カテゴリー別アーカイブ: 学芸業務

鎌倉時代の仏像発見! & 文化財保護法成立の歴史に関する資料発見!【琵琶湖文化館研究紀要・発刊】

 今年もこんな季節になりました(→)。
 皆さま、いかがお過ごしですか?? この時期の文化館と言えば・・・そうです!一年の総まとめ!調査研究の成果をまとめた「研究紀要」の発刊です!

 当ブログを定期購読(?!)いただいている皆さまであればお気付きでしょうか?1月からこちら、ブログの更新回数が若干少なくなっていたことを・・・。それもこれも各担当が執筆活動に勤しんでいたため!(モチロンそれだけが理由ではありません(笑)。)その成果は?出来栄えは??・・・おかげさまで今年度 仕上がりは上々、充実の内容となっております!

玉林寺(守山市洲本町)所蔵 銅造薬師如来坐像について
 令和6年に実施された調査の結果、鎌倉時代の希少な金銅仏として確認された、玉林寺の銅造薬師如来坐像。科学的調査の結果とともに、本像について詳細に報告 。

衆議院法制局試案・重要文化財保護法案要綱について
 ガリ版刷りの「重要文化財保護法案要綱」の発見および翻刻。当館初代学芸員の宇野茂樹氏(1922~2018)による書き込みにも触れ、文化財保護の歴史の一端を振り返る。

◆【研究ノート】休館中の琵琶湖文化館における収蔵環境管理について
 築64年の建物、17年休館中の当館における文化財収蔵環境についてまとめる。長期休館に関わる課題を中心に、現状とその対応を紹介。

【研究ノート】 琵琶湖文化館の建設費協力箱について
 昭和34年(1959)に県立滋賀会館に設置された、当館の建設資金を募る「建設費協力箱」について、昭和期の寄付活動や募金箱とともに紹介。

  ◆【令和6年度年報】活動報告など

 何度もくじけそうになりました。発行が危ぶまれた年もあります。とはいえ、先輩から引き継がれてきた「琵琶湖文化館 研究紀要」発刊の伝統を、博物館として調査研究の成果を皆さまに披露する、この機会を、その意義を、こうして継続して来れたことに感謝したい・・そんな第41号でゴザイマス(ただし苦労も多かった~(笑))。

 当館の「研究紀要」は、県内の図書館はもとより国会図書館や市町教育関係機関、博物館などにも送付しております。是非皆さま手に取ってご覧くださいませ 。

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5館連携★合同記者発表会!

2025/03/21 滋賀県庁にて

 3月21日に「県立5館ミュージアム合同記者発表会」が開催されました!安土城考古博物館、陶芸の森、県立美術館、琵琶湖博物館、そして当館:琵琶湖文化館の、県立5館の連携を発信するため、このたび初めて開催。5館の館長・副館長が集まり、記者に向け令和7年度の取組を発表しました。

 記者発表会では、はじめに5館それぞれが、主に展覧会のテーマについて紹介しました。

 当館からは井上優副館長が出席。令和7年6月3日(火)~8月3日(日)に安土城考古博物館にて開催する、地域連携企画展「明智光秀と近江」についての発表です!また、新しい琵琶湖文化館についても、県民と一緒に盛り上げていきたい「県民フォーラムⅤ」をはじめとする様々なイベントも、決まり次第発表していくと説明いたしました。

 発表会の後半は、県立美術館の保坂館長(ディレクター)がモデレーターとなり、フリートークを開催。実はドレスコードがあるとのこと(気づかなかった!)。琵琶湖をイメージして、みなさん青いものを身にまとっているそうです♪

 フリートークでは、保坂館長が話を振っていきながら、5館の多彩な連携や展覧会の内容について、詳細なお話がありました。当館の井上副館長へは、来年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟」との関連について保坂館長から話が振られ、井上副館長は「琵琶湖文化館でも何らか関連付けて発信したい」と発言が!あきつブログでも「豊臣兄弟」を扱うことになると思いますので、どうぞお楽しみに♡

 さらに記者からは、
 「なぜ今、県立5館の合同記者発表に至ったか?」
 との質問が!

回答その1「バブルの時代ではバチバチのライバル関係(衝撃ですね💥)になることもあったが、連携が重視されてきた昨今の情勢もある」
回答その2「分野の異なる博物館が連携した展覧会やイベントを開催することで、いろいろな視点から、滋賀県のこと・琵琶湖のこと・文化財や歴史のことが分かってくる」

 県立5館が連携していくことで、より多視点で魅力的な滋賀を発見できる…!素敵ですね✨

 そして5館のつながりを見せられる何かを作ろう!?5館の年間スケジュール表を○○で作ろう!??など、館長たちのその場限りの自由な発言に、笑いに包まれる場面もありました(笑)。

 とてもなごやかな記者発表会となりました。保坂館長もおっしゃっていましたが、県内外・国内外の人に、ぜひ県立5館を周遊していただきたい、万博等で大阪や京都が混雑しているときに、滋賀に来てホッとしていただきたいと思います。また、歴史だけではなく、美術や自然など、様々な入口となる館があるので、1館行ったときに「もう1館行こうかな」というきっかけづくりになればという発言もありました。

 当館は休館中ではありますが、令和7年度も地域連携企画展に取り組むほか、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」や、新しい琵琶湖文化館に関するイベントも様々に予定しております。詳細は随時発表いたしますので、ぜひご参加お願いいたします♪

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県民フォーラムの結果を公開!

 あきつブログをご覧のみなさま、2月11日開催の県民フォーラムでは、ご参加どうもありがとうございました!

 残念ながらお越しいただけなかった方もいらっしゃるかもしれませんね😢そんな方にも県民フォーラムの内容をお届けしたいと思います!

 このほど、県民フォーラムではどんな議論があったか?という結果をまとめたものを、滋賀県のHPにて公開しました。ページの上の方にあるリンクから、PDFをご覧くださいませ♪

 PDFでは、各登壇者の発表をまとめております。そしてゲストスピーカーの大津市歴史博物館・木津副館長からの質問に応じた議論や、会場からの質問への回答も掲載しております。紙面の都合から割愛させていただいた点は多くありますが、ブログとあわせてご覧いただくと、当日の雰囲気が伝わるのではないかと思います。 

 あと、サラッと書いていますが、【会場特設コーナー】の欄も注目です!当日、新文化館への寄付の受付もしたのですが、な・な・なんと、

   寄付者数:34名
   寄付金総額:53,021円!!!

という、たくさんのご寄付をいただきました。みなさま、本当に、ほんっと~~にありがとうございます!!!みなさまからいただいた寄付金は、大切に使わせていただきます。
 また、来年度以降もこうした寄付受付の事業を進めていく予定ですので、引き続きのご協力をよろしくお願いいたします。

 さてPDFに戻りますと、後半はご参加いただいたみなさまが答えてくださったアンケートのまとめです。アンケートを拝読していると、応援メッセージが多く、感激!!!今後も県民フォーラムを開催してほしいという声もたくさんいただきました。

 みなさま本当にありがとうございます。あたたかいお言葉を励みに、来年度もはりきっていきますので、どうかよろしくお願いいたします✨

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文化館の収蔵品・目に留まる!?

  突然ですが、当館のお仕事の一つに、出版社やテレビ局からの依頼を受けて、画像データを提供するお仕事があります。さまざまな媒体を通して、当館の収蔵品が皆さまのお目に留まる・・・機会も意外と多いのですよ!?気付いておられますかね~♪今日はそんなお話です。

 まず、画像提供で今年度一番依頼が多かったのは・・・コチラ「山法師強訴図」です。

山法師強訴図(部分) 本館蔵

 受験を頑張ってこられた皆さんは、見覚えアリ??山法師(武装した僧侶・僧兵)たちが、神様の威光をかざして神輿をかつぎ、朝廷や幕府に無理やり訴えを通そうとする「強訴(ごうそ)」の場面が描かれています。
 平安時代後期、強大な権力を持つ白河法皇が、朕(自分)の意のままにならぬものとして「賀茂川の水、双六の賽、山法師」の三不如意を挙げたという有名なエピソードがありますが、実際の画題として描かれることは珍しく、本図は貴重な絵画資料として、教科書や大学入学試験の問題集などによく掲載されます。
 

 勉強がはかどらなくて、ついイラっとしてしまったら、このオジサマ・・・否・・・僧兵たちのお顔に注目してみましょう。その表情はちょっぴりユーモラス(?!)・・・きっと肩の力が抜けて、勉強がはかどりますヨ(笑)。この僧兵を見かけたら“要チェック”です!
 

