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いざっ北の近江へ!地域連携企画展「成菩提院 寺宝展」

 明日「文化の日」の祝日を含めた3連休、皆さんはどのように過ごされますか?気候もいいですし、どこかにお出掛けしたくなりますよね~。行きましょうぜひ!北の近江へ!!
 琵琶湖文化館の地域連携企画展「成菩提院 寺宝展」は、米原市の成菩提院(じょうぼだいいん)さまで開催です♪

 成菩提院は伝教大師が開基とされる天台宗の古刹で、所蔵される数々の仏教美術の素晴らしいことは勿論、今話題の徳川家康や歴史に名を馳せた戦国武将たちが宿営した記録や、「石田三成十三ヶ条成菩提院村掟書」が残る、由緒のあるお寺です。

(成菩提院)

 例年この時期に寺宝を公開しておられますが、今年は特に(!)、当館が全面協力を申し出て、この地域連携企画展が実現!明日3日14:00からは特別に講演会も予定されています。歴史と文化を堪能する1日をお過ごし下さい♪


    ・・・ここで、ハタと気付きました。石田三成・・・そうです! 11月になりました!

 滋賀県内のJR4駅で配られるあのカード!健康推進アプリBIWA-TEKU(ビワテク)を利用して駅の改札窓口でスマホ画面を提示した人に「近江ゆかりの武将カード」をプレゼントするあの企画[滋賀県提供]♪今月は石田三成も登場です!気になるラインナップはこちら↙

 おや?三成さんは彦根駅で配布されますか!・・・これは行かねば!寺宝展に行くため、電車にも乗りますよ~成菩提院はJR柏原駅から歩いて約5分ですよ~。よしっ!健康もゲットです!!

 おススメは、寺宝展に行く前に彦根駅に立ち寄って三成のカードを手に入れるコト♡ (※改札でBIWA-TEKUアプリの画面を提示するだけで貰えます♪) 会場に着いたら、武将カードのイラストを見つつ「三成が書いたか!掟書き!!」と、イメージを膨らませるコト♡♡

 文字には性格が表れると言いますよね~?!さてさて、その印象は?納得?意外? イラストを作っていて思ったのは、目の表情がなかなかに鋭い几帳面そうなお顔だな・・・ってことかしら?
・・・おやおやこれは、マニアックな歴史の楽しみ方をご提案していまいましたよ、おほほ♪
 それでは皆さま、ぜひ“北の近江”で会いましょう~~~。。。

※「成菩提院 寺宝展」は、滋賀県が取り組む「北の近江振興プロジェクト」の一環として開催します。

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高校で「文化財を考える」授業をしています!

 琵琶湖文化館の学芸員が、みなさまに向けてお話しする機会は、打出のコヅチやギャラリートークもありますが、実はこんなところでも、お話しさせていただいてます♪というご紹介です。

秋晴れの膳所高校

 大津市にあります県立膳所高等学校、1年生の芸術科(美術選択)にて、文化財に関する授業をしております。新人の岩﨑学芸員も教壇に立ってきましたよ〜!

 お話は2本立て。最初は「文化財と文化財保護法」。文化財の様々なジャンルや、文化財をなぜ保存・活用していかなければならないのか?ということを説明していきます。2本目は琵琶湖文化館について。これまでの琵琶湖文化館と、令和9年度オープンを目指している新しい琵琶湖文化館のご紹介をしました。

キンチョー気味の岩﨑学芸員

 文化財の授業は全5回で、今回は2回目です。これから高校生に、文化財の活用のアイデアを考えてもらいます!

 内容を変えつつ令和元年度から毎年実施させていただいている授業ですが、高校生のアイデアはいつも楽しく、琵琶湖文化館のこれからの事業の参考にもしています。

 そしてあわよくば…、この文化財を考える授業をもっと広げていけたらと思いますので、我こそはという先生がいらっしゃいましたら、琵琶湖文化館または県庁文化財保護課 文化財活用推進・新文化館開設準備室(077-528-4681)までお問い合わせください!

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「花湖さんの打出のコヅチ」第5回 1つの仏像から・・・

 爽やかな秋晴れに恵まれた10月26日木曜日、開催しました滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第5回!今回は「秘仏 正福寺大日如来坐像と湖南・甲賀地域の仏像」と題し、当館の和澄主任学芸員が講師を務めさせていただきました。

 「文献資料が残っていない中で、ほとけさまから分かることがあるのですね」。こちらはアンケートにご記入いただいた参加者の感想です。
・・・まさしく!!講師も申しておりました。「今回、秘仏である大日如来さまにお出ましいただき、つぶさに拝見させていただく機会を得たことで、いろいろと見えてきたことがあります」と・・・。

 本像は、筒形の宝冠にふっくらとした下膨れのお顔、細い三日月形の目に突き出した唇、厚みのある躯体や煌びやかな臂釧(腕輪)などの特徴から、十世紀後半に造られたと考えられています。 では何故、
浄土宗寺院である正福寺さまに天台宗で重視される大日如来が伝わったのか
 ・・・謎でしたよね~。
近隣の善水寺(天台宗)さまに伝わる薬師如来坐像・不動明王坐像と比較してみると
 ・・・良くわかりましたよね~。
天台宗の勢力拡大と、講師曰く「延暦寺工房」(?!)的な仏師集団の作例からの比較
 ・・・興味深かった~。
正福寺・善水寺がある湖南市岩根山周辺は、比叡山と麓の坂本の関係に似ていたのではないかという指摘
 ・・・当時の都市計画まで?!想像が膨らみました~。

 講座に参加された方も、講師の考察に「まさしくそうだったのでは?!」と、思われたのではないでしょうか。一体だけでは確証が持てなかったことが、様々な作例と比較することで紐解かれる千年の歴史、調査の醍醐味がここにあると講師は言います。それもこれも、古い時代のほとけさまが今に伝わっているからこその奇跡です。長い歴史の中には戦乱や自然災害もあったでしょうに、これだけ多くのほとけさまが滋賀に残されていることを、私たちは誇りに思っていい!そんなことを考えた、充実の、あっという間の90分でした。 参加の皆さんのご感想です↓。

「現場をよく考えて説明して頂いたので臨場感がありました。」
「これからお寺でほとけさまを拝むときにはよく見せていただこうと思う。仏像を作っていた地域やその影響力の及ぶ所についても知ることができて興味深いと思った。」
「正福寺さまの大日如来像、拝見に行きたい」

 そう!これで終わりではない!!第6回の打出のコヅチでは、座学会場を抜け出し、展示会場での『特別鑑賞会』を実施します!本日朝8:30より電話受付を開始しました。が、募集40名のところを、アッという間に定員に達してしまいました!皆さんの熱意に感謝♡。
 残念ながら電話が間に合わなかったという方、大丈夫です。この座学に参加した方もそうでない方も、充分にほとけさまの魅力を堪能していただける展示となっております!ぜひお出掛けください♪

 ところでワタクシ、気になっているのでございますヨ。大日如来さまのお顔の特徴=ふっくら丸みのある下膨れのお顔に、(チュッと)突き出したような唇・・・ここここれは、当館のマスコットキャラクター:あきつ君もこの系統を引き継いで・・・いるのでは?・・・う~ん、ダイタンな考察・・・♥

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「花湖さんの打出のコヅチ」第4回 質問回答②

 9月28日、文化財講座:第4回「新県指定 弘誓寺本堂と近江の浄土宗建築」に参加された皆さん、お待たせいたしました~!アンケートにご記入いただきました、皆さんからのご質問について、その回答第2弾! 滋賀県文化財保護課建造物係さんが、めいっぱい(!!)ご協力くださいましたので、ご紹介します~♪

建築と石造美術、建築と庭園とのかかわりがあると思いますので教えてほしいです。本尊の向きや庫裏との位置関係のかかわりなど教えてほしいです。

庭園については、来客をもてなす庫裏の座敷に面して回遊式庭園が設けられています。石造物は、境内の主なものは、墓所に中世の宝篋印塔(供養塔)が一基ありますが、本堂や庫裏、その他の建造物とは明確な関わりは無いようです。
本堂および本尊は、共に西方浄土を向いており、ほぼ西面しています。庫裏と本堂は、境内の敷地形状から、ほぼ南北に横並びしています。

本堂内の間取りがなぜそうなのか。経文上或いは儀式上の必然があるのか

内陣の後門形式および凸型の平面構成については、先に回答した、本堂内で本尊の後ろを通り本尊の前を大きく回る礼拝方法があること、外陣の凹型の平面については、礼拝の際に、内陣正面部分と内陣両脇の脇陣とは、僧侶や縁者・参拝者等に着座する場所に決まりがあり、そうした浄土宗の礼拝(儀式)に適した平面構成(間取り)が、次第に出来上がったものと考えられます。

近江七弘誓寺で一番古いのはどのお寺?

