため、ナマズの蒲焼が登場する時代になりましたが、皆さまの食卓にはどんなものが並びましたでしょうか?
さて、7月のホームページアクセス数、こちらジワジワうなぎ上りのよい傾向で、前月より多い1,562件のアクセスをいただきました!ご訪問下さった皆様、どうもありがとうございました!!
増えたものといえば、7月14日に開催いたしました「打出のコヅチ」第3回も、過去最高の参加者数を記録いたしました。当初は「少し硬いかも?」と思われた神仏習合というテーマが、これほどの注目を集めたのはなぜ??やはり、神仏習合の源泉である比叡山がある滋賀では、今でも人々にとって身近で切実な課題だということなのでしょう。改めて、滋賀の文化の奥深さを感じた次第です。
同じ14日、琵琶湖博物館の20周年リニューアルオープンも、世間をにぎわせていましたね。琵琶湖博物館は平成8年(1996年)に、この文化館にいたビワコオオナマズをはじめとした琵琶湖の魚たちが、お引越しして行った先です。水族展示も、バイカルアザラシを仲間に加え、大幅にリニューアルされたとか。本当におめでとうございま~す!!
ところで、琵琶湖博物館と琵琶湖文化館って、名前がよく似ているせいか、以前からよく間違えられます。最近は、「ニュースで見たんですけど・・・文化館さんリニューアルされたとか?」「水族館がリニューアルしたって聞いたんですが?」というお問い合わせもチラホラと。。。ホントにそうだったら良いのですけど。。。
以上、「このごろ文化館で増えたもの」アレコレ、お知らせいたしました(笑)。
時々、「文化館って何してるの?」というお声もいただきます。休館中で皆さまには少し見えにくいところがあるかも知れませんが、これからもさまざまな機会を通じて、文化館の活動をどんどん発信していきたいと思っています。まずは、8月も、ホームページを、み・て・ね!!
やってきました夏の使者
先日のブログで、「今年の夏は何かヘンです」と訴えました。草津市烏丸半島のハスの群生地でハスが姿を消した、夏に繁殖する水草(藻)が今年は少ないと・・・昨日出張で、琵琶湖の湖岸道路を走ったのですが、例年美しく咲くハスの姿はやはり見当たりませんでした。
その後、滋賀県と草津市で行った原因究明のための合同調査では、明確な食害の痕跡などは確認できず、更に謎は深まったと担当者は頭を抱えておられるそうです。藻は、瀬田川の河口付近で見られたものの、例年よりはやはり少ない・・・水草が腐ったりしていないのでニオイもなく、有り難いのは有り難いのですがね・・・何かがおかしい。。。
ということで・・・・文化館の周りにも来てしましました。いつもより少ないですが届いてしまいました。夏の使者:水草:藻のご到着です。来ちゃったものは仕方アリマセン!環境美化に努めさせていただきます!!
炎天下の中、作業用の小船を使って引き揚げた藻は、何日かかけて石垣の上で乾かしてから袋詰めし、回収・処分に出します。あぁ、文化館の夏がまた始まった・・・。
気付けば文化館のすぐ隣の打出浜でも「夏」が始まっていました。「びわガーデン」と銘打たれたビアガーデンが10月16日までなぎさ公園にオープンしました。湖岸の夕陽を眺めながらビールとバーベキューが楽しめるという、なんとも贅沢な空間が・・・水曜から金曜は午後5時半から、土日祝は午前11時半から営業だそうです。仕事を終えて館を出た時、どうりでイイ匂いがするはずです(笑)。皆さん夏を満喫ですね~!
筆:あきつ
打出のコヅチ第3回【裏コヅチ】
前回の講座に参加していただいた方で、「あれ?」と思われた方いらっしゃいます?「講座のチラシにも載っていた『山法師強訴図』の説明・・・聞いたっけ?」と・・・その記憶、あなたは正しい・・・そうです!講座資料にも出てません!お話しもしていません!すみません!!
ということで!打出のコヅチ【裏コヅチ】の出番となりました。。。
「近江の神仏習合-琵琶湖文化館の収蔵品を中心に-」をテーマにお話しさせていただきましたが、この内容を語る上でとてもイメージし易いのが、この「山法師強訴図」です。
山法師とは武装した比叡山の僧侶のことであり、強訴とは時の朝廷に対して、徒党を組んで無理やり訴えを通すこと。よく見ると頭を丸めたお坊さんが神輿(みこし)を担いで攻め入るところが描かれています。これ、現代の感覚で言うと少し違和感・・・神輿は神社のお祭りで見る・・・それをお寺のお坊さん集団が担ぐ・・・やっぱり違和感。そう、このアタリが神仏習合なのですよ。
今でこそ神社とお寺は異なるもの、神様か仏様かという認識で区別してしまいますが、江戸時代まではその区別は曖昧なものでした。奈良時代の頃から、神社に神宮寺が建てられたり、寺院に神が祀られたりします。平安時代の頃には、更に発展して本地垂迹説(仏は神の姿でこの世に示現する、即ち仏と神は同体)が成立し、神社のご神体に仏像が据えられたり、寺が神社を管理するなどして習合するわけです。
この屏風は、強訴が起こった時代に実際に見て描かれたものではなく、鑑賞用として描かれた近世の作品ですが、強訴に関する文献資料は数多く残るものの、それを具体的に描いた大型の絵画遺品として、とても貴重な作品となっています。
と、このような事も、講座でお話させていただきたかったのですが、多種多様な神道曼荼羅(垂迹曼荼羅)の話でいっぱいになったと、担当の学芸員は申しておりました。。。何卒【裏コヅチ】で、ご納得いただければと思います。。。
ちなみにこの「山法師強訴図」、文化館が開館していた頃には「ご招待券」などの表紙によく使わせていただきました。「やぁやぁ 神勅である 文化館に 行くべし 行くべし」というような意図があったかなかったか(笑)。ともあれ、文化館を代表する逸品でございます。
筆:あきつ
一時寄託のほとけさま
先日、一時寄託されるほとけさまが、文化館に搬入されました。というのは、東近江にあるお寺さまが、本堂の防災工事をされるということで、その間、重要文化財の仏像を4躯、文化館でお預かりすることになったのです。
当日は、2台のトラックと梱包・輸送のための作業員が6名、文化館から学芸員が2人、また、滋賀県からは文化財保護課と新生美術館整備室の職員さんが立ち合われるという、総勢10名での大引っ越しとなりました。
現地では、総代さん方々地元の皆さんが見守る中、午前9時から作業が始まりました。先ずは状態確認、それぞれのほとけさまの特徴や注意事項などを調書に記していきます。そして持物や付属品、光背などを外し、ほとけさまに台座から下りていただいて、梱包しました。一木造のほとけさまは、小柄でもずっしりと重く、作業はとても慎重を要するものであったということです。
そして文化館にお迎え・・・一番大きな箱はお不動さまの光背を梱包したもの↑で、相当な大きさであろう事がうかがえました。(学芸員ではない僕が見られるのはココまで・・・)
その後、展示室内に運び込まれたほとけさまは開梱され、一体一体丁寧にお身拭い・・・御躰に付いていた煤や埃を落として、大切に収蔵させていただきました。
休館となってからも、継続してきた文化館の役割。今回のように、一時お預かりする「だけ」と言ってしまえばそれまでなのですが、受け入れる際の作業スペースや保管場所、それにかかる人手など、想像以上に場所と手間と時間が必要であることを、ご存知の方はあまりいらっしゃらないかもしれません。本堂の建て替え・盗難防止・緊急避難・・・様々な理由で文化財を受入れてきた文化館ですが、展示公開はしていなくても、重要な役割を担った存在意義のあるお城なのでございます。
本館2階の正面階段を使って仏像が運び込まれる様子を、歩道から見ていたご夫婦が、「文化館リニューアルしはるの?」とわざわざ事務所まで、笑顔で聞きに来て下さいました。「そうではないのですが・・・」と答えることも、いつものコトなのではありますが、閉ざされていた扉から新しい風が入るのも、なかなかにワクワクするものでございます。。。
筆:あきつ
平成28年度 第3回「打出のコヅチ」が開催されました!
