月別アーカイブ: 10月 2020

「花湖さんの打出のコヅチ」第4回 開催しました

秋晴れがさわやかに感じられた10月21日(水)、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」の第4回が開催され、会場のコラボしが21には、85名もの方々がお越しくださいました。

今回は「成菩提院の「釈迦諸尊集会図」と中国・南宋時代の仏画-滋賀県新指定文化財の紹介-」と題しまして、昨年(2019年)に新しく県の指定文化財となった、米原市・成菩提院様ご所蔵の釈迦諸尊集会図(文化館寄託)について、打出のコヅチの講師陣でお馴染みの古川史隆氏(県文化財保護課・琵琶湖文化館)が登壇いたしました。

県指定文化財とは、県にとって重要な文化財(国指定を除く)を指定したものです。この根拠となるのが滋賀県文化財保護条例です。同条例は昭和31年に公布されましたが、実は近畿2府4県では2番目の早さで、京都・奈良よりも早いのだとか。ちょっと意外デス!

釈迦諸尊集会図」は中国・南宋時代(13世紀末)に港町の寧波(ニンポー)で描かれた、掛け軸仕立ての仏画で、釈迦如来と文殊菩薩・普賢菩薩を中心とした多くの仏が、一幅に描かれています。お一人お一人が丁寧に描きこまれていて、スクリーンに映る拡大写真に皆さま見入っておられました。日本で描かれた平面性の強い仏画とは違い、立体感のある描きこみが、南宋時代の寧波仏画の特徴となっているそうです。文化館のホームページでは作品の詳細部分の画像を見ることができますので、ぜひコチラもチェックしてくださいね。

講座では、この釈迦諸尊集会図だけでなく、その他の南宋時代の絵画も多数紹介されました。そのなかで、県内の寧波仏画も紹介されました。寧波で描かれたものが、海を渡ってこの滋賀に来たことに運命めいたものを感じます。ですが、何故日本に来て、どう使用されたかはまだ詳しいことは分かっていないそうです。700年以上経っていても未だ謎がある寧波仏画。。。絵画の様式だけでなくその経緯もすごく気になります!

会場では、今年も県立図書館さんが講座関連図書を出張展示しに来てくださいました。参加した皆さまも、興味深そうに本を手に取っておられました。南宋時代の寧波仏画に興味を持って「調べてみたい!」と思った方は、ぜひ図書館にも足をお運びください。

さて、次回(11/5)は、いよいよ会場を飛び出して現地探訪です。県保護課の井上優氏を講師に栗東市を歩きます。地域連携企画展「栗太郡の神・仏 祈りのかがやき」の会場となっている栗東歴史民俗博物館の開館当初のエピソードなどに触れながら展示の見どころを解説します。お楽しみに!

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「栗太郡の神・仏 祈りのかがやき」展 ギャラリートーク②

日曜日は絶好のお出かけ日和でしたね。そうです、現在開催中の「栗太郡の神・仏 祈りのかがやき」展、第2回目となるギャラリートークが、栗東歴史民俗博物館で行われ、前回を上回る50名の方々が参加されました。ということで!今回も懲りずに潜入取材デス!

展覧会は第2期となっており、展示替えもされてましたので、新しく登場した仏涅槃図(仏さまの北枕?!)や、密教法具の独鈷杵や五鈷杵(鎌倉時代に造られた特徴?!)などについて、詳しく解説されました。
そして、今回の展覧会でキーワードの一つとも言える「神と仏の聖地・栗太郡」について。会場には様々な神さま仏さまがいらっしゃいます。「お寺に神さま?」「神社に仏さま?」ついつい私たちの常識では「?」と思ってしまいがち。これについては、明治時代に「神仏分離」が起こるまでは、お寺に神像があっても、神社に仏像やお経があっても、何ら不思議ではないとてもWinウィンな関係であったと。神さまも仏さまも世の中を救う(護る)ために、あらゆる偉大な力を総動員する、『超強力パワースポット』が当たり前だった!、そう考えると、神さま仏さまの「?」も、すんなり受け入れられるとのことでした。何より、そこにいらっしゃるだけで有り難い・・・。そんな展覧会です。

そしてギャラリートークの後半、事件は起こりました・・・。文化館関係者がザワついた一番の「!」ポイント:栗東の学芸員さんの口から「小槻大社の男神坐像(伝落別命)の襟元にうっすら“トンボ”が彫り込まれている」との説明が・・・なななんですと!これには一緒に解説をしていた文化館学芸員も「耳ダンボ」になったと言っておりました(笑)。そんなご縁が!肉眼では少~し彫り跡がある・・・かな?と見える程度なのですが、今後の更なる調査に期待!ですね!!

