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「花湖さんの打出のコヅチ」第2回のご案内

ある夜のことです。これは夢の中でのお話しです。

彦根は圓常寺の阿弥陀如来立像さまと、大津は石山寺の大日如来坐像さまが、お出会いになりました。そこで、こんな楽し気な会話をされていましたので、さっそくご紹介することと致しましょう。

阿弥陀さま:これはこれは、石山寺の大日さんではないですか?
      はじめまして。圓常寺の阿弥陀と申します。
大日さま :どうも、はじめまして。お噂はかねがね。。。おたく
      も私と同じ鎌倉時代の“慶派”仏師の作品だとか?
阿弥陀さま:ええ、そうなんですよ。“慶派”のなかでも快慶の作なんです。
大日さま :ということは。。。なんと、実の兄弟ではないかいな?自分で言うのも何やけ
      ど、私とよう似て、あんたもやっぱり細身で理知的なお顔をしてるわ。快慶
      仏は全国に40以上いてると聞いてるけど、滋賀にいるのがわかってるのは私
      ら2人だけ。。。ここで出会えたのも”仏さま”のお導きですかいな。
阿弥陀さま:私らも”仏さま”ですけどね(笑)。
大日さま :ほやほや、そやったなあ(笑)。ほんで、この頃はどうしてたんや?元気にして
      たか?
阿弥陀さま:実はねえ、5年ほど前にえらい修理をしてもらいまして。。。身体中、ぜ~んぶ診
      てもらって。。。おかげさんで、今は元気にさしてもろうてます。
大日さま :ほうかいな。ほら大変やったな。けど今度、私と同じ“重要文化財“組に入らる
      ことになったと聞いてるで。
阿弥陀さま:まあ、お耳の早いこと!けど、ほんまにおかげさまですわ。ほんで、7月19日
      の滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」でも、早速いろいろと紹介して
      くれはるらしいんです。ちょっと晴れがましいんですけど。。。
大日さま :いやいや、ええことやないか!どこであるんや?友達にも知らせとくで。
阿弥陀さま:おおきに。会場は大津にある「コラボしが21」ですねん。
大日さま :「コラボしが21」てか。どこにあるんや?
阿弥陀さま:ほら、あの琵琶湖文化館の、ほんほこやホン(すぐ近くです)。。。

と、まあなんと有り難い夢を見させていただいたことか(笑)!
ところで、阿弥陀さまがお話されていた滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」。みなさんも気になりますよね?7月19日(木)開催の第2回講座について、詳しくはコチラにあります。また、お申込みには専用フォームもありますので、ぜひご利用下さいね(電話・FAXでも受け付けております)。
では、たいへん暑い季節となりましたが、講座は涼し~い会場(コラボしが21)で行いますので、みなさまのご来場をお待ちしております。奮ってご参加を!!

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滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第1回

梅雨空の合間を縫って開催されました、今年度第1回となる滋賀の文化財講座「花湖さんの打ち出のコヅチ」。会場となったコラボしが21の受付には、当講座のニューフェイス「花湖さん」もパネルでデビューを果たし、関係者一同、受講に来られた130名の方々をお迎えいたしました。「開催を待ってたよ」の一声に、私たちも笑顔で気持ちを引き締めたところでございます!
そして始まりました今回の講座は『日野町 馬見岡綿向神社の巨大絵馬-平成29年度 滋賀県新指定文化財から』という演題で、滋賀県教育委員会文化財保護課の矢田直樹氏にお話しいただきました。
「絵馬」といっても私たちがお願い事を書くあの絵馬とは違いますよ?!馬見岡綿向神社さんにある絵馬は、縦206cm横422cmの巨大絵馬。講座会場で使っているスクリーン(縦230cm横305cm)の横幅よりも大きいのです。
その巨大絵馬に書かれているのは、「祭礼渡御(とぎょ)」図です。祭礼渡御とは、ご神霊が神輿などでお旅所等に巡幸する事。絵馬には、日野のシンボルである「蒲生氏」が登場し、当時の日野の人たちが理想とした「日野祭」が描き込まれた壮大な『歴史絵巻』が繰り広げられているとのことです。(講師曰く、この絵馬の中には少なくとも315人もの人物が描かれているそうです!)描かれた様々な芸能は、蒲生郡周辺で行われている現在の祭礼にもつながっていることを、民俗文化財担当の矢田さんらしい切り口で、写真で詳しく説明して下さいました。

この絵馬の素晴らしいところは、その大きさもさることながら、江戸時代に製作され200年以上経てなお保存状態が良好な事、作者がはっきりしていること(谷田輔長)。何より日野商人に代表される地域の人々の氏神への篤い信仰と、祭礼行事の隆盛、地域の繁栄に対する願いが込められた民俗文化財であることが、県の文化財として指定された理由の一つであるとのことです。現在の日野祭に通じる歴史的変遷の過程を研究する上でも、とても貴重な資料と言えますね。
また、今回の講座には、馬見岡綿向神社の宮司さまも参加されており、最後に「是非実物を見て欲しい。自分が子どもの頃は絵や文字がもっと鮮明であった。県指定にもなり保存にも力を入れていきたい。地域の誇りとしてこの絵馬を伝えていきたい。」とお話し下さいました。

さぁ、今回の講座に参加して(このブログを読んで)、絵馬のある馬見岡綿向神社さんに行きたくなった人!(ハイッ!)。
馬見岡綿向神社さんでは、6/30(土)午後8時より夏越の「大祓」が行われます。献灯の灯りがともり、紙で作った人形に罪・ケガレを移して祓い清めて下さるそうです。一般参加も可能!是非この機会に訪れてみてはいかがでしょう。

筆:あきつ

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「花湖さんの打出のコヅチ」第1回のご案内

いよいよ今月から、平成30年度滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」が始まります!みなさま、お申込みはもうお済みでしょうか?

今年の講座について、すでにチラシやホームページでの案内をご覧になられた方も多いかと思いますが。。。コヅチ参加の常連さんならお気づきでしょうね?これまでとは何かが違います。そう!実は、今年の講座タイトルには、「花湖さんの」という言葉がついています。「花湖さん」というのは、この文化財講座のネーミングライツパートナーとなっていただいた、株式会社国華荘さん(大津市のおごと温泉で旅館「びわ湖花街道」を経営されています)が付けて下さった愛称なんですよ。

ネーミングライツ(命名権)というのは、一般に、公共施設などに企業名や商品名などを冠した愛称を付ける権利のことで、滋賀県ではこれが6件目となります。その中で初めて、(施設ではなく)講座・イベントに対して付けられたのが「花湖さんの打出のコヅチ」なんですよ!ご縁あってパートナーとなっていただいた国華荘(びわ湖花街道)さんとともに、文化財講座「打出のコヅチ」が、みなさまにより一層親しまれるものになれば良いな~と思っております。

ところで、この「花湖さん」は、びわこ花街道さんのイメージキャラクター(看板娘)でもあって、ご覧の通り、矢羽絣に紺袴という昔の女学生スタイルをした、古風な感じの(←ココがいいでしょ!)可愛いお嬢さんです。公式プロフィールには書かれていない、ここだけの話ですが、、、実は彼女、密かに”変身の術”を持っているようです。チラシやホームページ用に国華荘さんからいただいた花湖さんのイラストには仕草や髪飾りなど、TPOに応じていろいろな組み合わせがあるんです!その中から、「表情はどれにしよう?」「ちょっぴり笑顔がよい加減?」「吹出しはピンク色かな?」など、「あーでもない」「こーでもない」と言いながら組み合わせて、できあがったのが今回の「花湖さん」です。文化館キャラクターの「あきつ君」とともに、皆さん、ぜひぜひ可愛がってくださいね♪♪

さて、その記念すべき「花湖さんの打出のコヅチ」第1回目は、6月21日(木)に教育委員会文化財保護課の矢田直樹氏をお迎えして、「日野町馬見岡綿向神社の巨大絵馬-平成29年度滋賀県新指定文化財から-」というテーマでお話いただきます。講座の詳細についてはコチラから、また、お申込みには講座申込み専用フォームをご用意いたしましたので、そちらもぜひご利用下さい(電話・FAXでも受け付けております)。それでは、たくさんの方のご参加をお待ちしておりま~す!

