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水面下・気になる・カモ♡

 みなさん気付いておられます?当サイトのトップページにおきまして、とても気になる画像が追加されました。そう、それは新しい琵琶湖文化館のイメージ画像です♪
 こちらを[ポチッ]としていただくと、滋賀県のウェブサイトにリンクし、令和9年12月に誕生する新しい琵琶湖文化館についての情報やイメージ画像など、最新情報をご覧いただくことが出来ます。

 現在の琵琶湖文化館はド~ンとお城の形をしていますが、新しい琵琶湖文化館は「湖国の夢と滋賀の宝を未来に伝える希望の船」をコンセプトにイメージした外観になります。そして新旧の琵琶湖文化館をつなぐ我らが学芸員はと申しますと・・・現在、鴨の水かき状態(?!)で頑張っております(笑)!。建設に向けて、学芸員と滋賀県の担当者、建設・設計の業者とが協議を重ね、具体的な内容を詰める作業を進めているところです。

 「このような設備が必要・可能?」「壁の素材はコレ?色は?」「来館者の動線イメージは?」などなど、宿題をもらいつつ課題を提出する・・・みたいな(?)攻防の日々です(笑)。悩みつつも前進あるのみ!令和7年3月頃には浜大津で建設が始まる予定です。それまで、なかなか皆さんには具体的な動きが伝わりにくい・・・期間ではございますが、水面下で鴨(学芸員)たちはフルスロットルで水を掻きかき、前進を続けておりますので、今しばらく新文化館の建設を楽しみに、お待ちいただければと思います。

 そして、そんな学芸員を癒してくれるのが・・・本物のカモです(笑)。

 時折、姿を見せるこのコたち。中には体の小さな子ガモの姿も♡。あまりに愛くるしさにこちらのテンションは↗↗↗。コチコチに固まった頭の緊張が一気にほぐれ、すごくリフレッシュ☆できるのです。・・・きっとこんな時間も必要(笑)。そしてまた、改めて頑張ろう・・・と思うのです。ご期待ください!

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7月1日は「びわ湖の日」

 皆さんご存じです・よね?滋賀県では、7月1日は「びわ湖の日」です。併せて「滋賀県ごみの散乱防止に関する条例(クリーン条例)」により「環境美化の日」とも定められています。この日を中心に、県民、事業者、各種団体、市町、県が一体となって、県内全域で環境美化運動「琵琶湖を美しくする運動」が実施されます。職場で、あるいは地域で、参加される方も多いのではないでしょうか。
 そう、琵琶湖を美しく・・・です。湖上に建つ我らがお城・琵琶湖文化館です。”知らぬ顔を決め込む“ワケにはいきません!! ということで、一足早く、湖岸を集中的にお掃除させていただきました!

 石垣の隙間に潜んでいるのは・・・ジュースの残り、釣り糸、お弁当を買ったレシート・・・何コレお楽しみ時間の残骸!あまりにお粗末!!
 雑草に隠れているのは・・・ペットボトルのフタ、タバコの吸い殻、アメちゃんの袋・・・小さい!けれどあまりに数が多い!!

(↑これで半分の量だからオドロキです)

 湖岸には、びわ湖を漂ってきたであろう葦の木っ端やビニールゴミ、園芸用プランターなども見受けられます。そんなこんなを徹底的に拾い集め、刈り取った夏草と合わせると・・・何とゴミ袋およそ30個分にも!(2回に分けて回収していただきました!)
 見違えるようにきれいになった湖岸♡ゴミのポイ捨てをしようものなら、罪悪感に打ちひしがれることになるでしょう・・・ふっふっふっ (笑)。
 皆さん、くれぐれもゴミはお持ち帰り下さいね。

 もう一つ、釣り人の皆さんにお願いしたい「びわ湖ルール」があります。琵琶湖では、「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」に基づき、ブルーギルやブラックバスは【リリース禁止】となっています。琵琶湖には多くの固有種が生息しています。その生態系を取りもどすための取り組みとして、釣った魚は『外来魚回収ボックス』に入れるよう、ご協力お願いいたします。(当館から約200mの湖岸に2カ所設置されています。)

 マナーを守って、滋賀の夏をお楽しみください♪

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紫式部の和歌、越前から上京編

紫式部公園に建つ紫式部像。金ぴか!

 〈NHK大河ドラマ「光る君へ」と近江〉をテーマに、あきつブログをお届けしている学芸員、実は先日福井県へ行ってまいりました。越前市にある紫式部公園は、当館から直線距離で101キロ!平安時代には輿や船に乗って4、5日かかった京~越前の道のりは、大津からは名神高速道路を通るルートで片道2時間ほど。日帰り旅行できちゃいます。うーん、この1000年でかなり時間短縮されましたね~。

 さて、6月23日放送の「光る君へ」はご覧になりましたか?吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)が、佐々木蔵之介さん演じる藤原宣孝との結婚を決めるため、越前から京に戻ってきました。その道中、琵琶湖を渡るシーンが短いながらもありましたね!

 紫式部は、越前へ下向する際は琵琶湖の西岸を渡ったことをご紹介しましたが(6月3日付ブログ)、上京するときは琵琶湖の東側のルートを通ったようで、湖東の風景を詠んだ歌が自選歌集の『紫式部集』に収録されています。

当館から見た雪の伊吹山。2024年1月撮影

名に高き 越の白山 ゆきなれて 伊吹の嶽を なにとこそ見ね
名高い越前の白山に行き、その雪を見慣れたので、伊吹山の雪などたいしたものとは思わない、という意味。

磯がくれ おなじ心に たづぞ鳴く なに思ひ出づる 人やたれぞも
磯の浜のものかげで、私と同じ気持ちで鶴が鳴いているが、何を思い出しているのだろう、誰を思い出しているのだろう、と現在の米原市磯で詠んだ歌。

おいつ島 しまもる神や いさむらん 浪もさわがぬ わらわべの浦
おいつ島を守っている神様が、静かにするよういさめたからだろうか、わらわべの浦は波も立たずきれいだ、という意味。「おいつ島」は沖島、奥津島(現在の奥津山)など、諸説あり。

 もう6月も終わりということで、「光る君へ」も折り返しでしょうか。これからも、ドラマの中で紫式部が歩んでいく後半生を、近江というキーワードで辿っていきます!

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滋賀の文化財講座『花湖さんの打出のコヅチ』第2回 基本を学ぶ!

 前日の激しい雨が嘘のように初夏の日差しが照りつけた6/19(水)。今年度第2回目の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」を開催しました。
 今回は「目からウロコの仏像の基本」と題し、当館学芸員:和澄浩介がお話しさせていただきました。

 
 メイン会場のコラボしが21には、150人を超える受講者の方がお越しくださり、初夏のはずが猛暑日のような熱気に包まれました。近年、コロナ禍で受講を控えておられた方たちも完全復活!?!打出のコヅチがコロナに打ち勝ったことを確信した瞬間でした♪

 さて、講座の始まりは、講師の意味深な発言から↓
「今回は『仏(ブツ)』の話ではなく、 
 仏『像(ゾウ)』の話をします」。
・・・おやおやこれは?・・・→「本来身体や形のない『仏』を『像』という形にあらわしたものが『仏像』なので、その形や形作られる方法について見ていきましょう」ということでした!なるほど☆聞くための心の準備・OKデス!(笑)

 前半では世の中にたくさんある仏像のそれぞれの形の特徴をおさえて、種類や名前を見分ける方法が紹介されました。皆さん知ってました?ほとんど同じ形の仏像でも、指の曲げ方の違いひとつで見分けることができるのです!覚えておけば「誰かに教えたくなる」こと間違い無し♪しっかり復習しておいてくださいね。

 続いては、仏像を形作る方法「造像技法」について。どんな素材でどのように造られているか、見た目ではほとんどわかりませんが、いろいろな技法があることが紹介されました。木の仏像がひび割れを起こさないように仏師があんなに苦労をしていたなんて…受講の皆さんも納得のご様子でした!

 最後に、今回講師が一番お伝えしたかったことをまとめておきましょう。それがコチラ↓↓↓

 

「仏像を造るとはどういうことか」、そもそも形のない「仏」は、
  ①「いつか」(時代)
  ②「誰かが」(願主)
  ③「何かのために」(願意)
  ④「誰かに」(仏師)
造らせなければ、「仏像」としてこの世にあらわれることがありません。

・・・当たり前すぎて考えもしませんでしたが、確かにそうです。実はこの点が仏「像」の一番の基本!だということです。講座ではこの4点がはっきりわかる像を例に挙げて解説されました。

 形の基本、造り方の基本、基本のキ…。仏像の基本といってもいろんな基本があって、盛りだくさんの内容でしたね~。今回の講座で皆さんがお聞きになった内容は、いわゆる入門書に載っているような仏像の基本とは少し違ったかもしれません。「基本・キホンと言っておきながらちょっとマニアックだったかな・・・」と少し反省をしていた講師(笑)。皆さんに書いていただいた受講後のアンケートに、

「仏像の基本中の基本、面白かったです」
「本を読んでもわからないことが、よくわかった」
「今後、今日習ったことを思い出しながら(仏像を)見たい」
「初めて知ることばかりでした。もっと知りたいです。第2弾を・・・」
とのお声が寄せられたことに、ホッと胸をなでおろしておりました(笑)。

 ご参加いただきました皆さま、有り難うございました!!