 そしてもう一つご紹介したいのがコチラ、円山応挙が描いた「狗子(くし)図」。見てください!このモフモフ♡この愛くるしさ、見過ごすことなんて出来まセン!

狗子図 円山応挙筆(部分) 本館蔵

 ということで、近年大注目の文化館のワンコ、「日本のことばずかん いきもの」(講談社発行)や、日本美術・日本文化を紹介する雑誌「和樂 4・5月号」(小学館)などにも、掲載いただいております。

 
 
 
 
 
 

 日々慌ただしく過ごす皆さまに、ほっと一息、気持ち和ますお時間を・・・ただただ、この可愛さを愛でていただきたい、文化館のワンコデス(笑)。

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比べてみよう☆琵琶湖文化館着工式の今昔

 晴天の2月20日、新しい琵琶湖文化館の建築工事着工記念式典が執り行われました。関係者50名ほどが参列し、晴れやかな場となりました!

 そういえばこの光景、どこかで見たことがあるような・・・?そうです!現在の琵琶湖文化館の建設工事課程の『写真アーカイブ』と『動画』です。65年前の昭和35年4月18日に、当時は「滋賀県観光文化館」という名前で予定されていた当館の起工式が行われました。
 さてさて、65年前の起工式の様子を、昨日の写真と比べてみませんか?

●会場
 今 回:紅白幕つきのテントが設置され、その中に祭壇や関係者席を設置。
     地鎮祭に使われることが多いという青白幕もありました。
 65年前:埋め立て地(この前年に埋め立て。現在の文化館掲示板あたりか)に祭壇を築き
     ました。

●看板
 今 回:大きな看板が設置されました。
 65年前:今回よりさらに大きな看板です。紅白で飾られていたのでしょうか。

●四隅祓
 今 回:建物が建つところが紐で縄張りされています。その四隅をお祓いし、清めます。
 65年前:湖上に縄張りが!神主は船に乗り、お祓いしました。

●地鎮行事
 今 回:「エイエイエイ」と発声する刈初の儀をはじめ、砂山を用いた地鎮行事。
 65年前:湖上での杭打ち!木槌で杭を打ち、玉串を奉納しました。

●式典の後は・・・
 今 回:メディア(新聞8社、テレビ2社)による囲み取材。
     琵琶湖C&Sと滋賀県が、事業にかける意気込み等をお話ししました。
 65年前:お供えしたお神酒や食べ物を下げて、同じものをいただく直会(なおらい)。

 うーん、時代と場所が違うので(特に場所:地上と湖上!)、いろいろ違って面白いですね♪65年前にはこの起工式のほかにも、「基礎奉鎮祭」「立柱祭」「定礎祭」「上棟祭」「蜻蛉上翔祭」「資材感謝祭」、そして「竣功報謝祭」といった祭礼が逐次行われたそうです。

 新しい琵琶湖文化館では65年前のような多くの式典はないんじゃないか?と思いますが、今回の着工記念式典を経て、3月からいよいよ着工です!琵琶湖文化館Xでは定点観測をしておりますので、工事の進捗もチェックいただけます♪

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みなさまに御礼♡県民フォーラム開催しました!

 2月11日、「新しい琵琶湖文化館に関する県民フォーラム」を開催しました!朝は小雪のちらつく寒さでしたが、会場:コラボしが21は熱気あふれ、みなさまに高いご関心をいただいていると感じました。本当にありがとうございます♪

 登壇者は、新しい琵琶湖文化館のPFI事業を担う琵琶湖C&Sと滋賀県の各担当者。そもそもPFIとは?や、建築設計の概要をはじめとする5つのパートに分け、新しい琵琶湖文化館がどんな館になるのか、具体的な説明がありました。当館からは和澄主任学芸員が登壇し、新しい館の展示室や展覧会の概要などを中心にお話しいたしました。

 フォーラム後半は大津市歴史博物館の木津勝副館長をお招きしたトークセッションです。木津さんからは、大津市歴史博物館と当館は、連携相手かつ扱う分野が重なるライバル関係(!)という前置きから始まり、各パートに関して質問がありました。木津さんからの質問に、「うんうん」と頷くご参加のみなさんの姿も印象的でしたが、いかがでしたでしょうか ?
   

 木津さんからは、終始なごやかな雰囲気でご質問いただき、登壇者たちと語り合っていただきました。新しい琵琶湖文化館の開館がとても楽しみだと大きな期待をいただき、あわせて登壇者をはじめこの事業に携わる人々が、所属の垣根を飛び越えて、チームとして楽しみながら取り組んでいることが頼もしい、とコメントいただきました。
 みなさまにもそんな雰囲気が伝わっていたら嬉しいです!会場からの質問タイムもあり(時間の都合でご質問いただけなかった方は申し訳ありません・・・)、ご参加いただいたみなさまには御礼申し上げます!

 さて会場では、フォーラムの前後でお楽しみいただける特設コーナーを設置しましたが、いかがでしたか?フォトスポットではふきだしパネルと滋賀県フレームをお持ちいただき、新文化館パネルや仏像バナーと一緒に写真撮影ができました。寄付受付コーナーでは、現在の琵琶湖文化館建設時の募金箱にお金を入れていただけ、さらに1000円以上のご寄付をいただいた方はガチャガチャも!ガチャガチャを回して当たる絵はがきは、種類多めに持って行ってしまったかなと思いましたが、選ぶのも楽しんでいただけたように思います。

関係スタッフ一同より 感謝♡御礼

 また、今回アンケート等で、「開館後のボランティアの予定は?」という、とても嬉しいご質問を多くいただいております。まだ詳細は決まっておりませんが、開館後はボランティア組織を作り、活動いただく予定をしております。決まりましたら、みなさまにご案内しますので、ぜひご参加ください!
 登壇者の発言にもありましたが「新文化館を使いたおしてほしい!」「ボランティア活動をとおして使いたおしてもらえる館にしたい!!」そんな思いで、事業を進めております♪

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新しい琵琶湖文化館どうなった?➡「県民フォーラムⅣ」開催します!

 令和7年、新しい年が始まり早1ヶ月。新しい琵琶湖文化館が大津市浜大津に建設されるということを、そろそろ皆さんにも知っていただけた(?)頃合いかと・・・思っております。でも「具体的にどのような?」というところまでは、皆さんまだご存じないのでは?・・・・・(ドキッ!そりゃそうだわ、まだ言っていない!!)

・・・ ということで!「新しい琵琶湖文化館に関する県民フォーラムⅣ」を開催します♪【チラシはこちら】

新しい琵琶湖文化館に関する県民フォーラムⅣ
  ~近江の文化財でひろげる滋賀の魅力~

[日時]令和7年2月11日(火・祝)14:00~15:45
    ※開場13:15、閉場16:30
[場所]【会場】コラボしが21、3階大会議室(200名)
    【配信】zoomウェビナー (400名)
[ゲストスピーカー]
  木津 勝 氏 : 大津市歴史博物館副館長(学芸員)
[登壇者]
  平島 亘:事業統括(株式会社丹青社)
  津田 真 : 展示企画・設計チームリーダー(株式会社丹青社)
  砂川 亜里沙 : 開館準備・文化観光チームリーダー(株式会社丹青社)
  戸川 勝之 : 建築設計チームリーダー(株式会社安井建築設計事務所)
  雲出 泰弘 : 滋賀県文化財保護課参事
  和澄 浩介 : 滋賀県立琵琶湖文化館主任学芸員
[司会]田澤 梓:滋賀県立琵琶湖文化館主任学芸員

 令和9年12月の開館を目指し、まもなく着工を迎える新しい文化館。その建設から開館後の管理運営まで行う特別目的会社(SPC)「株式会社琵琶湖C&S」と滋賀県が、建築や新しい機能など、より具体的になった姿についてご紹介します。
 このフォーラムでゲストスピーカーにお招きするのは、大津市歴史博物館の木津勝副館長。滋賀の魅力や文化館の将来について、語り合われるのも楽しみです♪
 会場には特設コーナーもご用意して、皆さまをお迎えします。参加をご希望の方は、下記【しがネット受付サービス/外部にリンク】よりお申し込みください。