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プレ講座を開催しました。

毎年、ご好評いただいている滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」。有り難いことに前年度で節目の10年目を迎え、講座開講11年目の新たなスタートを記念し、本編の開催に先立って、昨日、プレ講座を開催しました。講師は滋賀県教育委員会文化財保護課の井上優氏で、平成29年に県の指定文化財となった東近江市・松尾神社さんの「こけら経」について、お話しいただきました。年度当初の短い告知期間にも関わらす、86名もの方々にご来場いただき、誠にありがとうございました。
参加者の皆さんは初め、スクリーンに映された謎の渦巻き状の物体に、????といった反応でした。ところが、一括しているリング状のタガを外すと、実はお経(法華経と開結二経)の経文を約5000枚もの細い板材に一行ずつ書写した集合体であることがわかり、驚きを隠せない様子でした。さらに、1枚1枚の形状をみていくと、上部に細かい切れ目を入れるなど墓地で目にする塔婆形(圭頭)の細工が施されています。これは、お経を書写する写経供養と、造塔を建立して功徳を得ようとする造塔信仰を併せ持つことを示してるということです。
なお、こけら経の発見例は発掘調査による場合が多く、比較的状態が良く伝わる社寺での伝世品という例は少ないのが実情で、経文の内容が判然としないものが未だ2割ほどあるとか。しかし近年の、研究データの電子共有化によって、照会が容易となりつつあり、こけら経による仏教文化史研究、地域文化の研究も活発化の動きをみせているそうです。
そして本品が特記すべき点は、社殿本殿内陣の、しかも神様(主神)を安置する宮殿(くうでん)のすぐ側に置かれていたことで、神仏習合期のこけら経受容の内実を知ることのできる現在唯一の例となります。今後のさらなる研究が期待されます。
最後は講座の内容をふまえたクイズを出題。皆さんしっかりと学ばれたようで、正解者続出!?告知のとおり、素敵なプレゼントをお持ち帰りいただきました。

そしていよいよ6月からは本編がスタートします!今年はびわ湖花街道さんをネーミングライツパートナーに「花湖さんの打出のコヅチ」としてさらにパワーアップ(花湖さんについてはコチラ)。第1回は6月21日(木)開催で、文化財保護課民俗担当の矢田直樹氏が前年度に指定となった日野町・馬見岡綿向神社さんの「巨大絵馬」について報告されます(講座内容についてはコチラ)。是非是非、ご参加ください。

学芸員W

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イイコトあるかも?「打出のコヅチ」プレ講座

いよいよ迫ってまいりました、来週の木曜日(5/17)に開催される滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」プレ講座のご案内です。

もうご存知の方も大勢いらっしゃる(?)と思いますが、滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」は昨年度で10周年を迎え、これまで支えて下さった受講者のみなさまへの感謝と、11年目の新たなスタートに向けて、今年度は特別に開催直前プレ講座を企画いたしました。

今回のプレ講座では、滋賀県教育委員会文化財保護課の井上優氏をお迎えして、「神社本殿から、木の経典を発見!-東近江市松尾神社法華経-」というテーマでお話いただきます(プレ講座の内容については、こちらのページに詳しくご紹介しております)。

さて、このプレ講座に関して、耳よりの情報です。今回はなんと、プレ講座に参加してチラシの裏面にあるクイズに答えると、正解者には素敵なプレゼント!という特別企画をご用意いたしました。

プレ講座のチラシは、県内の博物館・図書館に配置しております(入手できなかった方には、当日会場でお配りします)。というわけで、みなさまにはぜひ、チラシを1枚シッカリと握りしめて、会場へお越しいただきたいと思っております。

さあ、「まだ申し込んでいなかった~!」という方、今ならまだ間に合います。どうぞお早目にお申込みくださいね(申込は電話・FAXまたはメールで琵琶湖文化館まで)。

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平成30年度 滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」受付開始!

今年もやります!「。。。ん、何?」って~、ほら!もちろん、あの、滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」ですよ。
大津市打出浜から繰り出す「打出のコヅチ」の一振りが、無尽蔵ともいうべき滋賀の宝を魅力的に紹介する文化財講座「打出のコヅチ」。おかげさまで、この講座も平成29年度に10周年を迎え、これまでに4,300名を超える方々にご参加いただくことができました!
平成30年度は11年目の新たなスタートとして、さらに幅広くパワーアップした内容でお届けします。

第1回の6月21日(木)を皮切りに、5回の座学に加えて、皆さまからのリクエストにお応えして、秋には現地探訪講座(彦根城周辺)も開催することになりました。どの回も、専門の講師の先生方から、滋賀の文化財の魅力について、わかりやすく丁寧な解説を、じっくりと聞かせていただけますので、はじめての方も、そうでない方も、どうぞ奮ってご参加下さいませ!講座の日程・内容・申し込み方法などは講座・イベント情報をご覧くださいね。

では皆さん、忘れないうちにスケジュール帳にもしっかりと予定を書き込んでおいて下さいね!会場でみなさまとお会いできることを、スタッフ一同楽しみにしております。

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平成29年度 第5回「打出のコヅチ」が開催されました!

秋分の日を過ぎ、学びの意欲もますます深まる、気持ちのよい季節となってきましたね。勉学の秋に先駆けて(?)、先週の21日(木)には、平成29年度の文化財講座「打出のコヅチ」が開催されました。今年度の最終回となった第5回には、県教育委員会文化財保護課の井上優氏をお迎えして、「朝鮮通信使と近江」というテーマでお話いただきました。

「朝鮮通信使」。最近、テレビや新聞でも何かとよく目にしますよね。江戸時代にその一行の通った道が、現在でも滋賀県内に「朝鮮人街道」として残り、人々に親しまれているということもあるのでしょうか?開催前から、みなさまの関心がとても高いことにも驚かされておりました。。。そして、開催日が近づくにつれお申込みもドンドン増え。。。当日はなんと(!!) 過去最高となる、そして会場の空席を埋め尽くす、198名もの方にご来場いただきました。ご参加いただいた皆さま、本当に、本当に、ありがとうございました。

さて、講座の内容はと言いますと。。。地元の方はよくご存知とは言え、「朝鮮人街道」全行程を歩いてみた方は少ないかも知れません(車では走るんですけどね~)。それを今回は、現地の写真をふんだんに交え、周辺に残る通信使関連の文化財なども紹介しながら。。。まるで講師の先生をガイドに歴史探訪ウォーキングをしているかのような、てくてく気分を存分に味合わせていただきました。江戸時代の近江には、東海道も中山道もあるのに、なぜ通信使は湖岸寄りのこの道を通ったのか???いろいろな説があるようですが、現地の様子を写真で見ていただいて、参加者の方それぞれにお考えを深めることができたのではないでしょうか。

そして、通信使と言えば、忘れてならないのが雨森芳洲先生。江戸時代の儒学者で郷土の偉人ですが、通信使に2度も同行し、通訳として日本側とのやりとりを橋渡ししたのが芳洲先生です。この方について、講師の、同郷のよしみとしての(?)、思い入れたっぷりの解説も良かったですね。かつては日本史の教科書にもほとんど載っていなかった雨森芳洲の名。それがなぜ、平成の時代になってこのように有名になったのか?その謎もしっかりと解明していただけましたよ~!!

なお、今回の講座には、ケーブルテレビのZTVさんが取材に来て下さいました。「おうみ!かわら版(滋賀)」という15分の番組の中で紹介していただけるようです。本日25日は7:00/13:00/15:00(放送エリア:大津市・草津市・栗東市・守山市・野洲市・湖南市)に放映があります(彦根・近江八幡放送局は7:30/15:30)ので、こちらもぜひご覧ください。

それから、それから、今回のお話の元となった「朝鮮通信使資料」は、現在、ユネスコの記憶遺産(最近はユネスコ「世界の記憶」と言うそうですが)の登録候補となっており、登録となるかどうか、その決定が間近に迫っているとのこと。当館の「琵琶湖図」もエントリーされてます。みなさまも一緒に、ドキドキしながら結果を見守っていただけると幸いです。

最後になりましたが、平成20年度より始まったこの滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」も、今年で10年目を迎えました。また、この10年間での参加者数は4,000人を突破し、今回まででのべ4,303名の方にご参加いただくことができました。ここまでの長期にわたり続けてこられたのは、ひとえに県内外のみなさまの、滋賀の文化財について「知りたい」「見たい」というアツ~イ想いのおかげです。今後の講座開催については今の時点では未定ですが、ひとまず10年の区切りとして、ここまで支えて下さったみなさまに厚くお礼申し上げます。また、今後とも滋賀の文化財に対して、幅広い方面からご支援いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

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お申込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第5回

ご好評をいただいております滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」も第5回目、いよいよ今年度の最終回を迎えます。みなさま、もうお申込みはお済みでしょうか?