近江七弘誓寺の各建立年代について、郡誌、市町村誌等を確認しましたが、建立年が不明のお寺もあり、明確に建立年代を並べてここが一番古いと断言するのは難しいようです。講義資料では那須与一の7人の子供が近江七弘誓寺を建立したとありますが、実際は那須与一が活躍した平安時代末よりも、後の江戸時代に建立された所も散見され、あくまで伝承の域を超えないのかもしれません。ただ「弘誓寺由緒書」によれば現在の東近江市瓜生津に那須与一の末孫の愚咄が弘誓寺を開いた後に移転、分立等で他の弘誓寺が建立されたようで、そこから考えると瓜生津の弘誓寺が最も古いと推察されます。

 いかがでしたか?皆さんの疑問や謎は解けましたか?実は、産休に入られた講師の代わりに、講師が所属する県文化財保護課建築係の方々が、「係として真剣にお答えしたい」と、追加の現地取材や資料調査を行うなどしてご対応下さいました。講師を務められた伊藤静香氏のお人柄(♪)と、建築係の皆さんのチームワークがあったからこそ成り立った、今回の【質疑応答全8問】でございました。ご協力いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。本当に有り難うございました!

 皆さんの「学びたい」&「応えたい」の気持ちに影響されたコヅチ事務局・・・うずうず・・・結果、湖東を駆け巡り↓↓近江七弘誓寺を制覇してまいりました!ご利益ありそうな予感♡

※但し(!!)建造物の写真は“曇り”の日に撮る方が写りがいい!のだそうです・・・しくじった。。〔もう少し大きな画像で見たい人は➡ コチラ

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注目の、気になる武将

 皆さんのお気に入りの“武将”は誰ですか?
・・・というような質問を毎月しているような気がします(笑)。 電車と徒歩でお城をめぐって健康しが!JR駅の改札口で、BIWA-TEKUアプリの画面を提示した人に、近江ゆかりの武将カードをプレゼントする、あの企画♡[滋賀県提供]です。

 5月から始まり、今月で早6回目。皆さんどれくらいカードを集められたかな~?うっかり10月のラインナップをお知らせしていませんでしたが、巷でウワサの“あの方”が、満を持してのご登場ですよ!?

 おやおやこれは、偶然にも黒服姿(?)のナイスミドルがお揃いです。血気盛んな若武者は、一人違う方を向いておられますが(笑)。これらの武将が、滋賀・近江とどのような関係があったのか、実に気になるところです。その答えは、カードにいろいろ詳しく書いてありますので、ぜひ手に入れて熟読してくださいね。

 ところで、文化館として、今、断然、気になっているのは・・・ モチロン“この方”デス。その理由はお分かり?ですね??ほらほら、このチラシ↓にも、気になるお姿が載っている・・・。

〔ちらしPDF↑ダウンロード〕

 そうです!琵琶湖文化館地域連携企画展成菩提院 寺宝展」! 米原市にある古刹・成菩提院と連携した本展では、今期のN〇K大河ドラマでも注目される徳川家康や、話題の戦国武将に焦点を当てた寺宝が公開されます! その中には家康サマのお姿も・・・。あれ?よく見るとちょっぴり面影が違う?なぜだろう・・・。

 気になる方は、ぜひ10月中に武将カードをゲットして(武将カードは月替わり!)、11月3日から始まる寺宝展にお越しください。この秋はお楽しみがいっぱいです♪

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ギャラリートーク 皆さんの反応に手応え♡

 現在、滋賀県立美術館で開催中の「千年の秘仏と近江の情景」展。18日には美術館と文化館、双方の担当学芸員によるギャラリートークが実施されました♪感想は?いかがでしたか??
 皆さんとても熱心に耳を傾けてくださり、講師の一人を務めた当館の和澄学芸員は、「いやぁ話し甲斐のある皆さんでした」と大層喜び、本展開催の手応えを感じつつ、笑顔で帰ってまいりましたヨ(笑)。
 ご参加いただきました皆さま、誠に有り難うございました~♡♡♡

 本展では、湖南市・正福寺さまの秘仏本尊:大日如来坐像(重文)が33年ぶりに、しかも寺外で初めて公開されており、間近に拝見する機会に恵まれた、またとない展覧会(!)として話題を呼んでいます。

 と同時に、会場では善水寺さまの不動明王坐像(重文)も、特別に展示しています。ギャラリートークにお越しいただいた皆さんには、この二像を同時に展示したその“意図”が、十分に伝わったのではないかと思っています。それは共通項なのか、違いなのか。二つの像を間近に見比べることで、皆さまに理解し納得していただける、「素敵な発見」につながるのではないか、と期待しています。

 今回、聞き逃した!という方・・・大丈夫、まだチャンスがあります。当館主催の滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」にご参加ください! 
 ★先ずは座学でじっくり予習↓
  第5回:10/26(木)「秘仏 正福寺大日如来坐像と湖南・甲賀地域の仏像」
  →申込受付中!定員140名〔残りわずかとなっています!お急ぎください!!
 ★★会場で解説付きの鑑賞会↓
  第6回:11/16(木)「千年の秘仏と近江の情景」展を楽しむ」
  →申込は10/27(金)午前8:30から電話にて受付開始/定員40名〔電話殺到の予感?!!〕

 このダブルチャンスにも、どうしても都合がつかずに参加できないという方、大丈夫、会場には解説パネルをご用意してございます♪それを読んだ方はおそらく・・・二像の間を行ったり来たり・・・3往復はすることになるでしょう!(笑)!
 ぜひご自分の目で、お確かめください!!

 あぁっ!あれも言いたいコレも言いたい!(こっそり心の中で観音シスターズと呼んでいる)十一面観音さまのコトとか、会場にぐるりと展示されている絵画作品のコトとか、いろいろ言いたい!でも、やはりこれは、皆さんにご覧いただいてから・・・ということで!♪!

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10月18日 ギャラリートークあります♪

 

 皆さんもうご覧いただけましたか?滋賀県立美術館で開催中の地域連携企画展「千年の秘仏と近江の情景」。本堂の建て替えに伴い、湖南市/正福寺さまから当館にご寄託いただいている秘仏本尊・大日如来坐像が、寺外で初公開(!)となっている、今一番注目すべき(!!)展覧会です♪こんなチャンスめったにない!!!

 しかも明日、18日(水)14:00から、当館と県立美術館の学芸員が展示室で作品のみどころを紹介するギャラリートークが開催されます!じっくり一人で鑑賞するのも“ツウ”な見方ですが、解説を聞くことでさらに理解が深まり、新たな発見がきっとありますヨ!?!会場で皆さんに「へぇ~」「ほぉ~」「知らんかったわ」と言われ[せ]たい!(笑)!

 事前申し込み不要ですので、ぜひお気軽にご参加くださ~い!

※滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第6回(11/16)でも、解説付鑑賞会を予定していますが、こちらは定員40名さま限定となっていますので、ご注意クダサイ。

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県民フォーラムⅢ「「北の近江」の仏像の魅力」開催しました!

 10月に入り秋めいてきた10月9日(月・祝)、新しい琵琶湖文化館に関する県民フォーラムを開催いたしました。ご参加いただきました皆さま、どうもありがとうございました!

 今回の県民フォーラムは、東京方面にお住まいの方々にも新しい琵琶湖文化館のことを知っていただきたい!という思いから、メイン会場を東京に所在する滋賀の情報発信拠点(いわゆるアンテナショップ)の、ここ滋賀に設定。参加者の皆さまの後ろから撮影し、これをサテライト会場のコラボしが21へ配信しました。

 本来はレストランである会場の、ランチ営業とディナー営業の隙間をぬっての開催のため、時間が1時間といつもより短くはありましたが、その短い時間の中に、ぎゅっと詰まったお話をいただけました。何が詰まっているかというと・・・愛♡デス。

 終始、滋賀県への愛、仏像への愛、そして当館への愛が感じられるお話をいただきました。講師の西木さんは守山市出身。小さいころから当館に来ていただいており、大きな鯉(コイ)の水槽の前で撮ったカワイイ♡写真も見せていただけました(しかし写っている子どもちゃんは、西木さんのお兄さんとのこと)。
 そして当館の和澄主任学芸員と交わす、滋賀県の仏像彫刻の深いお話。豊富な写真をお見せしつつ、「北の近江」の仏像の成立背景について、比叡山との関係や、古代国家との関係を語られ、なぜこんなに「北の近江」の仏像は魅力的なのか?その理由をお示しいただきました。

講師の西木さん

 最後に西木さんから、新しい琵琶湖文化館の展覧会について、

 ①県内のそれぞれの地域に関する展覧会を、色々な切り口で
  おこなってほしい!
 ②家族で楽しめる展覧会を開催してほしい!

この二つのご期待をいただきました。昨年の県民フォーラムでも、関係するお話も出ましたし、ぜひ新しい琵琶湖文化館で取り組んでいけたらと思います!

