月別アーカイブ: 7月 2020

大切な収蔵環境

皆さんは「燻蒸(くんじょう)」をご存じですか?「いぶし蒸らす」と書きますが、料理のお話ではありませんヨ?! 気体の薬剤を使って、害虫駆除や防カビ・殺菌を行う「燻蒸」。当館では、文化財を保管する適切な環境を維持するため、収蔵庫などの空間(エリア)に対して行う施設燻蒸を、年2回実施しています。

使用するのは炭酸ガス製剤(ブンガノン)。文化財害虫に対して忌避・殺虫効果があり、施設の管理に有効な薬剤を使用します。 超微粒子ミストとなった薬剤が、わずかな隙間にまでいきわたるため、広い範囲に高い効果を発揮してくれます。人体に蓄積しない環境にやさしいタイプのガスですが、吸引によって喉や鼻への刺激があるため、専門の業者さんが防塵マスクを着用して作業を行います。噴霧してから約半日、ガス濃度を確認しながら、空間にガスを浸透させていきます。

近年、文化財を守る方法の一つとして、IPM(総合的有害生物 管理)も注目されています。薬剤だけに頼らず生物被害を防除する考え方で、農業(農薬を減らす)に限らず、博物館、美術館、図書館、資料館、文書館等においても、導入され始めた考え方です。日常の清掃・温湿度調整などの環境管理と、薬剤などを用いた防除を組み合わせて、文化財を守っていこうという取り組みです。文化館でも、年間を通した保存環境のモニタリングにあわせて、日ごろから収蔵環境に目を光らせています。

文化財の虫害対策は、文化財を長期に守っていくためには欠かせないもの。貴重な文化財を適切な環境でお守りする、これも文化館の大切な役目の一つなのです。

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Re:おうちであきつ君 [降魔 角アキツ]

夏の訪れが待ち遠しく、太陽サンサン、子どもたちの笑い声と明るいニュースが欲しいところ、新型コロナウィルス感染拡大のニュースが、連日とどまることを知りません。日々伝えられる「最多更新」の情報に不安を抱きつつも、当ブログには、コロナに打ち勝つ、強力な護符が届きましたヨ。

新型コロナに負けない企画:おうちであきつ君「あきつ君を描いてみよう!」に、今回投稿されたのはコチラ「降魔 角(つの)アキツ」でございます~。
これはこれは、「元三大師(がんざんだいし)の角大師(つのだいし)」ですね?!
ちょっとここで豆知識・・・。元三大師というのは、延暦寺の中興の祖と尊ばれる元三慈恵大師良源(りょうげん)さまのことです。命日が正月の3日であることから、「元三大師」の通称で親しまれています。たいそう法力が強く、平安時代に都に疫病が流行すると、自ら角を生やした夜叉の姿「角大師」になり、その姿を版木にしてお札を作り、疫病を鎮めたという伝承が残されています。

さて、ここで、投稿いただいた「降魔 角アキツ」を見てみると、なるほど角大師と同じく、2本の角に骨と皮とに痩せさらばえた夜叉の姿・・・というよりもマッチョ?(笑)。そうなのです。あきつ君は羽としっぽがなくなると、途端に「昆虫」チックになってしまい難しいのです・・・。投稿の作品から、いろいろとアレンジをしてみようと思ったのですが、どうしても「虫」感が出てしまう。。。ならば!と、ここはもう、疫病から守るために駆けつけてくれる「つのレンジャー/あきつ」としてそのままに色付け(笑)。どうでしょう?強そう・・・デスカ?コロナに勝てそうですか??


良源さまは、如意輪観音あるいは不動明王の「化身」とも言われるほど強い法力をお持ちだったそうです。角大師のご加護をもって、新型コロナを成敗!して下さったなら・・・。「角あきつ」も及ばずながら、力になれればと思います。・・・イヒッ。。。

では、今日も元気よく~ 新型コロナに負けるな地球!!