梅雨も終わりに近づいたのか、近頃はお天気が不安定ですね。昨日の大津も、午前中はよく晴れていたのに、午後から急に激しい雨が降った。。。そうです。
というのは、その間は文化財講座「打出のコヅチ」開催中で、ご参加いただいた131名の方と共に、会場でカーテンを閉め切っていたため、まったく気づかなかったのでした。講座が終わって外へ出ると、「あら?降ってたの?」という感じで。。。ご参加下さったみなさま、大雨に遭わずに済んでよかったですね!
講座の方は第3回目となり、またまた記録更新の大盛況!今回は当館学芸員の渡邊勇祐が、「近江の神仏習合-琵琶湖文化館収蔵品を中心に-」というテーマでお話させていただきました。神仏習合というのは難しいテーマですが、それが具体的な作品に基づいて説明されたのは、日ごろ文化館で実際の作品の整理・調査を担当している学芸員ならではの切り口だったかと思います。
ただ、やっぱり「少し難しかった」という感想も、何人かの方からいただきましたので、ここで簡単に復習をしておきましょう!さて、問題です。
問 次の文章の空欄に適する語句を入れなさい。
日本では奈良時代以降、「神身離脱」や「護法善神」といった( 1 )思想が展開しました。さらに平安時代になると、仏が衆生を救うためこの世に神の姿で現れるという( 2 )説が登場します。平安時代末期になると、( 2 )説に基づいて、仏の垂迹としての神を描く垂迹( 3 )が現れますが、「日吉山王曼荼羅図」(正源寺様ご所蔵)はその一つです。
また、江戸時代には、湖国を代表する祭である日吉山王祭を描いた「日吉祭礼図絵巻」(琵琶湖文化館蔵)などが制作されます。山王祭では、現在も比叡山延暦寺の天台座主が社参し、神前読経が行われます。このような( 1 )の儀礼が今も息づいていることが、( 4 )県の文化の特徴であり、魅力でもあります。
いかがでしたか?
答えは、(1)神仏習合 (2)本地垂迹 (3)曼荼羅 (4)滋賀 でした!!
ご解答いただけましたでしょうか??
さて、次回は、8月17日(水)「近江の奇祭―中山の芋競べ祭り-」。講師には矢田直樹氏(滋賀県教育委員会文化財保護課)をお迎えします。お申込みは滋賀県立琵琶湖文化館まで(Tel・Fax・Eメール)。多くの方のご参加をお待ちしております!
今年は何かヘンです・・・
梅雨の合間に届く日差しが、とーーーっても容赦のない季節になってきました。当たり前に気温30度を超える今日この頃デス。文化館から眺める景色もすっかり「夏色」になってまいりました。
おっとここで、今年は何かヘンです。お気付きの方いらっしゃいます?いつものアレが見当たりません。例年ならもう文化館に届いているハズなのですが・・・
それは毎年、この時期に湖岸を漂い流れ着く水草の「藻」。有り難くない厄介者ではありますが、来ないと来ないで気になるモノでもあります。文化館5階の展望閣にある双眼鏡で見てみても、やっぱり見当たりません。(この双眼鏡、懐かしく思われる方もいらっしゃるかも?100円を入れると今でも現役で絶景の琵琶湖ビューが楽しめるのデスヨ。)
先日の新聞で、草津市の烏丸半島に群生するハスに「過去にない異変が起きている」という記事が出ていました。例年なら湖面を埋め尽くすハスの葉が、ほとんど見られないというのです。そろそろ淡いピンク色の花が咲く頃なのに・・・食害、老化、病気などの可能性が取り沙汰されていますが、今のところ確たる原因は不明らしいとのこと。・・・何故?!
ひょっとして「藻」が来ないのも、何か同じ理由があるのでしょうか?可能性の一つとして、昨冬に大量に飛来した渡り鳥、オオバンの食害を疑う声も出ているとか・・・体が黒くて頭のところが白いあのコですね?確かに文化館周辺でもたくさん見ましたし、季節的にも長いこと滞在されていた感はありますが・・・もしかして食べ尽くしちゃったとか?!
水質が改善されたとか琵琶湖がキレイになった等の理由であれば、万々歳なのですが、何やらソワソワする違和感なんですよね。キレイに越したことはないのですが。。。
おかげで美しい湖面には・・・ビニール袋とかペットボトルとか発砲スチロールとか植木鉢とかッ!!人間サマのゴミが目立って仕方ありまセン!皆さん琵琶湖を美しく!爽やかな琵琶湖の夏を迎えようではありませんか!
筆:あきつ
お申し込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第3回
平成28年度滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」(全5回)もいよいよ中盤を迎えます。7月14日(木)に行います第3回のテーマは、「近江の神仏習合-琵琶湖文化館収蔵品を中心に-」。講師には当館の学芸員・渡邊勇祐さんの登場です!
みなさま、もうお申込みいただけましたでしょうか?