 終了後のアンケートには、たくさんのご感想、ご意見、ご提案をいただきまして、ありがとうございました。皆さんが新しい琵琶湖文化館に大きな期待を持たれていると感じ、今後の参考とさせていただきます。また、アンケートは後日集計して公開いたしますので、ご覧いただければ幸いです。

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【速報!】千年の秘仏と近江の情景展

 明日、10月7日から滋賀県立美術館で始まる地域連携企画展「千年の秘仏と近江の情景」。皆さんのお待ちかねですね♡

 開催直前、準備万端整った会場では、関係者の皆さんや報道機関の方々をお招きし、内覧会が催されました。会場の様子を【速報!】で皆さんにお届けします!

 先ずは紹介させてください。左が当館の和澄浩介主任学芸員、お隣が県立美術館の山口真有香主任学芸員です。この二人が居なかったらこの展覧会は開催できなかったと言っても過言ではない!本展の立役者のお二人です。(拍手~!!)それぞれの立場から、本展を開催することが出来た喜び、感謝の気持ちを皆さんにお伝えさせていただきました。

 そして作品が展示されている会場に場所を移し、作品の特徴・見どころなどを説明させていただきました。皆さん気付かれましたか?今回の展示では、仏像を360度の全方向から鑑賞できる形で展示されています。ほとけさまに刻まれた衣文や、胸元に飾られたきらびやかな装飾まで、間近に細部にわたってご覧いただくことができます。千年の歴史を超えて初めて、秘仏をお寺の外で見られる貴重な機会です。皆さまぜひご来場くださいませ!

 展覧会は、大津市瀬田/びわこ文化公園内)滋賀県立美術館にて、11月19日までの開催です。この秋、千年の秘仏とともに近江の豊かな歴史を、感じてください♪

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「花湖さんの打出のコヅチ」第4回 質問回答①

 9月28日、文化財講座:第4回「新県指定 弘誓寺本堂と近江の浄土宗建築」に参加された皆さま、お待たせいたしました!当日アンケートに記入された質問内容について、滋賀県文化財保護課建造物係さんが、回答にご協力くださいました(!感謝!)。
 さてさて、皆さんの気になるご質問は?その回答とは?コチラっ↓↓↓

浄土宗、浄土真宗の中世の遺構が全国的にほとんどないのはなぜでしょうか。

確かにそのような傾向はあるかと思いますが、県として明確に確認してはいません。もしあるとすれば、理由として次のようなことが考えられます。
 浄土宗、浄土真宗ともに鎌倉時代以降に興った新しい宗派で、主に一般庶民を対象とする宗派でもあったことから、滋賀県内であれば、中世にはまだ正式な寺院を構えるのではなく、地域の有力者の住居等を活動の場とすることが多かったと考えられ、たとえば天台宗のように、中世には既に大規模な構えの寺院を多く建立していた宗派と比較すると、建立された建造物の数や規模が異なることが理由の一つとして考えられます。

五箇荘金堂町の国指定重文弘誓寺と今回講座の弘誓寺とは建物の特徴や古い資料が多数残っている点は似ている。今回講座の弘誓寺も国指定重文になるよう働きかけをされるのでしょうか。

県内には他にも優れた建造物が多数所在しており、今回県指定となった弘誓寺本堂についても、それらと共に、機会を見て文化庁へ情報の提供を行っていきたいと考えています。

 

三つ並び仏壇形式から後門形式へと変化していった理由がもう少し詳しく知りたいです。

 

現在の浄土宗においては、本堂内で、本尊の後ろを通りながら内陣を回る礼拝があります。また僧侶の内陣への出仕は、外陣もしくは脇間からではなく、本尊の後ろからの出仕であり、こうした礼拝や儀式の方法の変化が、仏壇形式の変化に影響したことが考えられます。

 

後陣は何のためにできたのですか(使用目的は?)。

 

中世の本堂に見られる後陣は、元々は、内陣での宗教儀式の際に使用する仏具や什宝物等を保管したり、住職等が準備を行うために使われていたと考えられますが、後には、後陣にも仏像を安置し、宗教的空間として、内陣を補完する用途に用いられるようになったのではないかと考えられます。

 

宮殿を「くうでん」と読むのは宗教建築だから?

 

「宮殿」は神社本殿に多く用いられる名称ですが、その場合でも読み方は「くうでん」です。寺院では「厨子」を用いることが多いのですが、弘誓寺では「宮殿」とし「くうでん」と呼んでいるため、今回の指定に当たっては弘誓寺での呼称に従っています。

 素晴らしい!皆さんの勉強意欲がすばらしい!答えも分かりやすくてスバラシイ!皆さんの質問から更に理解が深まり、知識が増えて得した気分♡です♪有り難うございました!!

 おや?まだ質問が紹介されていない方が?いらっしゃる??
 ご安心ください!残りの質問はもう少しお時間をいただいて、 改めて紹介させていただきま~す!お楽しみに♪♪♪

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地域連携企画展 めいっぱい準備中!

 いよいよ10/7(土)から始まる琵琶湖文化館地域連携企画展「千年の秘仏と近江の情景」展!昨日は当館から出陳する作品を搬出、今日は会場館である滋賀県立美術館で展示作業が行われています。

 担当学芸員さんは目も廻る忙しさで、関係先への連絡、業者さんとの調整、的確な指示と阿吽の呼吸の連携作業・・・などなど、ほっとひと息つく間もなく、頭の中は展覧会のことで“いっぱい”のご様子・・・デス。「あれ?アレはどこだ??・・・大丈夫、きっとあの時あそこに置いた・・・」「ありました!!」という会話がチラホラと。。。ハイ!深呼吸して~(笑)♪大丈夫、万事順調!今日のミッション(展示作業)も無事終えた、と現場から連絡もありました!

 

 また本日、展覧会のパンフレットが仕上がり、納品されました。あぁドキドキ。
 先方の学芸員さんとも連携しながら作った、渾身の力作です! 会場でご自由にお持ち帰りいただけますので、鑑賞のお供にぜひ、手に取ってご覧くださいませ。  

 

  

 そしてこれで終わらないのが、今年の地域連携企画展♡!


 11/3(金・祝)からは、米原市で「成菩提院 寺宝展」が始まります!こちらの準備も佳境。今年の大河ドラマでも注目されている戦国武将や徳川家に焦点を当てた展示を、お寺さまとの連携企画で開催します。こちらも楽しみにしていて下さいね!

 あぁ、今年の秋は忙しい♥ 
 

 ということでワタクシ、専ら館でお留守番が専門の事務担当、大忙しの学芸員さんを横目にじっとして・・・いられる・・・ ワケがないッッ!!?

  自分でも何かできないかと、大型プリンターを使って、めいっぱい(?!) 、 館から、展覧会を盛り上げにかかっております(笑)♪
 皆さんのお目に留まると嬉しいデス↓↓↓♪

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花湖さんの「打出のコヅチ」第3回を開催 聞けて良かったです!

  いつまで「残暑」と言わねばならぬやら・・。気温が30℃を超える厳しい暑さだった9/28(木)、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第4回を開催しました。そうです皆さん!多くのリクエストをいただきながらも、なかなか取り上げる機会が少なかった「文化財建造物」についてのお話です!会場には、期待に胸をふくらませた♡多数の受講生の皆さんが、お越しくださいました。

 今回の講座は「新県指定 弘誓寺本堂と近江の浄土宗建築」と題し、滋賀県文化財保護課建造物係で活躍する伊藤静香技師が初登壇で熱弁を・・・アレ?講師の姿は??!