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お月さまは何処に?

皆さんは最近、「月」を見た覚えはありますか?夜空に浮かぶあの「月」です。明るい街中にあっては、あまり意識されないかもしれませんね。たまに地平から出たばかりの月が、いつもより大きく見えたりする(気がする)時に、「すごいなぁ大きいなぁ」と感動することがあります。・・・が、実は最近、なんだか「月」が恋しくてなりません。それは何故か?!
・・・それは夜空に雲がかかり続けているから・・・。一体何日雨が降り続くことやら~!この長雨で被災された地域の皆さまにおかれましては、謹んでお見舞い申し上げます。
太陽はね、わかるのです。その存在が。雲があっても日中は明るくなりますし、7月に入ってからも時々ですが、きれいな夕焼けにお目にかかれたりします。では月は?あの、淡くてひっそり、慎ましやかに夜空に浮かぶ月を何日見かけていないでしょう?(そういえば今年は長雨とコロナで”七夕“の存在もすっかり忘れていたことに、今気づきました・・・)。

「お日さん(太陽)には元気をもろて、お月さんにはなんや慰めてもろてる気がしますなぁ」ある小説に出てきた印象的な言葉です。そうなのです。まさしく今、夜の静寂に、物言わぬお月さまを眺めつつ、「はぁ・・・」とため息をつきながらも、「また明日も頑張ろう」と・・・思う時間が足りていない!皆さんの心を慰め、励ます力にもなり得ましょうに・・・。

ここで、困った時の文化館。館蔵品の中に「深林明月図」という絵がございます。江戸時代の作品で、作者は紀楳亭(きばいてい)【詳しくはコチラ:収蔵品紹介】。墨の濃淡で表現される水墨画の世界は、音のない静寂な空気が漂い、禅の精神にもつながるようでとても心が静まります。そして小さく控えめに描かれるお月さま。いえいえ、明かりのない夜の風景を、細部にわたって照らし出し、際立たせているのは、お月さまの御業なのですよ。神秘の力が宿ります。

館蔵品の中には、このようにお月さまが描かれている作品が他にもあります。皆さんに元気になってもらうには、画面いっぱいにドンと描かれたお月さまも・・・良いかな?と思ったのですが、それはこの梅雨時の空気感とは違う気がして、それはそれで、また次の機会にしたいと思います。今は静寂を楽しみつつ、長い梅雨が明けるのを楽しみに、雲が晴れることを願うといたしましょう~。

むむっ!確認したところ、本日の月齢は25.8、新月に向かう有明月!月出は1:37、月入16:02?!う~ん、これは夜に見えてないワケだ(笑)。次の満月は8月4日、その頃にはスカッと元気な日常を取り戻していたいものです。

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「花湖さんの打出のコヅチ」第1回 開催しました

連日雨が降り続き、外出するのも”おっくう“になりがちな日々が続きますが、この日ばかりは違いました。 7月9日(木)、毎年恒例の「アレ」に参加したくてウズウズしていた皆さんが、大津市打出浜のコラボしが21 にお越し下さった日。そうです。滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」の開催日。今年はコロナ対策で定員を100名に絞らせていただいたところ、事前にお申し込みをいただいた98名の方が受講されました。

第1回は「これぞ逸品ですぞ!!-琵琶湖文化館蔵考古資料から-」というタイトルで、講師には、県文化財保護課の仲川氏をお迎えしました。仲川氏は、昨年文化館の兼務職員として在籍されたご縁があり、文化館の考古資料についても詳しいということで、今回の講師を務めていただきました。
あまり知られていない琵琶湖文化館の考古資料について、遺物が出土した遺跡の当時の状況や関連する文献の記述、文化館に寄贈された経緯などを、幅広くご紹介下さいました。考古資料においては、その経歴(来歴)が命。「発掘され今に至る経緯が詳細にわかっていることが、とても重要で価値があること」なのだと力説されました。一方で講座の後半では琵琶湖文化館の長い歴史の中で、どうにもその来歴がはっきりとわからないもの・・・謎がナゾを呼ぶ(?!)瓦のお話を、たっぷりと語っていただきました。
今回の講座では、「休館中で見ることができない文化財のお話」・・・というのではなく、「展示されていても知りえないお話」を、皆さんにたくさん聞いていただくことが出来たと思います。

