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国スポブースへのご来場御礼 ♪
日中はまだ夏の名残を感じる暑さですが、少しずつ秋らしい風が吹く日も増えてきましたね。

昨日閉幕した「わたSHIGA輝く国スポ」。都道府県別の成績発表では、滋賀県は男女とも総合成績が1位となり、天皇杯・皇后杯を獲得しました!そんな陸上競技の熱戦が繰り広げられ、開会式・閉会式の会場となった平和堂HATOスタジアム(彦根総合スポーツ公園陸上競技場)の「おもてなSHIGAエリア」にて、琵琶湖文化館のPRブースを出展いたしました。たくさんの方にお越しいただき、本当にありがとうございました!

出展期間中は残念ながらあいにくの雨の日もありましたが、ブースでは琵琶湖文化館をより身近に感じていただけるよう、ワークショップを実施しました。小さなお子様から大人の方まで、多くの方にご参加いただき、その数はなんと187名!さらに、チラシをお持ち帰りいただいた方を含めますと、な・な・なんと817名もの方々に、新しい琵琶湖文化館について知っていただくことができました。
お立ち寄りいただいたお客様は滋賀県内の方が多く、以前からご関心いただいていた方も多く、大変ありがたく感じました。

「昔、地下のプールに入ったことがある」と、昭和の琵琶湖文化館にまつわる思い出を語ってくださる方や、「小学5年生になったらフローティングスクールで新しい琵琶湖文化館に行くことになるのかな?」と、未来に期待を寄せてくださる親子連れの声もあり、嬉しく思いました😀
また、県外からお越しの選手の方々にもワークショップにご参加いただくなど、幅広い層の方々に琵琶湖文化館の魅力をPRできたと実感しています。
さてさて、琵琶湖文化館の秋のイベントは、まだまだ続きます!

次回は、10月11日(土)、12日(日)に開催される大津祭にあわせて、県庁前で特別ブースを出展いたします。お祭りとともに、ぜひお立ち寄りください。
[詳しくはコチラ]

そして、来週10月15日(水)には、今年度最終回となる滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」も開催されますので、こちらもどうぞお見逃しなく!
[お申し込みはコチラ]

もちろん、現在開催中の滋賀県立美術館での展覧会も!前期展示は13日(月・祝)までですよ~!
[詳しくはコチラ]
この秋、まだまだみなさまにお会いできる機会を楽しみにしております♪
【新しい琵琶湖文化館】大津祭の日に特別ブース出展!
皆さま、昨年の10月、何があったか覚えていらっしゃいます?「新しい琵琶湖文化館 建設予定地イベント」を開催しましたね~。そう、あの頃はまだ建設『予定地』でした。建物が建つ地面の上にカラーコーンを並べて、その大きさを想像×実感していただく(?!)最初で最後の斬新なイベント (!!) を決行・・・それが今やここまで工事が進んでおります!

あれから1年・・・
ということで皆さま、今年は『祭りだワッショイ!』でゴザイマスよ!!
きたる10月11日(土)および12日(日)の大津祭の日に、滋賀県庁本館前庭にて、新しい琵琶湖文化館をPRする特別ブースを出展します!!

日時 令和7年(2025)
10月11日(土)16時~20時【宵宮】
10月12日(日)11時~15時【本祭】
会場 滋賀県庁本館前庭(大津市京町四丁目1番1号)
申込不要、参加無料のイベントです🌟
会場では、学芸員や県職員が、新しい琵琶湖文化館の建物や事業等について、パネルを使って詳しくご説明します。また、ワークショップでは、琵琶湖文化館の館蔵品をモチーフにしたしおりを作ることができます。小さなお子さんから大人まで、誰でもご参加いただける楽しいイベントにしたいと思っておりますので、皆さまぜひ気軽にお立ち寄りくださいませ♪
国スポで琵琶湖文化館PRします!
滋賀県では、昭和56年(1981年)の「びわこ国体」以来44年ぶり2度目の開催となる「わたSHIGA輝く国スポ」。今回、この国スポの開閉会式会場となる平和堂HATOスタジアム(彦根総合スポーツ公園陸上競技場)の「おもてなSHIGAエリア」(外部リンク)に、琵琶湖文化館PRブースを出展します!
【出展場所】
平和堂HATOスタジアム(彦根総合スポーツ公園陸上競技場) おもてなSHIGAエリア スポーツ・物販エリア(HPLベースボールパーク北側のエリア)
【出展日時】
9月28日(日)11:15~18:00 ※総合開会式
10月3日(金)9:00~17:00
10月4日(土)9:00~17:00
10月5日(日)9:00~17:00
10月6日(月)9:00~16:00
10月7日(火)9:00~13:00
10月8日(水)9:00~14:00 ※総合閉会式
「おもてなSHIGAエリア」は、単なる物販・飲食の場に留まらず、滋賀の豊かな自然、文化、そして温かい県民性を肌で感じていただける『おもてなしの玄関口』としての役割を担います。

(10/3~10/8予定)
そんな一角に設ける琵琶湖文化館ブースでは、新しい琵琶湖文化館に関するパネルの掲示や、館蔵品をモチーフにしたワークショップを実施します。全国からお越しのみなさまに、琵琶湖文化館のことを知っていただけるブースになればと思っています!
9月28日の総合開会式、10月8日の総合閉会式の日は、すでに観覧募集は終了していますが、10月3日から7日は陸上競技が行われます。迫力あるスポーツを間近にご覧になるとともに、琵琶湖文化館ブースにもお立ち寄りくださいね♪

講座「花湖さんの打出のコヅチ」⑥ 山編

9月17日(水)に実施しました滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第6回。会場には、今年度最多となる受講生の皆さんがご来場くださり、相席をお願いするなど、いつも以上の熱気に包まれました。

さて、今回は「神仏の居るところ(山編)」と題し、迎えた講師は当館の和澄浩介主任学芸員です。・・・この謎めいたタイトル、とっても思わせぶりです(笑)。
講師についてちょこっとバラしますと、仏像など彫刻が専門でとても研究熱心(気になる性分)で、趣味の一つは登山(トレッキング)。こう見えて(?)体力を温存しています。そして鞄にはいつもカメラが入っています。
・・・というわけで(!)、今回の講座は「神仏の居るところ(山編)」です(どういうわけ??)。皆さんは不思議に思ったことはありませんか?一歩足を踏み入れるだけで厳かな気持ちになる神社や仏閣。何故この場所に(このような場所に)建っているのか、と。講師自身も感じていたたこの『謎』を、現地に赴き自身の目で確かめる、日ごろのフィールドワークを活かして準備されたのが今回の講座です。ドキドキ☆彡

紹介された[場]は3つ。ここで、受講した皆さんならわかる・復習問題です。
1~3の「場」について、講師が紹介した関係の深いキーワードは、ズバリ何??それぞれ[A~D]の中から選んでください。
1.日吉大社 八王子山 比叡山
2.延暦寺根本中堂
3.長命寺 長命寺山 奥島山
[ A.自ら倒れた木 B.陸地から離れた島 C.高さよりも岩や水 D.母なる湖 ]
ハイ!簡単でしたね?!
古文書の記述や伝承を検証し、地形や地名との関係性を考察。そして何より、実際に現地に赴き山を歩き回ったその「空気感」をもお届けした今回の講座。自身のコトバに説得力を・・・と、日々努力している学芸員の苦労が垣間見えた講座でもありました(笑)。

講師が神仏を感じた滋賀県の「山編」、今回はその“ほんの一部”が紹介されました。・・・・これは続編が期待される??皆さんからいただいたご意見・ご感想には、「谷川編」「湖編」「海編(?!)」を期待する声もあり ・・・あらあら、これは大変ですよ?(笑)。やりがいありますね、講師先生!(笑笑)。

もう一つ小ネタをお話ししておきますと、チラシにも使われたこの写真。日吉大社境内にある八王子山の金大巌(こがねのおおいわ)です。モチロン講師自ら撮影してまいりました。境内とはいえ奥宮です。大きな階段と急な坂道、4月に行われる山王祭で神輿が駆け下りてくるあの道を、登り切ったところにある大岩と言えばお分かりでしょうか?講師は仕事帰りに思い立って、なんと“革靴”で登り切ったそうです・・・結構ハード(笑)。

もし、県内各地、どこかの霊場で、(うっとり)思いを巡らす、この後ろ姿を見かけたなら・・・どうぞそっとしておいてやって下さいマセ(笑)。

13日から開催!滋賀県立美術館 滋賀県立琵琶湖文化館 名品選

令和7年度 琵琶湖文化館地域連携企画展第2弾として開催する展覧会が、いよいよ13日(金)から、滋賀県立美術館(大津市)にて始まります!タイトルは「滋賀県立美術館 滋賀県立琵琶湖文化館 名品選」!両館の学芸員がおすすめする“とっておき”の名品が、会場に所狭しと並びます♪
当館からは、重要文化財の楼閣山水図(近江神宮寄託)や波多野等有が描いた洋犬図などが出品されます。
今日は事前の点検作業を行う日、担当学芸員らが作品の状態をしっかりとチェックしておきます。