日本の仏教の源である比叡山は、神仏習合の「聖地」だとも言われます。平安時代のはじめに比叡山のふもとで在来の神と結びついた仏教は、その広がりとともに数多くの神仏習合美術をも生み出してきました。そういえば、今年度の「打出のコヅチ」第1回で取り上げられた、栗東市五百井神社の神像や長浜市の懸仏も、神仏習合の考え方によって作られたものでしたね。
今回の講座では、琵琶湖文化館の収蔵品の中から、神仏習合の考え方が表された作品を取り上げて、仏教の日本的な在り方についての奥深いお話を聞かせていただけるようですよ。
講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館
(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/
メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで、
①お名前、②お住まいの市町名、③連絡先(電話番号)、
④参加回、⑤講座のことを何で知ったかを、お知らせ下さい。第4回、第5回のお申込みも同時に受け付けております。
ところで、チラシにチラリと掲載している「山法師強訴図」とはどのようなものでしょうか?少し予習をしておこう!という方はぜひこちらをご覧くださいませ。
では、多くの方のご参加をお待ちしております!
ホームページ6月のアクセス数
あっという間に6月が終わり、2016年も半分が済んでしまいました。琵琶湖文化館の6月は、彦根城博物館での晴れ舞台を終えた収蔵品たちが文化館へ戻り、緊張を解きほぐしているところです。また、ムシムシしたこの梅雨の季節、ムシやカビなど文化財の大敵が発生しないよう、「整理整頓!館内を美しく!」をモットーに、職員一同よく励んだひと月でもありました。
そして気になるホームページアクセス数は・・・1,467件!梅雨前線と同じく、ちょっと停滞気味ですが、この状況はいずれ梅雨明けと共に解消されるという予報が出ています(どこからですか~?)(笑)。ともあれ!当館ホームページをご訪問くださったみなさま、どうもありがとうございました!
さて、今日7月1日は「びわ湖の日」。これは、昭和56年に富栄養化防止条例施行1周年を記念して定められた日です。「琵琶湖をきれいにしよう」の呼びかけのもと、ここ数日の間、湖岸や川の一斉清掃に参加された方もいらっしゃるのではないでしょうか?昨年4月に水辺景観が「日本遺産」に認定されたのに続き、9月には「琵琶湖保全再生法」が公布・施行され、「国民的資産」にも位置付けられた琵琶湖。これを守り続けていくためには、なによりも人が自ら琵琶湖とのつながりを実感することが大切ですよね。
では文化館は?・・・しっかりつながっていますよ!琵琶湖と・・・なにせ湖中に浮かぶお城なのですから(笑)。いえいえそれだけでなく、その名の通り、文化館は文化を通して琵琶湖とつながっているのです。例えば、琵琶湖のまわりには、これを「薬師の池」に見立てた仏教の教えを背景に、独特の仏教文化が生まれましたが、こうした琵琶湖との関わりで生み出されてきた仏像や絵画など、文化財という形の「琵琶湖の恵み」が、文化館にはギッシリ詰まっています。リアルな展示室はただ今お休み中ですが、ホームページ内の「収蔵品紹介」や「浮城モノ語り」など、バーチャルな展示室は年中無休、随時更新もしています。
「びわ湖の日」に琵琶湖を学び、考えるためにも、奥深~い「琵琶湖の文化」をのぞき込んでみませんか?ここは深みにはまり込んでもぜんぜん大丈夫ですよ?!なんといっても、大勢の仏さまがお守りくださっていますから。。。
彦根城博物館「琵琶湖文化館所蔵の名品」展終了しました
梅雨のうっとうしい日が続きますが、皆さま元気にお過ごしでしょうか。
さて、6月21日(火)をもちまして彦根城博物館で開催されていました「琵琶湖文化館所蔵の名品―彦根ゆかりの書画とやきもの―」展が終了いたしました。さわやかな5月下旬に始まり、約1か月間の展覧会で、12,951人の入館者があったとの報告を受けました。平年の同時期と比較しても300人ほど多かったそうです。多くの方々にご覧いただきまして、誠にありがとうございました!5月末に訪問させていただいた時も、大勢の来館者の方がいらっしゃり、会場が静かな熱気に包まれていたことを思い出します。
今回は彦根ゆかりの作品16点を展示していただきましたが、彦根出身の書家として名高い日下部鳴鶴の書が一堂に並ぶなど、目の肥えた地元の方々にもとても喜んでいただけたとのことでした。いずれもピカッと光る名品揃いであったと自負しております!
そして本日、作品が無事に文化館に帰ってまいりました。彦根城博物館の学芸員の方はもとより、美術輸送専門業者の協力の下、搬入・開梱・点検作業もつつがなく終えることができました。展覧会の大小に関わらず、返却作業を終えるまでが「展覧会」であり、作品が良好な状態であることが確認されると本当にホッとします。
展覧会を通じて作品を多くの方にご覧いただくことが、博物館の使命であり、なによりの喜びでもあります。今回の展覧会に足をお運びいただきました方々、また開催いただきました彦根城博物館の関係者の皆さま方に心からの感謝を申し上げます。
安定した収蔵環境のために
琵琶湖文化館では、文化財の安定した収蔵環境を維持するために、日常的な温湿度管理や清掃に加え、生物用インジケーターによる調査や、空中浮遊真菌を把握するためのモニタリング等を定期的に実施しています(写真は空中浮遊真菌調査の様子です)。さらに年に数回、収蔵庫等では、長い時間をかけて施設内燻蒸を実施しています。梅雨の時期は、文化財の大敵であるムシやカビが発生しやすい時期です。このため、先日も予防措置として、施設内燻蒸を行いました。
安定した収蔵環境を維持するためには、普段から収蔵庫の環境や各収蔵品の置かれた状況を、つぶさに観察、監視することが大切です。そしてこれらの蓄積されたデータを分析・把握し、適切な収蔵環境の維持のため、季節に応じた最善の対策を講じるが必要あるのです。
休館後も県内社寺様からのご寄託品など、収蔵品が増加している当館では、安定した収蔵環境の維持がますます欠かせないものとなっています。かけがえのない「近江の至宝」を次世代に引き継ぐため、絶えることないケアが続きます。
平成28年度「打出のコヅチ」第2回が開催されました!
2016年6月16日(木)、海の向こうではイチロー選手が、日米通算4257安打という記録を作り出しましたが、こちら滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」では、参加者が126名という過去最多記録を更新致しました!