 そう、実はこのたび講師の都合により、こちらのメイン会場でも予め録画した内容でお届けいたしました。対面での講座を期待されていた方々には大変申し訳なく(事前アナウンスも不十分でした!!スミマセン!)、講師も大変残念がっていたのですが、何卒お許しいただきたく・・・。その分、内容は“すこぶる”充実!画像も多めに皆さんにお配りした資料は実に17頁『文化財建造物の面白さを少しでも知ってもらいたい』という講師の熱意の表れデス!「あぁこれ、きっと“生”でお話ししたかっただろうなぁ 」ということが、資料からも感じ取れました。

 昨年度新たに県指定となった東近江市・弘誓寺本堂。受講された皆さんは、「こんなにもいろいろな角度から調べて指定するのか」と驚かれたのではないでしょうか。残された資料や棟札、擬宝珠に刻まれた銘などを読み解き、お寺の沿革を調べることも調査の一環。(建造物だからと言って、図面だけの話ではない!!)外観はもとより、宗派によって異なる建物内部の形式なども、他のお寺の類例と比較することで、その特徴を更に精査し、弘誓寺の本堂は特に「棟札と豊富な資料により、建築年代が明確で造営の経過もわかり、浄土宗本堂の基本となる姿を伝えた代表的事例として学術的に価値が高い」ことが認められ、この度の指定に至ったとのこと。建立に携わった大工集団のお話も興味深かったです。

 参加された方のご感想を紹介すると、「建築様式のみならず、他寺院との比較、細かな彫刻などの紹介等、非常に興味深くお聞きしました」「丁寧に説明していただき大変わかりやすかったです」とのこと。(講師先生!良かったですね!) 中には「お話聞いて、滋賀にいいお寺がたくさんあるなぁと思い訪れたくありました。かわいい赤ちゃんに出会えてからまた復帰して下さいね」とのあたたかいお言葉も・・・。

 そう!実はこれが今回の録画講演となった理由デス!元気な赤ちゃんの誕生を楽しみに、元気なお母さんの復帰を心待ちに、しております♡

 そして皆さまには、今回特別に本講座への「質問」をアンケートにご記入いただいております。その回答は後日こちらのブログに掲載いたします~♪ ドキドキ。。。

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誕生釈迦仏立像お里帰り・守山/大光寺

 当館が大光寺(守山市)さまからお預かりしている誕生釈迦仏立像(守山市指定文化財)が、このたび秋の彼岸法要に合わせて“お里帰り”されることになりました。

 このお像は、昨年、野洲市歴史民俗博物館で開催した地域連携企画展「近江湖南に華開く宗教文化-野洲・守山の神と仏-」にも出陳させていただきましたので、ご記憶にある方もいらっしゃるかと思います。奈良時代の作で、像高10センチにも満たない小さなお像ですが、瘦身で手足の長いスラリとしたプロポーションがとても愛らしいほとけさまです。

 当館の前身である滋賀県立産業文化館時代にご寄託いただいて以来、72年ぶりのお里帰りとなり、地元の皆さまに地域に伝わる文化財を知っていただける貴重な機会となることを、当館としても大変嬉しく思っています。

 大光寺さまでは、23日(土)に彼岸法要が営まれ、午後1時~2時半頃に誕生釈迦仏の一般公開を予定されています。ほとけさまのお里帰り、ご住職さまや檀家の皆さまと楽しい時間を過ごしてきてくださいネ。

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カバー表紙に使っていただきました!

 こちら、紹介させてください。令和5年8月10日に(株)新典社から発行された「物語と催馬楽・風俗歌―うつほ物語から源氏物語へ―」というハードカバーの学術図書です。

 以前、当館所蔵の「源氏物語画帖」の写真を、出版物のカバー表紙に使いたい、との申請をいただきました。その時のお話では、著者の山崎薫さんが膳所高校の出身で、「古郷ゆかりの作品を、初めての著作の表紙に使用したい」とのご希望があったとうかがっています。

 当館にとっても大変嬉しいお申し出、その時の本がこうして発行されたのですね。お役に立てて幸いです。いいご縁をいただきました。

 当館の「源氏物語画帖」は、全12図を一冊の画帖に掲載しています。表紙に使っていただいた場面のほかにもイロイロあるのですよ。
 ・・・そういえば来年のNHK大河ドラマは「光る君へ」ですね。平安時代を舞台に、源氏物語の作者:紫式部の人生が描かれるそうです。むむむっこれは!!?・・・新たなご縁が生まれる予感?!楽しみです!

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ポスターにドキドキ♥

 皆さんご注目~実は先日、「大津駅で足利義昭を見た!」との情報が飛び込んできました。何事かと思えば・・・そうです!配布されるカードが月ごとに替わる、あの「武将カード」のお知らせポスターです♥

JR大津駅に掲示されているポスター

 JRで大津駅をご利用の方々、気付いておられますか?改札を出ると、正面のガラスにこんなにもシブく目立つポスターが貼ってありますよ~。

 大きく配置された家紋、行書体で書かれた武将の御名、赤文字で添えられた言葉がこれまた・・・♥。近江の歴史ロマンを感じさせるデザインが、古都・大津の玄関口に・・・なんてステキ♪

 聞けばなんとこのポスター、駅員さんの手作りなのだとか!武将カードを“一緒に盛り上げていただいてる感”が、とーっても嬉しいです!

 ん?ナゼに文化館が武将カード押し??!それは、武将のイラストを、文化館が特別提供しているからなのですヨ~。ぜひ皆さんにもチャレンジしていただきたい!!方法はカンタン♪

  1. JRの鉄道を利用して配布駅の改札窓口を訪れる。【行く】
  2. 健康推進アプリ BIWA-TEKU の画面を、配布駅の改札窓口で提示する。【見せる】 (健康推進アプリ BIWA-TEKU はその場でダウンロードしても OK です♪)
  3. 武将カードを受け取る。【もらう】

 以上!わかりやすい!!
 そして気になる9月のラインナップはコチラご覧のとおり!↓!

 駅によって配布されるカードが異なりますので、いろいろ集めてくださいね。 各駅限定500枚です。 【詳しくは滋賀県 文化財保護課

 気になると言えば、こちらのポスターも気になります。

大津警察署の掲示板

 大津警察署の掲示板に貼られているこのポスター。秋の全国交通安全運動に合わせて制作されたとのことです。
(昨年は確かウルトラセブンだった記憶が・・・[2022.9.26付けブログ])今年はなんと「仮面ライダー1号」が起用されていますよ!
 
・・・いえいえ、確かにそこも気になるのですが、あきつブログが注目するのは・・・
   「あ、琵琶湖文化館が写ってる」
というマニアックなところ(笑)。湖岸の風景の一部としてオメデタク写り込んでおりました♪
 ポスターは、大津署管内の交番や官公庁に掲示されるそうです。こちらもぜひチェックしてみてくださいね~。
みんなで交通安全を守ろう!!

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県民フォーラムⅢ「「北の近江」の仏像の魅力」申込受け付け中☆

  本日9月4日は何の日でしょう?クラシック音楽の日(※「ク(9)ラシ(4)ック」のごろ合わせ)、くじらの日(※同じくごろ合わせ)、関空の開港記念日(※1994年に開港)・・・、いろいろありますが、新しい琵琶湖文化館の県民フォーラムの申込受付開始日でもあります!!

 あきつブログをお読みいただいているみなさんはご存じだと思いますが、滋賀県北部地域(長浜市・高島市・米原市)には古くから仏教文化が栄え、数多くの仏像が生み出されてきました。その「「北の近江」の仏像の魅力」をテーマに、当館の和澄主任学芸員と東京国立博物館主任研究員の西木政統氏のお二人がお話しする企画です♪
   

西木政統氏

 今回のゲスト・西木さんは守山市出身。仏像に関する多くの論文を執筆されていますが、櫟野寺(甲賀市)の重文・十一面観音坐像や、鶏足寺(長浜市)の県指定・七仏薬師如来立像など、滋賀県の仏像に関するご研究もあります。東京国立博物館では数々の仏像の展示をされているので、ご研究や展示のお話など、そしてまた新しい琵琶湖文化館での仏像展へのご期待についてもお聞かせいただけることと思います。

 お申し込みは、しがネット受付サービスより受け付け中です。

★メイン会場(東京)は募集人数が少ないのでお早めにどうぞ♪
   〔しがネット受付サービス【メイン会場(東京)】〕

★サテライト会場(滋賀)は [定員140名] 、まだまだ余裕あり♪
   〔しがネット受付サービス【サテライト会場(滋賀)】〕

詳しくは、滋賀県文化財保護課【電話077-528-4681 FAX077-528-4833 メールbunkatsu@pref.shiga.lg.jp】 までお問い合わせください。

 

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注目されたい

 休館中の当館が、皆さんとの接点の一つと考え、意欲的に取り組んでいるのがウェブサイトの更新です。作業は素人の手仕事で、「あーでもない」「こーでもない」と日々奮闘しているところで、皆さんにとって「見やすい」画面づくりが出来ているか、自身を顧みながら精進を続けています。

 そのバロメーターともなっているのが「ウェブサイトのアクセス数」、8月には3,000件を超えるアクセスを頂戴いたしました。これにはグーグルが提供する「アナリティクス」という分析ツールを使っていますが、このカウント方式が7月に改変され、それに伴い膨大な作業が発生してしまいました。ウェブサイトを構成する1ページ毎にグーグル専用のコードを貼り付けるという、至って簡単な作業のようですが・・・実は、当館のウェブサイト、約230ページに及ぶ情報量を有しておりました!(私も初めて知りました!!)。これはタイヘン・・・。
 すべては皆さんに、休館中の当館のことを知ってもらいたい、収蔵品について詳しく紹介したい、豆知識も披露したい!!というところから、積み上げてきた情報量です。いろいろと修正しなければならないところはございますが、当館のウェブサイトが皆さんの知的好奇心を満たすツールとしてお役に立てていれば幸いです。

 「この更新回数、ホントに休館中?」と言っていただくことに快感(?)を覚えつつ(笑)、つい先日も「県民フォーラム」や「地域連携企画展」の開催についてお知らせしたところです。ウェブサイトへのアクセスと同様、こちらにも注目していただければ幸いです。

 注目といえば、こちらもチェックされましたか?巷で密かに話題となっています。

 それは、当館からほど近い場所に設置された、人気アニメ「機動戦士ガンダム」の絵柄が描かれたマンホール!一つは大津湖岸なぎさ公園おまつり広場(琵琶湖ホテルと大津市民会館と水上警察大津分駐所の間!)、もう一つは当館のおとなり:びわ湖ホールさんの階段前にあります。老いも若きも(?)夢中になったあの「ガンダム」のキャラクターが、大津絵やびわ湖花火大会とコラボしたデザイン♥思わずカメラを向けたくなります♪

 湖岸を散策がてら、ぜひ記念にパシャっと撮って、お友達に自慢してくださいね~(笑)。
 
[この人影に・・・見覚えが!?!・・・(笑) ]

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花湖さんの「打出のコヅチ」第3回を開催 タイトルの意図は?