実は今回のギャラリートークでは、文化館の「クイズチャレンジ」栗東展スペシャルを会場で配らせていただきました。問題もさることながら、裏に載せている「栗太郡とは?」「仏さまの特徴:三十二相とは?」という豆知識も、ぜひこの機会に知っておいていただきたかったので・・・。解説の途中、阿弥陀如来さまの「仏足紋」のところで、みなさんがクイズを裏返して見ておられた時には、一番後ろで目をウルウルさせておりました(笑)。役に立ってる~♪持って行ってよかった~!

あっという間の1時間。今回もいっぱいお勉強させていただきました!参加されたみなさんも、同じ気持ちだと嬉しいです!感動の余韻に浸りつつ・・・せっかく結んでいただいたご縁なので、小槻大社にもご参拝♡「トンボのお城の文化館です。展覧会ではお世話になっております。これからもどうかいいご縁をお結び下さい・・・」とお願いしてきました。
これがあるからタマラナイ!知らなかった世界が“今”につながるこのご縁。奥深き「近江の文化財」です!

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「栗太郡の神・仏 祈りのかがやき」展でのお楽しみ

ご覧いただけましたか~?「栗太郡の神・仏 祈りのかがやき」展。会場となっている栗東歴史民俗博物館さんでは、10/3(土)の夕方に和太鼓のコンサートなども実施されましたので、「ついでに見てきた!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?お隣りは図書館ですし、借りた本を返しがてら、ふらっと博物館にもお立ち寄りいただければ、とっても嬉しいです。
「もう見てきたよ」という皆さん。展覧会の内容もさることながら、会場館で気付きましたか?4月からコツコツと積み上げてきた「文化館・クイズチャレンジ」・・・過去の出題の中から、実物を見て「あ、ほんまや」と復習・納得できる”文化財“が展示されてましたヨ~!気付いた?気付いてない?!ワタクシ、出題する側の人間ですが、実物を見たときには、ちょっと感動しました(笑)。

先ずはこちら、ロビーにずらっと展示されている梵鐘の数々!(栗東歴博さんのように、多くの大型の梵鐘を常設展示している館は、とても珍しいと思います!) しかも目線の高さに置いてあるので、通常見上げても見ることが出来ない鐘の上の方まで、じっくりと見ることが出来ますよ!こちらは、[第5回の問題⑬:梵鐘のてっぺんに伝説の生き物?! ]で出題しました。さて、何でしょう?覚えていらっしゃいます?よね?!先ずは「ホントにいた!」という驚きを楽しんでいただいて、その後は、ズラッと並ぶ一つ一つのそれぞれの表情の違い、”いかめしさ”や“愛嬌”みたいなところを比較して楽しんでいただく・・・のがおススメです!

続いてこちらは・・・
[第3回の問題⑦:狛犬の見分け方をご存じ?!エッ?違いが??]で出題しました。皆さん覚えてますか~?展覧会には、県指定文化財の狛犬(栗東市・大宝神社蔵/栗東歴史民俗博物館寄託)が出陳されています。シュッとした狛犬さんですが、お目目がクリクリでとても愛嬌のある表情をしていますので、ぜひご注目くださいね。
(この「狛犬の見分け方(覚え方)」を、全世界に広めようと野望を抱く文化館(笑)。)

また、新たなお楽しみとして、栗東展「クイズチャレンジ②」もご用意しました。さぁ、これはもう会場へ行って確認するしかないですよ?!皆さん‼
18日(日)14:00からは、ギャラリートーク②が開催されます。前回(①9/22実施)とはお話させていただく学芸員が変わるため、また違った見どころ・楽しみどころを、発見していただけると思いますヨ。皆さまのご参加を心よりお待ちいたしております~。

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滋賀:秋の展覧会 目白押し

そろそろ秋の展覧会シーズン真っ盛りですね。各館こだわりのテーマで、凝った展覧会を企画されていますよ!