今年度第1回目を終えて、反省点もありました。スクリーンが不鮮明であったとのご指摘について、残念な思いをされたこと、深くお詫びいたします。次回改善に向けて努力いたします。心配していたコロナ対策については、皆さんのご協力の甲斐あって、トラブルなく無事に開催することができました。
当初から定員オーバーとなることが想定され、皆さんに「止む無く欠席する場合はご連絡を」とお願いしていたところ、当日の朝にも行けなくなったことをお申し出下さった方がいらっしゃいました。そこは大丈夫、スタッフの腕の見せどころで、急遽キャンセル待ちをされていた方に連絡をとり、喜んで来ていただくことができました。そして皆さんが「マスクの持参・着用」をしっかりと守り、手指の消毒、3密の回避などにもご協力いただけました。何より、こちらが用意した「講座参加記録票(問診票)」の記入・回収に、全員の方がご協力くださいましたこと、本当に感謝いたしております。

コロナ禍でもルールを守って楽しもうとされている方々がいらっしゃいます。その期待に応えるために、これからも頑張って楽しい企画をご用意させていただきますね。ご参加有り難うございました。
ささやかながら、参加者プレゼントとして「アマビエアキツ」の護符(?)を、お持ち帰りいただきました。どうぞ皆さんが、毎日健康で健やかに過ごせますように!

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6月のホームページアクセス数

気が付けばもう7月。梅雨入りしてから、さすがに雨が降ることも多く、気持ちもドンヨリしがちですが、そこは元気に!ホームページのアクセス数についてご報告したいと思います。6月のアクセス数は、2,749件!伸びを示した前月をさらに上回る結果となりました。これは前年同月と比べても1.5倍増です。多くのアクセスありがとうございます!

詳しく見てみると、多くの方が「打出のコヅチ」のページをご覧になっている様子。例年のコヅチの開催時期には、アクセス数が伸びる傾向にあるのですが、受付開始後わずか3週間で定員が埋まった今年の勢いは、さすがにいつもと違った(笑)。やはり皆さん、打出のコヅチを楽しみにしていてくださったのですね!
第1回は7月9日、いよいよ来週となりました。コロナ禍での開催。当日のコロナ対策について、スタッフでしっかりと話し合い、開催に向けた準備を着々と進めています。講師先生が立つ演台には、アクリルボードをご用意(お手製)。他にも考えうる限りの対策を講じて皆さまをお迎えする予定です。そして何より、参加する全ての方の健康が無事に開催するためのキモとなります。元気なお顔にお会いできるのを楽しみにしています。

もうひとつ注目したいのが、“明智”関係のアクセスです。新型コロナの影響で、大河ドラマ「麒麟がくる」がチョットお休みしてしまいましたが、まだまだ明智ブームは健在です。文化館からは、光秀の娘婿(従兄弟ともいわれる)にあたる明智左馬之助の「湖水渡り像建立計画」について情報提供をさせていただきました。こちらは、ホームページでは番外編として公開しておりますが、多くの新聞に取り上げていただいたこともあり、皆さまの閲覧につながっているようです。
そして明智光秀近江身説についての記述がある「淡海温故録」についても、安定して根強い人気があります。この淡海温故録は今月の13日まで、明智光秀菩提寺・西教寺内にある禅明坊光秀館に出陳されています。機会があれば、ぜひ足を運んでくださいね。(詳しくは、専用サイトをご覧ください)

文化館での雨にも負けず、新型コロナにも負けない!ホームページを今後ともよろしくお願いします。

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