これは出品調書(カルテ)を作っているところ。 偶然のワン・ショットですが、 まさしく診察を受けているかのようでなんだか微笑ましい1枚です(笑)。ちょこっとだけ心の声も聞こえてきました・・・。
「頑張ってくるんだよ」
『ふふふん、任せてよ』
な~んてね(笑笑)。
ちなみにこの洋犬図、精悍な顔つきでとても凛々しい印象ですが、私たちのおススメは少しマニアック・・・それは、ちょこんとかわいい「まろまゆ(麻呂眉)」です。高貴な雰囲気を醸し出している印象を受けますが、よ~く見ると実は勢いのある細い線が書き込まれていて・・・一歩間違えばゲジ眉??!
そんなところもよ~く見ていただくとより一層愛着が沸く、当館オススメの逸品です💛

そしてこの作品の出展を、心待ちにしていた方もいらっしゃるのではないでしょうか!
近江国出身の絵師で桃山画壇における巨匠のひとり、海北友松(かいほうゆうしょう)が描いた檜(ひのき)図です。こちらは令和5年3月に滋賀県の指定文化財となってから、初の公開となります。一昨年の滋賀の文化財講座花湖さんの打出のコヅチで解説されたこともあり、実物を見たかったという人も多いはず・・・!講座を思い出しながら、会場でじっっっくりとご鑑賞ください🌟
琵琶湖文化館地域連携企画展「滋賀県立美術館 滋賀県立琵琶湖文化館 名品選」は、9月13日(土)から11月30日(日)まで、会場:滋賀県立美術館にて開催です。皆さまぜひご来場くださいませ♪
講座「花湖さんの打出のコヅチ」第5回 みかたの極意

今年は軍団で襲来してます。まだまだカンカン照り、容赦のない太陽の下で、スイスイと泳ぐように、軽やかに飛び回る赤トンボ(>丫<)。そして僕は文化館のマスコットキャラクターを自負するトンボのあきつ君。
8月20日に行われた文化財講座の会場に潜入です!


「花湖さんの打出のコヅチ」第5回は、「江戸絵画のみかた」というタイトルで、琵琶湖文化館期待の若手(!)萬年香奈子学芸員が講師を務めさせていただきました🌟
(気合いを入れて挑みます!!)

自身が絵画に目覚めたきっかけについて、「大学で様々なことを学んだことで、自分なりに絵画の見方を見いだすことが出来たことが大きい」と、初々しく少しはにかみながら話し始めた萬年学芸員。聞いている僕たちも、今日この場で"その極意"を伝授していただけるのかと、期待に胸がドキドキ(笑)。僕たちも学びたい!!

先ずは江戸絵画の歴史や背景、流派についての説明から。そして、絵画を見るときは注意して観察(観察って言いました!ただ「見る」だけではなく観察!!)することがポイントで、 じっくりと「その絵その絵師に向き合う」ことが大切なのだと、 具体例を示しながら僕たちにも分かりやすく説明してくださいました。
特に今回、昨年度新たに県指定文化財となった鯉魚図(葛蛇玉筆/東近江市 曹源寺蔵)については、拡大画像を使いながら講師オリジナルの見解も披露され、ナルホド納得(!)の見方にこちらもグイグイ引き込まれましたね。

作品に真摯に向き合い、知識と想像力を駆使して観察すると、作者の隠された意図に気付くことができる・・・作品に対する理解がより深まりそうです。
先生、今日受講した僕たちも、少しだけ研究者目線に近づくことが出来た・・・と思っていいですか?(笑)。

・・・っと、ちょっと待って先生。3幅1対の鯉魚図、その内の1幅を厳選して見方をお勉強するのに30分かかった僕たちです。
例えば、展覧会の会場で、じっくり作品と向き合い、鑑賞しようものなら・・・動けません!その場から動けません!次の作品に辿りつけません!!どうしましょう先生!!!
・・・今回の講座で、知識がなくても想像力で作品を楽しむことができる極意を学びましたが、ぜひまたの機会に、“更なる極意”を伝授していただけると嬉しいです♡。(決して楽して学ぼうとしているわけではありません。楽しむきっかけが欲しい僕たちです(笑)。)
以下、受講された皆さんのご感想です♪
・江戸絵画の歴史・特徴を明快かつ簡潔に説明していただいて参考になった。
・深掘りして鑑賞の具体例を紹介いただき興味深かった。
・鑑賞のポイント発展編がおもしろかった。
・今回のような講座は是非シリーズ化していただきたい。

ご参加いただきました皆さま、誠に有り難うございました。アンケートに「もう少し具体的な作品をたくさん見たかった」と書かれた方、ご安心ください。次なる琵琶湖文化館地域連携企画展がcoming soonで予定されています。今回は、滋賀県立美術館とのコラボで、両館の収蔵品のなかから、学芸員おすすめの名品を紹介します。
講師を務めた萬年学芸員もこの企画の担当者として、頑張って準備を進めておりますので、更なるご支援(応援)をよろしくお願いいたします♪
講座「花湖さんの打出のコヅチ」第4回 光秀にはまる

皆さん、暑さにバテバテしてませんか?アツかったのですよ~先日(7月30日)開催した滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第4回!今回はいつもの会場を飛び出して、滋賀県立安土城考古博物館にて開催していた『琵琶湖文化館地域連携企画展「明智光秀と近江」を楽しむ!』講演&ギャラリートークを実施いたしました![展覧会は8/3に閉幕しました。]
今回の講座は、通常の座学講座よりも少ない募集定員であったため、申込み受付初日には電話が鳴りっぱなしで、昼には満員御礼となってしまいました!そんな激戦を突破した参加者の皆さんがお集まりくださった今回の講座。講演では、安土城考古博物館の高木学芸員が「明智光秀とはどういう人物だったのか?」というタイトルで、非常に中身が濃い内容を、大変わかりやすく解説してくださいました。

皆さんが抱かれている「明智光秀のイメージ」は?・・・これ、本当に人それぞれ、微妙に異なるイメージをお持ちだと思います。光秀は一族が滅びてしまっているので、現存する関係資料が少ない・・・=後世の人々が作り出した光秀のイメージに、今の私たちは影響されている(?)可能性が多分にあるようです。高木学芸員は、現存する資料の信ぴょう性と史実を多方面から読み解き辿り着いた光秀像について、時にユーモアを交えながら軽妙な語り口でお話しくださいました。『詳しくて面白かったです』『詳細な資料に基づき丁寧に説明いただきありがとうございました。書状の説明も大変よかったと思います』皆さんの感想です。
「明智光秀という人物像をしっかり頭に入れて、(展示中の)文書を見て欲しい」と講演を締めくくられた高木学芸員。続いては展示室でのギャラリートークに移ります。

会場で案内してくださったのは同じく安土城考古博物館の瓜生学芸員。実物を目の前に話される内容に、皆さん前のめり(笑)。講演を聞いた後だったので、よりリアルに感じることができたのではないでしょうか。当時を生きていない私たちが、謎につつまれた武将たちの生きざまを推し量る、そしていつか答えに辿り着くのではないかと飽くなき夢を見る・・・いやぁ謎は深ければ深いほどオモシロイ!! (コレ妄想??)
今回の講座で皆さんの「知りたい」という気持ちを更に高めることが出来たなら幸いです。 ご参加いただいた皆さま有り難うございました♪

そして冒頭にも書きましたが、このたびの琵琶湖文化館地域連携企画展「明智光秀と近江」は、盛況のうちに8月3日閉幕いたしました。ご来場の方々、そして開催にご協力くださった安土城考古博物館の職員の皆さん、本当に有り難うございました。過年度に開催した連携展では冬にお世話になることが多かったのですが、夏の連携も愉しむことができました。

ところで皆さんはご存じでしたか?安土城考古博物館さん、3月にリニューアルした常設展示のシアタールームでは、5面の巨大スクリーンに投影された映像が楽しめるようになっていました🌟皆さま是非その目でご覧くださいね~♪
消防設備点検&訓練

7月の気温がグングン上がる中、文化館では消防設備点検を行いました。 休館中と言えども、皆さんの大切な文化財をお預かりする施設です。あってはならない(火災など想像もしたくない)、でもいざという時にしっかりと働いて貰わないといけない消防設備。火災報知器や消火栓、防火シャッターなど、作動に異常が無いか、専門業者の方と一緒にチェックしてまわります。

半年に1度の点検ですが、「良しよし今回も異常なく♪これからもしっかりよろしくね!」と、普段あまり気に留めていなかったことを心の中で詫びつつ、各設備のご機嫌をうかがってまわる・・・これも大切なお仕事の一つです🌟。
さて、点検も一通り終えたところで、職員さんのお勉強タイム。文化館では毎年恒例となっている「消火栓を使った放水の仕方」を、業者の方に指導いただきながら、いざという時に備えた訓練を行っています。
ホースを延ばす→起動スイッチON!→バルブ開!→ホースの先をしっかり持ってー!!