今回コヅチから打ち出てきますのは、「朝鮮通信使と近江」です。「朝鮮通信使」って。。。ほら、昨年の講座第5回を受講した方ならきっと覚えていらっしゃるはず!! あの円山応震の描いた「琵琶湖図」に小さ~く描き込まれていた、湖岸を進む異国人の行列。そうです、あれは朝鮮通信使の一行なのです。

江戸時代、日本は鎖国していたと言いますが、実際はお隣の朝鮮国と琉球王国とだけは国交がありました。そのため、将軍の代替わりの時などに、朝鮮国から日本へ使節が派遣されていたのです。その朝鮮通信使が江戸までの往復に使ったのが、琵琶湖の東側を通る「朝鮮人街道」(今でもそう呼ばれていますね)。そして、通訳として2度も通信使に同行した対馬藩儒・雨森芳洲(教科書にも出てくる有名人)は、近江国の出身だということ。どうやら朝鮮通信使と近江はとっても縁が深いようですね。

というわけで、今度の講座では、滋賀県教育委員会文化財保護課の井上優氏を講師にお迎えして、近江の異文化コミュニケーション史を振り返っていきたいと思います。今回取り上げられる朝鮮通信使関係資料は、ユネスコの記憶遺産登録候補にもなっており、大変注目されているものです。これについても、詳しく、わかりやすく解説いたしますので、みなさまどうぞお聞き逃しのないように!!

講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで、以下の内容をお伝えください。
①お名前
②お住まいの市町名
③連絡先(電話番号)
④参加回
⑤講座のことを何で知ったか

それでは、会場(コラボしが21 3階大会議室)でお目にかかれることを楽しみにしております!

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平成29年度 第4回「打出のコヅチ」が開催されました!

お盆休み(文化館にはありませんでしたが。。。)も明けた17日。滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第4回を開催させていただきました。相変わらずの暑さのうえに、まだまだ何かとお忙しい時にも関わらず、講座には今回も146名というたくさんの方にご参加いただくことができました。万難を排して(!?)ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

今回は、県教委文化財保護課の矢田直樹氏を講師に迎え、「近江の曳山祭り」というテーマでお話いただきました。昨年、近江を代表する祭りである長浜曳山祭、大津祭がそれぞれ、ユネスコの無形文化遺産、国指定重要無形民俗文化財に登録・指定され、日本だけでなく世界的にも注目が集まっているということで、皆様の関心もことのほか高いテーマだったのではないでしょうか?
会場では講座の始まる前から、湖北地域で催されているお祭りの動画がスクリーンに映し出され、そこから流れるお囃子のリズムに、これから始まる講座へのワクワク感が自然と高まります。

講師の先生からは、長浜、大津の他にも、水口、日野、大溝といった、県内を代表する祭りについて、写真をふんだんに用いながら、祭りの進められ方や曳山やお囃子の特徴について大変詳しくご説明いただきました。参加された皆さんは、会場に居ながらにして、まるで祭りに参加しているような臨場感を感じられたのではないでしょうか?また、最後の「世界遺産への登録それ自体は終点ではなく出発点である。」という言葉も、とても印象的でしたね。

参加者の皆様からは、講座後のアンケートに「知っているつもりだった祭りの内容が深く勉強できた」「本来の神事との関わりや意味を改めて認識することができた」「(祭りが)何年かおきの開催であったりということで、文化財の保存・維持は大変だ」などの感想をいただきました。近江の祭りへの興味・関心をより深めていただくことができたようで、こちらとしても嬉しい限りです。

さて、次回はいよいよ最終回となります。第5回は、9月21日(木)、県教委文化財保護課・井上優氏をお迎えして、「朝鮮通信使と近江」というテーマでお話いただきます。江戸時代に朝鮮国から日本へ派遣された朝鮮通信使に2度も同行したのは、近江出身の雨森芳洲でした。彼の外交思想とは??? 次回の講座も新たな発見がたくさんありそうですよ!お申込みは電話・Fax・E-mailで琵琶湖文化館まで。多くの方のご参加をお待ちしております!

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お申込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第4回

皆さま、来たる8月17日(木)は何の日か?そうです、文化財講座「打出のコヅチ」開催日です。忘れてはなりませんよ?ただ、開催前に皆さまに一つ謝らなければなりません。「お盆ウィークは何かと忙しくて行けないから1週ずらして~」と、昨年のアンケートでご意見をいただいていたにも係わらず、今年もやはり第3週の開催となってしまいました。会場の都合等々、オトナの事情により敢え無く17日となってしまったこと、何卒お許し下さいませ。
その代わりと言っては何ですが、他の予定をスル~してでも参加したくなる?!いや参加した方がいい!!今回の文化財講座でございます。演題は『近江の曳山祭り』です。楽しみですね~祭りだなんてテンション上がりますね~。おや?僕だけですか?・・・何故??

実は!何度かブログでも紹介している「写真整理」の作業中に、またまた見付けてしまったのですよ、お宝写真!それは昭和37年に開催された「お祭り展」のものと思われる関係資料です。アルバムタイトルはズバリ「県下の祭り①~⑤」・・・だから先輩・・・タイトルがザックリし過ぎです・・・(笑)。 年代物の写真を前に、途方に暮れていた私たちですが、そこへ現れた救世主がこの方:今回の講座の講師先生でいらっしゃいます、滋賀県教委文化財保護課(民俗担当)の矢田直樹さんです。急遽こちらがお願いしたヘルプ!の要請を、快く引き受け下さった矢田さんは、お宝写真を眺めて、「おぉ~なるほど」「すごくいいですね」を連発!当時の様子にコーフンしながら、それはもう楽しそうに僕たちに詳しく説明して下さいました。だから僕のテンションも上がっているわけです↑↑。

17日の講座では、ユネスコの無形文化遺産の一つに登録された長浜曳山祭りや、大津・日野・水口・米原・大溝などの曳山祭りについて、詳しくお話しいただけるそうです。そもそもどのようなお祭りなのか、全国の山・鉾・屋台行事や県内の曳山祭りの特徴、そして「山」がなぜ動くのか等、興味深いお話しが盛りだくさんです。その中で文化館のお宝写真も特別に友情出演?!・・・皆さんの「知りたい」欲求の一助になれば幸いです。

会場は、コラボしが21(大津市打出浜2-1)3階大会議室での開催です。
お申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで!お申込み、お待ち致しております~!!

筆:あきつ

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平成29年度 第3回「打出のコヅチ」が開催されました!

梅雨が明け、青空となった7月の第3木曜日。そうです、この日は滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第3回が開催された日です。当日の日中の最高気温は33.4℃。カ~ッと照り付ける日差しはもう真夏。ちょっと外を歩くだけで汗ダクになり、水分補給の欠かせない一日でした。そんな暑い日にもかかわらず、講座には、147名というまたまた大変多くの方にお越しいただくことができました~!! ご来場下さったみなさま、どうもありがとうございました。

第3回は、当館学芸員の渡邊勇祐が登場し、「日吉山王祭礼図を読み解く-琵琶湖文化館蔵「日吉祭礼図」の図解を中心に-」というテーマで、お話させていただきました。「山王祭」というと、毎年3月から4月の中頃にかけて大津市坂本の日吉大社で行われる盛大なお祭りで、花渡り式、宵宮落としに続いて、琵琶湖上を神輿七基が走る船渡御が見どころ、というのが多くの方の理解ではないでしょうか?