講座の様子は 〔 Z-TV・ケーブルテレビ11ch 〕で
放送予定(9/1~9/3)

 8月30日、まだまだ残暑厳しい中、たくさんの方にご参加いただきました滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第3回!今回は、「世界に広がる「近江の文化財」」というテーマで、当館の田澤梓学芸員がお話させていただきました。

 皆さんは「日本の文化財が海外で収蔵されている」と聞いて、どのようなイメージを持っておられますか?よく耳にするのは「文化財の流出」という、あまりよろしくない印象の言葉・・。ですが、講師の田澤学芸員の考え方はとてもポジティブです。

 講座では主に工芸品について、過去の歴史から海外に渡った近江に縁ある文化財をスライドで紹介し、国内に現存する類例作品との比較が解説されました。

 スライドは、海外の名だたる美術館・博物館施設に収蔵されている画像を使用していましたが、「何なら自分が海を渡り、実物をこの目で調査したい!」との思いが、言葉の端々に・・・(笑)。行動力がウリの工芸担当学芸員です(笑笑)。

 興味深い内容に、受講の皆さんもメモを取る手に力が入ります。

 そして今回の講座でちょっと意外だったのが、海外の美術館・博物館が公開しているウェブサイトの収蔵品データベースの中に、日本の美術作品も多数掲示されているということ。私たちも簡単に見ることができます。受講された方の中には、おうちに帰ってからインターネットで検索された人もいらっしゃるかもしれませんね。アンケートでは「湖国の文化財が海外でも高く評価され収集されているのを知ることができた」「滋賀のものが帰ってきて展示されたらとてもうれしい」などの声が寄せられました。

  田澤学芸員は、海外に渡った文化財を「流出」というマイナスイメージではなく、「世界に広がる(世界にまで広がる!)近江の文化財」とポジティブに捉え、その魅力をさらに引き出したい、と言います。令和9年度に開館を予定している新しい文化館では、滋賀県内・日本国内・海外にある「近江の文化財」をつなぐデータベースの構築、更には学芸員や研究者をつなぐネットワークも新しい文化館の役割として貢献していきたい、との思いも語られました。

 さぁ、大変なことを宣言してしまいましたヨ?!(笑)。アンケートには「新しい文化館の開設をとても楽しみにしている」とのお声も!講師を含めた関係者一同、皆さまの期待に応えるべく、より一層邁進していく覚悟です。何卒皆さま、ご支援たまわりますよう、よろしくお願いいたします~。

【追記:受講の皆さまへ】
講座内でお話ししていた当館のブログ「文化館の江口君 海を渡る」。少し前の記事になりますが、気になる方は是非お読みください♪

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何とかならんか、するしかない

 今年の夏は楽勝♪と思っていました。先日行われた琵琶湖花火大会も、澄んだ湖面に打ち上る花火を楽しめて良かった♪と、関係者一同は思っていました。ところがどっこいデス!!

 15日に近畿を縦断していった台風7号。ヤツが連れてきてしまいました・・・水草。。。そう、水中に繁茂する水草が、大量に湖岸に打ち寄せられました!いやぁ~(嫌~)!!!
 湖岸に建つ我がお城、地形的には窪地のようになっており、どうしても当館の周りにゴミが打ち寄せられてしまうのです。しかも今回の台風は北風が強く吹き付け・・・結果、水面を埋め尽くす水草の襲撃(!)です!どうしましょ、コレ・・・何とかならんか。。。

 「泣いていても仕方がない」という潔さが当館のウリ⁈職員総出で水草の除去作業が始まりました。湖岸にいる人たちは優雅に釣りをしているのではないですヨ?!これは、水を含んだ重た~い水草を、“人力”で岸へ引き上げる人たちなのです。うぅ・・・なんて原始的。。。
 毎年、「もっといい方法はないか」と頭を悩ませるのですが、結局のところ、皆の力を結集した、このチームワークが頼りとなるのです・・・。あー今年も頑張ろう。。。

 この作業には、結構コツが必要なんですよ。足を踏ん張りつつ、腰にグッと力を入れて、反動をつけて水草を岸に放り投げる・・・いやいや職人技と言ってよい、達人の“域”に達してまいりましたわ(笑)。

 さらに厄介なのが、波によって護岸の石垣の上にまで打ちあがった水草。これがまた手摺の柵に絡まってなかなか取れないのです。なので、ここも人力(泣)。早く乾かさないと、水草が腐って悪臭の原因となってしまいます。

 少ない人員で、なんとか作業時間を確保し、水草を処分していきます。恐らく1カ月くらいはかかるかと思われますが、炎天下に頑張る私たちを暖かく見守っていただければ幸いです。・・いやいや、見守るどころか、一緒に作業をしてくださる方を募集します! (マジで募集します!)詳しくは琵琶湖文化館(TEL077-522-8179)までお問い合わせください。

 そうそう、作業をしていると、こんなにもビッグでジャンボな出会いがあったりしますよ?!真ん中にある50円玉がなんて小さい!比較してみて!この大きさ!マジでハンパないっ!!
 
 実物をご覧になりたい方は、私たちと一緒にぜひこの作業を・・・(笑)。体力に自信のある方、お待ちしておりま~す!

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10月9日(月・祝)県民フォーラム「「北の近江」の仏像の魅力」開催!

 台風が過ぎ去って、どことなく秋の気配も感じられるような、そうでもないような今日この頃、そろそろ秋の連休の予定も埋まっている方もおられるかもしれませんが・・・、10月9日(月・祝)のスポーツの日は、ぜひ新しい琵琶湖文化館の県民フォーラムにお越しください!!

 令和3年度開催の前々回(県民フォーラムⅠ)では、新しい文化館の役割や活動内容について様々な角度からご意見いただき、昨年開催した前回(県民フォーラムⅡ)は、新しい文化館での展覧会にフォーカスした議論がなされました。

 今回のテーマは・・・、「「北の近江」の仏像の魅力」です!「北の近江」とは県北部地域(長浜市・高島市・米原市)のことですが(県HP)、チラシ表面にも画像を使わせていただいております国宝の十一面観音さまをはじめとする、とっても素敵な仏像が「北の近江」にあふれているのです。こうした仏像の魅力と、そんな仏像を展示する新しい琵琶湖文化館について、当館の和澄主任学芸員と、守山市出身の東京国立博物館主任研究員の西木政統氏のお二人に、お話しいただきます。

  先日新しい文化館の事業者が決まり、その建物のイメージ画像も公開されたところですが、この博物館で「北の近江」の仏像を扱ったどんな展覧会をしていきたいのか!?という学芸員の野望も語られることと思います。楽しみですね♪

 さて今回のメイン会場は、滋賀を抜け出し、なんと東京・日本橋の「ここ滋賀」、2階のレストランにて、ランチとディナーの合間をぬって開催します。首都圏にお住まいの皆様にも新しい文化館のことを知っていただきたい、そんな思いで開催します。そしていつもの大津の会場「コラボしが21」は、今回はサテライト会場として、オンラインで聴講いただけます。

 お申し込みは、9月4日(月)9時から、先着順です。
 〔しがネット受付サービス【メイン会場(東京)】
もしくは
 〔しがネット受付サービス【サテライト会場(滋賀)】
からお申し込みください。

 詳しくは、滋賀県文化財保護課 【電話077-528-4681 FAX077-528-4833 メールbunkatsu@pref.shiga.lg.jp】 までお問い合わせください。

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虫干会・大津/聖衆来迎寺【台風のため中止】

 世間ではお盆休みに突入。ここ数年、コロナ禍でままならなかった故郷への帰省し、ご家族でゆっくり過ごされる方も多いのではないでしょうか。久々の再会、楽しい時間をお過ごしくださいね。

  そして帰省するのは人ばかりではありません。 実は当館でお預かりしている文化財も「お里帰り」する予定・・・でしたが、残念ながら台風7号の影響で、中止となってしまいました!