(バルブは半分くらいしか開けていないのに)これが意外なくらいの水圧で、湖面には放水のきれいなアーチが出来上がりました。毎年やっていて毎年思います。「これを使わなくていいように日頃から火の元に気をつけよう!」職員一同、心に誓った消防訓練なのでした。
講座「花湖さんの打出のコヅチ」第3回 大津城・新説!新設?!

7月16日(水)開催しました!滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第3回!!
前回のブログでも紹介しましたが、2008年の開講以来、「打出のコヅチ」の参加人数の合計が9,000人を突破し、益々勢いづいておりまする!?!今回の講座も、会場には溢れんばかりの人々がお越しくださいました♪

さて、皆さんの期待を一身に背負って(?!)登壇したのは、北原治主幹(滋賀県文化財保護課兼琵琶湖文化館)。「新しい文化館建設地と大津城」と題し、私たちにとって、“とっっっても気になる土地”の歴史が紐解かれました。

皆さんはご存じでしたか?大津城。浜大津の陸橋の下に「大津城跡」という石碑が目にとまりますが、現在の街並みからはその存在がイメージしにくい・・・水城です。・・・ここがミソで・・・
・・・浜大津から少し離れた立地にある現・琵琶湖文化館(お城の形をして湖上に浮かぶように建つ当館)を訪ね、「大津城の御城印をください」と言う方も・・。
あ、スミマセン、話が逸れました(笑) 。

講師の北原氏は、大津城が古から栄えた「大きな津(港)」の物流拠点にあったこと、水運をめぐる武将たちの攻防などを解説。様々な文献や発掘調査成果から、城の規模や縄張りについて検証されました。
特に三の丸・水堀の位置については、地図や写真を使って北原氏独自の新説が熱く語られるなど、皆さんも身近な土地の歴史ロマンを感じていただけたのではないでしょうか。
講座終了後のアンケートでは、

〇普段見聞きしている地名・用語が出てきて興味深く聞きました。
〇城跡の石碑はよく目にしていますが、こんなにも本格的な拠点として築かれ、今でも確かな痕跡が残されているのだということを知れて良かったです。
〇新文化館建設地周辺に建築されていた大津城について、かなり突っ込んだその規模や形状等について研究された結果を知ることができ、興味深いものがあった。
などなど、多くのご感想をいただきました。皆さんの反応を素直に喜んだ北原氏(笑)。これからも調査・研究に邁進していただきましょう(期待大!!)。
大津城の歴史、それは新しい琵琶湖文化館が建つ土地周辺の歴史です。(新文化館はお城の形ではありませんが)今回の講座に参加したことで、かの地に新たな親しみを感じていただけたなら・・・。新文化館の新たな船出を応援してくださ~い!


滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第2回 ㊗9000人突破記念㊗

まだ6月ですが暑い日が続きますね☀みなさまご自愛くださいませ…!さてさて、先日6月18日(水)に、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第2回を開催しました!!今回は「湖国の文化財建造物~新県指定と近年の保存修理状況~」と題して、滋賀県文化財保護課・建造物係から2人の若手技師が登壇しました。


まずは坪田叡伴主任技師。令和6年度、新たに滋賀県指定有形文化財(建造物)に指定された兵主神社本殿(野洲市)についてのお話です。兵主神社本殿の魅力、評価ポイントをわかりやすく解説されました。兵主神社本殿は「極端に装飾的にするのではなく上品にまとめる滋賀県らしい通好みの建物」と評価されているとのこと。実際の兵主神社にもぜひ訪れてみてくださいね♪


続いて佐々木悠貴技師から不動寺本堂(大津市)の修理についてお話がありました。太神山(標高600m)の山頂付近にある不動寺本堂にたどり着くためには車の通れない山道を行かねばならず、修理に際して資材などを運ぶ工事用モノレールを設置したそう。このような難所にある文化財は少なくありませんが、文化財としての価値を長く維持するためには適切な日常管理と定期的な保存継承が欠かせません。今回の講座を通し、文化財の保存修理の重要性を改めて認識していただければ幸いです✨


さて、実は今回の講座で打出のコヅチ参加者総数が9000人を突破しました㊗㊗㊗開講前には9000人突破を記念して当館の大橋光広館長から皆さまへ感謝の言葉が述べられました!これまでご参加いただいたみなさま、ほんとうにありがとうございます!
そして、今回特別に滋賀県のマスコットキャラクター・キャッフィーもお祝いに駆けつけてくれました!!!!まんまるなフォルムがとってもかわいらしいキャッフィー💖会場を和ませてくれましたよ♪

今回から会場後方にブースを設け、新しい琵琶湖文化館整備事業への寄付を受け付けました。今回はなんと!!【寄付者数:19名/寄付金総額:33,000円】のご寄付をいただきました。ご寄付をいただいたみなさま、本当にありがとうございます!!寄付ブースは今後の講座にも設置する予定ですので、引き続きご支援ご協力をお願いいたします。
次回の講座は、7月16日(水)「新しい文化館建設地と大津城」です。現在新しい琵琶湖文化館の建設地では着々と工事が進んでいますが、その新文化館周辺の土地の歴史をご紹介します!ぜひご参加くださいね🌟
「明智光秀と近江」関連講座にて読み解く

6月14日、それはとても特別な日でありました。琵琶湖文化館地域連携企画展「明智光秀と近江」を開催中の安土城考古博物館。本展の関連講座として、大山崎町歴史資料館の福島克彦氏をお招きし、「中世都市坂本と明智光秀の築城」についてお話しいただきました。

歴史好き、特に戦国時代が好きな人なら、6月14日と聞いてピンとくる人もいらっしゃる?そう、明智光秀が山崎の戦いに敗れて落命・・・光秀の居城であった坂本城が落城した日でもあります。奇しくもそんなご縁のある日に行う関連講座・・・歴史好きの人達がじっとしていられるワケがない!!(笑)。ということで降りしきる雨にもかかわらず、会場には多くの方がお越しくださいました。

講座の開催にあたり、当館の井上副館長から講師の紹介をさせていただいたのですが・・・ここでまさかの“ご縁”が発覚!実は福島氏とは、学生のころからのお付き合いで、一緒に城跡の現地調査をした仲なんだとか!学生時代のエピソードにちょこっと笑いが起きつつも(笑)、会場があたたまったところで、いよいよ講座の始まりです。

最初に講師は言われました。「坂本とは、なんて研究史がアツいところなのか」「なかなか太刀打ちすることが難しいトコロに手を出してしまった」と。いえいえ、日本の中世都市史、城郭史の第一人者でおられる福島氏から、どのようなお話が飛び出すのか、興味深々です。
古文書や文献に出てくる「坂本」という言葉をキーワードに、当時の町の様子や都市機能の規模などを考察。日記や絵図に記された痕跡から坂本城の実態に迫っていただきました。
配布の資料(全16頁)に紹介された[史料]は28件、示された図は9点・・・いやぁ『史料から読み解く』とはこのことか!と。発掘した実物から当時の様子をうかがい知ることはありますが、文字(史料)を集めて検証していくことで、こんなにも様々な事がわかるのだと感動しました!
そもそも「文献を集める」という行為が大変な作業であり、「中世都市坂本」「明智光秀」「坂本城」について、講師からいただいた当日の配布資料は、参加者の皆さんにとっても宝物になったのではないでしょうか。

「学生の頃は実物を見るために、1点1点、寺や資料館を訪ねて回ったが、今回の展示では一堂に見ることが出来る、それが幸せ」と、心の底から嬉しそうにお話された(本展をアピールしていただいた(?))ことが、とても印象的でした。
講師への盛大な拍手と共に終了した本講座。その後、福島氏と当館の井上副館長はと言いますと・・・

・福島氏・瓜生学芸員(安土博〕
安土城考古博物館の本展企画担当学芸員らとともに、「現在のこの地名は当時の名残?」「関と浜の違いは・・・」云々、研究者トークに華を咲かせておられました。実にアツい方達です(笑)。
講座にご参加いただきました皆さま、誠に有り難うございました!
「ミニ屏風」作りを楽しんでいただきました ♪

いよいよ梅雨に突入しましたね☔憂鬱な雨の日はご自宅で「ミニ屏風」作りを楽しんでみてはいかがでしょうか(?!)
先日、彦根市の鳥居本地区公民館にて出張ワークショップ「ミニ屏風をつくろう」を行いました!講師は当館の武内学芸員✨実はこのワークショップ、昨年彦根市稲枝地区公民館でも実施させていただいた人気講座なんですよ~[昨年の様子はコチラ]!! クチコミで評判が広まり、このたびの講師派遣と相成りました♪

先ず、武内学芸員から屏風の役割や数え方について講義があった後、実際にミニ屏風作りへと進みます。基本の材料は100円ショップでも買えるスチレンボードと紙蝶番にする書道半紙。屏風に貼る絵と屏風を飾る裂(きれ)や唐紙(からかみ)は各自自由に選んで組み合わせていただきました♪
はじめは「これが屏風になるの?」「ちょっとむずかしいかも…」という不安の声が聞こえていましたが…


完成に近づくにつれ「わあ!屏風ができてきた!」「その組み合わせも素敵ね」と楽しげな声が上がっていました✨
最後に作品を見せ合い、皆さんとても満足そうなご様子♪作品を作り上げたこの達成感!!楽しんでいただけたようで何よりです(笑)。
和気あいあいと取り組んでいただき、こちらも元気をいただきました🌟
ミニ屏風の材料や作り方は滋賀県文化財保護課のYouTubeでも紹介しています。
動画を見ながらミニ屏風作りにぜひ挑戦してみてください♪
地域連携企画「明智光秀と近江」始まりました ♪
皆さんこんにちは、「あけち」・・・ならぬ「あきつ」君です。ご機嫌いかがですか?