この祭りの様子は、江戸時代に描かれた「日吉祭礼図」(当館所蔵)に、詳しく記録されています。ところが今回、この絵巻を講師の解説とともに詳しく読み解いていくと。。。かつてお祭りは日吉神社と延暦寺が一体となって行っていた(!!)とか、神事に僧侶も加わっていた(!!)とか、はたまた(他の屏風絵なども参考にすると)粟津の御供の神事はかつては陸上で行われていた可能性がある(!!)とか。。。今、私たちが見ることのできる姿とはかなり違っていたことが明らかになるという、いやはや、まさに「猿も木から落ちる」、あっいや違った!「目から鱗が落ちる」ような講座でありました。

さて今回は、大津の祭りということで、地元の方の関心も高く、実際に山王祭に携わっていらっしゃる方などもご参加いただいたようです。講座終了後の質疑応答の際には、「粟津の御供を陸上で行っていたという話は地元でも伝わっている」など興味深いお話もうかがいました。一つの作品を通して過去と現在が繋がり、さらに祭りを未来へ続けていくために何らかの形でお役にたてるなら、これは大変嬉しいことです。「日吉祭礼図」自体も、まだまだこれから研究の余地がある作品だということです。これからも地元の文化財として大切に守り、活用していきたいものですね。

次回の「打出のコヅチ」は8月17日(木)、県教委文化財保護課・矢田直樹氏を講師にお迎えして、「近江の曳山祭り」というテーマでお話いただきます。今、世界中から注目の的となっている曳山祭り。滋賀でも、長浜、水口、日野など各地で行われており、秋10月には、大津でも大津祭があります。こういった曳山祭りをもっともっと楽しむためにも、たくさんの方に講座をご聴講いただけたらと思います。お申込みは電話・Fax・E-mailで琵琶湖文化館まで。多くの方のご参加をお待ちしております!

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お申込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第3回

京都の方からコンチキチンと祇園祭の話題が聞こえてくると、梅雨明けももうじきであることを感じます。豪華絢爛な祇園祭の様子はまた、古くから屏風絵などの画題としても好まれ、数多く描かれてきたので、皆さまもそういった絵画を幾度となく目にされたことがあるでしょう。
祭りを描いた祭礼図と言えば、京都の祇園祭とならんで、こちら大津の春を賑わす日吉大社の山王祭の様子を描いたものもたくさんあります。文化館では、そのうちの一つ「日吉山王祭礼図」という江戸時代の絵巻物を所蔵しています。
来たる7月20日(木)の文化財講座「打出のコヅチ」第3回では、「日吉山王祭礼図を読み解く」と題して、この絵巻物に注目します。長い歴史のなかで少しずつ様変わりしてきたという山王祭。その本来の姿はどのようなものだったのでしょうか?当館学芸員・渡邊勇祐が、絵巻の見方、そして読み方を詳しく解説いたします。
山王祭に行かれた方も、またこれから見に行きたいとお思いの方にも、祭りについてよく知るためには必聴の講座です。ぜひぜひご参加ください!

講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで、以下の内容をお伝えください。
①お名前
②お住まいの市町名
③連絡先(電話番号)
④参加回(他の回と合わせてのお申込みも出来ます)
⑤講座のことを何で知ったか

それでは、みなさまと会場でお目にかかれることを、楽しみにしておりま~す!

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平成29年度 第2回「打出のコヅチ」が開催されました!

梅雨入り宣言はとっくの昔にされたはずですが、このところとってもよいお天気が続いていて。。。会場の近くで満開となった紫陽花の花だけが、6月であることを思い出させてくれます。
会場というのは、「コラボしが21」のこと。昨日15日、滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第2回が、ここで行われました。少し汗ばむくらいの暑さの中、なんと173名もの方がお集まりくださったのです(新記録)!! 今回の講座のテーマは「究極の城 彦根城」。なんといってもこのタイトルですからね~。大勢の方のご参加は予想しておりましたものの。。。とうとうこれまでの講座の中で「究極の」参加者数となり、驚きと感動の一日となりました。

さて、彦根城は国宝・特別史跡にも指定されているということで、現地を訪れて、あの3層屋根の天守を見上げたことのある方も、たくさんいらっしゃることでしょう。ところが、今回の講師にお迎えした松下浩氏(滋賀県教育委員会文化財保護課)は、地上から見上げるのではなく、地図を用いるなどして、鳥のように(?)ひたすら空の上から、彦根城全体とその城下町を見下ろしてお話し下さいました。
確かに上からお城の全体を眺めてみると、そこに堀や石垣がどのように配置されていたのか、城の「縄張り」がよ~くわかりますよね。その上で、この彦根城と城下町がどのように造られ、拡張していったのかということを、関ケ原の合戦以後の徳川家と豊臣家の関係などの歴史的背景をも絡めながらご説明いただいたきました。この新たな視点からの解説で、彦根城という、軍事的要素と政治的要素が最高度に組み合わさった「究極の城」の魅力を、みなさまにじっくりと味わっていただくことができたのではないでしょうか?

講座後のアンケートにも、「丸ごと彦根城を知った気分」「今までただ眺めていたお城の全体に興味が深まった」「ゆっくり歩いて今回得たことを確かめてみたい」など、彦根城を中心とした今回の講座内容に関する感想をたくさんいただきました。さらにまた、「地域の文化財について理解することによって生活に満足感が増す」「(文化財の)保護や実態について考えることがなかったので、解説付きの講座を受講できるのはうれしい」など、「打出のコヅチ」全体についての嬉しいご感想もいただきました。どうもありがとうございました。みなさまのご意見・ご感想をもとに、打出のコヅチも「究極」を目指して行きたいなあ。。。と思っております。

次回は7月20日(木)、いよいよ当館の学芸員・渡邊勇祐が登場いたします。テーマは「日吉山王祭礼図を読み解く」。地域に残る文化財をじっくりと堪能できますよ。お申込みは電話・Fax・E-mailで琵琶湖文化館まで。次回もまた、多くの方のご参加をお待ちしております!

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お申込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第2回

天守が現存するということで有名な国宝・彦根城。今年は築城410年を迎え、さまざまなイベントが行われていますね。去る4日には、航空自衛隊ブルーインパルスによる展示飛行が催され、近世の城郭と現代の自衛隊との時空を越えた、地空にわたる見事なコラボレーションに、なんと5万人!!を越える観客が魅了されたということです。
ところで、空から見下ろすと、彦根城の堀や門が戦に備えてどのように配置されているのか、その「縄張り」がとてもよくわかるはずですよね。現代の防衛を司るパイロットさんの目には、いったいどのように映ったのでしょうか?ちょっと気になります。。。

さて、来たる6月15日(木)に開催いたします文化財講座「打出のコヅチ」第2回は、そんな彦根城の縄張りなどから見た、城と城下町の構造とそれらが築かれた歴史的背景についてのお話です。講師には、長年滋賀県を中心に城郭の研究に携わってこられた松下浩さん(滋賀県教育委員会文化財保護課)をお迎えいたします。
今回は大変人気の講座となっており、残席が少なくなってきております。参加を予定されていらっしゃる方は、どうぞお早目にご予約下さい。

講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで、以下の内容をお伝えください。

①お名前
②お住まいの市町名
③連絡先(電話番号)
④参加回(他の回と合わせての申込みも可)
⑤講座のことを何で知ったか

それではみなさま、
会場でお待ちしておりま~す!

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平成29年度 第1回「打出のコヅチ」が開催されました!

「五月晴れ」というのは本来、梅雨の間の晴れ間のことを言うそうですが、今では、新暦5月の晴天のことを指すようになっていますよね。昨日のお天気は、まさに今風の方の「五月晴れ」。雲一つない青空が、まるで文化財講座「打出のコヅチ」第1回目の開催を祝ってくれているような感じもしました!! 講座の参加者は113名。中には「お天気がとても良いので出かける気分になりました」と言って来て下さった方もいて。。。本当にお天道さまと、ご参加いただいたみなさまに、感謝!! の一日でした。

さて、今年度第1回目の「打出のコヅチ」は、滋賀県教育委員会文化財保護課の古川史隆氏を講師に迎え、「金剛輪寺・十二神将像の魅力に迫る-平成28年度滋賀県新指定文化財より-」と題して、お話いただきました。
滋賀でも有数の古刹、金剛輪寺・護摩堂に安置されている十二神将像は、鎌倉時代中期の慶派仏師に連なる者の作と考えられ、その身体表現や表情などが優れており、数ある滋賀の十二神将像のなかでも、優品として高く評価されています。
講座では、京都・奈良など各地に残る作品との詳細な比較により、その特徴を捉え、また制作時期を押さえていくという、美術史の王道を行く研究方法も、写真をふんだんに用いた説明で、初心者の方にとってもわかりやすく、よくご理解いただけたのではないでしょうか?