梅雨に入り、朝からの雨で足元が悪いにもかかわらず、このように多くの方々にご参加いただき、本当に嬉しく思っております。皆様どうもありがとうございました。
「打出のコヅチ」第2回は、松下浩氏(滋賀県教育委員会文化財保護課)を講師にお迎えして、「信長文書の世界」というテーマでお話いただきました。
織田信長というと、古いしきたりや秩序にはとらわれず、新しい時代を切り開いた革命児といったイメージが定着していますね。ところが、信長が発給した文書(手紙など)を丁寧に見ていくと、書札礼(しょさつれい)という当時の文書の書き方のルールに厳格に従い、敬うべき相手かそうでないかによって、使う紙や書き止めの文言、日付の書き方、宛名の位置などを微妙に変えていた・・・つまり、既成の習慣・概念をことごとく打ち破るのではなく、相手方と認識を共有できる、従来からの枠組みの中で、意思の疎通を図ろうとしていたことがわかる、というのです。
さらに、そのことを踏まえると、文書に記された「麟」の花押(信長のサイン)と、有名な「天下布武」の印章について、「天下布武」というのは日本全国を統一するという意味ではなく、室町幕府の再興を目指しただけで、「麟」の花押も信長ではなく、足利義昭を指すのだと考えられる、という新たな説も紹介されました。
崩し字で書かれた古文書は、初心者にはとっつきにくいものではありますが、スクリーンに大きく映し出された文書を前に、細部にわたる丁寧な解説をしていただくと、まるでそこに信長が居て、「小早川様には斐紙(ひし:上質な紙)っぽいのでなければ」「兼松は朱印にして・・・」などと言いながら、右筆(代筆する人)に書かせている様子が思い浮かんだりして。。。そして、信長がこれほどまでにしきたりを重んじる人物であったことは、実に意外で、また驚かされることでもありました。
その後、参加された方々からは、「朱印と黒印は使い分けられていたのか?」「信長はいつから天下統一を目指したのか?」「(実際に文書を書いた)右筆は何人いたのか?」など、ご質問が相次いだのですが、質疑応答を続けるうちにとうとう時間切れ。すべてのご質問をお伺いしきれなかったのがとても残念で、申し訳なく思っております。
さて、次回の「打出のコヅチ」は、7月14日(木)、「近江の神仏習合-琵琶湖文化館収蔵品を中心に-」というテーマで、当館学芸員・渡邊勇祐が講師を務めさせていただきます。ただ今、参加申込受付中!まだお済みでない方は、どうぞお早目にお申込み下さい!
お申込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第2回
滋賀県にゆかりのある歴史上の人物のうち、織田信長は最も有名で人気のある人物の一人と言ってよいでしょう。
16日(木)に行います平成28年度滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第2回目は、講師に松下浩さん(滋賀県教育委員会文化財保護課)をお迎えしての「信長文書の世界」と題するお話です。松下さんは、長年、安土城の調査研究に携わってこられた、信長研究の第一人者でいらっしゃいます。
信長と言えば、古いものを破壊しつくし、次々に新しい政策を推し進めた「革命児」というイメージをお持ちではないでしょうか?でも、そのイメージは確かな根拠に基づいたものなのか?今回の講座では、信長自らが書いた手紙を題材に、その書き方や紙の選び方などを通して、信長の真の姿に迫る!ということです。
奇しくも6月は信長の祥月(命日のある月)。残された史料の語ることに耳を傾け、生前の姿を偲ぶにはよい時季ではないでしょうか。
講座のお申込みは、
滋賀県立琵琶湖文化館(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/
メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで。
①お名前、②お住まいの市町名、③連絡先(電話番号)、④参加回、
⑤講座のことを何で知ったかを、お知らせ下さい。
さて余談ですが、「明智左馬之助の湖水渡り」ってご存知ですか?本能寺の変で信長を討った明智光秀の娘婿、明智左馬之助(秀満)は、山崎合戦で光秀が敗走したことを知り、急ぎ安土から京へ向かいました。ところが途中、大津で追い詰められ、そのまま馬に乗り琵琶湖を渡って、坂本城まで逃れたそう。で、その大津というのが、実は文化館のすぐ前の浜なのです。
講座会場のコラボしが21からは徒歩1分。今はそこに石碑が建っていますので、帰りに少し足を延ばしてみて、戦国の時代に思いを馳せてみるのもおすすめです。
では皆さま、16日(木)13:30から、コラボしが21 3階大会議室 でお待ちしております!
僕たちも応援しています
熊本・大分地震からまもなく2ヶ月が経とうとしていますが、被災された皆さまには、心からお見舞い申し上げます。
先日の新聞記事に、熊本県のPRキャラクター「くまモン」と彦根市のゆるキャラ「ひこにゃん」が、被災地の皆さんを元気づけたという記事が載っていました。
彦根市さんには現在琵琶湖文化館の所蔵品を展示していただいていますし、会場でひこにゃんにもお目にかかれたので、ついつい記事に目がいったのですが、くまモンとひこにゃんが並んで写っている写真を見ると、ナゼ僕「あきつ君」もそこにいなかったのか・・・と。一緒に並んで皆さんを激励したかったな・・・と。いやいや知名度が・・・そもそも着ぐるみもない・・・ならば妄想するしかない・・・と、夢のコラボを「夢」見て作ってしまいました。。。(折り紙は滋賀県平和祈念館のボランティアさんからいただきました!)
記事の写真では、何より会場に集まっておられた皆さんのテンションの高さがとても印象的でした。ゆるキャラが持つ「癒し」パワーの可能性について、改めて考えさせられる我が身です。僕はゆるキャラとしてはまだまだ・・・そこに居たかったとおねだりするより日々精進。僕に「和み」を求めて下さる方がいると信じて努力してまいります。微力ではありますが、こんな僕ではありますが、皆さまを応援してまいります。
一方で、4日のニュースですが、ヨーロッパで大雨が降りパリのセーヌ川が増水。浸水による文化財の損傷を警戒したルーブル美術館では、地下倉庫の収蔵品約25万点をボランティアさんらの手を借りて地上階に移した、との記事が載りました。緊急のこととは言え、美術館側でも勇気のいる決断だったと思います。何より大切なものを守りたいという皆の思いが一致して行動に繋がった・・・とても勇気づけられる記事でもありました。
人と人とのつながりがあってこそ。大切なものを守りたい気持ちは世界共通です。文化館がお世話になっている滋賀県教委文化財保護課の職員さんも、7月に被災地の復興支援に行かれると聞いています。人の手によって作り出されたものであるなら、人の手で守っていこうではありませんか。被災地の一日も早い復興を心よりお祈りいたしております。
筆:あきつ
彦根城博物館で開催中です!