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尚尚・・なおなお・・・ご注目!!

 皆さん、もうご覧いただけましたか?現在、滋賀県立公文書館にて開催中の「幕末を生きた人々の残像~公文書に残る直筆書簡~」。当館に寄託された西郷隆盛(西郷どん)の直筆書簡を展示・公開中です♪。本書簡は、西郷どんが渡米中の大久保利通に宛てて書いた手紙で、安否伺いや国内情勢、薩摩の状況などを事細かに報告する内容は、全長4.75mにもおよぶ長文です。全体を一度に展示することができないため、昨日巻き替えを行い、現在は書簡の巻頭部分をご覧いただくことができます。

 巻頭部分・・・手紙の書き始め・冒頭部分です。ところが現代とはいろいろ異なるところがございまして・・・。
 というのも、いきなり「尚尚・・・」から始まります!

 尚尚は、今で言う「追伸」の意味で、この部分を「尚尚書き(なおなおがき)」「追而書き(おってがき)」といいます。時代は明治、追伸を冒頭に書くことが当たり前だったのですねぇ。
最後に書くものと思っている現代人にはビックリです。

 そしてもう一つ、ビックリなところが・・・。文中に見える「醜体」の文字・・・
 ・・・しゅしゅしゅしゅうたい?!誰が??!

 実はコレ、大久保利通が送ってきた肖像写真を見た西郷どんが、同郷のよしみか、くだけた調子で「いかにも醜態」と感想を述べているのです。
 写真嫌いで有名だった西郷どんのこの感想、手紙を受け取った大久保も「西郷どんらしかぁ!」と苦笑いだったのではないでしょうか(笑)。本文のマジメな内容とは打って変わって、心を許し合う二人の間柄が垣間見れる「尚尚書き」です。ぜひ実物を、会場でご覧ください!

[追伸]
 近頃、朝の通勤途中で聞くラジオ番組にリクエストするリスナーさんの中に、ペンネーム「なおなおがき」という方がいらっしゃいます。普段なら気にも留めませんが、滋賀で西郷どんの直筆書簡が約100年振りに見つかり、その「尚尚書き」に注目する我が身としては、特徴あるそのペンネームが耳が残って離れません(笑)。偶然?必然?二日に1回くらい名前紹介されてますよね??
 ひと昔前までは「尚尚書き」は当たり前に書かれていたのだから特段、特別な意味なんてない・・・とは思うのですが、このタイミング・・・やはり気になります。。。

 「きっと、このリスナーさんは西郷どんのファンの方で、直筆書簡の再発見にコーフンして下さったに違いない!?!だからペンネームは『なおなおがき』?!?」と勝手に想像して、朝からテンションを上げています(笑)。なおなおがきさん、滋賀でお待ちしております♪♪

 皆さんもぜひ「尚尚書き」にご注目ください☆☆☆

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公民館に出張!屏風に親しんでいただきました♪

 先日、彦根市の稲枝地区公民館の「いなえ講座」にて、学芸員が出張してお話してきました。稲枝地区公民館さんは、「花湖さんの打出のコヅチ」でオンライン配信によるサテライト会場となっていただいており、初年度からずっと参加されている公民館です。今回の講座はオンライン配信だとちょっと無理そうな、対面ならではのワークショップもあわせたものでした。

 
 テーマは「ミニ屏風をつくろう」。講師は武内学芸員です。屏風の役割や、その数え方について学んだ後、実際にミニ屏風を作る作業に進みました。

   
   
 

 ミニ屏風作りでは、元気に活動する参加者の皆さんを見て、私たちも活力をもらいました。ただ、屏風の扇と扇をつなぐ「紙蝶番」を作る部分はなかなか難しく、手間取る方もいましたが、皆さん一生懸命に取り組んでくださいました。ミニ屏風の絵は、当館の館蔵品の中から選んでもらいました。お気に入りのミニ屏風が作れたでしょうか? この講座については、稲枝地区公民館のHPでもご紹介いただいています。より楽しい様子が分かるかと思いますので、ぜひチェックしてみてください。

 また、このミニ屏風の作り方は、滋賀県文化財保護課のYouTubeでもご紹介しています。材料は100円ショップ等でも用意できるものなので、ぜひトライしてみてくださいね!

 初公開の「動くあきつくん」も必見です♪

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紫式部の和歌、越前下向の旅路編

 NHK大河ドラマ「光る君へ」6月2日放送回の「光る君へ紀行」では、紫式部の越前への旅路が紹介されました!

 「光る君へ紀行」の冒頭は、当館からほんの数メートル東から撮影した、琵琶湖の風景。そして高島市の白鬚神社や長浜市塩津の深坂古道が紹介されました!前回のブログでは、琵琶湖のシーンが短いんじゃないか!?なんて言って、本当にすみませんでした。。。今回は充実の琵琶湖の旅を放映してくださいました!ありがたき幸せ・・・!

 紫式部は、京から旅立ち、逢坂の関を越えて打出浜から舟に乗り、琵琶湖の西岸を北上します。今回の「光る君へ紀行」では、現在の高島市の三尾が崎あたりで、都を恋しがるように詠んだ歌と、琵琶湖の北・塩津に上陸し険しい山道を行く中で、世の中を生きていくつらさと重ね合わせて詠んだ歌が紹介されました。

 三尾の海に 網引く民の てまもなく 立ち居につけて 都恋しも

 知りぬらむ ゆききにならす 塩津山 よにふる道は からきものぞと

 またドラマの中では、越前の国府に到着したまひろが、素敵なデザインの和紙を手に取り、和歌を書き連ねるシーンが登場しました。この和歌は、琵琶湖を渡る不安を詠んだ内容と言われることが多いもの。ドラマではその前が日本海のシーンだったので、日本海に臨み詠んだともとれる描写です。

  かきくもり 夕たつ浪の あらければ 浮きたる船ぞ しづ心なき

 これらはいずれも、紫式部の晩年の自選歌集である『紫式部集』に収録されているものです。『紫式部集』は概ね年代順に配列されているようなので、少し読み進めれば越前から帰京する際の歌も・・・。帰りはどうやら別ルートのようです。

 「光る君へ」では越前編が続くようですが、そのうちまた紫式部が詠んだ近江をご紹介できる予感がします♪お楽しみに~!

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当館周辺に、清少納言も(たぶん)来ていた!

 青い空、青い琵琶湖と準構造船(※準構造船とは、丸木舟を船底にして、側板などの船材を加えた船)。NHK大河ドラマ「光る君へ」の5月26日放送回では、素敵な琵琶湖のシーンが登場しました。

 しかし残念なことにこのシーンは30秒ほどと短く、琵琶湖ファンとしては、もう少し尺を取っても良かったのではないかと思ったりもしました(笑)。NHKさん、次回からはもう少し琵琶湖を長く映して・・・!?

 さて、この回で印象的だったのが、ファーストサマーウイカさん演じるききょう(清少納言)が、『枕草子』を書き始める場面です。傷ついた中宮定子の癒しになるようにと、たった一人のためだけに文字を紡ぎ始める、エモーショナルな場面でした。 そういえば『枕草子』には琵琶湖関連の記述はどんなものがあったかな?と読んでみると、「海は」の段に琵琶湖が、「浜は」の段には当館が所在する「打出浜」が出てきます(下記は『日本古典文学全集』18を参照)。

16 海は
海は 水うみ(※琵琶湖 )
   与謝の海(※京都府の宮津湾の古名 )。
   かはふちの海(※所在不明 )。

192 浜は
浜は 有度浜(※静岡県清水市)。
   長浜(※三重県か )。
   吹上の浜(※和歌山市 )。
   打出の浜
   もろよせの浜(※兵庫県美方郡浜坂町諸寄 )。
   千里の浜(※和歌山県日高郡南部町千里 )、ひろう思ひやらる。

 清少納言も石山寺に訪れたようなので、当館周辺の打出浜にも訪れたのではないか、そして『枕草子』のこの記述につながったのではないかと想像します。

 紫式部の越前への旅路で、打出浜から琵琶湖に渡ったことは紹介しましたが(前回のブログはコチラ)、清少納言もきっと打出浜に来て、琵琶湖を眺めたのだろうと思うと、千年の時を超えて人々を魅了する琵琶湖の偉大さを感じますね。
 皆さまもぜひ、打出浜からの琵琶湖を、古典文学を通じて新たな視点で見つめなおしてみてはいかがでしょうか。

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「幕末を生きた人々の残像~公文書に残る直筆書簡~」 始まりました!