実はこのお像たち、昭和52年に金剛輪寺で火災が発生した時の混乱で、手足の部材が脱落するなどの損傷に見舞われたそうです。その後、30年以上の時を経てようやく、当時のご住職が書付に残した「後の時代の修理を願う」という思いが叶い、平成25年から3年をかけての保存修理を経てほぼ元の姿に蘇り、今年3月に滋賀県指定文化財として指定されるに至ったそうです。こういったお話を伺うと、文化財を守り伝えていくことの大切さと難しさについて、改めて考えさせられます。。。

講座後のアンケートの中には、「今まで何とも思わず見ていたものに興味を持つようになった」「専門家により説明をうけて滋賀県の魅力が得られた」などの嬉しい感想が!ご参加いただいた皆様にも大変満足していただけたようです。

次回は6月15日(木)、県教委文化財保護課・松下浩氏をお迎えして、「究極の城 彦根城」というテーマでお話いただきます。今年は彦根城築城から410年ということで、盛り上がっていますね。講座でも、ホットな話題をお聞かせいただけるのではないでしょうか?お申込みは電話・Fax・E-mailで琵琶湖文化館まで。多くの方のご参加をお待ちしております!

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お申込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第1回

いよいよ来週に迫りました!来たる5月18日(木)13時30分より、コラボしが21(大津市打出浜2-1) 3階大会議室にて、平成29年度滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第1回を開催いたします。皆さま、お申込みはもうお済みでしょうか?

今年度の「打出のコヅチ」第1回目は、「金剛輪寺・十二神将像の魅力に迫る―平成28年度滋賀県新指定文化財より」というテーマで、滋賀県教育委員会文化財保護課の古川史隆氏を講師にお迎えしてお話いただきます。

十二神将とは、薬師如来様のまわりを固め、しっかりとお守りしているあのマッチョな(!!)武装神集団のこと。奈良・新薬師寺の国宝・十二神将像が有名ですが、滋賀の寺院にも数々のすばらしい作品があります。中でも、湖東・金剛輪寺の十二神将像は、県内に伝来する十二神将像のなかでも指折りの優品に数えられるとか。ちょうど昨年の今頃、地元の愛荘町歴史文化博物館で行われた特別展「十二神将と四天王-武将形の守護神-」で、修理を終えたばかりのお像がお披露目されたので、ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回の講座では、平成29年3月にこの金剛輪寺・十二神将像が滋賀県指定文化財となったのを機に、講師の先生より改めてその魅力について語っていただくこととなりました。指定に至るまで文化財担当者として携わってこられた方ならではの、秘話を聞かせていただけるかもしれませんね。

講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館まで、
TEL:077-522-8179/FAX:077-522-9634
または、メール:biwakobunkakan@yacht.ocn.jpで、
①お名前
②お住まいの市町名
③連絡先(電話番号)
④参加回(他の回と合わせてのお申込みも出来ます)
⑤講座のことを何で知ったか
を、お知らせ下さい。

今年度も、多くの方のご来場をお待ちしております!

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H29年度 滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」受付開始!

まだかまだかと、心待ちにしていた方もいらっしゃることと思います。今年もやります!平成29年度滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」のご案内です。
滋賀の文化財についてのホットな話題を提供しておりますこの講座には、おかげさまで毎年たくさんの方にご参加いただいております。そのご期待に応えまして、今年もさらにパワーアップした内容でお届けしたいと思っております。専門の講師の先生方からは、滋賀の文化財の魅力について、わかりやすく丁寧な解説を、じっくりと聞かせていただけますので、はじめての方も、そうでない方も、どうぞ奮ってご参加下さいませ!

【内容・日程】
第1回 5月18日(木) 金剛輪寺・十二神将像の魅力に迫る
講師:古川 史隆(県教委文化財保護課)
第2回 6月15日(木) 究極の城 彦根城 
講師:松下 浩(県教委文化財保護課)
第3回 7月20日(木) 日吉山王祭礼図を読み解く 
講師:渡邊 勇祐(琵琶湖文化館)
第4回 8月17日(木) 近江の曳山祭り
講師:矢田 直樹(県教委文化財保護課)
第5回 9月21日(木) 朝鮮通信使と近江 
講師:井上 優(県教委文化財保護課)

【会場】コラボしが21(大津市打出浜2-1)3階 大会議室
JR膳所駅より徒歩約15分 
京阪石坂線石破駅より徒歩約5分
【時間】13:30~15:00(受付13:15から)
【募集人数】各回200名
【聴講料】無料(事前予約制・当日参加も可)
【主催】滋賀県教育委員会・滋賀県立琵琶湖文化館

【申込み方法】電話・FAX・メールで、
氏名(ふりがな)・住所(市町まで)・連絡先(電話番号)・参加回
・この講座を何で知ったか、をお知らせください。
【申込み先】滋賀県立琵琶湖文化館 〒520-0806 滋賀県大津市打出浜地先
TEL:077-522-8179
FAX:077-522-9634
メール:biwakobunkakan@yacht.ocn.ne.jp

さあ、皆さん、忘れないうちにお申込みを!そして、スケジュール帳にも予定を書き込んで下さいね~!では、会場でお会いできることを楽しみにしておりま~す。

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平成28年度 第5回「打出のコヅチ」が開催されました!

15日(木)、滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第5回が開催されました。今回も131名という大勢の方にご参加いただき、盛況のうちに終えることができました!

最終回には、県教委文化財保護課の井上優氏をお迎えして、「琵琶湖文化館蔵『琵琶湖図』の構図を読み解く-朝鮮通信使とシーボルト-」というテーマでお話しいただきました。滋賀県に住む者には、よ~く見慣れた琵琶湖の風景。そして、数えきれないほどあるのも琵琶湖を描いた風景画。円山応震筆『琵琶湖図』も、その片隅に繊細な筆使いで朝鮮通信使の一行が描かれている以外、一見しただけでは何の変哲もない風景画です。けれども、よ~く見ると、何かおかしい?これは何??・・・そんな違和感、そして既視感を突き詰めて、これはいったいどこから見た風景なのか?何(どこ)を描いてるのか?という。。。まるで推理小説のような「謎解き」の顛末を、シーボルトのように情熱家でいらっしゃる井上先生から、独特の語り口でお話しいただいたのが、とても印象的な今回の講座でした。
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あのシーボルトも心惹かれ、世界的ベストセラー『NIPPON』の挿図に、構図を採用したフシのある『琵琶湖図』ですから、おそらく参加者の方々の想像力もまた、ひときわ搔き立てられたのでしょう。講演終了後には、質問とともに新たな解釈なども次々と飛び出し。。。盛況のうちに時間切れ。泣く泣くの(?)終了となりました。。。この絵については、まだまだ研究の余地が残されていて、今後の進展が楽しみなテーマであるということですね! いつの日か続編を聞かせていただけるのでしょうか??期待感のおおいに高まる講座でした。

そして、近日公開です!会場でも紹介がありましたが、文化館所蔵の『琵琶湖図』は、栗東歴史民俗博物館の企画展「琵琶湖誕生―日本・世界が見聞した琵琶湖」への出品が決まりました(公開期間:10月8日~11月3日)。この絵は、非常に細かく、精緻に描かれたものですので、みなさま、ぜひ一度、写真でなく実物を、ご自身の目でご確認ください。きっとまた、新たな発見があるはずです。本当に、噛めば噛むほど美味しい~のが、『琵琶湖図』なのですよ!

さて、名残惜しくも今年度の文化財講座(全5回)は、これですべて終了です。延べ564名という、過去最多の参加者の中には、地元滋賀の方ばかりでなく、遠方からお越しの方も少なからずいらっしゃったようで。。。滋賀の文化財への関心は、ますます高まってきているようですね。みなさま、本当にありがとうございました!!

