月別アーカイブ: 11月 2023

「千年の秘仏と近江の情景」閉幕

 10/7から約1か月半にわたり滋賀県立美術館にて開催しておりました地域連携企画展「千年の秘仏と近江の情景」が、11/19に閉幕しました。最終日にはナント・・・1,000人近くのお客さまが!お越しくださったそうです!!
 ご来場いただいたすべての皆さまに、心から感謝申し上げます!!!

 本展は、湖南市・正福寺さまの秘仏本尊が33年ぶりの公開となる、大変貴重な機会に恵まれました。開催にあたり、お寺さまにご許可をいただいて作成したポスター・チラシは、大切な秘仏を中央に配置した構図で、これがまた「なんて尊い!」と大変好評で・・・実は展覧会が始まる頃には既に配布するチラシが無くなるという嬉しいハプニングが(笑)。会場のスタッフさんによると、海外からお越しのお客様に「このポスターを下さい!」と声を掛けられたそうですヨ♡

 会場では、お像を360度くまなくご覧いただけるよう展示し、あわせて善水寺さまの不動明王坐像を特別展示したことで、より奥深い仏像の世界をご堪能いただけたのではないでしょうか。学びも多かったですよね~(自画自賛(笑))。 ふたつのお像の間を行ったり来たり、しゃがんで見上げて、のぞき込んで見比べて・・・皆さんそれぞれの鑑賞の仕方で、存分にお楽しみいただいたことと思います。また、ケース内に並べられた絵画、工芸品は、文化館と美術館、両館のコレクションから展示しました。千年の秘仏を守り伝えてきた近江の歴史風土、文化、人々の営みを、作品から感じていただけたなら幸いです♪

 ご鑑賞いただいた皆さま、並びに本展開催にご協力いただいた滋賀県立美術館の皆さま、本当に有り難うございました!

 さぁて、11月も後半、あっという間に二つの地域連携展が終わってしまいました。次回は、令和6年2月10日より滋賀県立安土城考古博物館において「近江の文化財を継ぐ-修理・複製・復元―」展を開催します!詳細はもう少しお待ちいただくということで・・・乞うご期待♪

 現在、当館の掲示板には、休館後に他館で開催してきた展覧会が一目でわかる、チラシ(の縮小版)を掲示しています。「いろんな地域とご縁を結んできたなぁ」と振り返ってしみじみ・・・これからも素敵なご縁がつながりますように♪

カテゴリー: あきつ, 学芸業務, 展覧会 | 「千年の秘仏と近江の情景」閉幕 はコメントを受け付けていません

「花湖さんの打出のコヅチ」第6回 ・・・鑑賞☆堪能

 秋晴れの滋賀県立美術館にて、「花湖さんの打出のコヅチ」第6回目の解説付鑑賞会を開催させていただきました。ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました!

 今回は美術館のロビーにて受付。目印は探訪ではお馴染みの、のぼり旗です♪受付テーブルを出すとすぐにたくさんの方に集まっていただけ、みなさまの熱気が伝わってきました。

 さて、「「千年の秘仏と近江の情景」展を楽しむ」と題した今回の解説付鑑賞会は、地域連携企画展を開催する展示室1での開催です。

美術館の山口真有香主任学芸員

 前半は、美術館の山口主任学芸員から、当館収蔵品も含めた絵画作品を中心にご紹介いただきました。近江の風景が描かれた「近江名所図」「近江八景図」には、時代の変遷を経て変わってしまった風景・今も変わらない風景を見つけることができます。

  

 
 

当館の和澄浩介主任学芸員

 後半は当館の和澄主任学芸員による仏像の解説です。 重要文化財の正福寺さまの大日如来坐像を、じっくり!詳しく!お話しいただく濃密な時間となりました。前回のコヅチでも登場した内容が中心でしたが、本物を前に説明を聞くと、とても分かりやすかったのではないでしょうか。そして正福寺さまの大日如来と、善水寺さまの不動明王坐像も見比べやすい!また、大日如来の美しさを堪能するかのように、解説後もじっくりとご鑑賞される方もいらっしゃいました。横顔や背中も・・・、うーん美しい~。