 本日より開幕と相成りもした、琵琶湖文化館地域連携企画展「幕末を生きた人々の残像~公文書に残る直筆書簡~」。滋賀県立公文書館にて特別公開でごわす!?!

 
い・
き・
な・
り・  

変なテンションで始まりました本日のあきつブログ☆皆さんお待たせいたしました!滋賀県庁新館3階にある滋賀県立公文書館におきまして、西郷隆盛の”直筆書簡“を、本日より特別公開です~!

 本書は、明治5年(1872年)2月15日、西郷隆盛から欧米外遊途上でアメリカに滞在していた大久保利通にあてて、留守中の国内動向や薩摩旧藩主津島家の醸成などについて、最新の情報を報告した西郷の直筆書簡です。
 
 緻密かつ実直な文字、比較的均等な字間・行間を保ちつつ、まっすぐ丁寧に、なおかつ淀みなく書かれた本書簡は、西郷の人柄や性格をも感じさせる「生きた証」と言っても過言ではない!?!

 書簡は全長4.75mにもおよぶ長大な手紙であるため、現在は「西郷吉之助(隆盛)」署名部分と、弟の従道による直筆鑑定書がある『巻末』部分を公開しています。
 
 併せて「長文」の凄さが感じられるように・・・と、展示室の壁面をお借りし、 “ほぼ実寸大”の大きさにプリントしたもの(翻刻付き)を掲示していただきました。
※それでも収まりきらず2面に渡る・・・ (笑)↗

 また、今回の展示は、写真撮影が『可能』!さらに解説付のお持ち帰り資料も充実していますので、「近代史が苦手・・・」という方も、今一度勉強するのに良い機会となるのではないでしょうか?

 本書簡については、まだまだ「ナゾ」を残しておりますがそのお話はまた追々。。。 先ずは皆さま、実物を、しっかと見たもんせ~(ご覧あれ~)♪

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『花湖さんの打出のコヅチ』第1回 質問にお答え・もす?!

 さて皆さん、本日は昨日のブログ「・・・つづく」の続きです。

 何を隠そう・・・第1回講座「再発見した西郷隆盛書簡とその伝来~アメリカから滋賀へ~」では、西郷隆盛書簡があまりに長文であるため、解説もあわや時間切れ・・・となりかけた講師先生(?!)。それを見習って、ブログも収めたいところではございましたが・・・無理でした(笑笑)。「つづく」の延長戦に突入いたします!お付き合いください♪

 講座の最後に受け付けた【ご質問】です。
「書簡の紙は何に書かれていたのですか?巻子になっているとのことですが、元は何枚のお手紙だったのですか?」

 とてもいい質問をいただきました。皆さん気になりますよね?!

 会場で講師も答えさせていただきましたが、紙の種類は「楮(こうぞ)紙」です。

 実物をご覧になると分かるのですが、繊維が長く、強靭であるため、日本では古くからよく使われている代表的な和紙です。ここでは特別に拡大した画像をご覧いただきましょう。→
(「西郷」署名部分・・・特別ですよ!)

 「何枚の手紙か」というご質問につきましては、正解は10枚です。紙の大きさはそれぞれに異なりますが、縦15.8cm×横25.8~53.1cmの和紙が10枚使われています。

 西郷どん・・・一蔵(大久保)どんに、よかひこ報告しよごたっことあったんじゃなぁ(いっぱい報告したいことがあったのですね)。
・・・鹿児島の皆さん!あ・あ・あ・合ってます??!

 西郷隆盛書簡について、より詳しく知りたい方は、当館発行の研究紀要第40号に詳しく書いておりますので、是非こちらも参考になさってください。

 さて、西郷隆盛の書簡について、「ぜひ実物を見たい!」という方、お待たせいたしました!!

 5月27日(月)より、滋賀県立公文書館で始まる琵琶湖文化館地域連携企画展「幕末を生きた人々の残像~公文書に残る直筆書簡~」 にて展示公開で御座候☆
 ぜひ、あたん目でそん書簡から西郷隆盛像を感じ取ってみてはどげんやろうか☆☆☆。

※注※
現在、当館の事務所では、 とても”怪しげ”な薩摩弁が飛び交っておりますが、わっぜ楽しか雰囲気で、お仕事がとても捗っております♡

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滋賀の文化財講座『花湖さんの打出のコヅチ』第1回 開催しました!

 キラキラと初夏の陽射しまぶしい琵琶湖にのんびり浮かぶ水鳥たち見送られ開催しました、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」。今年度のオープニングを飾りましたお題は『再発見した西郷隆盛書簡とその伝来-アメリカから滋賀へ-』です。 当館きっての情熱能弁家; 井上優副館長(県文化財保護課)が講師を務めさせていただきました。

  昨年、個人の方より当琵琶湖文化館に寄託された西郷隆盛書簡。約100年振りの”再発見”から、調査を進めた”大発見”まで、HOTな話題を”びみょ~” な薩摩弁(?)も交えながら(笑) 、 楽しくお話しいただきましたで・もす??。

 西郷とは幼なじみの大久保利通、当時アメリカに居た彼に宛てたこの手紙が、どのように滋賀へわたってきたのか?大久保が暗殺された「紀尾井町事件 」ではもしや懐中にあったのやも???…謎とロマン溢れる書簡のエピソードに、皆さんワクワクされたのではないでしょうか。

 ここで一つ、井上副館長の苦労話も披露しておきましょう。この書簡・・・とにかく長い!いろいろと長い!のです。書簡に書かれた膨大な文字量、翻訳に費やした時間・・・全長4.75メートルの凄さを、皆さんにどうお伝えしようかと副館長が考えた結果がコチラ!↓

※ 実物ではありません。コピー用紙を貼り合わせてつないだ手作りです ※

 これには会場の皆さんもドヨメキが(笑)。作った甲斐がありましたね、副館長(笑笑) 。

 その書体や行間は実に筋がとおり整然、かつ流麗な筆致…それが時を経てあらわれたのは、まだまだ読み解ける何かがあるかもしれません。引き続き今後の調査にも期待大です!

【アンケートより】
「魅力あふれるすばらしいお話。いっぺんに井上先生のファンになりました。」
「井上先生の『歴史はミステリーの爆発だ!』というお気持ちが一杯あふれたお話でした。」

「書簡の内容もさることながら、その伝来に関する説明が興味深いものだった。新たな謎は興味深い。」
「夢がつながっていく!」
「タイムリーな話題で興味があり、伝来に触れられた!!大変おもしろく!!歴史の醍醐味ですね!!」
「これから研究が進んでいくことが期待でき、非常に興味深かった。数奇な物語がより明らかになるのが実に楽しみです。」

 お気持ちあふれるたくさんのご感想をありがとうございました!
そうです、講師の気持ちがあふれてあふれて…スタッフ「残り30分です!」のお声掛け(ナイスパスでした!)がなかったら、結びにはたどりつけなかったに違いありません(笑)。

 本講座は、大津市のコラボしが21をメイン会場に、サテライト会場として彦根市稲枝地区公民館にご参加いただきました。また、今回は特別に、西郷隆盛の出身地・鹿児島県鹿児島市加治屋町にある「維新ふるさと館」にもオンラインをつなぎ、地元の皆さまにもご視聴いただきました。良きご縁に感謝です♡
(※サテライト会場におきましては、冒頭に講師の音声が途切れましたこと、深くお詫び申し上げます。)
 ご参加いただきました皆々さま、ご清聴誠に有り難うございました!   ・・・つづく

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琵琶湖を渡った舟、実は当館にも

 NHK大河ドラマ「光る君へ」、5月19日放送の第20回は、岸谷五朗さん演じる藤原為時が越前国の国司に任じられました。続く第21回「旅立ち」では、吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)とともに、越前へ向かうシーンがあるようです!次回予告の冒頭に琵琶湖を渡る場面が出てきたのを、あきつブログをご覧の皆さまは見逃さなかったのではないでしょうか。

 この際に登場すると予想されるのが、打出浜から出航する舟。当館が所在する「打出浜」は、昔から京から琵琶湖に渡る際の発着地でした。『蜻蛉日記』の作者、藤原道綱母も石山詣に際して打出浜から舟に乗ったことはご紹介しましたが(過去のブログはこちら)、紫式部もここから越前へ旅立ったと考えられます。

 では、紫式部が乗ったであろう舟とはどんなものだったのでしょう。確かなことは分かりませんが、琵琶湖を渡る舟といえば琵琶湖博物館の常設展示があり、また安土城考古博物館で縄文時代の舟に関する企画展(平成18年)があるなど、滋賀県内ではさまざまな時代の舟が展示されてきています。しかしご存知の方は少ないと思いますが、実は当館にも舟が収蔵されております!! それがコチラ↓! !