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お申し込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第5回

288-2今年度の文化財講座「打出のコヅチ」もすでに4回を終え、いよいよ次回の第5回で最終回となります。今年度は、これまで以上に多くの方々にご参加をいただき、スタッフ一同、とても喜んでおります。そして、「資料は○○部で足りるかな?」「ゆったりと座っていただけるかな?」「やっぱり会場が狭かったか!な??」など、嬉しい悲鳴を上げておりますよ(笑)。みなさま、本当にありがとうございます!!

さて、前回の講座のアンケートで、「以前とは参加者が変わってきているので、文化館収蔵品の解説を再度企画してはどうですか?」という、と~っても嬉しいご意見をいただきました!確かに、今年はじめてのご参加という方も多く、参加される方のお顔ぶれも少し変わってきたのかなぁと感じておりました。そうですよね。新しい方にもよく知っていただくために。。。よろしいですよね?もっと取り上げても。文化館の収蔵品たち。。。やった~!!

というわけで、ちょっと気を良くして(笑)、文化館モンGOです!9月15日(木)滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第5回のテーマは、「琵琶湖文化館蔵『琵琶湖図』の構図を読み解く-朝鮮通信使とシーボルト-」。講師には、井上優氏(滋賀県教育委員会文化財補保護課)をお迎えいたします!

文化館が所蔵する円山応震筆の「琵琶湖図」7月30日付の毎日新聞でも取り上げられたように、実は今、密かに注目を浴びているのですョ。謎多きこの絵について、新たに打ち出された解釈とはいったい。。。続きは第5回講座で。

講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで、
①お名前、②お住まいの市町名、③連絡先(電話番号)、④参加回、⑤講座のことを何で知ったかを、お知らせ下さい。

多くの方のご来場をお待ちしております!

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平成28年度 第4回「打出のコヅチ」が開催されました!

P1050560-2相変わらず猛暑が続いています。17日の大津の最高気温は34℃。もう脳ミソもトロけてしまいそ~です~!
そんな真夏日に。。。開催してしまいました(スミマセン)。。。今年度第4回目の「打出のコヅチ」ですが、予想を越える86名という大勢の方に、(おそらく熱中症対策万全で)お越しいただくことができました(ホッ)。みなさま、本当にありがとうございました。

今回は、「近江の奇祭-中山の芋競べ祭り-」というテーマで、県教委文化財保護課・矢田直樹氏にお話いただきました。日野町中山では、毎年9月1日に「中山の芋競べ」という祭りが行われます。これは集落内の2つの地区が、地区の境にある野神山の祭場で、栽培している里芋(トウノイモ)の長さを競い、299その年の作況を占うもので、国の重要無形民俗文化財にも指定されているそうです。

この祭りについて、野神山の野神とは何か?芋競べ祭りはどのように行われるのか?この祭りの何がすごいところなのか?そして、なぜ芋なのか?といった点を、映像を使いながら解説していただきました。まだ祭りを見たことのない方にも、その様子が目の前に浮かんでくるほど詳しい説明だったのではないでしょうか?

講座後のアンケートでは、「長く行事が受け継がれているのを感心した。祭を再認識した。」「米作文化以前の畑作文化(イモ)に興味をおぼえました。」「一度祭りを見てみたい。」「地域に根差した伝統芸能を発見できて嬉しかった。」など、たくさんのご感想を寄せていただきました。みなさま興味深く聞いていただけたようですね。

さあ、講座で予習をしたなら、今度は実践です!日野町へ芋を競べに行くもよし!地元や近隣の祭りに行き、芋と比べてみるのもよし!稲作文化という表層を一枚ペロッとめくると、畑作(イモ)文化という基層が現れてきたように、新しい発見があるかも知れませんね。ちなみに、里芋は一度蒸すと皮がペロッと剥けますよ!(どーでもいいことですが。。)

次回はいよいよ最終回。9月15日(木)県教委文化財保護課・井上優氏をお迎えして、「琵琶湖文化館蔵『琵琶湖図』の構図を読み解く-朝鮮通信使とシーボルト-」というテーマでお話いただきます。お申込みは電話・Fax・E-mailで琵琶湖文化館まで。多くの方のご参加をお待ちしております!

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お申し込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第4回

288-3立秋を過ぎて、暦のうえではもう秋です。秋といえば、「スポーツの秋」(リオ五輪も始まりましたね~!)、「芸術の秋」、などいろいろありますが、ここはやっぱり「食欲の??」、いえいえ「収穫の秋」でしょう!

というわけで、8月17日(水)滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第4回のテーマは「近江の奇祭-中山の芋競べ祭り-」。講師には、矢田直樹氏(滋賀県教育委員会文化財保護課)をお迎えいたします。

毎年9月1日、日野町中山ではちょっと変わったお祭りが行われます。滋賀県には奇祭といわれるお祭りがいくつもありますが、この「芋競べ祭り」もその一つ。その名の通り、芋の長さを競い、作況を占うのだそうです。。。なんだか不思議なお祭りのようですね。気になります。。。「一度見てみたい!」と思われた方は、ぜひ、事前に講座で「芋を掘り下げて」から行きましょう。祭りの面白さが倍増すること、間違いなしです!

講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで、①お名前、②お住まいの市町名、
③連絡先(電話番号)、④参加回、⑤講座のことを何で知ったかを、お知らせ下さい。
第5回のお申込みも同時に受け付けております。

秋とはいえ、お盆明けの17日はまだまだ残暑の厳しいころ。涼し~い会場(大津市打出浜2-1 コラボしが21 3階大会議室 13時30分から)で、みなさまのご来場をお待ちしております。

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打出のコヅチ第3回【裏コヅチ】

前回の講座に参加していただいた方で、「あれ?」と思われた方いらっしゃいます?「講座のチラシにも載っていた『山法師強訴図』の説明・・・聞いたっけ?」と・・・その記憶、あなたは正しい・・・そうです!講座資料にも出てません!お話しもしていません!すみません!!
ということで!打出のコヅチ【裏コヅチ】の出番となりました。。。

「近江の神仏習合-琵琶湖文化館の収蔵品を中心に-」をテーマにお話しさせていただきましたが、この内容を語る上でとてもイメージし易いのが、この「山法師強訴図」です。
20160721-1山法師とは武装した比叡山の僧侶のことであり、強訴とは時の朝廷に対して、徒党を組んで無理やり訴えを通すこと。よく見ると頭を丸めたお坊さんが神輿(みこし)を担いで攻め入るところが描かれています。これ、現代の感覚で言うと少し違和感・・・神輿は神社のお祭りで見る・・・それをお寺のお坊さん集団が担ぐ・・・やっぱり違和感。そう、このアタリが神仏習合なのですよ。
今でこそ神社とお寺は異なるもの、神様か仏様かという認識で区別してしまいますが、江戸時代まではその区別は曖昧なものでした。奈良時代の頃から、神社に神宮寺が建てられたり、寺院に神が祀られたりします。平安時代の頃には、更に発展して本地垂迹説(仏は神の姿でこの世に示現する、即ち仏と神は同体)が成立し、神社のご神体に仏像が据えられたり、寺が神社を管理するなどして習合するわけです。
この屏風は、強訴が起こった時代に実際に見て描かれたものではなく、鑑賞用として描かれた近世の作品ですが、強訴に関する文献資料は数多く残るものの、それを具体的に描いた大型の絵画遺品として、とても貴重な作品となっています。

と、このような事も、講座でお話させていただきたかったのですが、多種多様な神道曼荼羅(垂迹曼荼羅)の話でいっぱいになったと、担当の学芸員は申しておりました。。。何卒【裏コヅチ】で、ご納得いただければと思います。。。

ちなみにこの「山法師強訴図」、文化館が開館していた頃には「ご招待券」などの表紙によく使わせていただきました。「やぁやぁ 神勅である 文化館に 行くべし 行くべし」というような意図があったかなかったか(笑)。ともあれ、文化館を代表する逸品でございます。20160721-2

   筆:あきつ

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平成28年度 第3回「打出のコヅチ」が開催されました!

