日別アーカイブ: 2018年8月27日

収蔵品の他館への貸出し

8月も残りわずかとなりましたね。季節は間もなく秋、豊穣のシンボル:赤とんぼを街で見かけるようになりました(夏は山にいるそうです)。そんな秋の訪れを、当館でも感じる出来事があります。それは「赤とんぼ」が「あきつ君」のお友達だから?いえいえ、それだけではありません。当館は休館中ですが、他の博物館・美術館さんが、「秋の展覧会」に向けて収蔵品の借用に来られるため、その貸出業務の対応に「まもなく秋」を感じているのでございます。

ということで、今回、東京の三井記念美術館さんが彫刻の仏像8躯を集荷に来られた現場に潜入取材・・・僕:あきつがお邪魔させていただきました。
先ずは「前室」という部屋で、当館の学芸員と先方の学芸員さんが、仏さまの状態をチェックされます。大昔に作られた仏さまですから、決して状態が良いものばかりではありません。個々の仏さまによって注意点はさまざまです。気をつけないといけない箇所はどこか、修理されているところはないかなど、安全に輸送・展示をしていただくために、お互いの目で見て確認し、情報の伝達をするわけです。すべては安全のために。。。
そして梱包(こんぽう)です。梱包と言っても、引っ越しの荷物みたいに箱に入れるだけではありませんよ。仏さまには、どうしても木がもろくなってきている脆弱な箇所というのがあり、指先や耳たぶなど、か弱い部分は特に注意して薄葉紙(うすようし)で保護します。そして、それぞれの仏さまの大きさに合わせて作られた「特注品」とも言える木製の担架に、仏さまに横になっていただき、安定している丈夫な箇所でしっかりと固定をするのです。そうしてようやく箱に入れられる状態となります。

『以前はね、薄葉紙で保護した後、仏さまを晒(さらし)でグルグル巻きにして運んだものだよ』「ミイラ巻きというやつですね。それは開梱する時も大変でしたね」など、学芸員さんが交わされる会話を小耳に挟みつつ。。。
時代と共に輸送技術や輸送トラック、道路事情も良くなってよかったな~なんて思ったりしていました。おかげで仏さまも安心してトーキョーまで行けるのですもの。羨ましい!!

三井記念美術館さんの特別展「仏像の姿」では、当館の他にも近畿圏では京都や大阪、奈良、三重、岐阜などへも集荷に向かわれるそうです。僕の愛すべき滋賀の文化財が、東京の皆さんのお目にも留まりますように・・・。展覧会の成功を祈っていまーす!

筆:あきつ

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