月別アーカイブ: 11月 2020
ニュートンに学べるか?滋賀県人
みなさんは、こんな“滋賀県”をご存じでしたか?
10月某日、滋賀県が公式YouTubeチャンネルで公開した動画「ニュートンに学ぶ、これからの滋賀ノーマル」。
これがまた「意味が分からなくて面白い」と評判です?!
<滋賀県HP引用>
17世紀、アイザック・ニュートンが、学位を取得したころ、ロンドンではペストが大流行しました。この影響で、大学も閉鎖されることに。ニュートンは、故郷へと戻り、自由に思考する時間を得て、微分積分、光学・万有引力の法則を発見できたといわれています。後に、ニュートンは、この期間を「創造的休暇」と呼びました。
なるほど。偶然から生まれた世紀の大発見。これを現在のコロナ禍になぞらえて、「これからの滋賀を新しい発想でつくって行こう!」という前向きな動画ですね?!
う~ん、でも何かがオカシイ・・・。動画では、独特のリズムと(力の抜ける)歌声で、
滋賀県公式Youtubeチャンネル(長尺バージョン)
「あなたは落下するフナ寿司をみて、何を発見しますか?」
「ゲル化した琵琶湖をみて、なにを覚えますか?」
「行進する赤こんにゃくをみて、何を知りますか?」
コレ、言葉で読んでも動画で見ても、意味がよく分カラナイ・・・。
「お見舞いする近江米をみて、なにを生みますか?」
「新説を見つけたおじさんをみて、なにを察しますか?」
エッ?!何?今の?!どこかで見かけたシルエットに「明智光秀は滋賀出身!?」のポップが!!
その後、石田三成が踊ってエンディング・・・。
「今の想定外な暮らしの中にも、未来のヒントが転がっているのかもしれません。滋賀を見つめる、未来が生まれる。」
・・・よかった♡最後はとても“まとも”だった(笑)。コロナ禍で閉塞的な考え方にとらわれることもしばしば・・・。これぐらい柔軟な発想とユーモアで、この苦境を乗り切りたいですね!
とりあえず、よく分からないコトで怒らない寛大な心と、ダジャレを許せる遊び心と、世の中の“不思議”に目を向ける探求心(?!)で、当たり前ではない何かを想像できる「滋賀県人」になりたいと、この動画を見て思いまし・・・た(?)。皆さんもぜひ気軽にご視聴下さい(でも何だかモヤ~っとします・・・(笑))。
Re:おうちであきつ君 [びっくらぽんのあきつ君]
久々、ご投稿いただきました・あきつ君!いやぁ~栗東での展覧会も終わってちょっと寂しいなぁ・・・と思う間もなく!文化館にとっての元気の源「あきつ君」が投稿されました!
その作品がコチラ!「描いてみよう」に載っていたあきつ君のいろんなパターンを、丁寧に描いてくれていますね。ほんわかします~。 その中で、厳選して選んだのがコチラ!名付けて『びっくらぽんのあきつ君』デス。
なぜ選んだかというと?それは絵の近くに「あきつくんありがとう」と書いてあったから♡うぅっ、何気ない純粋な言葉に大人は涙もろくなるものです。ちょっと嬉しかったので、並んで驚いてみました(笑)。
元祖あきつ君もなかなかの出来栄え・・・だと思うのですが、子どもさんが描いてくれた作品の方が、より「びっくり」している感じが出ている!!うぅっ、元祖敗北・・・純粋な絵の“勢い”に、大人は勝てません。ヨシ!これからもいろんな「あきつ君」で楽しんでもらえるように、元祖・頑張りますね(笑)!!ご投稿、有り難うございました!