梅雨も終わりに近づいたのか、近頃はお天気が不安定ですね。昨日の大津も、午前中はよく晴れていたのに、午後から急に激しい雨が降った。。。そうです。
というのは、その間は文化財講座「打出のコヅチ」開催中で、ご参加いただいた131名の方と共に、会場でカーテンを閉め切っていたため、まったく気づかなかったのでした。講座が終わって外へ出ると、「あら?降ってたの?」という感じで。。。ご参加下さったみなさま、大雨に遭わずに済んでよかったですね!
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講座の方は第3回目となり、またまた記録更新の大盛況!今回は当館学芸員の渡邊勇祐が、「近江の神仏習合-琵琶湖文化館収蔵品を中心に-」というテーマでお話させていただきました。神仏習合というのは難しいテーマですが、それが具体的な作品に基づいて説明されたのは、日ごろ文化館で実際の作品の整理・調査を担当している学芸員ならではの切り口だったかと思います。

ただ、やっぱり「少し難しかった」という感想も、何人かの方からいただきましたので、ここで簡単に復習をしておきましょう!さて、問題です。

問 次の文章の空欄に適する語句を入れなさい。

日本では奈良時代以降、「神身離脱」や「護法善神」といった( 1 )思想が展開しました。さらに平安時代になると、仏が衆生を救うためこの世に神の姿で現れるという( 2 )説が登場します。平安時代末期になると、( 2 )説に基づいて、仏の垂迹としての神を描く垂迹( 3 )が現れますが、「日吉山王曼荼羅図」(正源寺様ご所蔵)はその一つです。
また、江戸時代には、湖国を代表する祭である日吉山王祭を描いた「日吉祭礼図絵巻」(琵琶湖文化館蔵)などが制作されます。山王祭では、現在も比叡山延暦寺の天台座主が社参し、神前読経が行われます。このような( 1 )の儀礼が今も息づいていることが、( 4 )県の文化の特徴であり、魅力でもあります。

いかがでしたか?
答えは、(1)神仏習合 (2)本地垂迹 (3)曼荼羅 (4)滋賀 でした!!
ご解答いただけましたでしょうか??

さて、次回は、8月17日(水)「近江の奇祭―中山の芋競べ祭り-」。講師には矢田直樹氏(滋賀県教育委員会文化財保護課)をお迎えします。お申込みは滋賀県立琵琶湖文化館まで(Tel・Fax・Eメール)。多くの方のご参加をお待ちしております!

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お申し込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第3回

平成28年度滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」(全5回)もいよいよ中盤を迎えます。7月14日(木)に行います第3回のテーマは、「近江の神仏習合-琵琶湖文化館収蔵品を中心に-」。講師には当館の学芸員・渡邊勇祐さんの登場です!

みなさま、もうお申込みいただけましたでしょうか?

日本の仏教の源である比叡山は、神仏習合の「聖地」だとも言われます。平安時代のはじめに比叡山のふもとで在来の神と結びついた仏教は、その広がりとともに数多くの神仏習合美術をも生み出してきました。そういえば、今年度の「打出のコヅチ」第1回で取り上げられた、栗東市五百井神社の神像や長浜市の懸仏も、神仏習合の考え方によって作られたものでしたね。

今回の講座では、琵琶湖文化館の収蔵品の中から、神仏習合の考え方が表された作品を取り上げて、仏教の日本的な在り方についての奥深いお話を聞かせていただけるようですよ。

H28_打出のコヅチ_チラシ講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館
(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/
メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで、
①お名前、②お住まいの市町名、③連絡先(電話番号)、
④参加回、⑤講座のことを何で知ったかを、お知らせ下さい。第4回、第5回のお申込みも同時に受け付けております。

ところで、チラシにチラリと掲載している「山法師強訴図」とはどのようなものでしょうか?少し予習をしておこう!という方はぜひこちらをご覧くださいませ。

では、多くの方のご参加をお待ちしております!

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平成28年度「打出のコヅチ」第2回が開催されました!

201606172016年6月16日(木)、海の向こうではイチロー選手が、日米通算4257安打という記録を作り出しましたが、こちら滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」では、参加者が126名という過去最多記録を更新致しました!
梅雨に入り、朝からの雨で足元が悪いにもかかわらず、このように多くの方々にご参加いただき、本当に嬉しく思っております。皆様どうもありがとうございました。

「打出のコヅチ」第2回は、松下浩氏(滋賀県教育委員会文化財保護課)を講師にお迎えして、「信長文書の世界」というテーマでお話いただきました。

織田信長というと、古いしきたりや秩序にはとらわれず、新しい時代を切り開いた革命児といったイメージが定着していますね。ところが、信長が発給した文書(手紙など)を丁寧に見ていくと、書札礼(しょさつれい)という当時の文書の書き方のルールに厳格に従い、敬うべき相手かそうでないかによって、使う紙や書き止めの文言、日付の書き方、宛名の位置などを微妙に変えていた・・・つまり、既成の習慣・概念をことごとく打ち破るのではなく、相手方と認識を共有できる、従来からの枠組みの中で、意思の疎通を図ろうとしていたことがわかる、というのです。
さらに、そのことを踏まえると、文書に記された「麟」の花押(信長のサイン)と、有名な「天下布武」の印章について、「天下布武」というのは日本全国を統一するという意味ではなく、室町幕府の再興を目指しただけで、「麟」の花押も信長ではなく、足利義昭を指すのだと考えられる、という新たな説も紹介されました。

崩し字で書かれた古文書は、初心者にはとっつきにくいものではありますが、スクリーンに大きく映し出された文書を前に、細部にわたる丁寧な解説をしていただくと、まるでそこに信長が居て、「小早川様には斐紙(ひし:上質な紙)っぽいのでなければ」「兼松は朱印にして・・・」などと言いながら、右筆(代筆する人)に書かせている様子が思い浮かんだりして。。。そして、信長がこれほどまでにしきたりを重んじる人物であったことは、実に意外で、また驚かされることでもありました。

その後、参加された方々からは、「朱印と黒印は使い分けられていたのか?」「信長はいつから天下統一を目指したのか?」「(実際に文書を書いた)右筆は何人いたのか?」など、ご質問が相次いだのですが、質疑応答を続けるうちにとうとう時間切れ。すべてのご質問をお伺いしきれなかったのがとても残念で、申し訳なく思っております。
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さて、次回の「打出のコヅチ」は、7月14日(木)、「近江の神仏習合-琵琶湖文化館収蔵品を中心に-」というテーマで、当館学芸員・渡邊勇祐が講師を務めさせていただきます。ただ今、参加申込受付中!まだお済みでない方は、どうぞお早目にお申込み下さい!

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お申込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第2回

46滋賀県にゆかりのある歴史上の人物のうち、織田信長は最も有名で人気のある人物の一人と言ってよいでしょう。
16日(木)に行います平成28年度滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第2回目は、講師に松下浩さん(滋賀県教育委員会文化財保護課)をお迎えしての「信長文書の世界」と題するお話です。松下さんは、長年、安土城の調査研究に携わってこられた、信長研究の第一人者でいらっしゃいます。

信長と言えば、古いものを破壊しつくし、次々に新しい政策を推し進めた「革命児」というイメージをお持ちではないでしょうか?でも、そのイメージは確かな根拠に基づいたものなのか?今回の講座では、信長自らが書いた手紙を題材に、その書き方や紙の選び方などを通して、信長の真の姿に迫る!ということです。
奇しくも6月は信長の祥月(命日のある月)。残された史料の語ることに耳を傾け、生前の姿を偲ぶにはよい時季ではないでしょうか。

講座のお申込みは、
滋賀県立琵琶湖文化館(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/
メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで。
①お名前、②お住まいの市町名、③連絡先(電話番号)、④参加回、
⑤講座のことを何で知ったかを、お知らせ下さい。

P1050369-1さて余談ですが、「明智左馬之助の湖水渡り」ってご存知ですか?本能寺の変で信長を討った明智光秀の娘婿、明智左馬之助(秀満)は、山崎合戦で光秀が敗走したことを知り、急ぎ安土から京へ向かいました。ところが途中、大津で追い詰められ、そのまま馬に乗り琵琶湖を渡って、坂本城まで逃れたそう。で、その大津というのが、実は文化館のすぐ前の浜なのです。
講座会場のコラボしが21からは徒歩1分。今はそこに石碑が建っていますので、帰りに少し足を延ばしてみて、戦国の時代に思いを馳せてみるのもおすすめです。

では皆さま、16日(木)13:30から、コラボしが21 3階大会議室 でお待ちしております!

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平成28年度「打出のコヅチ」スタート!