 当館の舟は、長さ2.3メートル、幅は50センチほど。丸木舟か準構造船の底部の部材とみられ、野洲市須原の干拓地から出土したものです。琵琶湖の水運を伝える舟が打出浜に位置する当館にあると思うと、滋賀県の歴史がぐっと身近に感じられますね♪

 ところで・・・番組の次回予告で、まひろたちが乗っていた舟が、めっちゃ立派に見えた・・・ のが、とても気になるノデスガ??(笑)。お天気のとっても良い日に撮影されたそうです。美しい琵琶湖の風景も楽しみですね。来週も必見です!

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「光る君へ紀行」に当館も所蔵する〇〇が登場!

  NHK大河ドラマ「光る君へ」では、登場人物たちが筆を使って文字を書くシーンがたくさん出てきます。
 5月12日放送の第19回でも、吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)が『新楽府』を書き写すシーン、まひろの父の藤原為時が除目の申文を書くシーンがありました。そして、藤原道長が日記を書き始めたエピソードにも、筆の存在を感じさせます(その日記を広げたままにして妻の源倫子が覗き見るのもドキドキ♪)。
 

  さて今回の「光る君へ紀行」では、道長直筆の日記である陽明文庫所蔵の国宝「御堂関白記」とともに、滋賀県高島市の筆づくりが紹介されました。番組では、安曇川の流れとともに、筆の制作・販売をする高島市の攀桂堂(はんけいどう)で、巻筆が作られる様子を放映。まさに毛を巻いて作っている様子が分かりましたが、一般的な作り方の筆との違いはご存知ですか?

 現代の一般的な筆(水筆(すいひつ)と言います)は、筆先は毛(獣毛)のみで作られますが、巻筆は中心に芯となる毛を立て、その周りを和紙で巻き、さらに数回にわたって毛と紙を交互に巻き付けて作られます。こうした作り方の筆は中国から伝わり、正倉院には奈良時代の巻筆がのこります。江戸時代の末に水筆の製法が伝わってからは、巻筆の生産はごく少なくなっていったようです。

天平筆(雀頭筆) 当館蔵

  当館では、巻筆を作り続ける攀桂堂の14代目藤野雲平(1999年没、県指定無形文化財)の作を所蔵しています。2021年に高島市で開催した地域連携企画展でご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。まひろや道長も、こんな巻筆を使っていたのかなと想像すると楽しいですね。

  ドラマでは、まひろが参内して一条天皇と中宮定子に拝謁し、「私には夢があります」と語る場面が印象的でした。一方でドラマ終盤は、藤原隆家が花山院に放った矢により長徳の変が引き起こされるという、かなり不穏な雰囲気・・・。次回以降の展開&滋賀の文化財の登場にも期待です!

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「美の城」の歌碑 紙面にどーん!

 本日は爽やかな五月晴れ。大型連休のお天気もお出かけには絶好の日和となりそうです。
 さて、今日の話題は新聞掲載記事より。ご覧になられた方は「これはいったい何?」と思われたのではないでしょうか。
 毎日新聞の滋賀版(地域面)には、月2回企画されているコーナーがあります。それは「名品手鑑(めいひんてかがみ)」。滋賀県博物館協議会の加盟館が執筆を担当し、それぞれの館の収蔵品やイチ押しの「名品」が紹介されています。本日は、その掲載日。今回紹介された名品は、当館の前池(湖中)にある「歌碑」でございます♪

 紙面には、灰色で長方形の物体がどーん(!)。細い線で歌が刻まれていなければ、まるでコンニャクのように見えなくも・・・ない?(笑)。詳細は、ぜひ新聞をご覧いただくとして、この歌碑には、大正から昭和にかけて活躍した歌人・吉井勇の歌が刻まれています。

  うつしよの夢をうつつに見せしめぬ
  琵琶湖のうへにうかぶ美の城

 当館の開館(昭和36年)と同時に設置された歌碑。水面に映える美しいお城の建物は、多くの人々を魅了したことでしょう。カメラ的にも「映え」スポットです。今日の歌碑は水鳥の癒しスポットになっているようですが(笑)。 これはコレで萌え~♡

 さぁ皆さん、カメラを持って、このお休みはどちらへお出掛けしましょうか。文化館の周りではツツジが綺麗に咲いていて、お散歩がとっても気持ち良いですよ♪

 県内ではお祭りや社寺の特別公開なども行われます。
 草津市の芦浦観音寺さまでは、春の一般公開が4~5日に催され、普段は当館に寄託されている蝶紋蒔絵花見弁当や菊梅椿紋蒔絵重箱などもご覧いただくことができます。
 長浜市の小谷寺さまでは、秘仏ご本尊の如意輪観世音菩薩像が特別開帳(~6日まで)されるとのこと。お楽しみがいっぱいですね。
 湖国で素敵な時間をお過ごしください♪

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「天下を取りに行く」 滋賀愛のご縁に感謝

 ご縁は“ココカラ”始まっていたようです。

 皆さんはもう読まれました?滋賀愛・炸裂の話題作!2024年本屋大賞を受賞した「成瀬は天下をとりに行く」、続編の「成瀬は信じた道をいく」。滋賀県大津市に住む主人公・成瀬あかりが、我が道を突き進む姿が痛快な青春小説です。“超”個性的なキャラクターを持つ主人公の行動が、様々な人々と絡み合い、思わぬ結果に結びつく・・・驚きのストーリー展開に、大賞受賞も納得の面白さです。

 作者の宮島未奈さんは、静岡県出身で大津市に在住。本作には、2020年に閉店した西武大津店や、膳所のときめき坂、平和堂フレンドマート、京阪電車、ユリカモメ、おおつ光ルくん、ミシガンクルーズ・・・等々、地元キーワードがたくさん出てきます。
 当館から”すぐそこ”の距離感でストーリーが展開するので、ドキドキ感が↗ ↗ ↗ ♡。描写がリアルで、文中の情景がスナップ写真のように頭に思い浮かび、何故か懐かしい気持ちになりました。

これは文化館から見た
ミシガン

 そこでふっと思い出したのが「ミシガンから文化館を撮った写真を投稿して貰ったことがあったなぁ(・・・しみじみ)」という記憶。令和4年(2022)に実施した「記録に残そう大作戦!大トンボと琵琶湖文化館」です。

(令和4年度実施)

 昭和36年(1961)の開館以来、館のシンボルとして屋上にあった「大トンボ」。そのモニュメントを取り外すにあたり、大トンボと文化館の思い出の写真を募り、HPで公開しました。

 その中には、幼い頃に訪れた写真や、四季折々の湖岸の風景とともにある文化館の写真、名残惜しくも大トンボの雄姿を収めた写真などなど、多くの投稿が寄せられました。

 文化館と同世代という方、近くにお住まいの写真家さん、帰省の度に文化館の近くを散歩するという学生さん・・・たった2年前のことなのですが、懐かしく思い出されます。皆さんお元気ですかね~~~。

 と、ここで話を戻します。何を隠そう、この「記録に残そう・・・」でミシガンからの写真を投稿してくださった方のお一人が・・・なんと!今回本屋大賞を受賞された宮島未奈さんだったのです!驚きました。なんというご縁!!
 滋賀県大津市で「文化館」と「大トンボ」愛に満ち満ちた企画ではございましたが、宮島さんの『滋賀愛』に触れた企画・・・としてご参加いただけたものと、思っております。改めて感謝・御礼申し上げます。

 宮島さんの写真も紹介している「記録に残そう大作戦」投稿写真は〔こちら〕からご覧いただくことができます。

 ちょっと懐かしく思い出しちゃいましたので、大型連休中、文化館前の掲示板に「記録に残そう・・・」の投稿写真を(すごく小さくなってしまいますが) 掲示しておきます♪。
 久方ぶりに帰省される方々、記憶にある懐かしい写真を、ぜひご覧ください。観光で大津を訪れる方々、この特徴ある建物をぜひ写真に撮って、思い出の一コマにしてください。
 いつか手にした小説の中に、琵琶湖文化館が登場する・・・かもしれません💛

 

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打出のコヅチ 【受付】はじめました。

 みなさ~ん!お待たせしました!今年も開催いたします!!滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」、本日より、受付開始です~♪♪♪

 当館が平成20年度に休館となってから、会場を大津市打出浜の「コラボしが21」に移して始まった本講座。
 「文化財のことを知りたい」
 「今年も参加したい」
 「いつも楽しみにしている」

という、皆さんの熱意に支えられ、なんと驚くなかれ17年目(!)に突入いたしました!!こんなにもご長寿講座(?!)になろうとは(笑)・・・うれしい限りです♡

 今年も皆さんのご期待にお応えすべく、昨年より1回多い全7回とし、充実のラインナップをご用意しております。【詳しくはコチラ】

 早速お問い合わせをいただきました。
「参加申込みについて、昨年までは、講座毎に約一月前からの申込みでしたが、今年度は、第1~6講を4/23から一括申込みするのでしょうか?」
➡よくぞ気付いて下さいました!昨年度までコロナ禍での感染症対策とはいえ、毎回お申込みいただくお手間があり、運営側としましても大変心苦しく思っておりました 。
 しか~し!今年は、第7回を除く第1~6回までを、一括でお申込みいただくことが出来ます!モチロン、ご自身の予定を確認しながら、各回毎の申込みも可能です。定員も140名から200名に拡大しておりますので、今まで以上に気軽にご参加ください♪
 た・だ・し、受付は先着順、満席となる場合もございます(満席にする気マンマンです♥)ので、その際にはご了承くださいませ~。

 申込みは、電話(077-522-8179)、FAX(077-522-9634)、ウェブサイトの受付フォームから、お申込みください。 皆さまのご参加を心よりお待ちいたしております♪

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藤原道綱母も文化館の近くに来ていた!