「栗太郡の神・仏 祈りのかがやき」御礼
この土日は絶好のお出かけ日和、「関西文化の日」でもあったので、皆さんも気軽に博物館や美術館に足を運び、文化・芸術を楽しんでおられたのではないでしょうか。
湖国の紅葉も見ごろを迎えた15日、約2ケ月にわたって開催された地域連携企画展「栗太郡の神・仏 祈りのかがやき」が終了いたしました。あっという間でしたね~長かった?早かった?会期中には2,629人の入場があったと、会場館の栗東歴史民俗博物館さんから報告がありました。本当に多くの方々にご覧いただけましたこと、心から感謝いたします。
内容については、「素晴らしい」「見応えがある」「これで無料とは」などの声が寄せられ、配布しておりました解説パンフレットについても大変好評で、みなさんに喜んでいただけたのが、何より嬉しいです。
また、栗東歴史民俗博物館のみなさんにも数々のご配慮をいただき、感謝いたしております。「開館30周年記念」のチカラの入り方が凄かった(笑)。 本展に合せて常設展の方も仏像や神像を数多く展示していただいたことで、お客様の満足度も更にUP↗↗↗していたのではないでしょうか。この展覧会をきっかけに、栗東近くの神社やお寺さんへ足を延ばされた方もいらっしゃったようです。いろいろと楽しい展覧会となりました。有り難うございました。
今日は、文化館で戻ってきた文化財の梱包を解いています。今回出陳されていた神さまや仏さまは、時代の古い文化財ですので、移動に際してのリスクは伴います。こうして学芸員の目でしっかりと状態を確認し、異常がないことを確かめて、大切に収蔵庫にお戻りいただきます。
地域連携企画展は私たち(文化館)だけでは実現できません。多くの方のご支援・ご協力があってのこの達成感・・・。みなさまに「感謝♡」です。
閑話:「一網打尽」君、その後
10月5日付ブログで、湖岸に押し寄せる水草(藻)と文化館の戦い(?!)について、熱く語らせていただきました。そこで登場したのが、水草を岸まで寄せる秘密兵器(手作り)の[一網打尽]君と[根こそぎ]君。ブログを読んだ方から「その後どうなった?」と、状況を心配するお声をいただき、ここに報告する次第です(笑)。
え~っと、とりあえず文化館の周囲は、滋賀県の秘密兵器「藻刈り船」が近くで操業して下さり、幾度となくキレイにして下さいました(水草をすっかり回収して下さっても3日後にはまた押し寄せる・・・の繰り返しでしたが。。。)。
そして文化館の内側に入り込んでしまった水草は・・・文化館の秘密兵器「一網打尽」君の登場です。これ位の季節になると、根っこから生えている水草というより、切れて流れ着いた水草が多いので、表層の水草を浮きの付いた「一網打尽」君でガッツリ引き寄せる作戦です。建物側から「一網打尽」君を投入、岸側からロープで引っ張ると・・・あ~ら不思議、水草が岸によって来る~♡(心の中でガッツポーズ!)
「重いな」『重いですね』「来たな」『来ましたね』
ふっふっふっ、成果としては上々デス!
道行くおじさまからは「大漁、大漁!」と元気な掛け声が飛び、散歩中のご婦人からは「大変ですけど頑張って」と励ましのお言葉をいただき、時には作業を見守る人だかりが出来るなど・・・。道行く人々の注目の的となるのは少し気恥しいところもございましたが、やはり皆さん、気になっておられるのですよ、この状況を。何とかしたいのですこの状況を!
ということで2度3度の改良を繰り返し、更に精度を上げて活躍した「一網打尽」君は、今季の作業を無事務めあげました。(いや、そもそも網に浮きと錘(おもり)を付けただけのモノでいいのでは?と気付いたのは作業も終盤に入ってから・・・でした。)
今年は台風が来なかった分、随分とラク・・・だったはずなのですが、思い返すとやはり辛い作業でした。でも「一網打尽」君のおかげで楽しくもありましたヨ。来年は更なる改良を重ね、琵琶湖のお役に立ちたいものです。
そうそう、こんな発見もありました。琵琶湖を漂うパイナップル?!もしくは果物の王様ドリアンか??
ノンノン、答えは「苔(コケ)」!その名も「オオマリコケムシ」という外来種なのだそうです(詳しく知りたい方はコチラ)。聞くところによると、今年は琵琶湖でも多く見られたとのこと。これはまた新たな環境問題に発展しそうな予感デス。。。
[栗太郡の神・仏 祈りのかがやき] クイズ②ネタばらし
ハイみなさんこんにちは!昨日に引き続き、今日も元気に「ネタばらし」です(会期終了がまもなくですからね。答えも急がなきゃ!!)。
ハイみなさん思い出して~~第2弾に出題したお題はこちら![問題のPDF]
[1] 草津市・観音寺が所蔵する阿弥陀如来像の足の裏には、仏さまのしるしである「仏足文(ぶっそくもん)」が描かれています。そこで問題です。このような仏さまの身体的な特徴を、まとめて何というでしょうか?正解はズバリどっち →→→ 三十二相 or 二十一面相
というものでした。実は問題の裏に[仏さまの特徴「三十二相(さんじゅうにそう)」とは?]という豆知識解説を載せています。例えば、指の間に水かきがある、体が黄金色、毛は紺青色、眉間に右巻きの白毛があり光明を放つ、etc…。え~要するに、仏さまが「超絶すごい存在」であるということ。