突然ですが、あきつ君のこのコスプレ、「どこかで見たことあるなぁ~」と思われた方いらっしゃいます?そんな貴方はきっと無類の戦国武将好き(!?)。
そう、これは某テレビ局:N〇Kの大河ドラマで令和2年に放送された「麒麟がくる」オープニング、そのパロディ・・・。主役の明智光秀を演じる長谷川博己さんが、このようないで立ちで格好よくキメ顔をされてました。そうですか、あれからもう5年。。。
なんて、懐かしんでばかりぢゃない! 我らが琵琶湖文化館の地域連携企画展「明智光秀と近江」が、滋賀県立安土城考古博物館にて始まりました!


昨年、光秀が城主を務めた坂本城跡(大津市下阪本)で建物跡や石垣が見つかり、はたまた聖衆来迎寺(大津市)からは長年所在不明であった光秀の「寄進状」が再発見(琵琶湖文化館が調査に協力!!)されたりと、何かと明智光秀に熱い視線👁を向けていた滋賀県民 (笑)。
そこで、光秀を巷で有名な「本能寺の変で織田信長を討った武将」としてだけではなく、光秀と近江のつながりに、もっと注目して見てみてもいいんじゃない?と、安土城考古博物館とタッグを組んだこの企画。昨年見つかった「寄進状」をはじめ、両館が収蔵する光秀関係資料を公開しています。
6月14日(土)には関連講座も催されます。
◆演 題◆ 中世都市坂本と明智光秀の築城
◆講 師◆ 福島克彦氏( 大山崎町歴史資料館 館長)
◆定 員◆ 120名 当日受付 先着順
◆参加費◆ 500円(資料代)

この「あきつブログ」では、明智光秀というと、なんちゃってイラストの「明智クン」がよく登場しますが、会場には・・・ ぜひご覧ください♪
「明智光秀と近江」は、近江八幡市の滋賀県立安土城考古博物館にて、8月3日までの開催です(月曜休館)。ご来場お待ちいたしております🌟
滋賀の文化財講座『花湖さんの打出のコヅチ』第1回 ・・・なだけじゃない!

5月21日水曜日、開催いたしました~本年度第1回目となる滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」!講座のメイン会場であるコラボしが21(大津市)3階大会議室には、事前にお申し込みをいただいた100名を超える方々がお集まりくださいました♪
「ご無沙汰です!」「今年もご参加有り難うございます!」「お元気そうで何よりです!」毎年参加いただいている常連さんたちとの再会も嬉しく楽しく、受付でのやり取りにも気合が入ります💪(笑)。

7割の常連さんと3割のご新規さんに支えられ、滋賀の文化財講座は開催18年目に突入🌟。毎年こんなに多くの方が受講される文化財講座って・・・ちょこっと自慢したくなります♪当館の『宝』の一つでゴザイマス💛。
開催のご挨拶では、当館の大橋光広館長からも、皆さまへの感謝の言葉が述べられました。

さて、待望の第1回を飾ったのはコヅチに久々に登場:古川史隆主幹(滋賀県文化財保護課兼琵琶湖文化館)です。「近江梵鐘紀行」と題し、私たちにとても身近な(?!)文化財が紹介されましたよ。
今回の講座の主役:梵鐘(ぼんしょう・平たく言うと寺院にある釣鐘)について、講師は冒頭に「生きている文化財」「現地を訪ねてその空気感を味わえる文化財」と説明されました。そしてスクリーンに映し出された5つの画像。「予備知識なしでご覧ください」と・・・。皆さんどうでした?最初の印象は??・・・う~ん正直なトコロ何が違うのかがワカラナイ・・・そんな顔をされてましたネ(笑)。いえいえ、講座を最後までお聞きくださった皆さんなら、もうわかるハズ!あの地味~ぃなカネ・・・否々、見た目は同じように見える釣鐘ですが、形状や年代、技法、注目すべき龍頭や撞座、伝承の由来などなど、鐘が持っている情報量は(意外と)多い!そんなに違いが(特徴が)あったのかと、驚くばかりです。

講師は過去に、県内にある国指定文化財、滋賀県指定有形文化財を除く137口の梵鐘について、4年の歳月をかけて調査をされています。(梵鐘は「口:コウ」と数えます。)
指定文化財以外の梵鐘ということは・・・それこそ個々の特徴や他との“類似性”あるいは"相違点“など、事細かに調べあげた、その経験が、文化財技師としての今の自分を支えている・・・とも言っておられました。調査当時のエピソードやその知識の豊さ・深さは、「ちょっと寄り道」どころの話ではなかったですよね(講座を聴いていた人ならわかる「ちょっと寄り道」)。梵鐘に対して「地味」なんて思っていたことをオ許シクダサイ・・・。。。
ここに、講師が最後に語った、まとめの言葉を紹介しておきます。
梵鐘の調査をしていたとき、なぜこんなことをするのか、と聞かれたことがあります。確かに、生活に必須のものではないため、そのような疑問を抱かれるかもしれません。
文化財は、過去の歴史や文化の証、人類が歩んできた道筋を、今に伝えるものであると思います。そこには、様々な価値観などが内包されています。文化財を守ることは、様々な価値観を認め合うことにつながり、ひいては差別や暴力などを無くすことにつながると思います。そうした社会の実現のために、私は文化財保護の仕事にまい進したいと思っています。

・・・よくぞ言ってくれました!これには運営スタッフ一同が、思わず感涙・嬉し泣き!!(笑)。これが私たちの『打出のコヅチ』です♪♪
次回の講座は、6月18日「湖国の文化財建造物~新県指定と近年の保存修理状況~」についてのお話です。皆さま奮ってご参加ください🌟
副館長がバラエティ番組に出演しました📺

みなさま、ご覧になりましたか!?5月7日(火)に放送されたフジテレビ「世界の何だコレ!?ミステリー」を!!!
昭和12年9月に工事着手、昭和14年5月に竣工した、滋賀県庁。この滋賀の近代建築を代表する建物内の、執務室の壁紙が剥がれたところに、まるで屏風の下貼り文書のように「謎の古文書」が貼られているのが近年発見されました。

今回、なんと上記の番組にてこれが取り上げられました!2時間番組の中ほど「気になる謎現場!直撃調査」にて、取材いただきましたよ~♪
下貼り文書については、過去のブログでちょっとだけ触れているのでご覧いただければと思いますが、下地に使われていた反故紙です。屏風や襖と違って、滋賀県庁は鉄筋コンクリート造なので、こうした下地は不要のように思われます。番組に出ていた専門家の方も、「他に例を見ない」とのこと。本当に「何だコレ!?」ですね😲


さてさて、番組中では、当館の井上副館長と、文化財保護課の坪田主任技師が出演しました。終始アンガールズの田中さんにいじられながら、軽妙なトークを交えて取材が進められました。井上副館長、何かと小ネタが多すぎる!?とも思いましたが、85年以上前に建てられ現在も使われている滋賀県庁に、誰も解明していない謎が秘められているということ、そして文化財の守備範囲の広さとその面白さを分かっていただけたんじゃないでしょうか。
身近な職員が出演しているからだと思いますが、何度も笑ってしまいました。あ~、面白かった!
・・・え?・・・ご覧になっていない方もいらっしゃる??大丈夫です!TVerで見られますよ!!!今のところ配信終了まで1週間以上ありますが、お早めにチェックしてくださいね。

そしてさらに!この番組に出演した、坪田主任技師の打出のコヅチも控えています!6月18日(水)の回のテーマは「湖国の文化財建造物~新県指定と近年の保存修理状況~」ですが、撮影の裏話も聞けるかもしれません!?お申し込みはコチラからどうぞ♪
琵琶湖文化館の定点観測(?)