 「仏像が、美術品というだけでなく、また信仰の対象というだけでなく、歴史の証人なのである」、という和澄主任学芸員の指摘。山口主任学芸員からの「絵画作品にみる江戸時代から現代までのつながり」という指摘もあわせて、雄大な近江の歴史を思わせる講座と展覧会でした。

正福寺住職 山川正道様

 最後に正福寺のご住職様から、本講座へのご参加の感謝の言葉とともに、展覧会の経緯もお話しいただきました。今回お出ましいただいているご本尊・大日如来坐像は、通常は33年ごとに開扉される秘仏なので、再来年の本堂改修後に開扉され、その次の開扉は30年後!とのこと。今回は本当に貴重な機会ですね。

 
   
 

 本年度の「花湖さんの打出のコヅチ」はこれで最終回です。毎回、熱心に聴講されるみなさまの姿勢に身が引き締まる思いです。さて、来年度はどんな講座が待っているのか・・・!?楽しんでいただけるよう、スタッフ一同頑張っていきます!

カテゴリー: 学芸業務, 文化財講座 | 「花湖さんの打出のコヅチ」第6回 ・・・鑑賞☆堪能 はコメントを受け付けていません

あっという間の10日間 「成菩提院 寺宝展」閉幕

 11月3日から米原市で開催しておりました地域連携企画展「成菩提院 寺宝展」が、昨日閉幕し、本日、会場を撤収してまいりました。

 本展におきましては、ご住職さまならびに副住職さまに多大なるご協力をいただき、また、檀家の皆さまにも会場でお手伝いいただくなどご協力を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。

  
 

 今回の展示は、今話題の徳川家康や戦国武将に焦点を当てた展示内容であったこともあり、歴史好きの人が遠方からもたくさんお越しくださったと、関係方々から喜びのお声が届いています。ご来場いただいた皆さま、有り難うございました。本展をきっかけに、滋賀の歴史の奥深さに触れていただけたなら幸いです。

(こちらは 2023.11.3 夕刻 撮影)

 そして今朝、米原市と岐阜県にまたがる伊吹山では、「初冠雪」を観測したそうです。本展の閉幕を待っていてくれた?
 いよいよ寒さも本番、本格的な冬の到来となりそうです。

カテゴリー: あきつ, 学芸業務, 展覧会 | あっという間の10日間 「成菩提院 寺宝展」閉幕 はコメントを受け付けていません

「成菩提院 寺宝展」講演会

 湖国滋賀、快晴の三連休でした。初日11/3文化の日から始まった我らが地域連携企画展「成菩提院 寺宝展」。

 今回の会場は、お寺さまということもあり、午後から行われた講演会は、お座敷に椅子を並べた特別バージョンで聴講いたしました。ご挨拶された山口副住職からは、地元の方をはじめ、遠方からも多くの方々にお集まりいただいたこと、感謝の言葉が述べられました。

 講演会は、先ずは「成菩提院の歴史と文化」という演題で、成菩提院の檀家総代であり柏原宿歴史館の館長でもある谷口徹氏にお話しいただきました。 成菩提院の中興の祖・貞舜法印(じょうしゅんほういん)のお話や、寺宝展で展示されている戦国武将の禁制札(きんぜいふだ)についてのお話は、地域の歴史に深い係わりがある大変興味深い内容で、歴史を体感しているような気持になりました。

 

 続いて県文化財保護課(兼琵琶湖文化館)の古川史隆より「成菩提院の仏教美術」について、お話させていただきました。
 寺宝展では、重要文化財の不動明王二童子像を展示しておりますが、当館に寄託中で会場にお持ち出来なかった作品について、特に古川氏が滋賀県指定文化財の指定にかかわった3件の絵画が、詳しく紹介されました。成菩提院さまは天台寺院ですが、談義所(学問所)として長い歴史の中で、様々な宗派の作品が伝わっていることも、大変素晴らしいと思います。

 さて、N〇Kで放送中の大河ドラマも、いよいよ関ヶ原の合戦が舞台・・・。このタイミングで歴史上の登場人物たちが残したナマの歴史資料に触れられる、このたびの寺宝展。遠路はるばる関東からもお越しいただいているそうです。

歴史に思いを馳せて、心躍る旅を北の近江で!!