みなさんは会場で阿弥陀如来さまの足に注目してご覧になられましたか?足の裏の仏足文についてはパネルで紹介していますが、あの思いのほか小さな御御足に、細やかな文様が施されているなんて・・・仏師の祈りが込められているかのよう、ですね。
[2] 大津市・荒戸神社が所蔵する仏涅槃図には、お釈迦さまが沙羅双樹の木の下で頭を北にして横たわり、入滅(死亡)される姿が描かれています。このお釈迦さまの目をよ~く見てみると・・・どっち? →→→ 開いている or 閉じている
こちらは第2期に登場した仏涅槃図です。一般的には涅槃図に描かれるお釈迦さまは目を閉じておられることが多いのですが、こちらはうっすら目を開いておられ、今まさに入滅される直前の様子が描かれていると考えられます。
会期中には、ご寄託されている荒戸神社さまの氏子さんなど関係方々のご来館もあり、久々のご対面を喜んでおられたとのこと。地域の宝として誇りに思っていただければ、私たちも嬉しいです。
[3] 今年、開館30周年を迎えた栗東民俗歴史博物館。展示会場には、出陳文化財の他に、開館当時を知る生き証人とも言える、ある「貴重なモノ」が展示されています。ズバリそれはどっち? →→→ 狛犬の頭部内を写した写真パネル or 休憩用の長イス
正解は「狛犬の頭部内を写した写真パネル」。平成元年(1989)に修理を行った際に狛犬の頭部内に修理の銘が墨書で書かれていることがわかり、それをパネルにしたものです。開館当初に作成された要覧にもこのパネルが展示されている写真が載っていました(右)。
30年の時を経てなお現役で頑張るこのパネルと、代々大切に扱われてきた学芸員さんたちの、モノを大切にする“心”に心底感動いたしました。
今年は県内でほかにも滋賀県立陶芸の森陶芸館、大津市歴史博物館、守山市ほたるの森資料館が、開館30周年を迎えられました。当館は来年3月に開館60周年となります。
さて、どんなお祝いをいたしましょうか・・・ね??!
[栗太郡の神・仏 祈りのかがやき] クイズ①ネタばらし
約2カ月あった会期も、はや残すところあと1週間。栗東歴史民俗博物館で開催中の「栗太郡の神・仏 祈りのかがやき」は、15日(日)までとなっております!みなさまお急ぎを!!
っとその前に、本日(月曜)は休館日なので、展覧会の予習・復習がてら、そろそろクイズの“ネタばらし”をしておきましょうか・ね?!
先ずは第1弾として出題したのがこちらのお題。[問題のPDF]
[1] 本展覧会のポスターやチラシに掲載されている女神さまと仏さま。実際の大きさで、小さいのは、ズバリどっち?
という問題でした。答えはズバリ→「女神さま」です。チラシでは対等の大きさに編集されていますが、薬師如来坐像(阿弥陀寺蔵)が半丈六(約4尺 (実138.8cm))であるのに対し、女神坐像(金勝寺蔵)はこぢんまりかわいく29.4cm。実際にはこれ(右図)くらい違います。う~ん編集マジック(笑)。展示室では遠目に向かい合って座しておられるところが、学芸員のこだわりだったりします(笑笑)。小さくとも力強い存在感の女神さまに要注目です!
[2] こちら(左)の彫刻(金勝寺蔵)は、お坊さまの姿をしておられます。そこで問題。このお像は・・・
お坊さまでしょうか?仏さまでしょうか?神さまでしょうか?
ズバリどなたサマ?
というのが問題。答えはズバリ→「神さま(僧の姿をした神さま)」が正解です。(出題した学芸員は“ちょっぴりひっかけ問題”とニタニタしている(笑)。)実はこのお像、県指定文化財で名称が「僧形神坐像」です。名前を知っていたら一発正解でしたネ。
[3] 近江八幡市の浄厳院が所蔵する「厨子入銀造阿弥陀如来立像」(右)は、金の蒔絵が施された厨子も見どころです。主な蒔絵の意匠は蓮の花びらで、扉と本体の内側にもあらわされていますが、厨子の中で一か所だけ違うモチーフがあります。ズバリどこに何が?!
①扉外面に秋草 ②本体背面に龍 ③屋根に宝珠
というものでした。答えは・・・「屋根に宝珠」が正解。蓮台の上にまぁるい宝珠が3つ描かれています。意匠の美しさをぜひ会場でご確認下さい!
あれ?!どうしたことでしょう。クイズ第1弾の答えだけで敢え無く本日の字数制限となりました。第2弾の答え合わせはまた次回!
「花湖さんの打出のコヅチ」第5回 現地探訪 開催しました
11月5日スッキリとした秋晴れ!行ってまいりました「打出のコヅチ」現地探訪!今回は講座でもお馴染み:井上優氏(県文化財保護課・琵琶湖文化館)の案内で、地域連携企画展を開催している栗東歴史民俗博物館を目指して、栗東市内の旧東海道を探訪してきました。
集合場所の手原駅に集まった38名の“打出のコヅチ隊”の皆さん。資料をお渡しするとき、皆さんの「これから始まるワクワク感」が直に伝わってきましたよ!早速、手原駅の駅舎と名前の由来について、講師が事前に準備してくださった説明書のスケッチブックを見ながらお話を聞き、いざ探訪のはじまりです!
