現在開催中の「渋沢栄一と中江藤樹・熊沢蕃山」展の関連講演会が6日(土)に高島市藤樹の里文化芸術会館で行われました
。会場にお集まりいただいた54名の皆さん、ご参加有り難うございました。
冒頭、当館の佐野館長より開講のごあいさつをさせていただきましたが、「琵琶湖文化館を知っている方・行ったことがあるという方は?」との問いかけに、皆さんの手が勢いよく上がった(!)のが、とても嬉しかったデス!!(感謝♪)
講演会は3部構成となっており、先ずは本展覧会のメインテーマにもからんでおります、「渋沢栄一と滋賀」について、その内面に与えた影響・・・という大変興味深いテーマで、県文化財保護課(文化館兼務)の井上優氏にお話しいただきました。
皆さんは不思議に思われませんでしたか?展覧会タイトルに名を重ねる3偉人の関係性について。「中江藤樹と熊沢蕃山は分かるわな。近江聖人・中江藤樹先生の門人として教えを受けたのが熊沢蕃山やろ?でも渋沢栄一がわからん。生きた時代も違うのにどう関係があるのか。」疑問の声をよく耳にしました。・・・その答え・・・「講演を聞いてスッキリわかったわ!」と言っていただけたものと確信しております!
渋沢栄一が儒教に傾倒していたことは知られていますが、なかでも特に陽明学、とりわけ「陽明学の祖」と言われる中江藤樹を深く尊崇していたことは、あまり知られていません。しかし、講師の口から語られたのは「渋沢栄一の内面は“滋賀県人”そのものである」というビックリ発言(笑)!
というのも、渋沢が尾高惇忠(従兄)の「知行合一」塾で学んだことは(「知行合一」は陽明学の基本命題)、中江藤樹の思想と深くかかわっていて、その教えが行動・変革を肯定する渋沢の内面の原動力ともなった、とのこと!また渋沢が三井寺ゆかりのご先祖様をもち、天台宗上野寛永寺檀家で延暦寺顧問であるなど、信仰上も滋賀と深い縁があったのだそうです!更には漢詩文の師もまた、明治の三詩人の一人であった小野湖山(浅井郡高畑村・現長浜市出身)であったことなどが、熱く語られました。中江藤樹を祀る藤樹神社の創建に渋沢が関わったのは歴史の必然、「渋沢栄一の内面は“滋賀県人”そのもの」。講師の言葉に『納得』の講演内容でありました。
第2部では、「高島市指定文化財の仏教美術」として山下立氏がお話しくださり、その魅力をたっぷりと画像も含めてご紹介いただきました。高島には、指定文化財もさることながら、指定されていない身近な文化財にも素晴らしいものがある、目を向けて大切にしてほしい、との言葉が心に残りました。
そして第3部では、「未来に守り伝える地域の宝~高島市指定文化財の修理報告~」として坂田さと子氏が講演。自らの工房で手掛ける文化財修理の現場の様子をご紹介くださり、百年先の修理のために「今」出来ることを行う・・・そのご苦労や継承していくことの難しさが語られました。知る機会のなかった業界の興味深いお話に、皆さん”前のめり“です!過去と未来をつなぐ修復の「今」を、大切なことを教えていただきました。
講演終了後、「いい話が聞けたわ」と皆さんからいただいたお声がとても嬉しかったです♪
本展覧会の会期は、残すところあと1週間となりました(11月14日まで)。天高く澄みきった秋の空と比良山系の紅葉、母なる琵琶湖の景色を堪能しながら、ぜひ湖西路へ、展覧会会場へとお出かけ下さい♪♪♪

にも、多くのアクセスがありました。皆さんに興味を持っていただいて、本当に感謝!感謝!のランキングとなっています。





そしてこちらの左の写真(←)。皆さんなんだか熱心に展示ケースを覗き込んでいます。実は、ここには中江藤樹の真筆で、彼の教えである「致良知」を大きく書かれた掛軸が展示されています。普段は学芸員の方でも滅多に見ることができない(!)ものだそうで、現在、展覧会に合わせて特別に公開されています。この貴重な機会に皆さんの目はくぎ付けです。
休館中の当館と地域の博物館・資料館が連携し、琵琶湖文化館の収蔵品に親しんでいただく地域連携企画展。今回は湖西地域初!高島市さんと連携して、高島市藤樹の里文化芸術会館と中江藤樹記念館の2会場での開催です。会場周辺には、本展を盛り上げるのぼり旗。これを目印に歩を進め、今日は第一会場である高島市藤樹の里文化芸術会館の様子をご紹介します。


こちらの部屋では、パネル作成に大忙し!展示造作の一環として専門業者さんに委託することもありますが、今回は自分たちで印刷、ノリ付きの発泡スチロールボードに貼っていきます(その方が写真のコダワリ、見せ方など、いろんな面で応用が効くので◎>労力)。おや?文化財講座でもお馴染みの講師先生たちがッ!?! そうです、このお二人が今回の展覧会の”仕掛け人”です。作業は阿吽の呼吸、これが文化館ファミリー的 “全集中の呼吸” なのですヨ♪。
そして別の部屋では、渋沢くんと藤樹さん、蕃山くんが、何やらイラスト風になって大型プリンターから出力されています。おやおやこれは?
今日は、当館から出品する作品の梱包作業がおこなわれています。1点1点作品を確認しつつ、輸送用の箱に収めます。作品は明日、会場へと旅立ち、高島市の皆さんらと協力しながら、展示作業をおこなう予定です。これぞ“地域連携”企画展!開幕を楽しみに、皆さんと共に本展覧会を盛り上げていければ幸いです。
本来は8月に開催の予定が、新型コロナウイルスの感染拡大によりやむなく延期となり、講座の再開は約3ヶ月振りとなります。ようやく再開できました。
会場内からは思わず「おお!」との声が多く上がっていました。県内にも東近江市・善勝寺に、三回忌を迎えた故人の遺骨を納めた貴重な仏像があるということです。