 【会場コラボしが21 で参加】   or   【オンライン配信 で参加】

 詳しくは、
  滋賀県文化スポーツ部 文化財保護課 文化財活用推進・新文化館開設準備室
  電話番号:077-528-4681
  FAX番号:077-528-4833
  メールアドレス:bunkatsu@pref.shiga.lg.jp
まで、お問合せください。

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開催中「速報!!再発見 明智光秀の寄進状!」お見逃しなく

 現在、滋賀県立安土城考古博物館で開催中の「速報!!再発見 明智光秀の寄進状!」はもうご覧いただいてますでしょうか。

 この明智光秀の寄進状、大津市にある聖衆来迎寺から再発見されたものです。このたび、滋賀県立琵琶湖文化館へ新しく寄託(作品や史料をお預かりして保管すること)となりました。
 詳しくは、当館のホームページや、あきつブログでも既にご紹介済みですが、光秀と地域の寺院との関係を伺い知れる貴重な文書を、是非この機会にご覧いただきたいと思い、安土城考古博物館にて速報展を開催いただいています。

 ということで遅ればせながら、あきつくんが安土城考古博物館へ行って参りました!

 展示場所は望楼下の展示コーナー、常設展と共にご覧いただけます。
 満を持して見に来たけれど、文書のどこを見ればいいか分かるかな…なんて書いてあるか分かるかな…と実はドキドキしていましたが…

 
 展示を見てほっとしました。古文書初心者のあきつくんにも嬉しい、分かりやすい解説が!!
 どんな文字が書いてあるかを解読したものに加え、現代語訳も付けてくださっています。そして、まめのぶくんからの解説まで!安土城考古博物館の学芸員さんに感謝です…!

 解説の文字と見比べながら、また紙がどんな質感や大きさなのか、昔の人がどんな筆致で文字を書いていたのかなどを見られるのは、実物ならでは🌟ですよね。

 特別公開は、2月4日(火)までとなっています。〈※2月3日(月)は休館〉
 
 ちなみに、安土城考古博物館では、令和7年3月18日からのリニューアルオープンに向けた準備を着々と進めておられるところでしたよ。こちらもHPやSNSの情報を要チェック!です!

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安土城の近江富士

 新年明けましておめでとうございます🌟本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 ところで、みなさまはどんな初夢をご覧になりましたか?「一富士二鷹三茄子」と言いますが、これは初夢に見るものの中で縁起が良いものを順に挙げた言い方で、富士山を夢にみるのが最も縁起が良いということになるようです。

 さて、我らがご当地:滋賀で「富士」と言えば三上山!三上山は野洲市に位置しており、滋賀県南部ではどこからでも見えるといっても過言でないランドマーク的存在です。紫式部が「打ち出でて 三上の山を 詠れば 雪こそなけれ 富士のあけぼの」(打出の浜から三上山を眺めれば、雪こそないが富士山の朝のよう)と詠んだと伝わるように、美しく山裾が広がる佇まいから「近江富士」とも呼ばれています。

 そんな三上山、あの織田信長の居城・安土城の障壁画にも描かれていたそうですよ~。天正四年(1576)の築城開始からたった6年で焼失してしまった安土城ですが、天守内部は日本美術史を代表する天才絵師・狩野永徳らが制作した障壁画で彩られていたことがわかっています。

 さて、いくつかの文献には狩野永徳が安土城「書院」の「一の間」に三上山図を描いたことが記されています。永徳が描いた三上山図の内容を要約すると以下の通り…

  • 昼に絵が描かれた戸障子を開けば実際の三上山を眺めることができ、夜に戸障子を閉じれば絵に描いた三上山を見ることができる。
  • 絵は三上山から「尾崎」(唐崎か?)にかけての風景を描いていて、昼に戸障子を半分開けば実際の風景と絵の中の風景がつながって見える。

・・・なんと!安土城から見える三上山を絵に描くことで、一日中三上山の風景を楽しめるようにしてしまったと?!!
 現代でも高く評価される狩野永徳。絵の上手さだけでなく発想も天才的だったのかもしれませんね♪この絵に感心した信長は、当時は「源四郎」と名乗っていた永徳に「法印(仏教で高位の僧に与えられる位で優れた画家に与えられる)」の位を授け、「永徳」の号を与えたとも言われます。

 現在も近江富士として親しまれている三上山。信長が眺め永徳が描いたことに想いを馳せると、当館から見える何気ないいつもの風景も特別に感じられます。これはきっと良い年明け♡♡

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明智光秀寄進状 再発見!当館副館長が記者会見に臨みました!

 皆さま、もうご覧になっていただけましたよね?【速報】〜所在不明古文書の再発見〜を!!
 大津市・聖衆来迎寺にて再発見された、明智光秀の寄進状
当館が調査したところ、天正5年(1577)に坂本城主であった明智光秀が聖衆来迎寺に発給した古文書の貴重な原本であることが判明しました。昨日12月19日に滋賀県から発表されたこのニュースは、新聞やテレビを賑わせました!

 さて、この発表をしたときの記者会見の模様をご紹介したいと思います✨なんと14社もの新聞社やテレビ局が集まった会見では、寄進状の実物を前にして、井上副館長から30分ほどの概要説明。さらに10名近くの記者から質問があり、このニュースへの注目度の高さが感じられるものでした。

 「昨年度の西郷隆盛書簡の再発見など、古文書の再発見が続くことを踏まえて、井上副館長はどんな思いか」という記者からの質問には、「古文書など文化財への興味を高めていただければ嬉しい。そして何か古そうなものがお家などから出てきたら、県や市町、博物館にご相談いただきたい」。文化財の保護を願う井上副館長のコメントが素敵でしたよ!

 その後は寄進状に近づいてのカメラ撮影(井上副館長も映りました!)。撮影中も、様々な質問が飛び交い、深くご取材いただけたのではないでしょうか?

 寄進状は当館に寄託され、そして年明けには安土城考古博物館にて展示される予定です✨

「速報!! 再発見 明智光秀の寄進状!」
【会場】滋賀県立安土城考古博物館
   (近江八幡市安土町下豊浦6678)
【会期】令和7年1月7日(火)~2月4日(火)
    *休館日:月曜日
   (月曜日が祝日・休日の場合は翌日)
【入館料】大人500円(400円)
     大学生320円(260円)
    *()内は20人以上の団体

 安土城考古博物館は、1月から高校生の入館料が無料になります!ぜひお気軽にお越しくださいね~!

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≪NHK大河ドラマ「光る君へ」と近江の文化財≫記事まとめ

 いや~、終わってしまいましたね、NHK大河ドラマ「光る君へ」。12月15日放送の最終回は、まひろの自由への旅立ちにくわえて武士の台頭を思わせるシーンで締めくくるという、壮大な時の流れを感じさせるものでした。

 さて、「光る君へ」に近江の文化財関係が出てきた回は、毎回このあきつブログで記事にしてご紹介してきました。その数、な・なんと17回!!!これをまとめれば、紫式部や平安文学と近江の文化財の関係を概観できるかもしれません!?それではいってみましょう~!

 おすすめ記事はたくさんありますが、中でも藤原道綱母も文化館の近くに来ていた!でしょうか。当館の掲示板をご覧いただいた方が、詳しい『蜻蛉日記』の内容についてお尋ねくださったこともありました。

 似たところでは、和泉式部も打出浜に来ていた!もオススメ。京と石山を二往復する童に思いを馳せてしまいます。

 当館収蔵品をご紹介した記事では、当館源氏物語画帖で楽しむ「帚木」と「空蝉」が変体仮名のお勉強もできるのでオススメです。ドラマを思い出しつつ、あきつブログもお楽しみいただければ幸いです♪

 来年のNHK大河ドラマは、蔦谷重三郎が主人公の「べらぼう」。江戸が舞台ということで、滋賀の文化財が登場することは少ない気がします ・・・が、これからも時機を逃さず滋賀の文化財の魅力をご紹介していきたいと思います!

