日別アーカイブ: 2018年8月31日

「花湖さんの打出のコヅチ」第3回 開催しました

昨日8月30日(木)は、「滋賀の文化財講座 花湖さんの打出のコヅチ」第3回の開催日。今回も190名と、たいへん多くの方にご参加いただくことができました。相変わらずの“暑い”日々が続いていますが、それ以上に“熱い”学びの意欲を持って会場まで足を運んでいただいた皆さまには、改めてお礼を申し上げます。

さて、第3回の講座は、当文化館の学芸員・渡邊勇祐が「神仏習合の世界-『耀天記(ようてんき)』を中心に-」というテーマでお話をさせていただきました。「神仏習合」は一昨年度の講座でも取り上げたテーマですが、今年は、文化館の収蔵品でもある『耀天記』という書物に注目して、比叡山を舞台に生みだされた神仏習合の一形態としての「山王信仰」が、具体的な教理を持つ「山王神道」へと発展していく姿をたどりました。

全国に約3,800社現存するという「日吉神社」で祀られる神々。明治時代に行われた神仏分離を経た現代では、仏教とは関わりのないものと捉えられがちですが、そもそもは天台宗の開祖・最澄が留学先の唐から持ち帰った神観念に大きな影響を受けたもので、仏教(天台宗)と関わりが深く、その中で重んじられていたものだったというのは意外でしたね。そして、今回の主題である『耀天記』に関して、書かれている内容や写本の筆跡などを詳しく見ていくことで、この書物の成立に関する謎が一つずつ解き明かされていったのは痛快でした。最後に残った謎は今後の課題(お楽しみ?)のようですので、いずれ謎が解けた際の続編にご期待下さい。

今回の講座内容は、一般にはややなじみの薄いテーマで、聞きなれない言葉も多く、内容的にもやや盛りだくさんだったかもしれませんが、会場では、受講者のみなさんが講師の話に熱心に聞き入り、積極的に学ぼうとされている姿がとても印象的でした。

また、講座終了後のアンケートには、「今までよく知らなかった事項を詳しく学ぶことができた」「難しかったが、新たな事を沢山聞けて面白かった」「神社と寺の関係をもっと知りたい」「久しぶりに比叡山に行きたくなった」「復習(?)もしてみようかと思う」などの、前向きで積極的なご感想をたくさんいただきました。。。ん?もしかして、今回の講座は、受講者の皆さまの「学びの意欲」をますます刺激してしまった、のでしょうか!?(笑)
「滋賀の文化財講座 花湖さんの打出のコヅチ」では、皆さまの意欲に応えるべく、文化財に関するさまざまなテーマでの講座をご用意していますので、ご興味を持たれた方はぜひご参加下さいませ(詳しくはコチラ)。

今回講座の様子は、ZTVコミュニティチャンネル(地デジ11ch)「おうみ!かわら版(滋賀)」(放送日:8/31・9/1・2・3)と「Weekly!かわら版(滋賀)」(放送日:9/2~9/8)でも放送されます。放送エリアは大津市・草津市・栗東市・守山市・野洲市・湖南市だということです。こちらの方も、ぜひチェックをお願いしま~す!

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