さわやかな晴れの日もあれば、雨の日もあって、なかなか天気も定まらない今日このごろですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
さて、先日彦根城博物館で開催中の「琵琶湖文化館所蔵の名品―彦根ゆかりの書画とやきもの―」展を訪問する機会がありましたので、展覧会の様子をちらっとご紹介します。
彦根城博物館は彦根城表御殿跡地に建てられた博物館で、建物は復元を兼ねて建てられており、格調高い趣があります。その中で文化館の所蔵品は、建物に入って受付を過ぎて一番目の展示室で、テーマ展として展示されています。
張月樵の孔雀図をはじめ、書家として名高い日下部鳴鶴筆の屏風や、きらびやかな湖東焼などの彦根ゆかりの作品16点を展示していただいております。
案内していただいた彦根城博物館の学芸員さんから聞いたところによると、展示中、彦根の文化に詳しいお客様が、展示している湖東焼の四段重や鉢を見て、「こんな湖東焼もあるのですね。見たことなかった。」と驚いていらっしゃったとのこと。
琵琶湖文化館は開館以来、地域の文化財の保護を目的に、県下の文化財を広く収集・保管してまいりましたが、このようにお守りしてきた収蔵品を作品ゆかりの場所で公開させていただくことができて嬉しい限りです。本展覧会の会期は6月21日(火)までとなり、多くの方にご覧いただけましたら幸いです。
そうそう、訪問した日は博物館にあの“ひこにゃん”が来館していましたよ!HPで登場日時を確認して行かれてみてはいかかでしょうか。
ホームページ5月のアクセス数
早いもので、新年度が始まってもう2ヶ月が経ちました。文化館の方はと言いますと、5月には滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」が始まり、彦根城博物館さんで「琵琶湖文化館所蔵の名品-彦根ゆかりの書画とやきもの-」を開催していただくなど、とても嬉し楽しい1ヶ月となりました!
さて、当館のホームページのアクセス数は、前月よりわずかに増加!5月は1,546件のアクセスをいただきました。ご訪問いただきました方々、どうもありがとうございました。検索いただきましたキーワードを見ると、なにやら近世絵画に関するものもチラホラと。今年は、超人気のあの画家の生誕300年ということで、日本中の博物館・美術館がにぎわいを見せているようですが、当館ホームページにもその余波が押し寄せているのでしょうか?
琵琶湖文化館と「近世絵画」?と不思議に思われる方も中にはいらっしゃるかも知れません。文化館というと、最近は「仏教美術」というイメージが強いのですが、実は、近世絵画の優品も数多く収蔵しているのです。
休館中ということで、当館で展示公開する機会がなくとても残念なのですが、収蔵品が他館で展示されることもあります。当館ホームページの「収蔵品公開情報」には、その都度、情報を掲載しておりますので、時々チェックしていただけると嬉しいです。
また、当館ホームページの「浮城モノ語り」も更新中です。ここでは、学芸員が作品の1点1点について写真とともに、まるで展示室でのギャラリートークのように詳しい解説を行っております(最新号は第26話「東洋風俗図」)。
昨今のブームの中で、近世絵画の世界に心を奪われたあなた!滋賀にはどんなものがあるの?もっと知りたい!見てみたい!と思われたら、まずは当館のホームページへお越しください。役に立つ、詳しい情報が満載です。では、6月もよろしくご覧くださいませ!
つながっています、県内の博物館
先日、『滋賀県博物館協議会』の総会があり、東近江市へ出張してきました。協議会は、県内の博物館施設(歴史・芸術・民俗・産業・自然科学等)が相互の連絡を図り、円滑な運営に資するとともに、博物館活動を通じて県民文化の振興に寄与することを目的に、現在67館が加盟しています。
現協議会の創設は昭和57年。事務局には琵琶湖文化館→近代美術館→琵琶湖博物館と歴代県立施設が務めてまいりましたが、今回の総会で新しい会長に長浜城歴史博物館の館長さまが就任され、それに伴い事務局も移行することとなりました。来年度35周年を迎える協議会ですが、時代の流れとともに新しい風が吹いているようです。総会では、県内の施設が今まで以上に連携し、活動を盛り上げていけるよう、様々な事業が企画されていることが報告されました。
総会終了後には、会場館である近江商人博物館を見学させていただく機会に恵まれました。この施設は平成8年に開館し、近江商人を知る窓口となる博物館として活動をして来られましたが、開館20年を迎え、東近江市ゆかりの日本画家・中路融人(なかじゆうじん)氏から日本画52点を寄贈されたことを機に、2階を新たに「中路融人記念館」としてこの4月にリニューアルされたばかりとのことです。展示室では、湖国の風景に魅せられた中路画伯の作品がずらりと並び、まるで時間が止まったかのような、静寂を絵に描き止めたかのような、素敵な空間が広がっていました。そして3階特別展示室では、東近江市出身の洋画家・野口謙蔵氏の作品が展示されていて、また違う雰囲気を堪能することができました。
常設展示では、「天秤棒一本から豪商へと立身出世した近江商人の軌跡」をテーマに、江戸時代から明治時代にかけて活躍した近江商人にまつわる様々なものが展示されています。ついつい会場では、映像やジオラマ、行商姿の体験コーナーなど、文化館には無かったものに目がいってしまいました。
このように総会や研修会の際に、会場館を見学させていただくことは、各館の様々な工夫や取り組みを知る貴重な機会ともなり、刺激にもなります。加盟館が相互に情報を提供し合って、今後ますます滋賀の博物館が元気になればいいなと思います。
ちなみに余談ですが、琵琶湖文化館では、開館した正にその年昭和36年に「野謙(野口謙蔵)油絵展」を、また昭和58年には「中路融人展」を開催させていただいた経歴があり、今回の出張に何かのご縁を感じずにはいられない旅となり・・いえいえ出張となりました。
筆:あきつ
平成28年度「打出のコヅチ」スタート!
5月にしては気温の高い日が続いています。19日の大津の最高気温は27度。少し動くだけでもう汗が湧いてきます。そのような中でのスタートとなった平成28年度滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」ですが、今回は90名という多くの方にお越しいただきました。暑い中、足をお運び下さった皆様、本当にありがとうございました。
第1回目の本講座では、「来迎図・神像・懸仏-平成27年度滋賀県新指定文化財より-」という演題で、県教育委員会文化財保護課担当職員の古川史隆氏を講師に迎え、昨年度新たに県指定の文化財となった美術工芸品の中から、「絹本著色阿弥陀三尊来迎図」(大津市・光明寺)、「木造男神坐像」(栗東市・五百井神社)、「金銅十一面観音不動毘沙門懸仏」(長浜市)の3件について、詳しい解説をしていただきました。
まずは、光明寺の阿弥陀三尊来迎図について。阿弥陀来迎図とは浄土信仰の広がりと共に描かれるようになったもので、比叡山周辺の寺院には数多く残されており、光明寺の鎌倉時代のものも一見したところそれほど変わったようには見えません。ところがよく見ると、右下の往生者が観音菩薩の捧げ持つ蓮台に乗っており、まさに来迎の劇的な場面が描かれた、他に例のない大変珍しいものであるということです。
次に、紹介された五百井神社の男神坐像は、なんと驚くなかれ!平成25年9月に滋賀県に大きな被害をもたらした台風18号の際、神社の裏山が崩れ、土砂に埋められた中から救出されたものなのだそうです!それまで長い間人目に触れずにいた神像ですが、被災によってお姿が少し変わってしまったものの、霊木かと思われる「節」のある材で作られた像は保存状態が良く、眉間を寄せた怒りの表情の中にもおだやかさが感じられる洗練されたお顔などから、平安時代にさかのぼる優品であることがわかりました。
長浜市の懸仏は、表面の十一面観音とそれを取り巻く豊かな装飾もさることながら、裏面の墨書銘から制作年・制作の背景などが詳しくわかり、懸仏の全盛期である南北朝時代の基準作例ともなる優品であるとのことでした。
今回のお話は、指定文化財にすることの意味を含め、来迎図、神像、懸仏の一つ一つについて、どのような歴史的背景の中で作られて、どういった変遷を辿ってきたのかなど、とても丁寧に解説して下さいましたので、初心者の方にもわかり易かったのではないでしょうか。これらの文化財が、保存と活用を図るに値するものとして指定された意味を、よく理解できるお話だったと思います。
さて、今回指定を受けた3件のうち、懸仏は高月観音の里歴史民俗資料館の常設展で、また五百井神社の神像は、栗東歴史民俗博物館で5月21日(土)から6月19日(日)まで開催される収蔵品展「資料が奏でる歴史のしらべ」にて公開されるとのこと。今回講座にご参加いただいた方もそうでない方も、機会があれば実物を見に行かれてはいかがでしょうか?