 

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文化館周辺の水鳥と館蔵品のご紹介

 12月のある日の朝、文化館の中池に、あまり見かけない水鳥が一羽・・・。

 冬に中池に来る水鳥といえば、めっちゃいっぱいいるオオバン、こちらもいっぱいヒドリガモ、数は少ないけれども割といるマガモ、くらいでしょうか?

 文化館の周りでは、もう少し多くの種類の水鳥が冬を越しますが、あまり見かけないお顔です。特徴的なのは長くて平べったい嘴。中池の水草が浮いているあたりで、しきりにくちばしを水に潜らせながら、ごはんを食べているようです。どんどん食べて~!

 

 調べてみるとこの水鳥、ハシビロガモというカモ科の鳥のようです。ハシビロガモのオスは、緑光沢の頭(写真では分かりづらいです)、胸は白く、脇から腹は赤茶色。「嘴広鴨」という名前のとおり、他のカモ類より幅広のくちばしを持っており、プランクトンを漉し取って食べるそうです。どんどん、どんどん食べて、琵琶湖の美化に貢献を~!!!♪

 さて、文化館の館蔵品から、水鳥をかたどった品をご紹介します。安土城考古博物館で開催した地域連携企画展「琵琶湖文化館の『博物誌』 浮城万華鏡の世界へ、ようこそ!」(令和3年2月~3月)でご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 それがコチラ↓、うばが餅焼の香合です!

 ころっとしていて、かわいらしい水鳥を表していますよね!うばが餅焼きは、東海道と矢橋道の分岐点・矢倉村(草津市)にあった茶屋「うばがもちや」で、名物のうばがもちを載せて給仕するために焼かれたお皿がはじまりとして知られています。この水鳥、きっと琵琶湖の水鳥?くちばしが長いので、もしかしてハシビロガモ・カモ?うーん、ちょっとちがうカモ??

 朝に一心不乱にごはんを食べていたハシビロガモは、おなか一杯になったのか、昼過ぎにはぐっすり寝ていました。起きたらまた、どんどん食べてってな!

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「光る君へ」で打出のコヅチ≪仏像の基本≫を思い出す

 NHK大河ドラマ「光る君へ」。いよいよ最終回も目前ですね!12月8日放送回「哀しくとも」では、黒木華さん演じる源倫子が、吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)へ、穏やかなのにキョーレツなひと言を放ちドラマ終了…となる、視聴者を「ここにきてついに!?」と困惑&ワクワクさせたシーン、すごかったですね。。最終回までどうなるのか目が離せません!

 ドラマの視聴後、最終回の次回予告と「光る君へ紀行」を見ていると、「あれ…?これたしか、今年度の打出のコヅチで聞いたかも…?」

 次回予告では藤原道長らしき人が、丈六坐像らしき仏像の前で横たわるシーン。また、「光る君へ紀行」では、道長が土御門殿(つちみかどどの)の隣に建立したという法成寺(ほうじょうじ)の解説です。

 もう半年前になる6月に開催した、今年度第2回目の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」、和澄主任学芸員が講師となった「目からウロコの仏像の基本」(6/21付けブログ)。ここに道長による仏像造立の話がちょろっと出ていたのを、皆さん覚えていらっしゃいますか?
 ・・・講座を振り返ってみますと、上記リンク先のブログにもあるとおり、この講座で講師が最も伝えたかったことは・・・

「仏像を造るとはどういうことか」、そもそも形のない「仏」は、
  ①「いつか」(時代)     
  ②「誰かが」(願主)
  ③「何かのために」(願意)
  ④「誰かに」(仏師)
造らせなければ、「仏像」としてこの世にあらわれることがありません。

 
ということからすると、この次回予告に登場した丈六仏は・・・、
  ① 平安時代中期に
  ② 藤原道長が
  ③ 極楽往生のため
  ④ 仏師・康尚(こうじょう)に
造らせた
、という、≪仏像の基本≫が分かりやすくなっている事例なんですね✨

 当館の人気講座「花湖さんの打出のコヅチ」は勉強になりますね~(自画自賛💛)!打出のコヅチは、来年度🌟も引き続き開催する予定(🌟🌟)ですので、どうぞお楽しみに!

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「滋賀限定!」感謝!御礼!

 9月21日から東近江市の観峰館にて開催しておりました地域連携企画展「滋賀限定!近江ゆかりの書画―古写経から近代の書まで―」、11月24日に終了いたしました。会期中、多くの方々にご覧いただけましたこと、心から御礼申し上げます 。

 昨日は会場の撤収作業をおこない、本日無事、出陳作品が当館に戻ってまいりました。「終わりましたね・・・」「終わっちゃいましたね・・・」。たくさんの作品が並べられていた展示室。名残惜しくも作品を全て取り出すと、心なしか室内の温度が少し下がったような気がいたしました。やっぱりちょっぴり寂しいのデス・・・。

 今回、会場となった特別展示室は、2015年にオープンしたとても新しい展示室です。国宝や重要文化財を展示することが出来る文化庁認定の「公開承認施設」として整えられた設備は、これから新しい琵琶湖文化館を開設しようとする私たちにとっても、非常に参考になるもので、いろいろと教えていただく事も多く、実りある展覧会となりました。
 何より、開催にあたり格別のご支援・ご協力をいただきました観峰館の皆さまには、心から感謝申し上げます。本当に有り難うございました。

 これからも様々なかたちで連携し、滋賀の文化・芸術を盛り上げるべく、共に頑張っていければと思います。とても良いご縁をいただきました。有り難うございました!(楽しかったです🌟)。

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「光る君へ紀行」に三井寺が登場!

大津市/三井寺金堂

 NHK大河ドラマ「光る君へ」放送終了後の「光る君へ紀行」。11月24日放送回では、三井寺が登場しました~!

 「光る君へ紀行」では、まず三井寺金堂とそのすぐそばに建つ閼伽井屋とともに、「三井寺」の由来について紹介。(ちなみに金堂はVR拝観ができることをご存知でしたか?三井寺文化遺産ミュージアムでは、おうちに居ながらにして三井寺を拝観できます☆)

密教の奥義を伝える伝法灌頂の道場である
唐院灌頂堂

 そして、紫式部の家系は三井寺と縁が深かったことについても紹介。紫式部の父・藤原為時は晩年に三井寺で出家し、また親戚の中には阿闍梨(あじゃり:高い資格を持つ僧侶)となった人もいました。三井寺の宗祖・智証大師円珍から続く、伝法灌頂の職位を受けた阿闍梨の系図「寺門伝法灌頂血脈譜」の中に、その親戚の名があることも番組内で紹介されましたね!

 当時の三井寺は女人禁制だったというので、紫式部が訪れたことはなかったかもしれませんが、中宮彰子に仕えていた時の日々(1008年秋~1010年正月)を回想的に振り返った『紫式部日記』には、三井寺の僧侶が宮中で行う仏事の様子なども書かれています。僧侶であった親戚と言葉を交わすこともあったかもしれませんね。

 「光る君へ紀行」の最後は、三井寺観音堂付近から琵琶湖をのぞむ映像です。文化館は見えるかな?どうかな?と思いましたが、ザンネン・見えないのでした。。。(文化館が見える場所については 文化館写真集 「実は見えていたッ!」シリーズもチェックしてください♪)

 さてさて、ドラマの方を思い出してみますと、第45回「はばたき」は、吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)が『源氏物語』を書き終え、また柄本佑さん演じる藤原道長に別れを告げると、未練たらたらの道長・・・、そして出家を決意した道長の渾身の剃髪シーン・・・、さらに旅に出たまひろは海岸を飛び駆け回り、大宰府では運命の再会・・・。と、かなり盛りだくさんの内容でした!


 残すところあと3回。さすがにもう滋賀県の文化財関係は出てこないんじゃないかな?と思いますが、ラストに向けてさらに盛り上がっていくドラマの展開が楽しみです!

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滋賀の文化財講座『花湖さんの打出のコヅチ』第7回 近江の書画を語る!