こちらの写真、実は一般の方から3月にご投稿いただいた写真です。ご近所の皆さん、どこから撮った写真かわかります?・・・そう、場所は浜大津。新しい琵琶湖文化館の建設地で工事を進めるショベルカーに注目したしゃし・・・ん?
・・・違う!?・・・よぉく見ると、その向こうにはお城が、現文化館が映っているではありませんか!
滋賀県のWebサイトでは、「新しい琵琶湖文化館定点観測」のコーナーで、工事の進捗過程を皆さんにご紹介していますが、この角度での定点観測はさすがにムズカシイ(笑)。ということで、私たちも知らなかった新たな“気付き“をいただきましたので、感謝の気持ちを込めて当館がご用意した“お返し写真”がコチラ🌟↓

あ、すみません・・・何かわからない?小さすぎました??改めてコチラ🌟🌟↓

現文化館・お城の5階から撮影した工事現場の写真です~。いやぁ当館からも見えていたとは!うっかり気付きませんでした!(ほんの一部ですが☆彡)。

ところで、新しい琵琶湖文化館の建設工事が、“今”どうなっているか?気になりますよね。現在は地中に杭を打ち込む基礎工事が進められています。

オレンジ色の重機が基礎杭を吊り上げるクローラークレーン、黒いのが杭打機(パイルドライバ)です。見ていて飽きません(笑)。
建物の土台となる重要な工程、毎日少しずつ場所を移動しながらしっかりと工事が進められています。
(建設地全体を撮影した)定点観測写真は随時更新しておりますので、ぜひこちらもご注目・お楽しみください♪〔滋賀県webサイトへリンク〕
新たなお楽しみもできたところで、もう1枚写真をご紹介しましょう。

こちら、同じ方からご投稿いただいた写真。右下の方に確かに現文化館が写り込んでいますね。
さて、ここでご近所さんに問題です。
「一体どこから撮影した写真でしょう・か?!」
吊り行灯がとても印象的🌟「けまり」で有名な“あの”神社です。答え合わせは「琵琶湖文化館写真集」をご覧ください♪
大阪・関西万博へ!~滋賀と博覧会~
滋賀に関連する博覧会といえば、このあきつブログをご覧の皆さまは、昭和43年(1968)の「びわこ大博覧会」を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか?
びわこ大博覧会は、現在はプリンスホテルやウカルちゃんアリーナが立ち並ぶ、大津市におの浜の埋め立て地を会場として開催された地方博覧会です。滋賀県政100周年、大津市政70周年の記念事業として開催され、52日間の会期でなんと98万5千人もの来場があったそうです。テーマは「湖と文化のまつり」で、滋賀県の文化財を(しかも第一級品を!)展示したとのこと。琵琶湖文化館の学芸員も、展示に協力したかもしれません。

びわこ大博覧会の会場から西に1キロちょっとの当館では、明治100年を記念した「近代近江人の遺芳展」をはじめ、「近江の仮面展」「現代世界の陶芸展」といった展覧会が次々に開催され、博覧会の影響もあってか盛況だったようです。
びわこ大博覧会の2年後の昭和45年(1970)、ご存知とおり日本万国博覧会「エキスポ’70」が大阪で開催されました。エキスポ’70における滋賀との関連はというと、「地方自治体館」というパビリオンでの都道府県や政令指定都市別の展示です。「県の日」にはパビリオン内の食堂で、それぞれ郷土の料理が味わえたといいます。滋賀県の日には何が提供されたのでしょうか?

それから55年後・・・、令和7年(2025)に大阪・関西万博が開催されます!4月13日の開幕を前に試行実施する、テストランに行ってきましたので、ご紹介します~!
目当てはもちろん、滋賀県ブースを出展する関西パビリオン。夢洲駅すぐの東ゲートから少し歩くと着きます。

大阪を除く関西5府県と周辺4県が出展する関西パビリオンでは、どの府県のブースも100~200平米程度で広くはないものの、それぞれ工夫が見え、「この万博のついでに●●県に来て!」というアツイ想いを感じました。
なかでも滋賀県ブースは、滋賀の魅力を伝える独創的な空間になっていたのではないでしょうか?

滋賀県ブースのエントランスは、飛び出し坊やがお出迎え。

エントランス中央の動画が投影されている円いスクリーン、これはなんと焼き物!信楽で焼かれたものということで、触って確かめてしまいました。
エントランスののれんをくぐると、めっちゃ大きいスクリーンに映像が映し出されています。

スクリーンの左右の壁が鏡張りだからか、かなりダイナミックな印象です!さらに部屋の中央には、直径5センチほどの球体450個が、映像にあわせて上下し、下面からのライトで様々な色に光るという、不思議で美しい空間となっていました(テストランでは球体演出はシステム不調も見られましたが・・・)。

さてこの映像は、自然豊かな滋賀の四季折々の風景と、その周りで生きる人々の営み、そして様々な姿を見せる琵琶湖の美しさが表現されています。映像を見ながら思ったんですが、登場しているのはほとんど(9割くらい!?)は文化財関連と言えるのでは・・・?どんなコンテンツかは滋賀エキスポミュージアムでもご覧いただけますので、チェックしてくださいね♪
滋賀の文化財が、世界中の人が訪れる万博でこんな風に紹介されているなんて、嬉しいですね。みなさま、万博に行ったら、関西パビリオンの滋賀県ブースは必見ですよ!


ご紹介した関西パビリオンの他にも、 信楽焼のレンガが使用されている「いのちの遊び場くらげ館」や、 屋根に西の湖のヨシが使用されている「EARTH MART」などなど、滋賀県ゆかりのパビリオンがありますので、万博に行った際には探してみてください✨
★YouTubeにて公開中★「歴史を止めない!未来へつなぐ文化財」
今年3月にBBCびわ湖放送で放送されたTV番組「歴史を止めない!未来へつなぐ文化財」が滋賀県文化財保護課のYouTubeチャンネルで公開されています。

実はこの番組、当館の萬年学芸員も出演しているんです!
「初めてのテレビ出演で内心ドキドキでしたが、なんとか役目を果たしてきました♪」
滋賀県内で有形、無形の文化財を守り、次世代に継承しようと取り組む地域の人々や職人の方々の活動、思いを、穏やかな口調でわかりやすく紹介(!)しておりますので、ぜひご覧になってくださいね♪
今回、番組で紹介されたのは次の二組です。
さづかわ祭り教室〔守山市、近江のケンケト祭り長刀振り〕
ユネスコ無形文化遺産「風流踊」近江のケンケト祭り長刀振りの継承に努める祭り教室です。重い長刀(なぎなた)を持ちながら子供たちが軽やかに飛び跳ねる様子には、とても驚かされますね…!後継者不足という困難を抱えながら、「まずは子どもたちに祭りを楽しんでもらいたい」という思いで活動されています。
臼井浩明さん〔黒田工房(大津市)代表、選定保存技術「表装建具製作」保持者〕
黒田工房の臼井さんは表装建具(襖や屏風などの下地や枠に使う木製の骨組み)の仕立てや修復に携わられています。受け継がれた伝統的な技術を発展させ新たな創作活動にも取り組まれているそうで、なんと世界初の木造小型人工衛星(!)の製作にも関わっているのだとか・・・!
今現在も多くの方々が、文化財の継承に尽力されています。文化財保護に関わる当館としても、文化財を支える方々の活動や思いを発信していければと思います✨
滋賀県文化財保護課のYouTubeチャンネルでは、他にも滋賀県の文化財にまつわる様々な動画を投稿しています!もちろん(?)当館に関する動画も投稿されていますよ・・・💖ぜひぜひチェックしてみてください♪
鎌倉時代の仏像発見! & 文化財保護法成立の歴史に関する資料発見!【琵琶湖文化館研究紀要・発刊】

今年もこんな季節になりました(→)。
皆さま、いかがお過ごしですか?? この時期の文化館と言えば・・・そうです!一年の総まとめ!調査研究の成果をまとめた「研究紀要」の発刊です!
当ブログを定期購読(?!)いただいている皆さまであればお気付きでしょうか?1月からこちら、ブログの更新回数が若干少なくなっていたことを・・・。それもこれも各担当が執筆活動に勤しんでいたため!(モチロンそれだけが理由ではありません(笑)。)その成果は?出来栄えは??・・・おかげさまで今年度 も 仕上がりは上々、充実の内容となっております!