カテゴリー: あきつ, 学芸業務, 展覧会 | 「成菩提院 寺宝展」講演会 はコメントを受け付けていません

いざっ北の近江へ!地域連携企画展「成菩提院 寺宝展」

 明日「文化の日」の祝日を含めた3連休、皆さんはどのように過ごされますか?気候もいいですし、どこかにお出掛けしたくなりますよね~。行きましょうぜひ!北の近江へ!!
 琵琶湖文化館の地域連携企画展「成菩提院 寺宝展」は、米原市の成菩提院(じょうぼだいいん)さまで開催です♪

 成菩提院は伝教大師が開基とされる天台宗の古刹で、所蔵される数々の仏教美術の素晴らしいことは勿論、今話題の徳川家康や歴史に名を馳せた戦国武将たちが宿営した記録や、「石田三成十三ヶ条成菩提院村掟書」が残る、由緒のあるお寺です。

(成菩提院)

 例年この時期に寺宝を公開しておられますが、今年は特に(!)、当館が全面協力を申し出て、この地域連携企画展が実現!明日3日14:00からは特別に講演会も予定されています。歴史と文化を堪能する1日をお過ごし下さい♪


    ・・・ここで、ハタと気付きました。石田三成・・・そうです! 11月になりました!

 滋賀県内のJR4駅で配られるあのカード!健康推進アプリBIWA-TEKU(ビワテク)を利用して駅の改札窓口でスマホ画面を提示した人に「近江ゆかりの武将カード」をプレゼントするあの企画[滋賀県提供]♪今月は石田三成も登場です!気になるラインナップはこちら↙

 おや?三成さんは彦根駅で配布されますか!・・・これは行かねば!寺宝展に行くため、電車にも乗りますよ~成菩提院はJR柏原駅から歩いて約5分ですよ~。よしっ!健康もゲットです!!

 おススメは、寺宝展に行く前に彦根駅に立ち寄って三成のカードを手に入れるコト♡ (※改札でBIWA-TEKUアプリの画面を提示するだけで貰えます♪) 会場に着いたら、武将カードのイラストを見つつ「三成が書いたか!掟書き!!」と、イメージを膨らませるコト♡♡

 文字には性格が表れると言いますよね~?!さてさて、その印象は?納得?意外? イラストを作っていて思ったのは、目の表情がなかなかに鋭い几帳面そうなお顔だな・・・ってことかしら?
・・・おやおやこれは、マニアックな歴史の楽しみ方をご提案していまいましたよ、おほほ♪
 それでは皆さま、ぜひ“北の近江”で会いましょう~~~。。。

※「成菩提院 寺宝展」は、滋賀県が取り組む「北の近江振興プロジェクト」の一環として開催します。

カテゴリー: あきつ, 学芸業務, 展覧会 | いざっ北の近江へ!地域連携企画展「成菩提院 寺宝展」 はコメントを受け付けていません

高校で「文化財を考える」授業をしています!

 琵琶湖文化館の学芸員が、みなさまに向けてお話しする機会は、打出のコヅチやギャラリートークもありますが、実はこんなところでも、お話しさせていただいてます♪というご紹介です。

秋晴れの膳所高校

 大津市にあります県立膳所高等学校、1年生の芸術科(美術選択)にて、文化財に関する授業をしております。新人の岩﨑学芸員も教壇に立ってきましたよ〜!

 お話は2本立て。最初は「文化財と文化財保護法」。文化財の様々なジャンルや、文化財をなぜ保存・活用していかなければならないのか?ということを説明していきます。2本目は琵琶湖文化館について。これまでの琵琶湖文化館と、令和9年度オープンを目指している新しい琵琶湖文化館のご紹介をしました。

キンチョー気味の岩﨑学芸員

 文化財の授業は全5回で、今回は2回目です。これから高校生に、文化財の活用のアイデアを考えてもらいます!

 内容を変えつつ令和元年度から毎年実施させていただいている授業ですが、高校生のアイデアはいつも楽しく、琵琶湖文化館のこれからの事業の参考にもしています。

 そしてあわよくば…、この文化財を考える授業をもっと広げていけたらと思いますので、我こそはという先生がいらっしゃいましたら、琵琶湖文化館または県庁文化財保護課 文化財活用推進・新文化館開設準備室(077-528-4681)までお問い合わせください!

カテゴリー: 学芸業務 | 高校で「文化財を考える」授業をしています! はコメントを受け付けていません