日別アーカイブ: 2018年8月10日

作品と季節感

先月のことになります。七夕を前に、文化館で学芸員さんと交わしたとある「会話」の一部を紹介しましょう。
「七夕にちなんだ作品、館蔵品で何かないですか?夏っぽいイメージのものとか」
『○○と△△と□□があるよ』
「ナイスです!」
『七夕で彦星は牽牛(けんぎゅう)と呼ばれているから、牽牛つながりでアサガオは?』
「いい感じ!」
『でもアサガオは秋の季語だよ?!』「・・・・・」
この話題に聞き覚えのある人?!そうです。これは、7月5日付のブログ「七夕と朝顔と牽牛」で一部紹介した内容です。このブログでは作品として「牽牛花(けんぎゅうか)図」を紹介しましたが、実はこの時、別の作品が候補にあがっていました。それがコチラ、「秋叢冷艶(しゅうそうれいえん)図」です。ほら!こちらの作品にも可愛らしいアサガオが咲いています!
この作品は、明治から大正時代に活躍した内海吉堂という画家が描いた作品です。上の方で咲く淡く黄色い花は「黄蜀葵(おうしょくき)」と呼ばれるトロロアオイ、青いラッパの形をした花はご存じアサガオで「牽牛花(けんぎゅうか)」、下の方の可憐な淡紅色の花は「秋海棠(しゅうかいどう)」というベゴニア属の花が描かれています。中にはカマキリなどの昆虫もあしらわれており、とても賑やかな作品となっています。
どうしてこの作品が、7月の「牽牛花」を取り上げたブログで採用されなかったのか・・。皆さんお判りでしょうか?ズバリそれは季節感です。7月にアサガオを紹介するのは、現代の感覚からして「夏」のイメージとしてまだ許される・・・でも「秋」の季語。作品名にも『秋』が使われている。。。それに加え、トロロアオイも秋海棠も、開花の時期は8月頃からなのですよ!!ブログでは季節感を大切に、情報発信を心がけていますので、「この作品は未だ早い」・・・ということになりました。で、おめでたく(?)立秋も過ぎたことですし、本日、満を持してのご登場と相成りました。だってね、ブログで見た花が巷に咲いていて、「あぁコレかぁ~」という発見があった方が面白いじゃないですか?!ささやかな試みではありますが、文化館的「マメ知識」をお楽しみいただければ幸いです。

この時、文化館で交わされた数々の「会話」をご紹介しましょう。
『トロロアオイの花を見たことある?よく咲いてるよ』
「ハイビスカスみたい。見たことあるかも」
『オクラアオイっていう別名がある』
「本当に!ネットで調べたら食べられるって書いてある!」
「オクラ、だからネバネバ、納得!」
「ネバネバ、だからトロロ?なんと安直な!」
「(笑)(笑)(笑)」

・・・このように、「作品」について云々・・・とは違う、かけ離れたところで盛り上が(ってしま)った、とても愉快な職場です・・・あぁ楽しい(笑笑)。

筆:あきつ

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