 あきつブログ読者でNHK大河ドラマ「光る君へ」をご覧の皆さまは、きっと待ちに待った回だったのではないでしょうか。4月14日放送の第15回です。

 4/8付のブログでご紹介したとおり、吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)たちが、石山寺に出かけます。まひろは石山寺参籠中に財前直見さん演じる藤原寧子(藤原道綱母)に出会い、『蜻蛉日記』の感想を実感たっぷりに伝えて親交を深めます。うーん、紫式部が石山寺で道綱母に出会い『蜻蛉日記』執筆のモチベーションを聞いたことが、『源氏物語』創作のきっかけになるという描写、素敵ですね♪

 さてこの『蜻蛉日記』には、道綱母が京から石山寺へ参詣する旅程も記されています。ここに文化館が所在する「打出浜」の地名が出てきますので、往復の道のりをそれぞれご紹介します。

 行きは、夜明けごろに家を出て、逢坂の関を越えて近江に入り、打出浜には死ぬほど疲れ果ててたどり着きます(「打出の浜に死にかへりていたりたれば」)。打出浜から舟に乗って瀬田川を渡り、夕方には石山寺に到着したようです。

 道綱母は夫の兼家の不実に悩んで石山詣を思い立ったので、かなりのメンタル不調での旅路です。。。京から近江に歩いて来るのはそれなりに大変だったでしょうし、行きは琵琶湖を楽しんでいる様子はありません。

 石山寺では泣いて過ごしましたが、滞在が癒しとなっていたようで、帰りは琵琶湖を眺めながらの航行。暗いなか石山寺を出て舟に乗り、瀬田の唐橋のあたりで夜明けを迎えます。ほのぼのとした夜明けの風景を見ながらも、何もかもしみじみと心にしみて悲しい・・・、帰りもやっぱりメンタル不調ですが、打出浜からは車に乗り、京には昼前に着いたとのことです。

(常夜灯と文化館)

 当館周辺の打出浜に道綱母が来て、琵琶湖を眺めていたと思うと感慨深いですね。「光る君へ紀行」(番組HPにリンク)では当館近くの常夜灯も映りましたし(ただし弘化2年(1845)建立、この場所には平成17年(2005)移設)、平安時代の人々の石山詣に思いを馳せつつ、近江を巡ってみてはいかがでしょうか。

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「近江の文化財を継ぐ-修理・複製・復元―」閉幕 御礼

 2/10から始まった地域連携企画展「近江の文化財を継ぐ-修理・複製・復元―」が、4/7に閉幕いたしました。会期中、イベントをするたびに雪や雨に見舞われ、足元の悪い中「お客さまが少なかったらどうしよう・・・」と気をもんだりもしていましたが、延べ5,252人もの方々がご来場くださったとのこと、関係者一同心から喜んでおります。ご鑑賞いただきました皆さま、誠に有り難うございました。

 そして本日、出陳文化財が当館に戻ってまいりました。気になるお天気はといいますと・・・春の嵐に見舞われております!・・・ナゼ最後マデ・・・(笑)。
 
 普段は穏やかな琵琶湖も、冬の日本海を思わせる白波が・・・歌碑に当たって水しぶきを上げています。いえいえ、今日は全国的に荒れたお天気です。雨の止み間に文化財を搬入し、梱包を解きます。

 
 展覧会等で作品を貸し出す際には、学芸員が必ず作品のチェックをおこないます。貸し出した時と同じ状態で作品が戻ってきたことを確認するためです。当たり前のことなのですが、毎回ドキドキ。。。検品を終えて作品を収蔵庫に収め、本展の当館でのすべての業務が、無事終了いたしました。
   

 本展の開催にご協力いただきました皆さま、改めて感謝を申し上げます。近江の文化財を後世に受け継ぐための活動を、これからもどうぞ私達とともに、深め、広めていただければ幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。

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来週の大河ドラマに石山寺が登場!&横笛奏楽姿にも期待★

 NHK大河ドラマ「光る君へ」。先日放送された次回予告を見てワクワクしている方も多いのではないでしょうか。

 4月14日放送予定の第15回「おごれる者たち」の次回予告は、「もうすぐ石山寺ですよ」というセリフからスタート。吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)の一行が、石山詣をするようです!石山寺でのロケ実施はなかったとのことですが、今も昔も風光明媚な石山寺が、ドラマの世界観にどう映し出されるのか、楽しみでなりません。

 さて、石山寺の登場も楽しみですが、次週では楽器演奏シーンにも目が離せない予感がします。次回予告を見ていると、これまで子役だった一条天皇が成長した姿でお出まし。そして横笛を吹くシーンがあるようです。平安時代の貴族たちは、男性は主に横笛などの管楽器、女性は琵琶(まひろが弾く琵琶に注目したブログはコチラ)や琴といった弦楽器をたしなんでいたといいます。とりわけ一条天皇は実際に横笛の名手であったことが知られ、様々な日記や記録に記されています。

 そんな楽器演奏の場面が描かれた品を当館の所蔵品から探してみますと・・・、「源氏物語図」の1ページにありました!「帚木(ははきぎ)」の「雨世の品定め 浮気な女」です。男性が横笛を吹くと、御簾の中から女性が琴を弾いて応える図は、まさに大河ドラマの世界みたい♪

 
「光る君へ」で描かれるシーンが、当館所蔵品ともさまざまにつながりがあると考えると、ますますドラマへの期待が高まりますね。来週は必見です!

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ありがとう文化館のいきものたち!~洋犬から迦陵頻伽まで~

 本県の地域紙である『京都新聞』滋賀版で、4カ年にわたって「いきもので知る近江の文化財」と題する連載が行われていたことをご存じですか?。
 滋賀県文化財保護課が執筆を担当した本シリーズでは、文化財と関わるさまざまな「いきもの」について取り上げられました 。 動物、植物から想像上の生物に至るまで、バリエーション豊かな生きものと人間との関係について、近江の文化財を通して学んでいただけたことと思います。

 全104回の初回は令和3年7月25日、琵琶湖文化館所蔵「洋犬図」でした。その後、本館屋上にあった「大トンボ」、岸岱筆の「猛虎咆哮図」、円山応挙筆の「狗子図」などなど、文化館ゆかりの「いきもの」たちが多数登場。

 令和6年3月31日、連載の最終回を飾ったのも、西明寺蔵で文化館寄託の仏涅槃図と、文化館大壁画の舎利供養図に描かれた極楽の鳥「迦陵頻伽(かりょうびんが)」だったのです! 。

 迦陵頻伽は仏教における想像上の生物です。上半身が人で、下半身が鳥の体をしているということですから、今そこにいると思うとなかなかに怪しげな姿ですね。ちょっとしたホラーです。でも、安心してください(?)。現世で会うことはありません。浄土にしか生息していないからです。

  『仏説阿弥陀経』というお経をご存じですか。天台宗や浄土宗、浄土真宗などで日常的に用いられている大事な経典ですから、ご承知の方も多いでしょう。

 その中で、阿弥陀如来の極楽浄土に、きれいな声でさえずる色鮮やかな鳥たちがいると説かれます。孔雀(くじゃく)、鸚鵡(おうむ)、舎利(しゃり=九官鳥)らとともに、迦陵頻伽が出てきます。その名はサンスクリット語「カラヴィンカ」の音写であり、「妙なる声」を意味します。美しい声で鳴いて仏法を讃え、極楽の住人たちの信仰心を高めてくれるというわけです。
 したがって、極楽の鳥・迦陵頻伽が描かれるのは浄土を表現した絵画や工芸品が中心となります。昭和24年(1949)琵琶湖文化館の大壁画「舎利供養」も仏舎利を中心に描かれ、阿弥陀浄土をモチーフにしています。そこに描かれた迦陵頻伽はインド・中国の壁画の伝統にのっとりつつも、杉本哲郎(すぎもとてつろう・1872~1933)の闊達な運筆で生き生きとした姿に表現されています。令和9年に新・文化館がリオープンするときには、ぜひとも大壁画に描かれた「極楽の鳥」にも注目してください。

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 「いきもので知る近江の文化財」の連載は一区切りとなりましたが、近いうちに別の連載も企画されて・・・いるとか、いないとか?!琵琶湖文化館の作品や学芸員たちが引き続き連載に登場・・・するとか、しないとか??!・・・うふふっ・・・~お楽しみに♪♪♪

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歴史探偵あらわる・大津事件

 2月某日、とある来訪がありました。その方たちは、事件で凶器となった重要物品であるとか、血に染まったハンカチであるとか、その他関係資料もろもろ、時間をかけて丹念に調査をされておりました。対応した学芸員は「ドキドキした・・・」と申しております。平穏な文化館でいったい何が・・・?!