 晴天に恵まれた11月13日(水)、東近江市の観峰館にて、今年度最終回の滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」を開催しました✨

 今回は解説付き鑑賞会です!!観峰館にて開催中の地域連携企画展「滋賀限定!近江ゆかりの書画―古写経から近代の書まで―」を、担当学芸員の解説を聞きながら、じっくり鑑賞していただきました。

 また今回は!展示室の照明を落とし、展示ケースの反射を最小限にするという特別仕様!!近江ゆかりの書画の繊細な筆遣いをじっくりとご覧いただけたのではないでしょうか♪

  


 こちらは、後期展示からお目見えした東近江市指定文化財「不動明王三童子像」(乾徳寺所蔵)を当館の絵画担当:萬年学芸員が、詳しく解説しているところです。修理後初の公開となる本品。中央に不動明王、さらに三人の童子が描かれています。
 通常不動明王は制多迦童子(せいたかどうじ)と矜羯羅童子(こんがらどうじ)の二人の童子を従えていますが、こちらの作品はこの二人に蓮華童子(れんげどうじ)を加えたちょっと珍しい例です。
 と、ここで登場するのが、井上副館長のスケッチブック解説です(笑)。本人は「全然上手ではない…」と恐縮しますが、かわいいイラストがとっても印象に残り、皆さんも蓮華童子の存在を忘れることは出来なくなったのではないでしょうか?。分かりやすく伝えたいという副館長の思い・・・毎回スケッチスキルが向上しているように感じるのは気のせい??(笑)。 見習いたし後輩学芸員((笑笑))。

 観峰館の寺前公基学芸員には書のおもしろさを存分に語っていただきました! 例えば、展示室正面でどっしりとお客様を待ち構える、二点の屏風。むかって左手の屏風は、明治の三筆のひとり、中林梧竹の「草書五言詩屏風」(琵琶湖文化館所蔵)です。曰く、「中林梧竹は絵もよく描いた人。絵を描く際の「視点」を取り入れた作品づくりをしているから広がりのある字を書くのだろう」とのこと。作者の人となりを知ると、作品をより深く味わうことができますね✨琵琶湖文化館の隠れた名品を熱く!丁寧に!解説していただき、寺前学芸員には感謝の気持ちでいっぱいです😝。(右手の副島種臣「行書李白詩屏風」についてはこちら…収蔵品紹介 :11月23日[13:30~要予約]開催 の土曜講座で更に詳しく深堀りします!!)

 「近江ゆかりの書画」は、会場:観峰館(東近江市)にて11月24日(日)までの開催です!展覧会をより深くお楽しみいただけるよう、クイズチャレンジシートも用意しましたので、ぜひぜひご活用ください!!

 さて、名残惜しいですが、今年度の滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」はこれにて終了です💧お越しくださったみなさま、本当にありがとうございました。みなさまに楽しんでいただけるよう、これからも職員一同がんばってまいります!!それでは、来年度もお楽しみに…!(あ!宣言しちゃった🌟🌟🌟)

2024.11.13(水)観峰館にて

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NHK「光る君へ」と、「横川の僧都」モデルの源信さん♪

 NHK大河ドラマ「光る君へ」、11月10日放送の第43回「輝きののちに」では、柄本佑さん演じる藤原道長の、人間関係のほころびが描かれる回でした。道長のちょっと雑な対応に、ロバート秋山さん演じる実資が苦言を呈する場面には、ビシッとした空気が流れていましたね。最終回まで残すところあと5回、これからどうなっていくのか気になります!

 ドラマでの描かれ方が気になると言えば、吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)による『源氏物語』の執筆も気になります(はたして最終巻の執筆はどのように描かれるのか・・・!?)。第43回放送回では、光源氏の死後の宇治十帖の執筆シーンがありましたが、どうやら第51帖「浮舟」を書いていたようです。
 「浮舟」帖は、薫と匂宮の間で揺れ動き苦しむ浮舟が、入水をはかるというストーリー。そして第53帖「手習」で浮舟を助けて出家させた人物が、横川の僧都と呼ばれる高僧です。この横川の僧都のモデルと言われるのが、あきつブログではおなじみ?の源信さんです!

 恵心僧都源信(942~1017)は天台宗の僧侶で、比叡山の横川中堂を拠点としていました。横川の僧都のモデルと言われているのは、『源氏物語』が成立した時代の著名な高僧であること、僧都の位を持つこと、僧侶になった母と妹がいることなど、多くの共通点を持っていることによります。

 源信は多くの著作を残した学僧で、中でも『往生要集(おうじょうようしゅう)』では、死後の世界・六道を説きました。六道を絵画化したのが「六道絵」で、私たちが想像する地獄という世界を確立しました。六道絵については、ぜひ収蔵品紹介をご覧ください♪

 そしてドラマ終了後の「光る君へ紀行」では、比叡山・延暦寺(外部サイトにリンク)が取り上げられました!横川の僧都の紹介とともに、当時から延暦寺には多くの貴族が参詣したこと、三条天皇も根本中堂で病気の回復を祈願したことが紹介されました!当館の今年の「打出のコヅチ」では、延暦寺根本中堂の修理事業について取り上げた回もありましたので、講座を思い出しながら延暦寺を回りたいですね♪

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打出のコヅチ⑥ 質問にお答えします

 10/23に開催した滋賀の文化財講座「花子さんの打出のコヅチ」第6回。中世絵画の山水表現について、皆さんと一緒にお勉強しましたね。そして講座終了後に、アンケート等でいただいたご質問。今日は、講座の講師を務めた萬年学芸員が、”誠心誠意”をモットーに(!)、質問にお答えさせていただきます!・・・何がでるかな??楽しみです♪

《講師談》今回の講座では、普段聞かないようなマニアックな内容 (?!)をご紹介しました(笑)が、皆さんからも、なかなかマニアックな質問(!)を頂戴しました…((笑笑))!

【質問①】
「春日大社の手向八幡の手向は手向扇という言葉と関係があるのでしょうか?又、そうであるなら、名前に「手向」とわざわざ付したのは、何か理由があるのでしょうか?」

【回答】 今回の講座では、手向扇(たむけおうぎ)という習俗についてもご紹介しました。手向扇とは、神さま仏さまに扇を「手向ける」、お供えする・捧げるという行為です。鎌倉時代以降、このように扇を手向ける人物が絵巻物や参詣曼荼羅に描かれるようになります。

 さて、奈良県・東大寺のほど近くに手向山八幡宮・手向山神社と呼ばれる神社があります。奈良県奈良市と京都府木津川市の境にあたる手向山のふもとに位置しており、この「手向山」が社名の由来となったそう。「手向山」という言葉は一般に、「道路の神などが祭られている峠や山、旅の安全を祈って神に供え物をする場」という意味を持ちます。小倉百人一首の「このたびは 幣(ぬさ)も取りあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに(今度の旅は急のことで、お供えする幣(ぬさ)も用意することができませんでした。かわりに手向山の紅葉を捧げるので、神の御心のままにお受け取りください。)」(24番、菅家…菅原道真)にでてくる「手向山」もこの意味です。 手向山八幡宮のある奈良市の手向山も、もともと神さまに捧げものをする場であり、手向山と呼ばれるようになったと言われます。「手向扇」「手向八幡宮」の「手向」という語は、どちらも「神さま仏さまに捧げものをする」という意味で使われていると言えます。


 
【質問②】
「日吉大社の西本宮と東本宮に祭られる神様が過去に入れ替わったと言われているが、今回取り上げた絵画作品はどの時代の日吉大社を描いているのですか?」
 

 

【回答】
 今回の講座では、中世に制作された日吉大社(大津市坂本)の景観を描く「山王宮曼荼羅」をとりあげました。現在、日吉大社の東本宮と西本宮にはそれぞれ大山咋神(おおやまくいのかみ、東)・大己貴神(おおなむちのかみ、西)という神様が祭られています。この神さまは日吉社でも中心的な位置を占める存在ですが、実は二度(!)入れ替えられたと言われています。一度目の入れ替えは明治8年(1875)に行われ、東本宮に西本宮にいた神さまを西本宮に東本宮にいた神さまをお祭りすることになりました。二度目の入れ替えは「復座」、もとの形に戻すことを目的として昭和17年(1942)に行われました。
 ということで、日吉大社は一時期神さまの位置が逆転することになったものの、現在は江戸時代以前の配置(東本宮:大山咋神、西本宮:大己貴神)に戻っています。ですので、今回の講座でご紹介した山王宮曼荼羅は江戸時代以前の形、現在と同じ形で描かれていると言えます。