先ずは、安土城考古博物館さんの特別展「信長と光秀の時代―戦国近江から天下統一へ―」(10/10~11/23)です。こちらは、もともと春に予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で、秋に延期された展覧会です。振り返れば4~5月、外出自粛に伴う施設の休館などで、開催中止を余儀なくされた展覧会もありました。そのような中で「延期」となったことは、歴史ファンとしてはとっても有難い!今年特に注目されている“信長”と“光秀”ですからね。どっぷり戦国時代にハマりたいものです~。当館からも、「明智光秀近江出身説」で注目された淡海温故録(おうみおんころく)が出品されていますので、是非ご覧くださいね。

そして、こちらにもご注目。大津市歴史博物館さんの開館30周年記念企画展「聖衆来迎寺と盛安寺―明智光秀ゆかりの下阪本の社寺―」(10/10~11/23)です。前期・後期はありますが、会期中に約100件(約160点)を展示予定とのこと。文化財ファンからするととっても贅沢な展覧会です♡。当館に寄託されている51件の文化財も集荷に3日をかけて貸し出され、お披露目の時を待っています(そのラインナップ公開情報はコチラ)。きゃ~うっとり。
そしてチラシやウェブサイトには、見どころの一つとして[特に国宝の「六道絵」は、その15 幅全てが並ぶのは地元の近江では実に36年ぶりのこと]と紹介されています。実はコレ、当館のコトです。36年前(昭和59年・1984)に開催した特別展「聖衆来迎寺」展:以来の揃い踏みなのですね~・・・なんだか感慨深い(笑)。ぜひ訪れてみたい展覧会です。

他にもほかにも・・・ん?!地域連携展?当館は今年、栗東歴史民俗博物館さんと連携して「栗太郡の神・仏 祈りのかがやき」展を開催していますが、実は、昨年タッグを組んだ甲賀市土山歴史民俗資料館さんが、今年は滋賀県立陶芸の森、甲賀市水口歴史民俗資料館、多賀町立博物館の4館で連携し、信楽焼についての展覧会「信楽焼 <わび・さび>の美の秘密とヒストリー」(10/10~12/6)を開催されます。これは連携祭りだぁ~!(笑)!土山会場では「甲賀の茶と信楽焼のヒストリー- 茶壺から汽車土瓶まで-」という企画で、なるほど地域密着型の展覧会ですね。滋賀を応援したい地元ファンとしては、改めて知っておきたい滋賀の伝統産業です!連携されている4館を巡ると、ちょっとした小旅行になるかも?!いい季節ですですから、ぜひお出かけ下さい。

どの展覧会もそうですが、コロナの終息が見通せない中で、必死に準備を進めてこられた珠玉の展覧会です。会場ではコロナマナーを守りながら、ゆ~ったりと非日常をお楽しみくださいませ。この秋、気分を開放いたしましょ~‼

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「一網打尽」君と「根こそぎ」君

今年はブログでこの話題に触れることはないかなぁ、と思っていたのですが、やはり避けては通れない、この時季恒例の、あの話です。
今夏、幸いなことに台風は近畿を避けてくれました。琵琶湖の波も比較的穏やか。ただ、そのせいで、大量の植物プランクトンが青緑色になって水面に広がるアオコが発生した日もありました。琵琶湖の側にいると、いろいろと環境問題にも詳しくなるものです。。。そしてヤツらも例年のごとく・・・発生してしまいました。
そう、湖岸に建つ我がお城にとって、夏から秋にかけての厄介モノ:水草(藻)が押し寄せ、その処分に困る季節です。沖合で育った水草が、流れ流れてたどり着くこの辺り、、、9月には強力な助っ人:藻刈り船が周辺の水草を刈り取ってくれていたのですが、当館の桟橋の下をかいくぐり、内側に入ってしまった水草は、人力で取り除くしか方法がありません。