 カンのいい方はもうお分かりですね?実はコレ、当館が所蔵する「大津事件関係資料」を取材に来られていたのです。

 大津事件は、1891年(明治24年)、訪日中のロシア皇太子ニコライが、遊覧先の大津で、警備にあたっていた巡査・津田三蔵にサーベルで切りつけられ負傷を負った事件です。
 世界を揺るがす大事件は、司法権の独立や三権分立、領事裁判権の撤廃など、日本の近代を語る上で、“激動”のきっかけとなった事件・・・としても有名です。

 今回撮影に来られたのは、NHKの放送番組「歴史探偵」クルーの皆さん。熱心に話を聞き、時に鋭い質問を投げかける、その話術の巧みさ・・・さすがは皆さん名探偵?!(笑)♪

 番組では、探偵社の所長(?)を務める俳優・佐藤二郎さん方々の名推理により、歴史のナゾが新たに解き明かされます??!気になる放送日は・・・↓

 令和6年4月3日(水)22:00~ NHK総合
「歴史探偵 日露戦争 知られざる開戦のメカニズム-」

です!
 なぜ、日本とロシアは戦うことになったのか?すれ違う両国、開戦への世論の高まり・・・大津事件は歴史にどのような影響を及ぼしたのか・・・番組をお見逃しなく!!  

  「大津事件関係資料」は、事件で凶器となったサーベルやニコライの血をぬぐったハンカチ、津田の取り調べ調書などが、滋賀県指定の文化財となっています。

 歴史の生き証人である文化財、歴史の謎解く文化財・・・皆さんが事件の目撃者です。番組をお楽しみください。

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親子で体験「ミニ屏風をつくろう!」守り人!

 現在、安土城考古博物館で開催中の地域連携企画展「近江の文化財を継ぐ-修理・複製・復元-」。3月24日には関連イベントとして親子で参加するワークショップ「ミニ屏風をつくろう!」が開催されました。

 初めに展示室で実際の屏風をご覧いただき、屏風の構造などをご説明。イマドキのご家庭では「もしかして屏風を知らないってことも・・・?」という一抹の不安がありましたが、参加の皆さんは「知っている」「家にある」とのご回答♡スタッフ一同ほっと胸を撫でおろしました(笑)。 先ずは第一関門クリア(!)です!

 別室に移動し、いよいよここからが本番! 作りたい屏風の絵柄を選んでいただきました。当館の収蔵品の中から、おススメのワンコ(犬)やお祭り、光源氏なみの男性とお姫さまが登場するやまと絵、などを用意していたのですが・・・意外にも(?!)子どもたちが選んだのは、近江八景を描いたシックなもの!・・・皆さん「通」ですね・・・母なる湖/琵琶湖に関係する絵柄を選ぶとは、さすがです♪
 組み合わせる下地の模様を決めていざ実践!

 講師を務めた岩﨑学芸員の手ほどきを受け、ハサミやノリを使って工作をすすめる子どもたち。ちょっぴり緊張ぎみです(笑)。

 作る過程で一番『肝心』なトコロは、屏風と屏風をつなぐ「蝶番(ちょうつがい)」!・・・と言っても金具ではないですよ?!本物の屏風と同じように「和紙」でつなぎます。和紙を貼って、ひっくり返して、上下を交互に貼り付けて・・・(ここでは説明を端折りマスが)、こうすることで、屏風は前にも後ろにも開くことが出来ます。うまく合わせられるかキンチョ~の瞬間・・・この難関を乗り越えれば、あとはサクサク♡選んだ下地と絵柄を貼って、ミニ屏風の完成です♪

 今回のワークショップで「屏風づくり」を企画したのは、「文化財を守り伝える、そのためには、モノの素材や構造・仕組みを理解しておくことがとても大切」ということを、知っていただきたかった・・・ためです。

 使った材料はホームセンターなどで手に入る発泡スチレンボードですが、和紙でつなぐことで本物と同じように開いたり閉じたりすることができました。
 参加した子どもたち、次に屏風を見る時には、描かれた絵より何より、先ず合わせ部分(紙蝶番)に目がいってしまうコトでしょう!(笑)。「あれ、紙でくっついていて、どっちにも開くんやで」と、お友達にも教えてあげてくださいね!

 最後に、楮(こうぞ)やミツマタなど、原料が異なる手漉き和紙の“触り比べ”をしていただきました。「実はお札にも和紙が使われている」との説明に、とてもびっくりした様子の子どもたち。改めて質感を確かめていましたね~(笑)。伝統を受け継ぐ日本の技を、最も身近に感じて貰えた瞬間かもしれません(笑笑)。

 

 ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました♪。今までとは違った視点で、文化財を見ていただくことができたなら・・・皆さんはきっと「文化財の守り人」です!

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~約100年ぶりの再発見~西郷隆盛の自筆書簡が滋賀にあった!

 こうも連日、喜ばしい記事を掲載してもいいのでしょうか・・・いいのです!皆さんしばしお付き合いください!!
 今日のニュースは特別・驚きますよ~。なんとあの西郷隆盛が書いた直筆の書簡が滋賀で(再)発見されました!

 コトの発端は昨年秋、とある個人の方から当館に、文化財を寄託されたことから始まります。お品を見せていただいたところ、不思議なことを言い出す人がおりました。
 
  「アレ?おかしい??自分、どこかで見た記憶がある・・・
  「 いつですか?」
  「 小学生の頃・・・
  「 ?」
なんとも奇妙な会話を交した数日後・・・

  「 やばい、モノホン(本物)の可能性がある。
 ちょっと詳しく調べる!見た気がしたはずやわ
  「 いったい何を?」
  「 西郷隆盛が書いた手紙
  「 ・・・!!!・・・」

少し説明させていただくと、この「(ビックリマーク)」3連発には様々な意味が含まれます・・・↓

①えッ?西郷隆盛
②小学生でも知っている明治維新の立役者の「書」がなぜ滋賀に?!!
③・・・小学生の頃見た記憶が、ってアナタそんな頃から墨で書かれた達筆文字・読めたのですかーッ?!・・・それが記憶に残っている、とはどんな小学生ですかーッ!!!

 突っ込みドコロ満載の会話のあと、副館長の動きは素早かった・・・そう、このたび発見の書簡を確認したのは当館の井上優副館長。感受性豊かな少年期を過ごし、大人になられた副館長の専門は「書跡・典籍/古文書」などの文化財です。いろいろ納得できました(笑)

西郷隆盛書簡 個人蔵[琵琶湖文化館寄託]

 前置きが長くなりましたね。 書簡について、その真贋や内容を調査鑑定したところ、アメリカ滞在中の大久保利通にあてた西郷自筆の書簡原本であることが、判明しました。昭和2年(1927)に紹介されながら所在不明となっていた重要史料の再発見です!

【収蔵品紹介】西郷隆盛書簡
➡リンク
 
【琵琶湖文化館研究紀要第40号】
再発見した西郷隆盛書簡とその伝来について➡リンク

 この書簡は、琵琶湖文化館地域連携企画展として、令和6年5月27日より滋賀県公文書館において特別公開する予定です。

 皆さんおまちかね、毎年恒例“あの講座” でも、 詳しいお話を聞くことができるかもしれません?!(→聞けます!!)

 約100年ぶりに滋賀で見つかった逸品に・・・みなさんソワソワしてくださ~い♪♪

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滋賀県に新たな指定文化財・誕生!

 今日も・うれしいニュースが飛び込んできました!本日、令和6年3月19日、有形文化財5件(絵画1件、彫刻1件、工芸品1件、歴史資料1件、考古資料1件)、史跡1件が、新たに滋賀県指定の文化財等になりました!

絹本著色六道絵 中谷求馬筆
 天道幅に白雲洞貞幹行年七十六歳写の款記がある
  15幅 [大津市・聖衆来迎寺所有/琵琶湖文化館寄託]
木造神像 (男神坐像1 女神像1 女神坐像1 女神坐像1)
  4躯 [甲賀市甲南町・矢川神社所有]
金銅七宝装神輿 1基 [長浜市・常喜町所有]
成菩提院制札 4枚 [米原市・成菩提院所有]
  一、永禄十一年八月日織田信長 禁制1枚
  一、天正十年十二月日丹羽長秀・ 羽柴秀吉連署禁制1枚
  一、慶長五年九月日小早川秀秋禁制 1枚
  一、慶長五年九月日小早川秀秋禁 制案 1枚
   附、禁札箱(元禄十三庚辰秊三月吉祥日の銘がある)一合
春日北窯跡出土品 1,627点 [滋賀県所有]
春日北窯跡(甲賀市水口町) 1件 [滋賀県所有]

以上の6件です!!いやぁおめでたい!! 何をこんなにコーフンしているのかと言いますと・・・当館にも少なからずご縁のある品が2件・・・新たに指定されております~。お気付きですか?