 皆さん、いかがでしたか?「ちょっと気になる質問」が「へぇ~そうだったのか!」につながるこの面白さ・・・これが私たちの《打出のコヅチ》でございます♪

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「滋賀限定!」の記念講演会

 10月27日(日)東近江市の観峰館において、域連携企画展「滋賀限定!近江ゆかりの書画~古写経から近代の書まで~」の関連イベントとして『東近江地域文化財の将来』と題した習字の日記念講演会が開催されました。


 先ずご登壇いただいたのは藤田励夫氏です。藤田氏は元滋賀県文化財保護課職員として勤められた後、九州国立博物館や文化庁で活躍された古文書のスペシャリスト(現在は京都府立大学共同研究員)。今回の講座では、特に古い時代のお経(古写経)について、専門家の視点から実物に即した詳しい説明があり、意外な視点に驚きました。さらに展示中の紺紙金字妙法蓮華経(百済寺蔵)の見返し絵について、1巻ずつ違った魅力があることを、丁寧な言葉で教えていただきました。
     

 続いては、本展に出品されている乾徳寺さまご所蔵の不動明王三童子像の修理を手掛けられた坂田さとこ氏((株)坂田墨珠堂代表・装潢師)がご登壇。工房での息も詰まるような細かい作業の様子がスライドで紹介されました。
 最新の調査技術も使いながら、昔と変わらぬ材料で、未来へつなげる修理の技術。見ているこちらも息をのみました。

  
 

 不動明王三童子像は、(公財)住友財団の2021・2022年度文化財維持・修復事業助成によって修理が行われ、修理後初公開となった作品です。文化財保護の一助として、修理費用の必要額が補助されるこの制度には、毎年全国から100件以上の応募があるそうです。
 講座の最後にご挨拶された乾徳寺の中野ご住職。寺の宝である文化財の修理に、相談役として観峰館さんにご助力いただいたこと、いいタイミングに良いご縁を結んでいただけたこと、感謝の言葉が述べられました。

 信仰のあり方やコミュニティのあり方が、時代の変化と共に形を変えつつある昨今。調査・研究活動をきっかけに、文化財の守り手と博物館が手を取り合って、地域文化財を伝えていく、素敵な事例の一つです。
 東近江市で、滋賀県で、地域に根差した博物館活動が、様々な縁を結び、新たな可能性を生み出してゆく・・・そんな博物館であるために、地域文化財を守るサポートセンターとして、当館も引き続き精進をしていきたいと思っています。

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展示替え作業:後期も見どころたくさん ♪

 大好評開催中の、地域連携企画展「近江ゆかりの書画-古写経から近代の書まで-」!休館日の10月21日(月)は、当館と観峰館の学芸員総出で展示替え作業をしてきました。

展覧会担当の副館長も展示作業に
あたります

 なぜ総出かというと、展示作品のうち半分が展示替え。さらに展示替えに伴って、全期間展示の作品も位置をすこ〜しずつ変えたので、ほぼ全ての作品を変更・移動させたのでした。

 後期展示は、当館保存担当学芸員渾身の、乾徳寺所蔵・東近江市指定文化財「不動明王三童児像」が見どころ! 観峰館が協力し、(公財)住友財団の助成により修復した文化財ですが、その修理の工程や成果を詳しくご紹介するパネル、そして修理を経た旧表具の一群は、なかなかご覧いただくことができないもの。この修理は2カ年かかったとのことですが、旧の肌裏紙ひとつひとつを除去していく工程を想像すると、気が遠くなりますね。。
 

旧表具が分かりやすくなるよう
考えながら展示します

  後期展示の見どころ・その2としては、西郷隆盛書簡の展示!公文書館での展示では、ケースの都合から巻き替えをしながら部分的にお見せしましたが、5メートル近くの長い書簡全体をご覧いただけるのは、今回が初となります。

 さて、展示作業中の学芸員たちの声を聞きますと・・・
「もう少し右を上げて!」
「このライティング、手作り?すごい・・・!」
「なんだか密度が高くなったかも?」

 どんな展示となったか、ぜひ会場でご覧ください♪ 本展は11月23日まで、東近江市の観峰館にて開催いたしております。

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大津祭・源氏山とNHK「光る君へ」

 大津の秋といえば、「大津祭」!今年は宵宮(よみや)が10月12日(土)、本祭(ほんまつり)が10月13日(日)に行われました。13日は観峰館でのギャラリートーク&ミニセッションもあり、当館的には忙しい3連休となりましたが、みなさまお出かけになったでしょうか?

 大津祭は、長浜曳山祭・日吉山王祭とともに湖国三大祭に数えられる、滋賀県庁ほど近くの神社・天孫神社の祭礼です。江戸時代に始まったとされ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。  
 本祭には、13の曳山町から13の曳山が出されます。それぞれの曳山は、巧みな仕掛け装置「からくり」を載せ、お囃子を演じながら市内を巡行します。  

 曳山のモチーフやテーマは様々ですが、中でも今年はNHK大河ドラマ「光る君へ」があり、中京町(なかきょうまち)の源氏山(げんじやま)が注目されていたようです。
 源氏山は『源氏物語』をテーマとした曳山で、「紫式部山」とも呼ばれるそうです。牛車など源氏物語に出てくる情景を再現した小さな人形たちと、石山寺で『源氏物語』の構想を練るような姿の紫式部の人形が、曳山に載せられます。からくりが披露されるポイントではたくさんの人が集まり、熱気を感じました!

 さて、10月13日放送の「光る君へ」第39回では、高杉真宙さん演じる藤原惟規(まひろ(紫式部)の弟)が、父・為時の赴任地である越後で急逝する悲しい回。。惟規が辞世の歌を詠むという、鬼気迫るシーンが印象的でした。そしてドラマ終了後の光る君へ紀行では、惟規ゆかりの新潟県上越市や京都市の各所が紹介されましたが、最後に大津市・国道1号逢坂山峠の頂上にある「逢坂山関跡碑」と、「逢坂の関」を詠んだ惟規による歌が紹介されました!!!

 逢坂の関うちこゆるほどもなく今朝は都の人ぞこひしき
(逢坂の関を少し越えたばかりなのに、今朝はもう都にいるあなたが恋しくてなりません)

大津駅前には逢坂越のための「車石」があります

 逢坂山は、古くから交通の要衝として知られています。近江と山城との国境として、古代には軍事上の目的から逢坂関が置かれ、中世には関銭が徴収されました。また、「逢坂」「逢坂山」「逢坂の関」は、歌枕としても知られています。「逢ふ」という語を含みながら、人との間を隔てる関所であるというパラドックスが好まれ、さかんに歌に詠まれてきました。

 あの人もこの人も、逢坂の関を通り、そして当館周辺の打出浜から船に乗ったりなどして、旅をして歌を詠んでいたのだなあと思うと感慨深いですね。この秋も、歴史感じる滋賀の旅へ出かけましょう✨

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建設予定地イベント開催しました!みなさんに感謝♥

 晴天に恵まれた10月5日(土)、「新しい琵琶湖文化館 建設予定地イベント」を開催しました。ご来場のみなさま、また準備をはじめ様々な形で関わってくださったみなさま、本当にありがとうございました!

 このイベントの目玉は、「新しい琵琶湖文化館の建物の形にカラーコーンを並べる」という、とても”斬新”なもの(?!!)。イベント前日の10月4日(金)には、みなさまにご協力いただきながら、事前準備を行いました。


 その模様をご紹介しますと、午前中は文化財保護課建造物係による、カラーコーンを並べる「基準点」を取る作業です。
 そして午後はボランティアの方6名と文化財保護課職員の助けにより、建物の形にカラーコーンを並べていきました。
 
 悪天候もあり、参加を取りやめた方もいらっしゃいましたが、次回はどうぞよろしくお願いします!