  大津市比叡辻にある聖衆来迎寺さまでは、例年8月16日に虫干会(むしぼしえ)が行われ、寺宝の数々が一般公開される貴重な機会となっています。ここ数年はコロナ禍で中止となっていましたが、今年は4年ぶりに実施の予定だったので、当館も気合を入れて準備していたのですが・・・相手が「台風」では仕方がありませんね。中止はすごく残念ですが、大きな被害が出ないことを祈りつつ、次の公開の機会を楽しみに待つことといたしましょう。

修理を終えた客殿(重要文化財)


 ちなみに、聖衆来迎寺さまでは、3年がかりで進められていた客殿(重要文化財)の保存修理工事が6月に完了し、屋根のこけら葺が美しく生まれ変わっています。

 境内には、織田信長の家臣であった森可成(もり よしなり)の墓所もあります。戦国マニアの皆さんには、特に“チェック”するべきお寺さまの一つかと・・・。台風が過ぎ去り、お盆休みが終わってからでも訪れることができますので、ぜひお出掛けしてみてくださいね。

 あ、できればそれは8月がいいかもしれません。お寺さまにお参りにいった後、もう一足のばして、大津市堅田方面へ行かれるのがいいと思います。そして交通手段は電車がいいでしょう・・・ナゼ?↓↓↓

 JR湖西線堅田駅では現在、健康推進アプリBIWA-TEKU(ビワテク)のスマホ画面を、駅の改札窓口で提示した人に「近江ゆかりの武将カード」を配布されています。しかも堅田駅で配布されている武将カードは「森可成」です(先着500名限り)! 夏の思い出づくりに是非チャレンジしてくださいね。[“武将カードおし”からの宣伝でした(笑)。]

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暑い夏こそ!電車+テクテク+武将カード

 何回言っても言い足りません!アツい!!どこに居ても暑い!たまのお出かけ、車での移動、エアコンを利かしても効いてる気がしない・・・全くもってぐったりです。そしてどんどん出不精になり、動かなくなり・・・だから体脂肪を気にしなければならなくなるのデスよ!!(あ、すみません。力が入ってしまいました・・・先日健康診断を受けたものでつい・・・(笑)。)

 そんな時だからこそ!電車でお出掛け♪冷房の効いた車内から見る外の景色は、絵に描いたような夏色の風景が広がっています。山あり湖あり入道雲あり!?!これぞ湖国・滋賀の夏♡です。それに加えてテクテク歩けば・・・夢のナイスバディも夢ぢゃない⁈

 前置きが長くなりました。何を言いたいのかといいますと、当ブログではもうお馴染みですかね?「電車と徒歩でお城をめぐって健康しが!」健康推進アプリBIWA-TEKU(ビワテク)を利用して、駅の改札窓口でスマホ画面を提示した人に「近江ゆかりの武将カード」をプレゼントするあの企画♪8月に貰える武将カードはコチラ!  ↓ ↓ ↓

「小学2年の孫が武将カード欲しいって、お兄ちゃんと妹と二人で彦根駅まで行ったの‼」
・・・ここここれは、『初めてのおつかい』的な泣けるやつ?!
 
「うちの娘4歳、カードのイラストを指さしながら武将の名前をスラスラ言いますよ」
・・・ここここれは、早くも歴女の予感?武将ガールの誕生?!成長が楽しみ♪

←おやおや?今回配布の武将カードの中には、白いお馬さんにのった武将もいるようですよ?!誰かな~?人気が出るといいな~☆☆☆

 子どもたちにも人気の武将カード、夏休みの思い出に、お父さんお母さんの運動不足解消に、是非ご家族でお出掛けください♪
 
【詳しくは滋賀県文化財保護課TEL077-528-4680】

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イメージ膨らむ☆新・琵琶湖文化館

 毎日おあつぅ~ございます。毎年言っているような気がしますが、今年の夏は暑さが違う!!「危険な暑さ」という言葉が日常的に使われておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

  思い返せば7月はブログの更新もママならぬひと月を過ごしておりました(決して暑さに負けていたわけではないッ!!)。その間に、当館にとって、とても重要な「目も覚める」「身が引き締まる」画像が公開されました。皆さんチェックしていただきましたか?!
 そうです!当館の後継施設として、令和9年(2027年) 12月に大津市浜大津で開館することを目指している(仮称)新・琵琶湖文化館のイメージ画像が、公開されております!改めまして、ドドーンと見ていただきましょう‼コチラッ↓↓↓

新しい文化館の外観イメージ

 新しい琵琶湖文化館は、文化財の収蔵、展示といった従来の博物館の機能に加え、「地域の文化財のサポートセンター」の機能と「文化観光拠点となるビジターセンター」の機能を備え、近江の文化財を保存・継承・活用・発信する中核拠点となる予定です。

 外観は「湖国の夢と滋賀の宝を未来に伝える 希望の船」をモチーフにした地上4階建て。まち・湖・文化財・人をつなぎ、新たな交流と賑わいの未来を生み出す「船」がイメージされています。設計には、建築家の隈研吾さん の事務所などが係わっておられ、そちらでも注目を集めているようです♪ (オリンピック会場にもなった国立競技場や、県内では新しい守山市役所なども設計されてます。)

 お城の形をした当館が、平成20年度(2008年度)に休館となってから、随分とお待たせしておりますが、ようやく皆さんに後継施設のイメージを公開できるところまで辿り着きました。これからは、展示室や収蔵庫など、博物館施設として肝心の建物内部の仕様について、事業者さんと折衝を重ねる詰めの作業を本格化してまいります。

 施設内には、災害などの際に文化財を一時的に預かる全国的にも珍しい 「文化財緊急保管庫」を設け、地域の文化財を地域の皆さんと共に守っていく「 文化財のサポートセンター」としての機能も新たに加わります。

 なお、館名については、歴史系博物館として 60 年を超える活動実績の高い評価とともに、現在の館名が国内外にも浸透していることから「琵琶湖文化館」を継承することとし、同時に、より親しまれる館となるよう、県民の皆さんの意見を聞きながら、「愛称」を設定する予定です。
 皆さんの期待に応えられますよう、外観も中身も充実させるべく、職員一同、邁進してまいりますので、どうかご支援いただきますよう、よろしくお願いいたします!

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「花湖さんの打出のコヅチ」特別講座開催しました

 智証大師円珍関係文書が、ユネスコの「世界の記憶」に登録決定されたことを受けて、特別講座「智証大師円珍関係文書の世界」を7月27日(木)に開催しました。 連日の酷暑にもかかわらず、多くの方が聴講に来られました。

 今回の講師は、智証大師円珍の関係文書を歴代伝えて来た 三井寺の長吏・福家俊彦氏です。円珍の人となりや伝世されて来た関係文書のことを熱く語ってくださいました。

 智証大師円珍は814年に生まれ、その14年後に比叡山にあがり出家。その後、有徳の師に師事したり大峰山や葛城山で修行を積むなどしてめきめき頭角を現し、ついには延暦寺の座主、三井寺の初代長吏ともなった傑僧です。そのような円珍が天台教学と密教の神髄を求めて唐(当時の中国王朝)に旅立ったのが853年。その往路をみると、大宰府から出発して福州~杭州~蘇州~揚州~洛陽~長安となっています。現在とは異なり交通事情や治安が各段に悪い中よくこれほどの距離を踏破したものと思います。講師が言われるように、円珍は「感応力」「先見の明」「峻厳な学究」「聖俗との交り」を兼ね備えていたとのことですが、そのような自由闊達な精神の在り方が唐の国への大旅行を可能にし、多くの仏典をはじめ先進的な文物の招来を可能にしたようです。

 それでは、今回、ユネスコの「世界の記憶」に登録された智証大師円珍に関わりのある文書群とはとのようなものなのでしょうか。それらは、智証大師関係文書典籍46件・五部心観(曼荼羅絵)1件・円珍関係文書8件・円珍贈法印大和尚位並智証大師諡号勅書1件など56件で構成され、いずれも国宝に指定されています。

 中でも、中国国内(福州・温州)を通過するときに、使われた「通行手形」というべき「過所(かしょ)」が当時のまま残されていることが注目されます。幾多の王朝が興亡を繰り返した中国では、当時を知る一次資料がほとんどが失われていますが、円珍が持ち帰った 過所は唐の交通政策や社会状況を知ることができる貴重なものとなっています。

 講演の最後に、講師は一人の僧に関係する一連の文書が千年以上の時を超えて保存・伝えられて来たことは極めて稀で、偉大な師に関係する文書を残そうとする先人たちの 使命感やたゆまぬ努力にはただただ頭がさがると言われていました。さらに、現在のデジタル時代にあっては、記録や文書を保存・伝えていく過程には人が介在しないことが多く、将来の課題となることを指摘されたことが心に残りました。

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7月1日は

 7月1日は「びわ湖の日」です。滋賀県では、この日を中心に、環境保全県民運動として、県下全域で環境美化運動「びわ湖を美しくする運動」が実施されます。

 自然豊かで美しい環境に恵まれた滋賀県。日々の営みに感謝しつつ、「母なるびわ湖」「住みよい郷土」に、いつも以上にご恩返し (!) をする日であるとの教えが(?)、滋賀県民のDNAには刷り込まれています(きっと多分!!?)。住民の方や事業者・各種団体の皆さんが、朝な夕な、ゴミ挟みとビニール袋を持って、道端のゴミを拾いをしておられる姿を見かけます。びわ湖の日にちなんだ一斉清掃、滋賀県民として誇っていい!取り組みの一つだと思います。

 ということで!当館も頑張りましたよ~!今年は1日が土曜日だったので、先週のうちに湖岸沿いを集中的に大掃除!