 先ず一つ目は、六道絵。聖衆来迎寺さまから当館にご寄託いただいております。こちらは同寺に伝来する国宝・六道絵15 幅の模本(もほん:模写して作ったもの)ですが、江戸時代後期の文政6 年(1823)に近江国坂田郡今村(現長浜市今町)出身の絵師、中谷求馬(なかたに もとめ:1748~1832)によって描かれました。当館では国宝・六道絵と区別して「文政本」と呼んでいます。

滋賀県指定有形文化財 六道絵  [ 聖衆来迎寺所有] (写真提供:滋賀県)
【⤴クリックすると琵琶湖文化館の収蔵品紹介にリンクします】 

 ここで皆さんに思い出していただきたいのが、先日のギャラリートークでの一コマです。会場で、当館の岩﨑学芸員は言いました。複製された作品には、時として「オリジナル(原本)と同じくらいに伝わる情報がある」と〔3/11付けブログ〕 。

 経年とともに劣化するオリジナルの情報を今にとどめるという意味では、代替品はむしろ後世にとってはかけがえのない文化財となり得る・・・あの時、“何か”を必死に伝えようとした学芸員の表情・・・まさしく!この度の新指定のことではないでしょうか??!我らが学芸員、見事な伏線回収(!)でゴザイマス(笑)。 
 皆さま、模本をモホンと侮るなかれ・です!!本図は、原本のきわめて正確な模本であり、原本で確認し難い図様を把握することができる絶好の資料として評価されました。

「成菩提院 寺宝展」ちらし
(制札:写真右下)

 そして、もう一つは成菩提院制札です。そう、昨年11月に実施した地域連携企画展「成菩提院 寺宝展」の会場でも展示されていた制札です。講演会では、柏原宿歴史館の谷口徹氏に詳しくお話をうかがいましたね〔11/6付けブログ〕。織田信長や丹羽長秀、羽柴秀吉、小早川秀秋らの花押が鮮明に残っていたあの制札。県内では、紙に書かれた古文書の「禁制」は相当数存在するものの、木札の形で保管され、かつ保存状態の良い中世の「制札」はめずらしく、戦乱に巻き込まれた戦国期近江の歴史を力強く語る歴史資料として、このたび指定されました。

 ご縁のあった作品の価値が改めて再認識される喜び♡滋賀県の、滋賀県らしさが際立つ新指定文化財でございます♪

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講座「文化財修理で引き継ぐ心 -近江の文化財修理を例に―」開催しました

 現在、安土城考古博物館で開催中の地域連携企画展。3月17日に開催された関連講座は、株式会社坂田墨珠堂の坂田さとこ氏を講師にお迎えし、貴重なお話をうかがいました。

 「文化財を後世に守り伝える一助となる」
 これは、坂田氏が大津市に構える文化財(美術工芸品)の修理工房で掲げるスローガンなのだそうです。最初は「大切なことをすごく控えめに表現されているなぁ」という印象でしたが、講座でお話を聞き、文化財修理の事例を動画をまじえて見せていただいた後ではむしろ、「このスローガン以外に表現する言葉が見当たらない」・・・と、考えが改まりました。

 皆さんは「文化財修理」についてどのようなイメージをお持ちでしょう?頑固で無骨な一本堅気の職人さんが、黙々と仕事を進めておられる・・・そんなイメージ??(勝手な想像を・・・スミマセン。)確かにその技術も必要なのですが、坂田氏は「まるでお医者さんみたいな」お仕事だと言っておられました。弱ったところはどこですか?お薬で直せそうですか?手術が必要ですか?

 例えばこちらのスライドは、現在展示中の薬師十二神将像の修理に際して、顕微鏡で撮影された写真です。(絵具を調べると、この時は鉱物を使った顔料でキラキラしてまるで宝石のようだった、と言っておられました!)確かに理科の実験結果のような・・・時には光学カメラや赤外線カメラなど先端技術を駆使して、作品の状態を見極めることも必要です。それらの結果をもって作品の“カルテ”を作り、使う材料を選定し、修理の方針を決定します。

 修理の方針・・・そう、私たち博物館として修理に立ち合う際も、このカルテの情報は大切です。併せて作品が持つ歴史的意義やその内容を吟味しつつ、オリジナルを損なわない修理方法とすること。そして文化財の所有者の方に説明を尽くし承諾をいただいてから、現在出来得る最善の方法で修理を行います。時には修理を未来に託すという選択も・・・慎重を要するが故の難しい判断、共に担って下さる心強い存在が修復師の皆さんなのです。(結果として、ミリ単位の細か~い作業の修理をお願いしてしまうことになるのですが・・・(笑)。)

 何年も受け継がれてきた文化財には、必ずまた修理をする日が巡ってきます。将来、安全に再び修理することが出来るよう、決して過度な修理は行わず、後世に伝える「一助」となる。歴史と伝統の一部に携わる誠実さと信念が伝わる、良いスローガンだと思いました。

 最後には、工房で使っておられる修理道具で実演もしていただきました。ご参加の皆さんもすごく熱心に質問されていましたよ。よく見ると道具には名前も記されており、大切な“相棒”として扱っておられることがよくわかりました。

 講座終了後、展示室に移動して、修理に携わった作品と久々のご対面を果たされた坂田氏。本展を担当した岩﨑学芸員と、文化財修理の未来について熱く語り合っておられました。

 坂田氏の夢は「将来は文化財の修復師になりたい!」と言う子どもたちが増えること・・・なのだそうです。そのために現場を知ってもらう、未来につなげる修理の仕事を皆さんに認識していただくことが大切で「活動を声に出していきたい。それが私の役目」と語っておられました。会社の社長という立場だけでなく、業界のお母さん(?!)として将来を見据えておられる姿に“愛“を感じました。感謝いたします・素敵です♡

 今回、講座に参加出来なかったという方は、会場で「おしえて!!まめのぶくん」のパネルにご注目ください。文化財修理に対する「?」や、展示で伝えたいことを、まめのぶくんがわかりやすく解説しています。

 展覧会も後半に突入し、会場では一部作品の展示替えを行いました。地元・近江八幡市の長命寺さま、新宮神社さまの作品も出陳されておりますので、地域の方もぜひ会場へ足をお運びくださいませ。

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博物館実習が実を結んだ『重文』指定!

 このたび嬉しいニュースが飛び込んできました。本日開催された文化審議会文化財分科会の審議・議決によりますと、美術工芸品で新たに国宝6件、重要文化財36件を指定することについて、文部科学大臣に答申。これにより我が滋賀県からは、新たに1件(書跡・典籍の部)が、重要文化財新指定となる見込みとなりました!それは何かと言いますと・・・
 元版一切経(げんぱんいっさいきょう) 2,892 帖 園城寺(三井寺)所蔵
でございます。実はこちらのお経、当館の長い歴史の中で、浅からぬご縁がございまして。
・・・と言いますのも・・・・・

「博物館実習に来られていた(当時の)お兄さ~ん・お姉さ~ん!皆さんの実習の成果が実を結びましたよぉ~!!」
 
・・・思わず叫んでしまいました。こちらの写真は平成5年(1993)に撮影された、
  文化館「名物」の?・・・(何か違う)・・・
  文化館「伝説」の?・・・(ニュアンスが)・・・
  文化館「伝統」の!・・・(正解!!)
“現地”博物館実習の様子です♪まさにこの時、学生さん達が園城寺さまにて調査していたのが、このたび重要文化財に指定される一切経だったのです!

 文化館の博物館実習は(良い意味で)スパルタです。
 学芸員資格を得るという志を持った学生さんを、大学を通じて受け入れるのが毎年だいたい7月。5日間の日程で、初日と2日目は博物館とは何ぞやという基礎を学び、3・4日目に“合宿”で、現地実習が行われました。
 この合宿でよくお世話になったのが園城寺さまです。暑いさ中、お経のある一切経堂でひたすら汗を拭きふき資料を調査、夜は観音堂に泊まらせていただくという、ありがた~い学びの場でありました!

平成5年(1993) 琵琶湖文化館博物館実習の様子(園城寺一切経堂にて)

 ここで申し上げておきますが、当時のことを悪く言う人はいません。大人になった今聞いても「楽しかった」「思い出深い」と言っていただける現地実習です。(それはお泊りの夜、“密かに”おこなわれた夜通し勉強会〔という名の一発芸&ものまね大会〕があったからかもしれません・・・これぞ伝統!)5日目の最終日には、打ち解けた様子で爽やかに巣立って行った『文化館チルドレン』(?)たち(笑)。今はどうしていらっしゃいますかね~様々な分野でご活躍のことと思います♪♪♪

 で、話を戻しますと、この学生さんたちの基礎調査が約20年後に実を結び、今回の重文指定に繋がった・・・と言って間違いゴザイマセン!!皆さん、思い出を懐かしみつつ、お祝いしようではありませんか!!よく頑張りました◎◎◎!