手原駅を出発したコヅチ隊は、東海道を石部宿方面に向かいます。江戸時代の栗東は、東海道と中山道の二大街道が通る交通の要で、日本中から旅人と物資が行き交う繁華な地でした。当時を思わせる街並みを、随所に講師の解説を聞きながら歩いていきます。
街道を思わせるのは、建物だけではありません。左の写真は「肩替えの松」と言って、駕籠かきをしていた雲助が、肩を交代させた休憩場です。そろそろ私たちもココで休憩…とは参りません!まだまだ探訪は始まったばかり。次に向かって更に歩きます。
栗東地域には、宿場はありませんでしたが、宿場と宿場の中間地点にある休憩所「立場(たてば)」があり、名物茶屋や薬屋などが軒を連ねたのだとか。その中のひとつ「旧和中散本舗(大角家)」は「梅ノ木立場」の薬屋でした。春、秋の特別公開以外は非公開とされているところ、我らがコヅチ隊、特別に見学させていただくことができました。江戸時代の木製の製薬機や、本陣に利用された立派な座敷と庭。見るところが盛沢山!参加した皆さんも隅々まで、興味深そうに見ておられましたよ。
その後一行は、近くの福正寺地蔵堂(法界寺)へ移動し、重要文化財に指定されている木造地蔵菩薩立像を拝観しました。頭部がやや尖った特徴的なお顔立ち。講師の丁寧な説明にじっくりと耳を傾けました。
そして最終目的地である「栗東歴史民俗博物館」へ。到着した時の皆さんの笑顔、疲れを感じながらもとても良い表情をされていましたよ(笑)。
疲れていても知識欲が溢れるコヅチ隊。現在開催中の「栗太郡の神・仏 祈りのかがやき 」の説明や、通史展示に特別出品されている「田中家資料」についての解説を熱心に聞いておられました。
栗東歴史民俗博物館は今年開館30周年。その記念すべき開館に元学芸員として立ち会った講師:井上氏が案内した今回の現地探訪。『栗東愛』あふれる盛りだくさんの内容となりました(終了予定時間を1時間オーバーとなったのもご愛嬌?!)。参加者からは「栗東の豊かな文化財を深く学ぶことができた、現地講座ならでは」と喜びのお声も頂戴し、改めて栗東のこと、滋賀のことを知る、良い探訪となりました。
10月のホームページアクセス数
気付けば、もう11月。朝晩は、グッと冷え込んでまいりました。去る10月23日には近畿地方で、早くも「木枯らし一号」が吹いたそうで(今年は観測記録に並ぶ、早さだったとか)、文化館の前の通りの落ち葉もいっそう増えて、秋が深まり晩秋が近づいているのが実感できます。
今日は早速、恒例のホームページアクセス数から参りたいと思います。10月のホームページアクセス数は、2,743件となりました。アクセス数の増加もさることながら、サイトを訪問してくださっているユーザー数も前年同月の約1.5倍!これは、ご新規の方が増えているということ。お目に留まり光栄です(笑)。
これも、ホームページを見て琵琶湖文化館を応援していただいている皆さまのおかげ!本当にありがとうございます。
現在好評開催中の地域連携企画展「栗太郡の神・仏 祈りのかがやき」では、新たな“仏像ファン”の方が当館のホームページをロックオンして下さっているようです。また、先週木曜日(10/29)の夕方にアップしたばかりの『皇嗣殿下もご覧になった日本画「近江」』再発見についての記事が、新聞で紹介されたこともあり、ご注目いただいているのでしょうか。11月8日に“立皇嗣の礼”が執り行われるのを前に、文化館と皇嗣殿下とのご縁を感じられるこの作品。琵琶湖の風景や、湖国の伝説などがイラストタッチで描かれていて、滋賀の事を知っていても、知らなくても、引き込まれる作品となっています。
こちらの作品は、来年2月に県立安土城考古博物館で開催される、地域連携企画展第2弾で公開される予定ですので、お楽しみに。
さて、今週の木曜日(11/5)には、いよいよ文化館の人気イベント「花湖さんの打出のコヅチ・現地探訪」があります(募集は締め切りました)。今回は、地域連携企画展第1弾「栗太郡の神・仏 祈りのかがやき」の関連事業として、栗東歴史民俗博物館周辺を約4.5㎞歩きます。参加される皆さまは、歩きやすい服装・靴でお越しくださいね(詳細についてはコチラ)。当日は、13:00受付開始、13:15出発。JR手原駅南口で目印の「花湖さんの打出のコヅチ隊」の幟旗を持ってお待ちしています。