次回の講座は、6月16日(木)「信長文書の世界」というテーマで行います。講座を受けると、今までの信長像がガラッと変わるかも?皆さま、ぜひぜひご参加くださいませ。
お申込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」
いよいよ19日(木)から始まります!平成28年度滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」。皆さま、もうお申込みいただけましたでしょうか?
今年度の第1回目は、昨年度新たに滋賀県指定文化財になったもののうち、来迎図、神像、懸仏という、神と仏の信仰に関わる文化財がテーマです。今回お話しいただくのは、県文化財保護課の美術工芸担当でいらっしゃる古川史隆さんです。調査から指定に至るまでの過程、ずっと資料に寄り添って来られた担当職員から、直にお話しを伺えるチャンスはそうそうありません。ぜひこの機会にいらっしゃって、滋賀の文化財について理解を深め、またその奥深さを堪能していただければと思います。
お申込みは電話、FAX、または電子メールで、①お名前、②お住まいの市町名、③連絡先(電話番号)、④参加回、⑤講座のことを何で知ったかを、当館までお知らせ下さい。
また、すでにお申し込みいただいた方、どうもありがとうございます。中には毎年この講座を楽しみにして下さっている方もいらっしゃるようですね。ご期待に沿えるよう、講師だけでなく、スタッフ一同準備にいそしんでおります。そして、滋賀の文化財の応援団でいらっしゃる皆さまと、会場でお目にかかれることを楽しみにしております。
会場はびわこホール向かいのコラボしが21(大津市打出浜2-1)。講座は13時30分から15時まで、13時15分より受付開始です。では皆さま、どうぞお気を付けてお越し下さいませ。
彦根城博物館での展覧会のお知らせ
若葉芽吹く季節となりました。みなさま元気におすごしでしょうか?
さてさて、このたび彦根城博物館で企画展「琵琶湖文化館所蔵の名品―彦根ゆかりの書画とやきもの―」が開催される運びとなりました!
琵琶湖文化館は、滋賀県内の文化財を保護するという考えの下、開館以来、仏教美術のほか、県内の様々な文化財を積極的に受け入れてきました。これらの収蔵品の中には、彦根にゆかりのある作品も所蔵しております。そして彦根城博物館の皆さま方のご尽力によって、ご当地の彦根城博物館で展覧されることになりました。
彦根出身の書家として名高い日下部鳴鶴(くさかべめいかく)の書跡や、彦根出身の絵師張月樵(ちょうげっしょう)の絵画、そして彦根藩の御用窯で開花した湖東焼などが展示されます。
いずれも格調高い作品で、城下町彦根の趣とともにご観覧いただきましたら幸いです。
企画展 琵琶湖文化館所蔵の名品―彦根ゆかりの書画とやきもの―
開催期間:平成28年5月20日(金)~6月21日(火)
会 場:彦根城博物館
〒522-0061 滋賀県彦根市金亀町1番1号
TEL0749-22-6100
http://hikone-castle-museum.jp
主 催:彦根城博物館
共 催:滋賀県立琵琶湖文化館
展示作品:コチラ
こんなところにも文化館
先日・・・文化館に・・・とあるタレコミが・・・ありました。。。「この表情!この底の抜けの明るさ!あまりのインパクトに自分一人ではきちんと受け止めきれないので取り急ぎメールします」とのこと。何なに?なんだろうと添付ファイルを開いてみると・・・パンフレットの1ページらしいのですが、そこにはなんと!琵琶湖文化館をバックに!2人のフレッシュなお巡りさんが!進むべき道を!示して下さっているではありませんか!!輝く笑顔がステキです。。
ちなみに皆さん、改めてお尋ねしますが、琵琶湖文化館の場所はご存知・・・ですね?そして館のすぐ向い側に滋賀県警察本部があることも・・・ご存知です?ね?
実はこのパンフレット、滋賀県警察官採用募集の案内パンフレットなのですよ。その中のページに琵琶湖文化館が写っているのを偶然見つけられた方が、興奮気味にタレコミ(情報提供)をして下さったのです。確かにインパクト大!「安心」「安全」が全面的に表現されています!守られる:守られた:守るべき:文化館のイメージアップも間違いなしデス。。。ニヒッ。
よく見るとコレ『交番・駐在所』の紹介ページです。「滋賀県民の為に 地域の治安を守る」「県民の幸せのために・・・全てを懸ける!」・・・なんとも頼もしいお言葉です。
・・・もしかしたらと思うのですが、文化館を背景に選んだ理由は・・・
その1)当たり前のように日常の風景に溶け込んだ存在感が良かった
その2)親しみやすくて地域の人々に愛されている感が良かった(自分で言う?!)
その3)お城の守りが堅いイメージが良かった
その4)地域密着型のイメージが交番のイメージと重なった
さてどれ?!全部だとしたらとっても嬉しいです~。確かに・・・アナタのおそばに文化館。。。残念なのはお城のテッペンにいる僕が写真からカットされているコト・・・くらいですかね?(泣笑)。
情報提供をして下さった文化館ファンの方にも、この館を背景に写真を撮ろうとイメージして下さったパンフ編集の方にも、なんだかとても有り難い気持ちでいっぱいです。
採用試験はもう始まっているようです。新しく警察官になられる方たちに期待して・・・県民の皆さんに「安全」「安心」と言って貰えるよう、我が館:琵琶湖文化館も守っていって下さいね。
よろしくお願い致します。。。
筆:あきつ
ホームページ4月のアクセス数
新年度が始まって早1ヶ月。フレッシュマンの皆さんも、仕事に慣れて来られた頃でしょうか?最初は電話の取り方からして、とても緊張するものですよね。大丈夫!きっとアナタはもう、職場になくてはならない重要な戦力!張り切ってまいりましょ?!