 一夜明けると、秋晴れのイベント当日。この日は大津商工会議所さんが主催する「びわ湖オクトーバーフェスト2024」が、すぐ近くのなぎさ公園修景緑地でも開催されるということで、あわせてお楽しみいただけたのではないでしょうか?
 カラーコーンのすぐ近くに設置したテント内では、新しい琵琶湖文化館に関するパネルをご覧いただけたほか、当館所蔵品をモチーフにした「しおり」を作るワークショップもお楽しみいただけました。


   大人の方はもちろん、子どもちゃんたちがたくさん集まってくださいまして、ワークショップのコーナーはフル稼働!(途中、盛況すぎて材料が無くなり、慌てて調達に走りました 🏃🏃。 )誰でも楽しめるワークショップもあり、老若男女問わず幅広い方にご参加いただけたイベントになったような気がします。
 

 イベントの参加者数は、なんと600人近く!たくさんの方がご来場された大イベントとなり、新しい琵琶湖文化館のことを知っていただけ、また期待やご意見などのお言葉を頂戴しました。

 みなさま本当にありがとうございます!みなさまのご期待に沿えるような、魅力的な施設を作っていきたいと思いますので、どうぞこれからもご支援・ご協力をお願いいたします!

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高校生にホンモノの文化財を体験してもらう授業

 秋晴れの9月某日、県立守山北高校1年生の美術の時間に、文化財をテーマとした授業を実施しました。

 講師は当館主任学芸員の和澄浩介。授業の舞台となったのは、当館寄託者でもある蜊江(つぶえ)神社さまです!蜊江神社は守山北高校から徒歩10分ほどのところにありますが、高校生が神社に足を運ぶことはなかなかない、とのこと。みなさんの高校からすぐ近くに、神仏習合の姿を見せるこんなすごい場所があるんですよ〜!

 授業では、神仏習合や明治期の神仏分離のお話もしながら、神社と寺院の要素が入り混じる境内を巡りました。参拝時に軒下で鳴らすのは、神社では鈴・お寺では鰐口。その音の違いも聞いていただけたでしょうか?

 境内を歩いた後は、社務所に場所を移して文化財のお話です。当館にご寄託いただいている文化財は写真をお見せしつつのお話ですが、なんと!今回は特別に!!神社で保管されている守山市指定文化財の女神像と化仏を、お見せいただきました。

 火災にあったかと思われる少し痛々しい姿の像ではありますが、それが一層、この地に住まう人々が800年、900年という時を超えて大切に受け継いできたということを実感させます。長い歴史を有する文化財への想いや文化財を支えてきた人々への敬意が、和澄主任学芸員からアツ~く語られました。

 高校生の目に、蜊江神社の文化財はどのように映ったでしょうか?少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです♪

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あっという間に下半期・始まりました!

  皆さんオドロキです。本日、10月1日、あっという間に、下半期に突入です。えぇ~っと・・・上半期の記憶が既に。。。(>_<)。。。月日が経つのは早い!

 5月から始まり、会期が長い(!)と思っていた地域連携企画展「幕末を生きた人々の残像~公文書に残る直筆書簡」展。

 9月26日に無事終了し、会場であった県立公文書館では、次なる企画展「湖国の宝が歩んできた道~文化財の危機と保護~」が始まった、とのことです。実はこの企画展にも当館から資料を貸し出しておりまして・・・。

 それは何かと申しますと、昭和24年(1949)9月時点の「重要文化財保護法案要綱」という、とぉ~ても貴重な資料!
 現「文化財保護法」は昭和25年(1950)5月の成立ですが、それ以前、試案の段階では、調査研究を重視し、国立博物館や重要文化財研究所の設立を明示するなど、現行法に比べてより具体的な内容が記されています。文化財保護の歴史を物語る大変貴重な資料です。是非、県立公文書館に、足をお運びください。

  その他にも当館の収蔵品は、各地の展覧会にゾクゾク出品されております!↓↓〔収蔵品の公開情報はコチラをチェック〕


いやぁ・・・秋の展覧会シーズン、真っ盛りデスね!

 

 更に!注目したいのが・・・
 コチラ↓↓↓

 10月5日に実施する新しい琵琶湖文化館の建設予定地イベントです!
・・・誰です?隣の「成瀬さん」のポスターが気になる、なんて言うヒトは?!そう、確かに気になる・・・(笑)。
 こちらの写真は、JR膳所駅構内を激写したもの。(「成瀬さん」と当館のかかわりは、4月24日付けブログで紹介しております。)文化館も大注目の成瀬さんと、(ポスターとは言え)奇跡のコラボを果たした今回の建設予定地イベント♡これは成功させねばなりませんね!

 お天気が少し心配ですが、着々と準備を進めておりますので、皆さまぜひ気軽にご参加ください! 建設予定地イベントは、10月5日11:00~17:00、大津市浜大津の大津港旅客ターミナル向かいで開催いたします! [詳しくはコチラ

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光る君へ紀行に登場!東近江を巡りたい♪

石山寺の紫式部像。筆を執り、『源氏物語』を
執筆しているところでしょうか

 NHK大河ドラマ「光る君へ」、9月29日放送の第37回「波紋」では、見上愛さん演じる中宮彰子たちが『源氏物語』を豪華な冊子に製本していくシーンが印象的でしたね!色とりどり、装飾も様々な料紙が映っていましたが、中には紫色の和紙もありました。

 その紫色関連として、ドラマ放送後の「光る君へ紀行」では、東近江市が紹介されました!紫色の染料作りのための植物、紫草(むらさき)が栽培されていたとされる地です。万葉の森船岡山」に設置されている、古代の蒲生野での遊猟が描かれたレリーフにも、白くてかわいらしい紫草の花が描かれているんですね♪

 また、あわせて紹介されていた『万葉集』所載の額田王の歌「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」は、複雑な恋愛関係を思わせるので、まひろ(紫式部)と藤原道長との関係はどうなる!?とドキドキハラハラなドラマの内容とも少しリンクしていますね〜。

 さて、自然と歴史が息づく「万葉の森船岡山」を訪れた後は、ガチャコン〔近江鉄道〕に乗って少し足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。五箇荘駅で降りて徒歩15分ほどで、地域連携企画展「滋賀限定!近江ゆかりの書画 ―古写経から近代の書まで―」が開催中の、観峰館に到着します🌟

 

 展覧会では、奈良時代から昭和期までの書を中心にご覧いただくことができます。平安時代の古写経も展示していますので、ドラマの中の筆運びを思い出しながら、古写経の筆致をご覧いただくと楽しいのではないかと思います。
 この秋は、ぜひ東近江へ!

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「滋賀限定!近江ゆかりの書画」土曜講座開催されました!

講師の寺前学芸員(観峰館)

 現在、東近江市の観峰館で開催中の地域連携企画展「滋賀限定!近江ゆかりの書画-古写経から近代の書まで-」。本日は関連イベントの土曜講座が開催されました。

 演題は「近江ゆかりの書跡を探る①-雲居希膺-」、講師は観峰館の寺前公基学芸員です。石敷きの雰囲気のある素敵な会場に、講師のソフトなお声が爽やかに響きました♪

・・・「雲居希膺」・・・
 皆さん読めました?(笑)。雲居希膺(うんごきよう・1582~1659)は、伊予国上三谷(現・愛媛県伊予市)出身の臨済宗の高僧で、皆さんよくご存じの仙台藩主伊達政宗・忠宗の依頼により、松島・瑞巌寺を中興しています。
 そのような高僧がなぜ滋賀に縁があるのか?実は、東近江地域には仙台藩の飛領地一万石があったから(!)なのですよ~。この事実だけでもオドロキ(!!)です。雲居希膺と縁のある東近江地域の寺院は、本展にも数多く出品いただいている徳昌寺さまの他に、石馬寺や瓦屋寺、千手寺などがあります。

 

 雲居希膺と滋賀のかかわりを理解した上で、改めてその「書」を見てみると・・・何とも親しみのある特徴的な筆使い!柔らかくもあり、あたたかくもあり、そのお人柄が文字に現れているようです。
 見る人を引きつける雲居希膺の書の魅力。何より本展・本講座の開催にあたり資料の調査・研究を重ねられた講師の寺前学芸員が語る、ソフトで熱い、その思いが、書の魅力を倍増させてくれた気がいたします。いやぁ知るって楽しい!
 ・・・ですよね?皆さん?!きっと私たち、雲居希膺の『ファンクラブ』に入っちゃったかも・・・ですよね(笑)。参加いただきました皆さま、誠に有り難うございました♪

 11/26の土曜講座では、「近江ゆかりの書を探る②-副島種臣-」が開催されます。こちらも楽しみ!乞うご期待!!