 こちら、当館の道を挟んで向かい側の道路沿いにたたずむ井上敬之助氏の銅像。「あれは誰?」と聞かれることも多いのですが、敬之助氏は明治後期から昭和初期にかけて活躍した政治家で、県会議員に6回当選、衆議院議員を2期務めるなど、大きな功績を残しています。
 官僚政治の是正や民意の反映に努め、全身全霊を政治に捧げたその姿から、滋賀県政の大御所として、「当県に知事が二人いる」と言われたほどの人物です。

 今でも時々花を手向けていらっしゃる方がおらますが・・・しかしその足元には伸び放題の雑草が・・・。
 皆さんから注目される銅像ですので、この機会にお掃除も念入りに・・・。下草を刈り取ると、心なしか銅像のお顔が一層キリリと引き締まったような気がいたします♪

 そのほか、嘆かわしくも湖岸に流れ着いたポイ捨てゴミや、景観を損ねる雑草など、集めたゴミは、なんと15袋分のゴミの山!

 
滋賀の言葉で言うところの、湖岸一帯をきれいに「すぃ~っ」と、お掃除させていただきました♪    

 このきれいな状態を維持できますように、皆さんゴミのポイ捨てはイカンですよ~マナーを守って、美しい景観を守りましょうね!    

 

 さて、7月1日からの話題をもう一つ・・・。
 
 皆さん、月が替わりましたね~6月から7月に替わりましたね~・・・そうです!武将カード!!
 当ブログでもお馴染み、健康推進アプリBIWA-TEKU(ビワテク)を利用して駅の改札窓口でスマホ画面を提示した人に「近江ゆかりの武将カード」をプレゼントするあの企画♪7月に配布される武将カードはコチラっ!

 皆さんの気になる武将は入ってますか~?有名どころから激レア(マニアック)まで、集めて楽しい武将カードです。噂によると三日月知事も集めておられるとの情報が・・・どこかの駅でバッタリ(?!)なんてこともあるかもしれませんね(笑)。カードの配布場所など詳しくはコチラを要チェック!です!!

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講座「花湖さんの打出のコヅチ」第2回 開催しました

熱心に聞き入る来聴の方々

 今年度第2回目となる滋賀の文化講座「海北友松の事績と檜図について」を6月22日に開催しました。当日は午前中まで強い風と雨が降りしきるあいにくの天候でしたが、多くの方に参加いただきました。会場は、知的好奇心に溢れる方々の熱気で一杯でした。

 本題に入る前に、講師から令和4年度の滋賀県指定有形文化財(美術工芸品)と指定制度の説明がありました。県指定有形文化財(美術工芸品)には、絵画、彫刻、工芸、書跡・典籍、古文書、考古資料、歴史資料の部があり、来聴の方々は県指定制度のあらましや、滋賀県に多くの文化財があることを知って認識を新たにされたようです。

 さて、今回のテーマは近江出身で安土桃山時代の巨匠として知られている絵師の海北友松(1533-1615)です。その生涯は実に波乱に富んでいます。戦国大名の浅井氏の家臣であった父や兄が相次いで戦死しますが、幸いにも友松は東福寺に入寺していたため難を逃れました。武家に生まれた友松らしい逸話として、本能寺の変の後に、明智光秀の重臣で友松と親しかった斎藤利三が処刑されますが、これを不憫に思った友松は刑場から利三の遺骸を奪い、親交のあった真如堂に葬ったという言い伝えがあります。やはりこの時代は歴史小説さながらの熱い時代とつくづく思います。

 講師の古川史隆氏(県文化財保護課兼琵琶湖文化館)は、海北友松の生涯を紹介した後、友松の画業に迫っていきます。友松は幼いころ、東福寺に入寺し、その後絵の才能を見いだされて狩野派に弟子入りしました。そこから才能が開花し、多くの名作を生みだします。今回は令和4年度滋賀県指定文化財となった「檜図屏風」に焦点を当て、絵画様式や制作年代を解説されました。土坡(どは)の描き方、樹幹の表現や金雲の緑の暈し(ぼかし)などの友松特有の描写について興味深い話をされていました。

 なかでも、絵に施された署名の字体と印章の変遷から、檜図の制作年代を慶長7年(1602)前後と推測する近年の研究史を紹介され、来聴者の方々も興味深そうに聴かれていました。古川講師、お疲れさまでした。

 さて、次回の講座は、7月27日(木)特別講座『「世界の記憶」智証大師円珍関係文書の世界』を開催します。定員140名での募集でしたが、受付4日目にして、既に定員に達してしまいました!現在はキャンセル待ちでの受付となっています。開催が楽しみですね。

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目張りされた収蔵庫の中で何が…!?

(きっちり目張り=これ大事!)

 きっちりとテープで目張りされた当館の収蔵庫扉・・・。一体、何があったのでしょうか??

 秘密の作業が行われているの?それとも、何かを封印したの?様々な文化財を保管している当館の収蔵庫。それだけに色々と想像を巡らせてしまいますね。

 この目張り、当館では年に2回程度見かけることがあります。以前にもこの「あきつブログ」で見たという方がいらっしゃるかも(ドキドキ…)。

 実はこの目張り、「文化財保存のしごと」の一場面なのです。この日は、専門の業者さんに来ていただき、収蔵庫内において、定期的な防虫・防カビ対策を行いました。

(モンスターではありませんよ~)

 薬剤散布前には、文化財にとって問題がない薬剤か、散布時に注意する場所はどこか、業者さんと学芸員でしっかり確認します。今回、背の高いほとけさまは、文化財を輸送する際に使う「薄葉紙」をお被りいただき、念のための安全を図ってもらいました。(ちなみに、使用する薬剤の特徴によって、養生が必要な素材や、程度は異なります。)
 そして、ここからはちょっと専門的なお話になりますが、養生ができたら、室内に液化二酸化炭素に薬剤を混ぜたものを噴霧します。すると二酸化炭素は気化し、薬剤成分のみが微粒子状になって空中散布されます。薬剤成分が空気中を沈降するのを待った後、室内の排気を行いますが、あの目張りは、排気までに噴霧したものが外に漏れ出ないようにする役割を果たしていたのです。

 虫やカビは厄介者ですが、意外と私たちに身近な存在です。だからこそ、虫やカビを完全にやっつけることよりも、文化財の置かれている環境をしっかりと把握し、予防の対策を行ったり、人の目で文化財の状態を確認したり、日常的な管理の中で異変に早く気付いたりするほうが、よほど大切なことなのです。

 築60年以上の当館ですが、長く安全に文化財を保管するため、これからも地道な努力を惜しまず、より良い保存環境維持に取り組んでいきたいと思います。

〔学芸員 I 〕

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ユネスコ「世界の記憶」登録記念・特別講座開催します!

 去る5月24日、嬉しい速報が飛び込んでまいりました。滋賀県で新たに2件、大津市の三井寺(園城寺)さまが所有される国宝2件が、「智証大師円珍関係文書典籍―日本・中国の文化交流史―」として、ユネスコ「世界の記憶」の一つに登録されました(国内で8例目)!これを受けて、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」では特別講座を開催いたします!

 7月27日(木)14:00~ 「世界の記憶」智証大師円珍関係文書の世界

 講師には、三井寺の福家俊彦長吏をお迎えし、智証大師円珍(814~891年)が中国・唐に渡り密教の教えを日本にもたらしたその足跡と、今に伝わる貴重な古文書や典籍類について、特別にご講演いただきます。

 突然ですが問題です。国内でユネスコ「世界の記憶」に登録されたのは、今回が8例目。では前回(2017年(平成29 ))に国内で登録されたモノは何だったでしょう・か?・・・皆さん覚えておられます?!(ハイ!はい!!は~い!!!)