さて、毎月気になる当館ホームページのアクセス数、4月は1,409件のアクセスがありました。イベント事では、約1ケ月半に渡って安土城考古博物館で開催されておりました琵琶湖文化館収蔵品特別陳列「表現された神と仏」が終了し、会期中6,946人の方々にご鑑賞いただいたと、嬉しい報告がありました。足をお運びいただきました皆さま、本当に有り難うございました。アンケート結果からも、90%以上の方が「満足」「ほぼ満足」とご回答を下さったとのこと。これを励みにこれからも頑張ってまいりますので、応援よろしくお願い致します。
また、満を持しての発表となりました、滋賀の文化財講座『打出のコヅチ』開催のお知らせ。ホームページにアップするや否や、参加のお申し込みが相次ぎ、嬉しい悲鳴を上げております。受付の際「この講座を知ったきっかけは何ですか?」とお尋ねしているのですが、
「チラシを見た」
(エッ?!発送してからまだ2日しか経ってないのに!もう?!有り難い!)
「文化館前にある掲示板を見た」
(エッ?!掲示板効果出た!文化館の活動見守るご近所さん?有り難い!)
等々、実は電話を切ってから、中でもイロイロと反応しているのございますヨ(笑)。
『打出のコヅチ』も今年で8年目。毎年楽しみにして下さっている参加常連さんたちの心もガッツリつかんで、5月19日(木)に第1回 「来迎図・神像・懸仏-平成27年度滋賀県新指定文化財より-」を開催します。是非皆さんお気軽にご参加下さい。
筆:あきつ
春の特別一般公開
ゴールデンウィーク目前となりましたが、皆さんご予定はお決まりですか?どこに出掛けようかと考え中・・・という方に是非チェックしていただきたい、春の一般公開のご紹介です。
草津市にある芦浦観音寺さまでは、5月4日・5日に寺宝の特別公開が実施されます。拝観時間は午前10時から午後3時までです。通常の拝観には予約が必要ですが、この2日間は特別に草津市観光ボランティアガイドさんの案内付きで、鑑賞することができるそうですよ。
この日に合わせて文化館からも、お預かりしている寄託品の一時返却を行っております。
○滋賀県指定文化財 豊臣秀吉自筆北野湯茶道具目録
:天正15年(1587)10月に京都北野天満宮境内において豊臣秀吉が催した「北野大茶会」。開催にあたっては同年7月から準備が進められ、公家、大名、茶人だけでなく、若党、町人、百姓などにも参加が呼びかけられ、当日は1,000人以上の参会者があったとか。この目録は、10月2日の朝に四畳半の部屋を飾るための茶碗や茶入れなどの道具について記したものです。
○菊桐花紋蒔絵堺重
:三段重ねの重箱。外側と蓋に大ぶりな桐紋と菊紋があしらわれています。特に菊紋についてはバリエーションが豊かで華やかさが印象に残ります。
○蝶紋蒔絵花見弁当 ○菊花鳥蝶紋蒔絵銀造煙草盆、附 螺鈿煙管1本
○黒漆野立て茶道具茶釜、釜台付 ○翡翠棚飾り
○黒漆野立て茶道具、附 茶碗5口、夏茶碗2口、白磁茶碗2口
以上の7件です。個人的に僕の大好きな翡翠棚飾り(ご長寿と思わしき亀の背に、両手で包み込みたくなるような青の宝珠が細工されている)がご披露されますので、是非皆さんにもチェックしていただきたい!
今回の特別公開は、美しい細工が施された工芸品やお茶会に縁のあるものがセレクトされているようです。春のお出かけ、過去にタイムスリップしたような『雅』を堪能するのもいいものですよ~。
筆:あきつ
KAZARI展での出逢い
桜咲くお花見日和のとある休日、人出が多いのも覚悟の上でMIHO MUSEUMさんの展覧会を観に行ってきました。入口から展示会場の施設までは、上り坂で少し距離があるのですが、沿道には桜が植えられており、訪れた時にはドンピシャの満開状態。送迎用の電気自動車に乗りながら、ご一緒になった外人さんたちと「ワンダホ~」を連発しておりました。(帰りは下り坂なので歩こうと誓!)
そして桜で十分盛り上がった皆さんの本当のお目当ては、特別展「KAZARI かざり-信仰と祭のエネルギー-」です。当館の所蔵品も出展されていましたので、久々に展示会場で眺めたいな~と、僕も行ってみたわけです。
会場では大勢の人達がゆったりと鑑賞されており、大盛況となっていました。展示作品も県内はもとより県外からも多数出陳されており、素人ながらも見比べながら楽しんで展示を鑑賞することができました。また展示室内に滋賀にゆかりの風景がパネルやタペストリーで紹介されるなど、滋賀県らしさをイメージさせる表現が随所にあってとても良かったです。
・・・と、ここで一人、何だろう、何故だろう、何だか既視感が・・・。
その答えは数日後に判明しました。館に送られてくる情報誌「Duet」(サンライズ出版(株)発行)。滋賀の文化情報を届けてくれる情報誌なのですが、今回は「KAZARI」展の特集が組まれており、その中に平成22年に九州国立博物館で開催された「湖の国の名宝展」の図録が、今回の展示の構成を練る際のヒントになったと書かれているのですよ!!「湖の国の名宝展」、そうあれは琵琶湖文化館が休館になってから、初めて県外で行った珠玉の展覧会。。。学芸員ではない僕も写真フィルムのスキャンやチラシ作成のお手伝いをさせていただいた、とても思い出深い展覧会です。
そうかぁ、あの時の、なるほど既視感。こういった形で再会できるのも、なかなかに有り難い事でございます。
そしてまた後日、郵便が届きました。中身は「開館10周年記念 九州国立博物館史」のご寄贈です。そう言えば、名宝展を開催した時は開館5周年記念でした。あれから5年。。。月日が経つのは早いものでございます。
筆:あきつ
「打出のコヅチ」 ちらしが出来ました!
講座・イベントのコーナーでもすでにご案内しておりますが、毎年ご好評をいただいております滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」。今年度も5月より開催いたします!