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井上敬之助像 旅立ち故郷へ

 「琵琶湖に向かって凛々しく立つ、この方はどなた?」と、気になっていた人もいらっしゃるのではないでしょうか。

 当館からほど近く、道を渡った川沿いに建つのは 、明治から昭和にかけて活躍した政治家・井上敬之助(1865~1927)の銅像です。
 実は本日・9月26日、当地から故郷の湖南市へ旅立って行かれました。

 井上は、旧石部村(現・湖南市)出身の政治家で、27歳の時に県会議員に当選、以降5回当選という経歴を持ち、明治35年(1902)には衆議院議員に初当選、翌年も再選を果たすなど、政治家として大きな功績を残された方。官僚政治の是正や民意の反映に努め全身全霊を政治に捧げたその姿から、滋賀県政の大御所として「其当時県に知事が二人いる」と言われたほどで、明治後期から昭和初期にかけて、滋賀県の政治家を語る上で、忘れることのできない人物でもあります〔詳しくはコチラ〕。

 この銅像は当館が開館した翌年の1962年に建立。建設にあたっては、服部岩吉滋賀県初代民選知事(1885~1965)が中心となって像の制作・建立を計画し、彫刻家として有名な森大造に制作を依頼、募金により200万円の建設費を集めて完成に至ったと伝わっています(建立者:井上敬之助顕彰会)。

 以降、約60年にわたり当館とご縁のあった本像ですが、このたび、井上の出身地である湖南市が故郷への「帰郷」を強く希望されたこともあり、本日、移設のための作業が行われました。

 移設先の湖南市では、10月6日に市制施行20周年の記念式典で除幕式を行い、その後、故郷である石部に再移設されるそうです。

 琵琶湖に向かって凛々しく立つお姿も素敵でしたが、地元の皆さんにより近いところで、身近に親しんでもらえたなら、像主もきっとお喜びになることでしょう。

 打出浜からまた一つ「昭和」が無くなりますが、どうぞ永くお元気で!大津での御勤めお疲れさまでした!
 御帰郷、おめでとうございます!

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滋賀の文化財講座『花湖さんの打出のコヅチ』第5回 文化財建物修理、3人の技師が熱く語りました!

 あっという間に9月も半ばになりましたね。9/18(水)、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第5回目を開催しました。今回は「建造物文化財修理の最前線―国宝延暦寺根本中堂・重文不動寺本堂を中心に―」と題して、滋賀県文化財保護課・建造物係のフレッシュな3人の技師にご登壇いただきました。

  1番手の長谷川聡子技師は、国宝延暦寺根本中堂と、重要文化財延暦寺根本中堂の回廊の修理事業についてのお話です。柱の傷んだ部材だけを取り除き、新たな部材を継ぐ「柱の根継(ねつぎ)」の紹介では、「可能な限り残せる部分は再使用する」という考え方に、大規模文化財建造物修理の大変さ、厳密さを伺い知れました。
 

 次に福吉直樹技師から、重要文化財不動寺本堂の修理事業について。大津市太神山(標高600m)の山頂付近にあるお堂、車で入れない山道を、ひたすら通われたのだとか。そのような難所で、修理の適切な時期を経過してしまった檜皮葺(ひわだぶき)屋根について、「なんとか持ちこたえてくれた」との言葉があり、長い時を経てきた建造物に寄り添う技師の思いが垣間見えました。

 締めくくりは、坪田叡伴技師。文化財建造物の耐震診断についてのお話でした。「古い建物、弱っていて当たり前では?」そんな素朴な疑問を入口に、耐震診断の流れや耐震補強の実例が紹介されました。外観・内装・構造・使われ方など、文化財としてどの価値を優先するか、とても悩ましいテーマに関わるお話でした。
 

 まとめでは「 修理に注目されがちですが、実は日常管理が文化財建造物の保存を支えている。そのためには、まず多くの方に文化財建造物を知っていただきたい。 」との熱い思いが語られました。滋賀県は重要文化財190件277棟、国宝22件23棟と、国指定の文化財建造物の件数が、全国で3番目に多いそうです。こうした文化財建造物を守るため、「まずは知る」、私達にもできることがありそう・・・です!

 今回の講座、それぞれに内容の濃いお話で、ちょっと時間が足りませんでしたか・ね?
講師の皆さん有り難うございました!次回は1人1コマ、ご用意させていただきます??!(笑)。 アンケートには「若い技師さんの今後のさらなる活躍を期待!」とのお声が寄せられていますよ~。

 そして今回の打出のコヅチ、第5回限定での新たな試みも実施しました。彦根のビバシティ平和堂でのサテライト配信です。商業施設での初の試みに、アタフタした場面もありましたが、できる限り多くの方に聞いていただきたいという思いで、これからも試行錯誤を重ね頑張っていきたいと思います!
 ご参加いただきました皆さま、有り難うございました!

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地域連携企画展 第2弾!いざ観峰館へ!着々準備中♪

 9/21から始まる地域連携企画展「滋賀限定!近江ゆかりの書画-古写経から近代の書まで-」。いよいよ間近に迫ってまいりました。当館の収蔵品を会場の観峰館へ移送、そして展示作業が佳境となっています。

 館での梱包作業。先ずは作品の状態チェックです。今回は1日で梱包→輸送を行うタイトスケジュールであったため、「成功の秘訣は8割方準備で決まる(!)」と豪語する当館の学芸員が、予め検品作業を済ませていたおかげで(?!誉めてあげて~!)、余裕をもって梱包することができたようです(笑)。 作品は無事、当館から旅立ちました。

 そして本日、会場での展示作業です。こちらの写真にうっすら写る緑色の光のライン、これは展示する際に作品の高さを合わせたり、水平を測る“魔法の光”。(以前はテグス(糸)を使ったりしてましたが近頃は便利になりました(笑))。
 それでもやはり、何だかんだ言っても、最後に頼りになるのは「人の手」です。我らが文化館学芸員も、展示ケースの中に入って奮闘中~頑張っておりますヨ♪

 さてさて、どのような展覧会になりますか???開幕まであと1週間、乞うご期待です!

 「滋賀限定!近江ゆかりの書画-古写経から近代の書まで-」は9/21(土)から、会場:観峰館(東近江市)にて開催です🌟

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最初で最後の「建設予定地イベント」★ボランティアも募集中★

 みなさま、すでにチェックしていただいているでしょうか?

 新しい琵琶湖文化館の建設予定地イベントを・・・!

 あきつブログをご覧のみなさまにはご承知のとおり、令和9年12月オープンを目指している新しい琵琶湖文化館ですが、実は令和7年3月頃に着工を予定しています!なので、この場所が空き地のようになっているのもそろそろ終わり。そこで着工前に、最初で最後の「建設予定地イベント(滋賀県HP)」をやろうじゃないか!というのが今回の企画です。

今は何もない建設予定地です

このイベントで、具体的に何をするのかといいますと…

①建設予定地の実地表示 カラーコーンで建物(1階)部分を示します。
②新しい文化館に関するパネルを掲示します。
③館蔵品をモチーフにした「しおり」作成ワークショップを開催します。

 特に、①建設予定地の実地表示!デス。文化館の職員も、こんなことはやったことがありませんので、実際にカラーコーンを置くと、「こんな大きさの建物になるんだな~」「思ったより大きい!?(または小さい!?)」などなど、いろんな感想がでてくるのではないかと思います。

こんな形にカラーコーンを並べます

 そして、並べるカラーコーンは、約100個を予定しております、が、少人数の職員だけでやろうとすると、なかなか大変な作業になりそうな予感がします。ですので、このあきつブログをお読みのみなさま、イベント準備作業をお手伝いいただけないでしょうか!?この作業は、建設予定地イベントの前日、

 10月4日(金)13:30~

を予定しています。ぜひカラーコーン1個からでも、並べるお手伝いをいただけたら、とても、とっても!とぉ~っても!!!助かります。

ボランティアへのお申し込みやお問い合わせは、下記までお気軽にどうぞ。

滋賀県文化財保護課 文化財活用推進・新文化館開設準備室
メール:bunkatsu@pref.shiga.lg.jp

 何卒よろしくお願いします!

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