琵琶湖図〔部分〕円山応震筆(琵琶湖文化館蔵)
*2019年ユネスコ「世界の記憶」登録

答え:それは「朝鮮通信使に関する資料」です(※1)。17~19世紀の日韓の平和構築と文化交流の歴史を物語る資料として、日韓合わせて計333点(うち、日本所在資料は209点)が登録され、その中の一つとして、当館の「琵琶湖図」も登録されています。

 そのご縁もあって、ユネスコ「世界の記憶」にはとても敏感な当館♡。登録に関わるその苦労、その喜び、決して他人事ではゴザイマセン!県内の文化財が新たに登録されたことは、我らが滋賀県民にとっても大変嬉しいニュース♪何より、1100年以上も昔の資料(しかもその現物!)が、今に受け継がれているその奇跡!長きにわたって文化財の保護と継承に取り組んでこられた三井寺の皆様の御努力に、心から敬服いたします!
 この貴重な文化遺産が末永く受け継がれていくよう、私たちも勉強させていただく機会となりそうです。特別講座ではどのようなお話が聞けるのか、とても楽しみですね。講座へのお申し込みは6月23日からの受付です〔詳しくはコチラ〕。

檜図 海北友松筆(琵琶湖文化館蔵)

現在受付中の講座は、
「花湖さんの打出のコヅチ」第2回
  6月22日(木)14:00~
  海北友松の事績と檜図について

です。こちらは近江出身の絵師:海北友松(かいほうゆうしょう)の生涯と、後に安土・桃山時代の巨匠と言われた友松の作品について、令和4年度新たに県指定文化財となった檜図(当館所蔵)の魅力とともに、詳しく紹介します。どうぞお楽しみに〔申し込みはコチラ〕!

※1:同時に「 上野三碑 (こうずけさんぴ)」も登録されています。

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滋賀の文化財を盛り上げるトモ!

 常日頃、悩んでいることがあります。どうすれば皆さんに、滋賀の文化財の魅力を知っていただくことができるのか!?!・・・これは永遠のテーマでもありまする・・・。

 休館中の当館が出来ること・・・ウェブサイトの更新?他館での展示?文化財講座?いえいえ、それだけではございません。この方たちの助力なしには語れない!「滋賀を盛り上げたい」という共通の思いを抱く同士=友(?)として、頼りにさせていただいているのがマスコミの方々です!より多くの人々に情報を届ける、その機会を作ってくださる力強い味方!(時に激しいツッコミをいただくことも(冷汗)・・・ございますが(笑)。)

 ということで今日は、(公財)滋賀県文化財保護協会が実施するセミナーで、現役記者さんから直接お話をうかがえる貴重な機会が ございましたので、「興味をそそる情報の出し方」そのノウハウを詳しく聞いてまいりました!

 お話しくださったのは、読売新聞の渡邉記者さん。2001年に奈良県のキトラ古墳で「朱雀」が発見された時、取材応援に行って世間が大騒ぎになっているのを目の当たりにし、「千年以上前のモノが現代人に感動を与えている。文化財ってスゴイ、面白い!」と自身も興奮されたのだそうです。それがきっかけで文化財に興味を持ち、幅広く知識を積み重ねてこられたのだとか。その結果、今や押しも押されぬ、本当に頼りになる「文化財担当」記者さんになっておられます♡。キトラ古墳に感謝デス(笑)。おかげでこの滋賀でも、どれほどこの業界を盛り上げていただいたことか!

 お話を聞いていて感じた事は、まず自分が文化財を面白い・楽しいと思っておられること。そのテンションをいかに記事で伝えるか。メイン記事もさることながら、追加取材で「+α」の情報を読者に届ける。記者さんの熱量を感じられる文章は、確かに読んでいて面白い!それがこの記者さんの魅力です(笑)。先ずは自分が楽しむ→楽しさ・魅力を伝える→皆が楽しい♪ですよね。情報発信はこうでありたい!

 この業界、正直なところ「漢字が多くてムズカシイ」と思われがちで、私たちも説明に頭を悩ませるところ。読者の皆さんに分かりやすく興味を持ってもらえる言葉や言い回しなど、こちらも勉強させていただくことが多く、本当に頼りになる存在でした。・・・そう、実は過去形・・・。この度ご栄転で滋賀を離れられることに・・・こここれは、貴重な文化財の流出に匹敵するのでは??!
 頼もしい兄貴が居なくなるのは寂しいですが、また滋賀に戻ってこられた時に「なんや滋賀県、全然面白くないな」と言われないよう(!)、私たちも頑張って楽しい話題を提供していきたいと思います。「やっぱり滋賀県サイコーやな」と言ってもらえるように!!

  ということで突然ですが、楽しい話題です~(笑)♪

 皆さん忘れてませんか?滋賀県内のJR4駅で配られるあのカード!健康推進アプリBIWA-TEKU(ビワテク)を利用して駅の改札窓口でスマホ画面を提示した人に「近江ゆかりの武将カード」をプレゼントするあの企画♪

 月が替わり、6月から貰えるカードの種類が替わりましたよ~!

 おやおや、今話題の「ど○する家康」にも登場したあの武将や、秀吉に仕えて活躍したあの武将もいますね~これは要チェックです!〔詳しくはコチラ

 ちなみに滋賀県立安土城考古博物館さんでは、特別展「信長と家康-裏切る者・裏切らざる者 」が6月4日(日)まで開催されています。歴史が学べるよい機会ですよ~。(しまった!お知らせするタイミングが遅かった! 皆さん急いで見に行ってくださーい!!)

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講座「花湖さんの打出のコヅチ」第1回 開催しました

 「毎回参加してきた最大の最高のお話しでした。有り難う。」
 「杉本哲郎氏と山元春挙のつながりを楽しく興味深く知ることができました。 」
 「タイトル通りに人間的なあまりにも人間的な経緯が如実に語られてました。 」
 「お話がわかりやすく感動しました。ありがとうございました。 」
 「「春江」印から哲郎の心を読み解く研究、すばらしいと思いました。」
 「なぞ解きの面白さ、杉本氏の心の動きがドラマの様に見ることができた。」
 「 涙がでました。ありがとうございました。 」

 いかがです皆さん?!これ、文化財講座に参加した方々の「ご感想」ですよ?!!この満足度の“高さ”が、当講座のウリでございます♪

 ということで、5/24に開催した滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」、 今年もテンション“高め♪”に始まりました !第1回の講師を務めたのは県文化財保護課・井上優(琵琶湖文化館副館長兼務)、今回は「杉本哲郎壁画「舎利供養」に秘められた師・春挙への想い」というテーマでお話しさせていただきました。

 こちらが、杉本哲郎 (1899~1985)氏が描いた「舎利供養」です。杉本は滋賀(大津)出身で、若くして山元春挙に弟子入りをし、15歳の時に「春江」の名を師から与えられました。しかしその後、春挙の門人団体・早苗会の幹部(兄弟子たち)と画法をめぐって対立、24歳の時に師の元を去り、「春江」の名を捨てて「哲郎」の名で活動します。一方で、「先生(春挙画伯)の真の後継者は僕」であるとインタビューに答えるなど、師に対する尊敬の念は晩年まで変わらずに持ち続けます。兄弟子たちとの確執は深まり、春挙の逝去に際して葬儀参列も阻まれる杉本。師に別れを告げられなかった深い悔恨、尊敬する師への敬意。その想いが50歳にして描き上げたこの巨大壁画に込められている・・・「杉本哲郎魂の傑作」と、講師は言います。

(スライドは杉本が産業文化館で壁画を描いている写真)

 壁画は当初「来迎図」として、県庁の隣にあった産業文化館(旧武徳殿)の壁に描かれました。来迎とは、阿弥陀仏が諸菩薩とともに死者を迎えに来て、極楽浄土へと導くことを意味します。ですので本来、観音・勢至菩薩が立ち並ぶその間(中央)には阿弥陀如来が描かれるべきところ、本図は舎利塔が描かれています。更にはその真下に長らく使わなかった「春江」号の印。これは杉本が、「春挙の真の後継者として、師を鎮魂供養する画墓」とすることを意図したのではないか、と講師は推察します。それこそがこの壁画が描かれた真の意味だと・・・。


 うぅ、皆さまドラマです(涙)。壮絶なドラマです!1時間半の講座があっという間で、講師が熱く語る言葉をとおして、画家・杉本哲郎の揺れ動く心を旅をしてきたかのような気分です。
 参加された皆さんも同じ思いだった?それが冒頭にご紹介した「感想」に表れているのではないでしょうか?
 

 このたびの講座、この大きな壁画の中のたった4cm四方に注目し、作者の深い想いを読み解いた講師の洞察力に、感想:「大満足」をあげてもいいですか?(笑)。熱弁お疲れさまでした!講師も語り尽くしてこの笑顔です(笑笑)。

 さて、次回の講座は、
  6/22(木)第2回「海北友松の事績と檜図について」
を開催します。更に!会場では『7/27(木)に特別講座』が予定されているとのアナウンスが・・!・・その内容とは?・・・➡【コチラをチェック!】!!

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