滋賀県には、国宝や重要文化財を含む多くの文化財がありますが、本講座では毎年、これらの文化財をめぐるホットな話題を皆さまに提供しております。
今年度は5回にわたって、新たに県指定となった文化財をはじめ、有形・無形のさまざまな、滋賀県ならではの文化財について、専門の職員と学芸員がわかりやすく解説します。
講座のちらしは県内の博物館・図書館等に置かせていただいておりますので、みなさまお立ち寄りの際にはぜひお手に取ってご覧下さいませ。
参加のお申込みは、
琵琶湖文化館(TEL: 077-522-8179 FAX:077-522-9634)まで。
では、今年度も多くの方のご参加をお待ち申し上げております!!
展覧会終了後の作業
新年度をむかえ、皆さまいかがお過ごしでしょうか。文化館のスタッフも新たな気持ちで業務に邁進しております。
そんな中、安土城考古博物館で開催されていました琵琶湖文化館収蔵品当別陳列「表現された神と仏」展が好評のうちに閉幕し、昨日作品が無事に文化館へ搬入されました。この日は朝から担当の学芸員さんが準備万端!に整えて待っていました。
そして作品の搬入後は、作品を念入りにチェックしていきます。この確認作業は毎回展覧会へ出陳する度に行われますが、大変重要な作業です。博物館は「文化財の保護と活用」の一環として展覧会を催しますが、実は文化財にとって「保護」と「活用」は相反する事でもあるのです。「活用」=「展示公開」するとどうしても文化財に負荷がかかってしまいます。しかし、だからといって文化財を傷めるわけにはいきません。そこで展覧会の際には、輸送や展示方法に様々な工夫をこらし、文化財を「保護」しつつ展示(「活用」)することが求められます。
作品については展覧会の前にあらかじめチェックし、展示に耐え得るのか、劣化箇所はあるのか、などの状態を細かく記録します。そして展覧会を終えて戻って来た作品を目視で確認します。人間の目で作品に変わったところや問題はないか、ということを入念に見ていきます。文化財は物を言いませんので、我々が観察して、「変化」に気付くことがなにより大切になります。そして当たり前のことですが、何も問題がないことを確認して、ようやく展覧会は無事に終了となります。
今回も一連のチェック作業を無事終え、担当学芸員さんは安堵の表情を浮かべていましたよ!
研究紀要第32号 発行しました
昨日の京都新聞さんの社説で、ふっと目に飛び込んできた「朝鮮通信使」の見出し。江戸時代に朝鮮王朝が日本に送った外交使節団:朝鮮通信使にまつわる関連資料を、ユネスコの世界記憶遺産に登録しようと、日韓の民間団体が共同で申請したという話題です。これらの資料が歴史的に意味があるのはもちろん、この試みが両国の市民交流から芽生えた共通の願いとして、現代的にもとても意義深いことだと語られています。
ちなみに3月末に行われた日韓共同申請には、なんと日本側のスタッフさんも韓国の釜山(プサン)に赴き、釜山の中央郵便局から、釜山の消印で、パリのユネスコ本部に申請書を発送された・・・とのことですよ。なんとも関係者方々のアツイ思いが伝わるエピソードですね。
あっ!皆さん!当館の『研究紀要第32号』発行!発行:済です!
・・・と、何をこんなに焦っているのかというと、今回の紀要には、ユネスコ世界記憶遺産として申請された関係資料の内の一つ、我らが琵琶湖文化館の朝鮮通信使!「琵琶湖図」のことについても触れているのです。内容をちょこっと紹介しますと、
【円山応震「琵琶湖図」の描写景観と構図について- 景観の同定とシーボルト『NIPPON』への構図流用 ―】
円山応震が描いた「琵琶湖図」と、シーボルトが著書『NIPPON』の中で示した挿図の「琵琶湖図」との比較から、新たな解釈が・・・特別寄稿によります。
【資料紹介 絹本著色春日赤童子像】
春日大社・興福寺における垂迹美術の一つとして南都を中心に制作された春日赤童子像。現在その作例は多くない中で、当館所蔵の春日赤童子像について紹介する。
【資料紹介 紙本淡彩日吉祭礼図】
全長約21mにもおよぶ当館所蔵の絵巻物「日吉祭礼図」。江戸時代における日吉山王祭の様相を詳しく読み解く。
(4月10日まで安土城考古博物館「表現された神と仏」展にて展示公開中)
などなど、その他平成27年度に行った館蔵品修理報告や活動報告も掲載しています。県内の図書館はもとより国会図書館や市町教育関係機関、博物館などにも送付しておりますので、気になる方は是非手に取ってご覧くださいませ。
筆:あきつ
戦国武将の法要
先日、旧湖北町の小谷寺さまで行われる法要のため、文化館がお預かりしている「浅井長政像」(滋賀県指定文化財)をお持ちするという出張に、学芸員さんと一緒に行かせていただきました。
・・・実は念願でした。いつも僕は文化館でお留守番。地元の方々が、どれほどこの法要を大切にし守り継いでおられるのか、毎年学芸員さんからお話しを聞いておりましたので、「一度僕もおうかがいしてみたい」と秘めた思いを抱いていたのです。念願叶ってこの日、出張のお供をさせていただくこととなりました。
地元では、朝から地元関係者の方々が集まり、敷地内にある小谷神社に参拝、その後小谷寺の本堂に移動して、厳かに法要が執り行われていました。小谷寺は浅井氏の祈願寺でもあったのです。
長政は、信長の妹であるお市を妻にめとりながらも信長に対立し戦い敗れて自害した戦国武将、激動の戦国時代を語る上で外すことのできない重要人物の一人です。お市との間に生まれた浅井三姉妹(茶々・初・江)の父君と言えば分かる方もいらっしゃるでしょうか?
法要の間、お傍に控えさせていただいておりましたが、ご住職が唱えられるお経の声と皆さんがご焼香される凛とした空気に、長政が歴史的に有名であること以上に、地元の皆さんにとっては特別な存在であることがうかがい知れました。それはこうして毎年法要を続けてこられている意味に繋がっているようにも思います。
さて、地元の皆さんにも喜んでいただけたし、無事お役目も果たせたのでさぁ帰ろうとしたその時に!突然目に飛び込んできたのがコレ!巨大な兜です!「大河ドラマ-江-放映記念」となっています。多くの方がこの兜の前で記念撮影されたのでしょうか(笑)。この日も県外ナンバーの車がたくさん停まってました。ここから歴史の舞台となった小谷城跡まで、徒歩でグルッと回れるそうですよ。行った時には桜の花が未だ2分咲き程度でしたが、今週には見頃を迎えていることでしょう。いい季節です。お出掛けしてみてはいかがですか?
・・・そう言えば今年の大河ドラマも戦国大名が活躍するお話。「やっぱり戦国は強い・・・」そんなことを話しながら帰途に着いた今回の出張でした。
筆:あきつ