毎年繰り返されるこの作業。。。(昨年の台風襲来後の作業は特に過酷を極めました!)今年は琵琶湖の水位も低く、岸からすくい上げるのも、とても苦労しています。

そこで無い知恵を絞って考案されたのがこの秘密兵器。期待のエース:手前が「一網打尽」君で、奥が「根こそぎ」君です!
なんてことはない、泥除けの足ふきマットにペットボトルの浮きを付けたモノと、下に重い鉄管を付けて沈むようにしたモノ。それぞれにハト除けのイガイガと、左右に長めのロープが取り付けてあるだけの代物・・・です。果たしてこれを、どう使うのか、想像できます??
正解は、この泥除けマットを建物側から水中に落とす → 岸側からロープを引っ張る → 水草がマットに絡みながら岸に寄って来る → 一網打尽!という見事な(?!)作戦なのです。
数々の試作品と試行錯誤の上、ようやくたどり着いた完成型。。。見た目はイマイチですが、沖の水草もこれでかなり回収できるようになり、作業効率はUP!道行くおじさまから「あんたらがキレイな琵琶湖を守っとるんや」と励ましのおコトバも頂戴しましたヨ。

時には風向きにより「昨日キレイにしたところなのに何故また?!」と嘆く朝もあります。それでも、水面から水草の量が減っていく実感は何よりの達成感。程よく腹筋、背筋、腕力を鍛えることができます。作業は午前中の半日です。
ということで!この琵琶湖のキレイを守る重大任務を!一緒に作業をして下さる方を大募集!!
我こそは!という方は、気軽に琵琶湖文化館スタッフにお声かけ下さい!是非そのお力を!!

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十五夜:お月さまと文化館

昨日(10/1)、十五夜のお月さまと我がお城:琵琶湖文化館を写真に撮ってみました。なかなか素敵な写真だと思いますので、ご紹介させていただきますね。


※注:偶然撮影された手ブレ写真↑お月さまが流れたわけではアリマセン。

他にも「琵琶湖文化館写真集」に掲載していますので、そちらもご覧くださいね。

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9月のホームページアクセス数

夏の暑さがやわらいで、秋を感じられるようになってきました。それもそのはず、今日から10月のはじまりです。早いもので令和2年度も、今日から下半期。月日が経つのは早い!それでは、今日は毎月恒例のホームページアクセス数と参りましょう。9月のアクセス数は2,323件!今回も多くの方にサイトを閲覧していただき、ありがとうございます!

 皆さんが、どのページを閲覧されているのか気になって確認してみると、「収蔵品紹介」「展覧会ページ」が、上位を独走中!「展覧会」とは9月19日から始まった、地域連携企画展「栗太郡の神・仏 祈りのかがやき」のことですね。スタートして2週間、たいへん多くの方に注目していただいているようで、ありがたい限りです!このページ、、、展覧会情報をアップした8月からずっと、人気街道まっしぐら(笑)。そしてなんと、文化館のホームページだけではなく、会場となっている栗東歴史民俗博物館さんでも、ホームページへのアクセス件数が増加しているとの喜びの声をいただきました! 反響の大きさをうかがえるエピソード。本当に多くの方が、この展覧会に興味をもっていただいているようで、感謝感激です!皆さまもぜひ足をお運びくださいませ。

そして、今日10月1日は「中秋の名月」。皆さんはお月さまにお供え物をしていますか?先日この「中秋の名月」に関係した出会いがありました。文化館の前には、萩が植えられていて、この時季かわいい白い花を咲かせてくれます。その前を通ったご婦人が「今度の十五夜に萩を飾りたいので、少しわけていただけませんか?」と声をかけてこられました。お月見に萩を飾るだなんて、なんてステキ。萩の花を手にされたあとの笑顔も素敵で、こちらも嬉しくなりました。今日は特別キレイな月が見られると良いですね…。皆さまも今宵はステキな十五夜をお過ごしくださいませ。

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