◆玉林寺(守山市洲本町)所蔵 銅造薬師如来坐像について
令和6年に実施された調査の結果、鎌倉時代の希少な金銅仏として確認された、玉林寺の銅造薬師如来坐像。科学的調査の結果とともに、本像について詳細に報告 。

◆衆議院法制局試案・重要文化財保護法案要綱について
ガリ版刷りの「重要文化財保護法案要綱」の発見および翻刻。当館初代学芸員の宇野茂樹氏(1922~2018)による書き込みにも触れ、文化財保護の歴史の一端を振り返る。

◆【研究ノート】休館中の琵琶湖文化館における収蔵環境管理について
築64年の建物、17年休館中の当館における文化財収蔵環境についてまとめる。長期休館に関わる課題を中心に、現状とその対応を紹介。

◆【研究ノート】 琵琶湖文化館の建設費協力箱について
昭和34年(1959)に県立滋賀会館に設置された、当館の建設資金を募る「建設費協力箱」について、昭和期の寄付活動や募金箱とともに紹介。
◆【令和6年度年報】活動報告など
何度もくじけそうになりました。発行が危ぶまれた年もあります。とはいえ、先輩から引き継がれてきた「琵琶湖文化館 研究紀要」発刊の伝統を、博物館として調査研究の成果を皆さまに披露する、この機会を、その意義を、こうして継続して来れたことに感謝したい・・そんな第41号でゴザイマス(ただし苦労も多かった~(笑))。

当館の「研究紀要」は、県内の図書館はもとより国会図書館や市町教育関係機関、博物館などにも送付しております。是非皆さま手に取ってご覧くださいませ 。
5館連携★合同記者発表会!

3月21日に「県立5館ミュージアム合同記者発表会」が開催されました!安土城考古博物館、陶芸の森、県立美術館、琵琶湖博物館、そして当館:琵琶湖文化館の、県立5館の連携を発信するため、このたび初めて開催。5館の館長・副館長が集まり、記者に向け令和7年度の取組を発表しました。
記者発表会では、はじめに5館それぞれが、主に展覧会のテーマについて紹介しました。

当館からは井上優副館長が出席。令和7年6月3日(火)~8月3日(日)に安土城考古博物館にて開催する、地域連携企画展「明智光秀と近江」についての発表です!また、新しい琵琶湖文化館についても、県民と一緒に盛り上げていきたい「県民フォーラムⅤ」をはじめとする様々なイベントも、決まり次第発表していくと説明いたしました。
発表会の後半は、県立美術館の保坂館長(ディレクター)がモデレーターとなり、フリートークを開催。実はドレスコードがあるとのこと(気づかなかった!)。琵琶湖をイメージして、みなさん青いものを身にまとっているそうです♪
フリートークでは、保坂館長が話を振っていきながら、5館の多彩な連携や展覧会の内容について、詳細なお話がありました。当館の井上副館長へは、来年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟」との関連について保坂館長から話が振られ、井上副館長は「琵琶湖文化館でも何らか関連付けて発信したい」と発言が!あきつブログでも「豊臣兄弟」を扱うことになると思いますので、どうぞお楽しみに♡
さらに記者からは、
「なぜ今、県立5館の合同記者発表に至ったか?」
との質問が!
回答その1「バブルの時代ではバチバチのライバル関係(衝撃ですね💥)になることもあったが、連携が重視されてきた昨今の情勢もある」
回答その2「分野の異なる博物館が連携した展覧会やイベントを開催することで、いろいろな視点から、滋賀県のこと・琵琶湖のこと・文化財や歴史のことが分かってくる」

県立5館が連携していくことで、より多視点で魅力的な滋賀を発見できる…!素敵ですね✨
そして5館のつながりを見せられる何かを作ろう!?5館の年間スケジュール表を○○で作ろう!??など、館長たちのその場限りの自由な発言に、笑いに包まれる場面もありました(笑)。
とてもなごやかな記者発表会となりました。保坂館長もおっしゃっていましたが、県内外・国内外の人に、ぜひ県立5館を周遊していただきたい、万博等で大阪や京都が混雑しているときに、滋賀に来てホッとしていただきたいと思います。また、歴史だけではなく、美術や自然など、様々な入口となる館があるので、1館行ったときに「もう1館行こうかな」というきっかけづくりになればという発言もありました。

当館は休館中ではありますが、令和7年度も地域連携企画展に取り組むほか、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」や、新しい琵琶湖文化館に関するイベントも様々に予定しております。詳細は随時発表いたしますので、ぜひご参加お願いいたします♪
県民フォーラムの結果を公開!

あきつブログをご覧のみなさま、2月11日開催の県民フォーラムでは、ご参加どうもありがとうございました!
残念ながらお越しいただけなかった方もいらっしゃるかもしれませんね😢そんな方にも県民フォーラムの内容をお届けしたいと思います!
このほど、県民フォーラムではどんな議論があったか?という結果をまとめたものを、滋賀県のHPにて公開しました。ページの上の方にあるリンクから、PDFをご覧くださいませ♪
PDFでは、各登壇者の発表をまとめております。そしてゲストスピーカーの大津市歴史博物館・木津副館長からの質問に応じた議論や、会場からの質問への回答も掲載しております。紙面の都合から割愛させていただいた点は多くありますが、ブログとあわせてご覧いただくと、当日の雰囲気が伝わるのではないかと思います。

あと、サラッと書いていますが、【会場特設コーナー】の欄も注目です!当日、新文化館への寄付の受付もしたのですが、な・な・なんと、
寄付者数:34名
寄付金総額:53,021円!!!
という、たくさんのご寄付をいただきました。みなさま、本当に、ほんっと~~にありがとうございます!!!みなさまからいただいた寄付金は、大切に使わせていただきます。
また、来年度以降もこうした寄付受付の事業を進めていく予定ですので、引き続きのご協力をよろしくお願いいたします。
さてPDFに戻りますと、後半はご参加いただいたみなさまが答えてくださったアンケートのまとめです。アンケートを拝読していると、応援メッセージが多く、感激!!!今後も県民フォーラムを開催してほしいという声もたくさんいただきました。
みなさま本当にありがとうございます。あたたかいお言葉を励みに、来年度もはりきっていきますので、どうかよろしくお願いいたします✨
文化館の収蔵品・目に留まる!?

突然ですが、当館のお仕事の一つに、出版社やテレビ局からの依頼を受けて、画像データを提供するお仕事があります。さまざまな媒体を通して、当館の収蔵品が皆さまのお目に留まる・・・機会も意外と多いのですよ!?気付いておられますかね~♪今日はそんなお話です。
まず、画像提供で今年度一番依頼が多かったのは・・・コチラ「山法師強訴図」です。

受験を頑張ってこられた皆さんは、見覚えアリ??山法師(武装した僧侶・僧兵)たちが、神様の威光をかざして神輿をかつぎ、朝廷や幕府に無理やり訴えを通そうとする「強訴(ごうそ)」の場面が描かれています。
平安時代後期、強大な権力を持つ白河法皇が、朕(自分)の意のままにならぬものとして「賀茂川の水、双六の賽、山法師」の三不如意を挙げたという有名なエピソードがありますが、実際の画題として描かれることは珍しく、本図は貴重な絵画資料として、教科書や大学入学試験の問題集などによく掲載されます。

勉強がはかどらなくて、ついイラっとしてしまったら、このオジサマ・・・否・・・僧兵たちのお顔に注目してみましょう。その表情はちょっぴりユーモラス(?!)・・・きっと肩の力が抜けて、勉強がはかどりますヨ(笑)。この僧兵を見かけたら“要チェック”です!
そしてもう一つご紹介したいのがコチラ、円山応挙が描いた「狗子(くし)図」。見てください!このモフモフ♡この愛くるしさ、見過ごすことなんて出来まセン!

ということで、近年大注目の文化館のワンコ、「日本のことばずかん いきもの」(講談社発行)や、日本美術・日本文化を紹介する雑誌「和樂 4・5月号」(小学館)などにも、掲載いただいております。

日々慌ただしく過ごす皆さまに、ほっと一息、気持ち和ますお時間を・・・ただただ、この可愛さを愛でていただきたい、文化館のワンコデス(笑)。
当館の中池に来た水鳥たち
冬になると琵琶湖には多くの渡り鳥が飛来します。当館周辺にもたくさんの鳥たちが群れをなしてやってきますが、中池で過ごす鳥も見られます。さてさて、どんな種類の鳥が来たのか、中池で見られる確率「中池レア度」の順に、ご紹介します~~🦆🐦🐤

オオバン 中池レア度★☆☆☆☆
全体は黒く、白のおでこと嘴が特徴のオオバン。冬の時期は当館周辺に群れをなし、ほぼ毎日、中池に1~2羽見られる。たまに琵琶湖から陸に上がり、当館の周りを歩くこともある。

ホシハジロ 中池レア度★★☆☆☆
和名「星羽白」の「星」は、背の羽に細かい模様があることに由来するというが、分かりづらい(写真でも分からないデス)。琵琶湖に浮かびながらお昼寝している姿をよく見かける。