令和5年(2023) 事前調査の様子[滋賀県提供]

 ちなみにこちらの写真は、昨年、梅雨入り前に、文化庁の専門技官さんや文化財調査のスペシャリストさんが行った、“専門家さん”たちによる調査風景です。さすがに漂う雰囲気が違う
・・・貫禄!・・・さすが、でございます(笑)。

 多くの人々の並々ならぬ協力と調査・研究を経て、新たに指定文化財となる一切経。

 文化館チルドレンを代表して、心よりお祝い申し上げます☆☆☆

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新視点満載のギャラリートーク②

 本日のブログは、前回に引き続き 3月9日に行われた関連講座とギャラリートーク の様子をご紹介します。今回は考古担当の 大道和人学芸員 (安土城考古博物館)の登場です。

講座の様子

 この日、講座で講師を務めた大道学芸員は「復元!紫香楽大仏の鋳造技術」という演題でお話しされました。
 聖武天皇が大仏(銅造)造立を開始した甲賀寺に隣接する鍛冶屋敷遺跡(史跡紫香楽宮跡 ※新名神信楽IC辺りです)。大道学芸員はこの発掘調査にも関わっておられ、出土した遺物から「奈良時代に大仏がつくられた当時の炉、そして送られた風はどのようなものだったのかということが『復元』できる」と、イメージ図を示されました。(会場の展示パネルや来場者にお配りするパンフレットに詳しく掲載しています。)

展示室にて 熱く語る大道学芸員

 お話を聞きながら、銅を溶かすための作業はどんなに熱いものだったのか、それだけの風を送るためにどれだけたくさんの人がふいごを踏んだのだろうかと、当時の人々への想像が膨らみました。

 いざギャラリートークで、会場の展示室に移動したあとも、大道学芸員の熱弁は止まりません(笑)。発掘調査の醍醐味、苦労話、その成果など、皆さんに伝えたいことがたくさんあったようです(笑笑)。参加者からの質問にも嬉しそうに答えておられましたよ。

保存処理室にて

 その後ギャラリートークの一行は、博物館内にある出土木製品の保存処理施設へ。こちらは普段は立ち入ることができないお部屋で、今回は特別のご案内です♪

 作業を担当されている福井技師((公財)滋賀県文化財保護協会)から、「地中には伏流水が多く、木製品が空気に触れないため、腐らずに残っている」と聞き、皆さん納得のご様子。樹脂に漬け込む、あるいはフリーズドライにするという保存技術の大きな設備に興味深々でした。

 文化財がどのように伝えられてきたのか、そしてこれからにどのように伝えられていくのか。また作られた当時はどのような状態だったのか。講座とギャラリートーク、展示を通して、新視点をたくさんいただくことができました。案内してくださった職員の皆さん、そして熱心に参加された皆さん、本当に有り難うございました。
    

 皆さんもぜひ「近江の文化財を継ぐ-修理・修復・復元-」の展示を通して、文化財のあゆみとそれを取り巻く人々へ思いをはせてみてください。そして展示にとどまらず、皆さんの身近な文化財にも思いを寄せるきっかけになれば幸いです。

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新視点満載のギャラリートーク①

 現在開催中の地域連携企画展「近江の文化財を継ぐ-修理・修復・復元-」。展示は一人で見るのもいいですが、詳しい解説を聞いて改めて作品を見ると、何倍もの発見と驚きがあります。3月9日(土)に行われた関連講座とギャラリートークは、まさにそのような機会となりました。今日は少しだけその様子をご紹介しましょう。会場である 安土城考古博物館での案内人は、本展の担当:安土城考古博物館の大道和人学芸員(考古)と、当館の岩﨑里水学芸員(保存科学)です。

 先ず展示室に入って右側のゾーンを解説するのは、岩﨑学芸員です。目を引く屏風や掛軸、精緻に描かれた作品に思わず見入ってしまいますが、実は本展の見どころは作品だけではありません。その“前”に置かれた「修理」に関するある“モノ”にも注目していただきたく・・・。
 
 例えばこちら、仙人図屏風の解体修理で出てきたモノですが・・・岩﨑学芸員が手にするクリップボードに何か書かれていますね?分かります??

  なんと!屏風の下から、屏風に直接関係のない(!)看板の下絵や、滋賀県内の地名が書かれた紙、落書きの鳥(よく見ると可愛い?!)などなど、様々な「下貼り文書」 が出てきました!
 屏風を仕立てるときや修理をするときには、たくさんの紙が必要です。紙が貴重であった時代には、一度使われ文字などが書かれた紙も、屏風の内側に使われました。博物館では、このような文書類も貴重な資料として、作品とともに後世に引き継ぎます。

 この他にも修理銘が書かれた古い部材や表具裂、作品の裏に貼られた肌裏紙に至るまで、大切にとっておきます。「文化財を継ぐ」時、いつどのような方法で修理されてきたのかという情報が、重要になるためで、「これらも普段は皆さんにご覧いただくことのない重要な博物館活動の一つ」であると岩﨑学芸員は説明されました。

 また、文化財の「複製」「復元」も本展の大切なキーワードです。作品を食い入るように見比べる参加の皆さん、違いを見つけようと必死です(笑)。時としてこれらの作品には「オリジナルと同じくらいに伝わる情報がある」という岩﨑学芸員の言葉が印象的でした。経年とともに劣化するオリジナルの情報を今にとどめるという意味では、代替品はむしろ後世にとってはかけがえのない文化財となり得る代物です。博物館では保存と活用のバランスをとりつつ、いかに皆さんに情報を伝えていくか、学芸員の腕の見せ所でもありますね。

 おっと残念!本日のブログ、ここで字数制限に達してしまいました。アレ?大道学芸員の登場は??続きはまた後日ということで!
 普段はただ「きれい、すごい」とだけ思ってみている文化財にも、その背景には多くの人の努力と思いが詰まっています。一つ一つの文化財がこれまで歩んできた道のり、そしてこれから歩んでいく道のりが伝わる、とても興味深い展示となっています。ぜひ会場で実物をご覧ください。

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地域連携企画展 イベント開催♪

 現在、安土城考古博物館で開催中の琵琶湖文化館地域連携企画展「近江の文化財を継ぐ-修理・複製・復元-」。皆さんはもうご覧になりましたか?3月には関連イベントがありますので、ぜひご参加ください♪

[1] ギャラリートーク 3月9日(土)10:30~・15:00~

[2]関連講座 ※往復はがきによる事前申込制(先着順)

① 3月9日(土)13:30~
 「復元!紫香楽大仏の鋳造技術」 講師:大道和人氏 (安土城考古博物館)
 参加費:300円 定員:100名
② 3月17日(日)13:30~
 「文化財修理で引き継ぐ心 -近江の文化財修理を例に―」
  講師:坂田さとこ氏(株式会社坂田墨珠堂)
  参加費:500円 定員:100名

【申込先】
〒521-1311
滋賀県近江八幡市安土町下豊浦6678
滋賀県立安土城考古博物館 宛
【往信裏面】
1)企画展関連講座申込
2)参加希望回
 ※①と②を合わせて申し込みも可
3)ご住所 4)お名前 5)電話番号
【返信表面】
返信用の郵便番号、ご住所、お名前

[3]親子たいけん博物館 ※事前電話申込制(先着順)

 3月24日(日)10:30~・14:00~
 「ミニ屏風をつくろう!」
  参加費:700円 定員:各10名

 各イベントの申し込み方法など、詳しくは滋賀県立安土城考古博物館(Tel:0748-46-242)までお問い合わせください。

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琵琶湖の国で作る琵琶の弦

 たび重なる大河ドラマネタで申し訳ありません・・・が、昨日2月25日放送のNHK「光る君へ」をご覧になりましたでしょうか。前回のような恋愛のときめきの描写はそこそこに、今回はヒューマンサスペンスとしてのドキドキを感じさせる回でした。

参考画像:当館所蔵の琵琶
(室町時代)
  

 特にドラマ後半では、吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)が琵琶を弾く姿が描かれましたが、まひろの眼光するどく緊張感のあるシーンにドキドキしました・・・!

 さて、ドラマ本編終了後に放映される「光る君へ紀行」コーナーでは、初めて滋賀県が紹介(番組HPにリンク)されました!まず琵琶の歴史が紹介されたのち、琵琶など邦楽器の弦を昔ながらの製法で作る長浜市木之本町の糸づくりのカットに。職人さんが繭から糸を引き出して原糸を作る様子や、糸を撚る様子が紹介されましたよ〜!

 この糸づくり「邦楽器原糸製造」は、国が選定する文化財保存技術です。詳しくは滋賀県文化財保護課のYouTubeがとっても分かりやすくオススメです☆

 「光る君へ紀行」では、今後さらに滋賀県の文化財を紹介してくれるハズ
・・・?!楽しみに待ちましょう♪

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