P1050343-15月にしては気温の高い日が続いています。19日の大津の最高気温は27度。少し動くだけでもう汗が湧いてきます。そのような中でのスタートとなった平成28年度滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」ですが、今回は90名という多くの方にお越しいただきました。暑い中、足をお運び下さった皆様、本当にありがとうございました。

第1回目の本講座では、「来迎図・神像・懸仏-平成27年度滋賀県新指定文化財より-」という演題で、県教育委員会文化財保護課担当職員の古川史隆氏を講師に迎え、昨年度新たに県指定の文化財となった美術工芸品の中から、「絹本著色阿弥陀三尊来迎図」(大津市・光明寺)、「木造男神坐像」(栗東市・五百井神社)、「金銅十一面観音不動毘沙門懸仏」(長浜市)の3件について、詳しい解説をしていただきました。

まずは、光明寺の阿弥陀三尊来迎図について。阿弥陀来迎図とは浄土信仰の広がりと共に描かれるようになったもので、比叡山周辺の寺院には数多く残されており、光明寺の鎌倉時代のものも一見したところそれほど変わったようには見えません。ところがよく見ると、右下の往生者が観音菩薩の捧げ持つ蓮台に乗っており、まさに来迎の劇的な場面が描かれた、他に例のない大変珍しいものであるということです。
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次に、紹介された五百井神社の男神坐像は、なんと驚くなかれ!平成25年9月に滋賀県に大きな被害をもたらした台風18号の際、神社の裏山が崩れ、土砂に埋められた中から救出されたものなのだそうです!それまで長い間人目に触れずにいた神像ですが、被災によってお姿が少し変わってしまったものの、霊木かと思われる「節」のある材で作られた像は保存状態が良く、眉間を寄せた怒りの表情の中にもおだやかさが感じられる洗練されたお顔などから、平安時代にさかのぼる優品であることがわかりました。

長浜市の懸仏は、表面の十一面観音とそれを取り巻く豊かな装飾もさることながら、裏面の墨書銘から制作年・制作の背景などが詳しくわかり、懸仏の全盛期である南北朝時代の基準作例ともなる優品であるとのことでした。

今回のお話は、指定文化財にすることの意味を含め、来迎図、神像、懸仏の一つ一つについて、どのような歴史的背景の中で作られて、どういった変遷を辿ってきたのかなど、とても丁寧に解説して下さいましたので、初心者の方にもわかり易かったのではないでしょうか。これらの文化財が、保存と活用を図るに値するものとして指定された意味を、よく理解できるお話だったと思います。

さて、今回指定を受けた3件のうち、懸仏は高月観音の里歴史民俗資料館の常設展で、また五百井神社の神像は、栗東歴史民俗博物館で5月21日(土)から6月19日(日)まで開催される収蔵品展「資料が奏でる歴史のしらべ」にて公開されるとのこと。今回講座にご参加いただいた方もそうでない方も、機会があれば実物を見に行かれてはいかがでしょうか?

次回の講座は、6月16日(木)「信長文書の世界」というテーマで行います。講座を受けると、今までの信長像がガラッと変わるかも?皆さま、ぜひぜひご参加くださいませ。

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「打出のコヅチ」 ちらしが出来ました!

H28_打出のコヅチ_チラシ講座・イベントのコーナーでもすでにご案内しておりますが、毎年ご好評をいただいております滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」。今年度も5月より開催いたします!

滋賀県には、国宝や重要文化財を含む多くの文化財がありますが、本講座では毎年、これらの文化財をめぐるホットな話題を皆さまに提供しております。
今年度は5回にわたって、新たに県指定となった文化財をはじめ、有形・無形のさまざまな、滋賀県ならではの文化財について、専門の職員と学芸員がわかりやすく解説します。
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講座のちらしは県内の博物館・図書館等に置かせていただいておりますので、みなさまお立ち寄りの際にはぜひお手に取ってご覧下さいませ。

参加のお申込みは、
琵琶湖文化館(TEL: 077-522-8179 FAX:077-522-9634)まで。
では、今年度も多くの方のご参加をお待ち申し上げております!!

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2月14日は・・・

皆さん至急ご確認下さい。お部屋のカレンダー、お手元のスケジュール帳、2月14日に『〇』:マル印、付いてますか?忘れていませんか?大事な日ですよ?

そう!何を隠そう!この日は我らが文化財に関わる『講座』が開催される日でーす!
あれアレ?皆さん?チョコに浮かれてる場合じゃないですよ?(笑)

この講座は、滋賀県教育委員会さんが実施される「千年の美」つたえびと養成講座です。今回のテーマは「屏風・掛軸・巻子の形と構造-屏風をつくってみよう-」。講師を務められるのは、仏画など国宝・重要文化財の修理にたずさわっておられる若き職人さん。屏風などの表具技術を学ぶとともに、文化財の「かたち」や「構造」について詳しくお話しして下さいます。
そして皆さん、お気付きですか?サブタイトル・・・「屏風をつくってみよう」となっていますよッ!なんとコレ嬉しい体験型!こっそり仕入れた情報(特ダネ)では、参加者は美人画、虎図、草花図の中から図柄をひとつ選んで、かわいらしい「ミニ屏風」が作れるのだそうです。283とくに、紙蝶番(ちょうばん、ちょうつがい)は和紙を用いて、本物の構造をよく理解できるようにご指導いただけるとか!嬉しいお持ち帰り有り!作り方が分かればオリジナルのミニ屏風も作れるようになるのでは?・・・是非参加せねば!参加したい!!

講座は事前予約制となっていますので、申込みはお早めに!

日 時:平成28年2月14日(日)午後1:30~3:00
会 場:コラボしが21(大津市打出浜2-1)3階大会議室
テーマ:屏風・掛軸・巻子の形と構造 -屏風をつくってみよう-
講 師:佐味 義之 氏(株式会社坂田墨珠堂 文化財修理技術者)
募 集:200名  *受講料無料、事前申込み制(当日参加も可)
申込先:滋賀県教育委員会事務局文化財保護課(美術工芸・民俗係)
電話077-528-4672 FAX 077-528-4956

ぶきっちょ(不器用)な僕でも応募可能かしらん?・・・きっとダイジョウブ!迷っておられる貴方もダイジョウブ!是非参加してみては?!

   筆:あきつ

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「千年の美」つたえびと養成講座のご案内

今年度の滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」は9月をもって終了しましたが、まだまだ勉強したいと思っている方に朗報です!
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前年度に引き続き、滋賀県教育委員会事務局文化財保護課さんから『「千年の美」つたえびと養成講座』開催についてのお知らせが届きました。この講座は、滋賀県に伝承されてきた「千年の美」とも言うべき文化財(仏教美術、神道美術等)の魅力を学び、また受講者自らが「つたえびと」となって発信していただくことを目的とした講座です。
今年度は、仏教美術(彫刻)の研究者や仏像・仏画修理の技術者等を講師に迎え、計4回の開催が予定されています。

【内容・日程等】
第1回 近江路の観音像(仏教彫刻史特論1)
平成27年10月12日(月・祝)午後1:30~3:00
講師:高梨純次氏(MIHO MUSEUM参事 仏教美術史研究者)

第2回 仏像の修理
平成27年11月23日(月・祝)午後1:30~3:00
講師:高橋利明氏(楽浪文化財修理所代表 仏師)

第3回 近江の仏画の流れ(仏教絵画史総論)
平成27年12月19日(土)午後1:30~3:00
講師:古川史隆氏(滋賀県教育委員会事務局文化財保護課主査)

第4回 屏風・掛軸・巻子の形と構造-屏風をつくってみよう
平成28年2月14日(日)午後1:30~3:00
講師:佐味義之氏(株式会社坂田墨珠堂 文化財修理技術者)

【会  場】コラボしが21(大津市打出浜2-1)3階大会議室
【募集人員】各200名  *受講料無料、事前申込み制
【主  催】滋賀県教育委員会
【申込み先】滋賀県教育委員会事務局文化財保護課(美術工芸・民俗係)
       電話077-528-4672   FAX 077-528-4956
       〒520-8577 大津市京町四丁目1-1 メールアドレス ma07@pref.shiga.lg.jp

文化財ファンの方は必見ですね。第1回開催日まであまり日がありませんので、受講希望の方はお申込みをお早めに!

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