マガモ 中池レア度★★☆☆☆
カモの代表「真鴨」は、きれいな緑色をしたオスの頭が有名(写真はメス)。中池に居つくことがあり、冬に飛来する渡り鳥であるものの、2024年春夏シーズンには中池周辺で子育てしていた。

ヒドリガモ 中池レア度★★★☆☆
オスの頭が赤っぽいことから「緋鳥鴨」という。当館周辺にはたくさんいるけれど、中池にはあまり来てくれない。なぎさ公園の芝生の上で、群れでごはん食べている姿がカワイイ。

カンムリカイツブリ 中池レア度★★★☆☆
全体は灰色と白、頭には冠羽、ちょっと小さめ。日本で増加傾向らしいが、当館周辺でも年々増えている気がする。中池に来たのは2024~2025年冬シーズンが初(だと思う)。

カワウ 中池レア度★★★☆☆
渡り鳥ではないため一年中観察できる。当館周辺の水鳥では最も大きいので、見かけるとちょっとびっくりする。本館(お城)の裾で佇む姿をよく見るが、たま~に中池の歌碑にも留まっている。

カルガモ 中池レア度★★★★☆
カルガモは雌雄同色なので見分けるのが難しいが、写真はおそらく左がオス、右がメス。2023年春ごろに中池に来ていたこのカップルは、歌碑台座や桟橋などに仲良く留まっていた。

キンクロハジロ 中池レア度★★★★☆
金色の目、黒い体、白い翼を持つことから、「金黒羽白」というらしい。2024~2025年冬シーズンには中池では見かけなかったが、浜大津方面の琵琶湖ではたくさん泳いでいる。

ハシビロガモ 中池レア度★★★★★
大きな嘴がその名となっている「嘴広鴨」。嘴だけ潜らせてプランクトンを食べるので、あまり潜水しない。2024年12月に2日間ほど中池で確認できたが、それ以降は見られない。

ミコアイサ 中池レア度★★★★★
白い羽根が巫女の白装束に似ていることから名づけられた。目の周りが黒いので、パンダガモとも俗称される。当館周辺ではあまり見かけないが、2025年2月に初めて中池で確認。

冬に中池に来る水鳥は、多くは1羽、多くても数羽です。群れから離れた変わり者!?かもしれませんが、鳥ちゃんたちが中池を気に入ってくれているようで嬉しいです♪
比べてみよう☆琵琶湖文化館着工式の今昔
晴天の2月20日、新しい琵琶湖文化館の建築工事着工記念式典が執り行われました。関係者50名ほどが参列し、晴れやかな場となりました!
そういえばこの光景、どこかで見たことがあるような・・・?そうです!現在の琵琶湖文化館の建設工事課程の『写真アーカイブ』と『動画』です。65年前の昭和35年4月18日に、当時は「滋賀県観光文化館」という名前で予定されていた当館の起工式が行われました。
さてさて、65年前の起工式の様子を、昨日の写真と比べてみませんか?
●会場
今 回:紅白幕つきのテントが設置され、その中に祭壇や関係者席を設置。
地鎮祭に使われることが多いという青白幕もありました。
65年前:埋め立て地(この前年に埋め立て。現在の文化館掲示板あたりか)に祭壇を築き
ました。

●看板
今 回:大きな看板が設置されました。
65年前:今回よりさらに大きな看板です。紅白で飾られていたのでしょうか。

●四隅祓
今 回:建物が建つところが紐で縄張りされています。その四隅をお祓いし、清めます。
65年前:湖上に縄張りが!神主は船に乗り、お祓いしました。

●地鎮行事
今 回:「エイエイエイ」と発声する刈初の儀をはじめ、砂山を用いた地鎮行事。
65年前:湖上での杭打ち!木槌で杭を打ち、玉串を奉納しました。

●式典の後は・・・
今 回:メディア(新聞8社、テレビ2社)による囲み取材。
琵琶湖C&Sと滋賀県が、事業にかける意気込み等をお話ししました。
65年前:お供えしたお神酒や食べ物を下げて、同じものをいただく直会(なおらい)。

うーん、時代と場所が違うので(特に場所:地上と湖上!)、いろいろ違って面白いですね♪65年前にはこの起工式のほかにも、「基礎奉鎮祭」「立柱祭」「定礎祭」「上棟祭」「蜻蛉上翔祭」「資材感謝祭」、そして「竣功報謝祭」といった祭礼が逐次行われたそうです。
新しい琵琶湖文化館では65年前のような多くの式典はないんじゃないか?と思いますが、今回の着工記念式典を経て、3月からいよいよ着工です!琵琶湖文化館Xでは定点観測をしておりますので、工事の進捗もチェックいただけます♪
みなさまに御礼♡県民フォーラム開催しました!

2月11日、「新しい琵琶湖文化館に関する県民フォーラム」を開催しました!朝は小雪のちらつく寒さでしたが、会場:コラボしが21は熱気あふれ、みなさまに高いご関心をいただいていると感じました。本当にありがとうございます♪
登壇者は、新しい琵琶湖文化館のPFI事業を担う琵琶湖C&Sと滋賀県の各担当者。そもそもPFIとは?や、建築設計の概要をはじめとする5つのパートに分け、新しい琵琶湖文化館がどんな館になるのか、具体的な説明がありました。当館からは和澄主任学芸員が登壇し、新しい館の展示室や展覧会の概要などを中心にお話しいたしました。

フォーラム後半は大津市歴史博物館の木津勝副館長をお招きしたトークセッションです。木津さんからは、大津市歴史博物館と当館は、連携相手かつ扱う分野が重なるライバル関係(!)という前置きから始まり、各パートに関して質問がありました。木津さんからの質問に、「うんうん」と頷くご参加のみなさんの姿も印象的でしたが、いかがでしたでしょうか ?

木津さんからは、終始なごやかな雰囲気でご質問いただき、登壇者たちと語り合っていただきました。新しい琵琶湖文化館の開館がとても楽しみだと大きな期待をいただき、あわせて登壇者をはじめこの事業に携わる人々が、所属の垣根を飛び越えて、チームとして楽しみながら取り組んでいることが頼もしい、とコメントいただきました。
みなさまにもそんな雰囲気が伝わっていたら嬉しいです!会場からの質問タイムもあり(時間の都合でご質問いただけなかった方は申し訳ありません・・・)、ご参加いただいたみなさまには御礼申し上げます!

さて会場では、フォーラムの前後でお楽しみいただける特設コーナーを設置しましたが、いかがでしたか?フォトスポットではふきだしパネルと滋賀県フレームをお持ちいただき、新文化館パネルや仏像バナーと一緒に写真撮影ができました。寄付受付コーナーでは、現在の琵琶湖文化館建設時の募金箱にお金を入れていただけ、さらに1000円以上のご寄付をいただいた方はガチャガチャも!ガチャガチャを回して当たる絵はがきは、種類多めに持って行ってしまったかなと思いましたが、選ぶのも楽しんでいただけたように思います。

また、今回アンケート等で、「開館後のボランティアの予定は?」という、とても嬉しいご質問を多くいただいております。まだ詳細は決まっておりませんが、開館後はボランティア組織を作り、活動いただく予定をしております。決まりましたら、みなさまにご案内しますので、ぜひご参加ください!
登壇者の発言にもありましたが「新文化館を使いたおしてほしい!」「ボランティア活動をとおして使いたおしてもらえる館にしたい!!」そんな思いで、事業を進めております♪
湖南市で目撃!井上敬之助像
あれは去年のことじゃったぁ・・・(日本昔ばなし風:わかる人にはわかる?!)
皆さんは覚えていらっしゃるでしょうか?当館からほど近く、道を渡った川沿いに在った銅像のことを・・・。
当ブログでも既に報告済みではございますが、60年以上、かの地で琵琶湖に向かってたたずんでいた井上敬之助[旧石部村(現・湖南市)出身の政治家]の銅像は、井上の出身地である湖南市からの要望により、昨年9月にお引っ越し(移設)されております。


いつも見ていた視界の端から、銅像がなくなったことを不思議に思い、当館HPに[ご意見・ご感想] を寄せてくださった方もいらっしゃいます。
文化館で働く私たちにとっても、馴染みのある風景の変化に一抹の寂しさを覚えつつ・・・と、このままで終わらないのが “あきつブログ” です(笑)。しっかり“追跡”しております~♪
先日、湖南市にお邪魔した時に目撃した写真が・・・こちらッッ!!!

これはこれは井上さま!お元気そうで何よりです!変わらぬ凛々しいお姿に思わず感涙!
発見場所は、湖南市役所東庁舎に隣接する森北公園。木々に囲まれた素敵な公園です。 井上先生・・・ 政治家として厳しい一面もあったかと思いますが、故郷に戻られて、心なしか表情が和やかに晴れやかになられた気がいたしますヨ!(・・・気のせい?いやいや近くで見ていたから)わかる者にはわかるのですよぉ~エッヘン!

日々の移ろいに寂しさを感じるばかりではなく、変われるところは変わって、時代とともに変化していきたいものです!

これからもまだまだ伸びしろ満載の琵琶湖文化館。新しい琵琶湖文化館の建設地には、工事のためのプレハブが建ち始めました。本格的な着工は3月から始まります!
新しい琵琶湖文化館どうなった?➡「県民フォーラムⅣ」開催します!
令和7年、新しい年が始まり早1ヶ月。新しい琵琶湖文化館が大津市浜大津に建設されるということを、そろそろ皆さんにも知っていただけた(?)頃合いかと・・・思っております。でも「具体的にどのような?」というところまでは、皆さんまだご存じないのでは?・・・・・(ドキッ!そりゃそうだわ、まだ言っていない!!)

・・・ ということで!「新しい琵琶湖文化館に関する県民フォーラムⅣ」を開催します♪【チラシはこちら】
新しい琵琶湖文化館に関する県民フォーラムⅣ
~近江の文化財でひろげる滋賀の魅力~
[日時]令和7年2月11日(火・祝)14:00~15:45
※開場13:15、閉場16:30
[場所]【会場】コラボしが21、3階大会議室(200名)
【配信】zoomウェビナー (400名)
[ゲストスピーカー]
木津 勝 氏 : 大津市歴史博物館副館長(学芸員)
[登壇者]
平島 亘:事業統括(株式会社丹青社)
津田 真 : 展示企画・設計チームリーダー(株式会社丹青社)
砂川 亜里沙 : 開館準備・文化観光チームリーダー(株式会社丹青社)
戸川 勝之 : 建築設計チームリーダー(株式会社安井建築設計事務所)
雲出 泰弘 : 滋賀県文化財保護課参事
和澄 浩介 : 滋賀県立琵琶湖文化館主任学芸員
[司会]田澤 梓:滋賀県立琵琶湖文化館主任学芸員
令和9年12月の開館を目指し、まもなく着工を迎える新しい文化館。その建設から開館後の管理運営まで行う特別目的会社(SPC)「株式会社琵琶湖C&S」と滋賀県が、建築や新しい機能など、より具体的になった姿についてご紹介します。
このフォーラムでゲストスピーカーにお招きするのは、大津市歴史博物館の木津勝副館長。滋賀の魅力や文化館の将来について、語り合われるのも楽しみです♪
会場には特設コーナーもご用意して、皆さまをお迎えします。参加をご希望の方は、下記【しがネット受付サービス/外部にリンク】よりお申し込みください。
【会場コラボしが21 で参加】 or 【オンライン配信 で参加】
詳しくは、
滋賀県文化スポーツ部 文化財保護課 文化財活用推進・新文化館開設準備室
電話番号:077-528-4681
FAX番号:077-528-4833
メールアドレス:bunkatsu@pref.shiga.lg.jp
まで、お問合せください。
開催中「速報!!再発見 明智光秀の寄進状!」お見逃しなく

現在、滋賀県立安土城考古博物館で開催中の「速報!!再発見 明智光秀の寄進状!」はもうご覧いただいてますでしょうか。
この明智光秀の寄進状、大津市にある聖衆来迎寺から再発見されたものです。このたび、滋賀県立琵琶湖文化館へ新しく寄託(作品や史料をお預かりして保管すること)となりました。
詳しくは、当館のホームページや、あきつブログでも既にご紹介済みですが、光秀と地域の寺院との関係を伺い知れる貴重な文書を、是非この機会にご覧いただきたいと思い、安土城考古博物館にて速報展を開催いただいています。

ということで遅ればせながら、あきつくんが安土城考古博物館へ行って参りました!

展示場所は望楼下の展示コーナー、常設展と共にご覧いただけます。
満を持して見に来たけれど、文書のどこを見ればいいか分かるかな…なんて書いてあるか分かるかな…と実はドキドキしていましたが…

展示を見てほっとしました。古文書初心者のあきつくんにも嬉しい、分かりやすい解説が!!
どんな文字が書いてあるかを解読したものに加え、現代語訳も付けてくださっています。そして、まめのぶくんからの解説まで!安土城考古博物館の学芸員さんに感謝です…!
解説の文字と見比べながら、また紙がどんな質感や大きさなのか、昔の人がどんな筆致で文字を書いていたのかなどを見られるのは、実物ならでは🌟ですよね。

特別公開は、2月4日(火)までとなっています。〈※2月3日(月)は休館〉
ちなみに、安土城考古博物館では、令和7年3月18日からのリニューアルオープンに向けた準備を着々と進めておられるところでしたよ。こちらもHPやSNSの情報を要チェック!です!
安土城の近江富士

新年明けましておめでとうございます🌟本年もどうぞよろしくお願いいたします。
ところで、みなさまはどんな初夢をご覧になりましたか?「一富士二鷹三茄子」と言いますが、これは初夢に見るものの中で縁起が良いものを順に挙げた言い方で、富士山を夢にみるのが最も縁起が良いということになるようです。
さて、我らがご当地:滋賀で「富士」と言えば三上山!三上山は野洲市に位置しており、滋賀県南部ではどこからでも見えるといっても過言でないランドマーク的存在です。紫式部が「打ち出でて 三上の山を 詠れば 雪こそなけれ 富士のあけぼの」(打出の浜から三上山を眺めれば、雪こそないが富士山の朝のよう)と詠んだと伝わるように、美しく山裾が広がる佇まいから「近江富士」とも呼ばれています。


そんな三上山、あの織田信長の居城・安土城の障壁画にも描かれていたそうですよ~。天正四年(1576)の築城開始からたった6年で焼失してしまった安土城ですが、天守内部は日本美術史を代表する天才絵師・狩野永徳らが制作した障壁画で彩られていたことがわかっています。
さて、いくつかの文献には狩野永徳が安土城「書院」の「一の間」に三上山図を描いたことが記されています。永徳が描いた三上山図の内容を要約すると以下の通り…

- 昼に絵が描かれた戸障子を開けば実際の三上山を眺めることができ、夜に戸障子を閉じれば絵に描いた三上山を見ることができる。
- 絵は三上山から「尾崎」(唐崎か?)にかけての風景を描いていて、昼に戸障子を半分開けば実際の風景と絵の中の風景がつながって見える。
・・・なんと!安土城から見える三上山を絵に描くことで、一日中三上山の風景を楽しめるようにしてしまったと?!!
現代でも高く評価される狩野永徳。絵の上手さだけでなく発想も天才的だったのかもしれませんね♪この絵に感心した信長は、当時は「源四郎」と名乗っていた永徳に「法印(仏教で高位の僧に与えられる位で優れた画家に与えられる)」の位を授け、「永徳」の号を与えたとも言われます。

現在も近江富士として親しまれている三上山。信長が眺め永徳が描いたことに想いを馳せると、当館から見える何気ないいつもの風景も特別に感じられます。これはきっと良い年明け♡♡
明智光秀寄進状 再発見!当館副館長が記者会見に臨みました!

皆さま、もうご覧になっていただけましたよね?【速報】〜所在不明古文書の再発見〜を!!
大津市・聖衆来迎寺にて再発見された、明智光秀の寄進状。
当館が調査したところ、天正5年(1577)に坂本城主であった明智光秀が聖衆来迎寺に発給した古文書の貴重な原本であることが判明しました。昨日12月19日に滋賀県から発表されたこのニュースは、新聞やテレビを賑わせました!

さて、この発表をしたときの記者会見の模様をご紹介したいと思います✨なんと14社もの新聞社やテレビ局が集まった会見では、寄進状の実物を前にして、井上副館長から30分ほどの概要説明。さらに10名近くの記者から質問があり、このニュースへの注目度の高さが感じられるものでした。
「昨年度の西郷隆盛書簡の再発見など、古文書の再発見が続くことを踏まえて、井上副館長はどんな思いか」という記者からの質問には、「古文書など文化財への興味を高めていただければ嬉しい。そして何か古そうなものがお家などから出てきたら、県や市町、博物館にご相談いただきたい」。文化財の保護を願う井上副館長のコメントが素敵でしたよ!

その後は寄進状に近づいてのカメラ撮影(井上副館長も映りました!)。撮影中も、様々な質問が飛び交い、深くご取材いただけたのではないでしょうか?
寄進状は当館に寄託され、そして年明けには安土城考古博物館にて展示される予定です✨
「速報!! 再発見 明智光秀の寄進状!」
【会場】滋賀県立安土城考古博物館
(近江八幡市安土町下豊浦6678)
【会期】令和7年1月7日(火)~2月4日(火)
*休館日:月曜日
(月曜日が祝日・休日の場合は翌日)
【入館料】大人500円(400円)
大学生320円(260円)
*()内は20人以上の団体
安土城考古博物館は、1月から高校生の入館料が無料になります!ぜひお気軽にお越しくださいね~!