受講を申込されていた方に連絡をした時は、皆さん残念がっておられました。それでも「この時期だから仕方ない。よく決断したよ。」というお言葉もいただき、我々としましても大いに救われました。10月からは宣言も解除され、滋賀県独自の指標「コロナとのつきあい方滋賀プラン」もステージⅢに。。。今月は講座を開催出来そうです♪とはいえ、油断は禁物!感染防止対策はしっかりとしていきたいと思います。

当館のHP「収蔵品紹介/彫刻」で紹介している
モデルとなっているのは服部岩吉(はっとりいわきち:1885~1965)氏。大正から昭和にかけて活躍した政治家で、滋賀県知事を務めるなどし、当館の開館に際しても大変ご尽力いただいた人物でもあります。
これには持ってこられた川澄場長も思わずニタリ・・・窯業技術試験場の焼き物と、その原型となった文化館の石膏像が、半世紀の時を経て、感動の対面を果たしたのです~♪
唯一の違いは、焼き物の側面に残る細いライン。これは、当館の石膏を元に前後で型を取り、貼り合わせた跡が残っているのです。だからですね、石膏がうっすら茶色く汚れているように見えるのは!この石膏が使われていた証拠なんです~♪
こちらはお盆明けに撮影した写真ですが、琵琶湖の水が満々と・・・湖岸の石垣に水が及びそうなほど、水位が上昇しています。調べてみると、8月12日の時点では△30cmだった琵琶湖の水位が、15日には+32cmに!たった3日で60cm以上も上昇していたのです!するとどうなるか、県民の皆さんはご存じですね?



おかげさまで、現在の文化館前はこんな感じ。(⇒) 水が引いて歌碑が建つ土台のコンクリートも見えて、これでだいたい△30cmくらい。安定したいつもの景色となりました。
左の写真は、キレイでしょ?







受講の皆さまにはご理解ご協力賜りますよう、お願い申し上げます。

当館の収蔵品に関する問題に加え、今年は「まにあ」なクイズも出題中!これに関しては「超・マニアすぎる」「一般の人にわかるワケがない」など、さまざまなご意見も頂戴しております・・・が、いいのです。大事なのは問題ではなく、答えの中に含まれるちょっとした豆知識、「へぇ~そうなんや、知らんかったわ。」が大切なのデス!!ちょこっと気に留めていただくその積み重ねが、いつか皆さんの心に花を咲かせると信じて!ドンドン出題していきますので、懲りずにチャレンジしてくださいね~!!
文化館が登場する映画・加山雄三さん主演の若大将シリーズ第11弾「ゴー!ゴー!若大将」を紹介しました。文化館の開館が昭和36年(1961)、その6年後公開(1967年)の映画ですから、まだ文化館が出来立てホヤホヤの頃と言っても過言ではない頃の映画です。
開館当時のカラー写真に飢えている文化館マニア(?)としては、テンション上がりまくりの映画でした(笑)。

前例が無くとても有意義なことだそう。調査では、これまで知られていなかった制作方法や、実は鍍金が施されていたことなどが分かってきたのだとか。う~ん。。。謎の多い密教法具について、このような切り口で語られるなんて。。。まだまだ、わからないことも多く今後の研究が進むことが期待されます。「
たしかに今年は例年より、30分遅く始めています。…といのも、皆さんが会場に入られる前に会場の机を1台ずつアルコールで拭いたり、サテライト会場と調整を行うなど、どうしても準備に時間が掛かってしまいます。そのため、今年は開始時間を午後2時からとさせていただきました。コロナ禍での文化財講座の開催。皆さんに安心して、受講いただけるように、感染症対策に取り組んでおりますので、どうかご理解のほどお願いいたします。
本日夜の9時頃、天の川が見えるであろう方角の、空はこんな感じ。。。1年に一度の夜に託されたロマンチックな願いは、今宵叶えられるでしょうか・・・?心配です。せめて雲の上で、織姫と彦星が会えますよ~に!
収蔵品紹介のコーナーでも作品を紹介していますが、こちらの絵は




1980年7月1日、滋賀県では全国に先駆け、窒素やりんの排出規制等を定めた「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例(通称:琵琶湖条例)」を施行しました。そして翌1981年、施行一周年を記念して7月1日を「びわ湖の日」と決定したのです。なんと今年は制定から40周年。←文化館でもポスターを貼らせていただきました。
う~ん、、、思っていたよりもかなり多い。あらためてゴミ拾いをすると、琵琶湖の環境保全は、まだまだのようです。だからこそ「びわ湖の日」の必要性を実感します。キレイな琵琶湖を守っていくには、県民だけでなく、全国のみなさんの意識があってこそ。これからも、日本一の湖・琵琶湖と、湖上に建つ文化館を、どうぞよろしくお願いします。
みなさ~ん!大津市瀬田にある美術館さんが、いよいよリニューアルオープンされますよぉ!!





しっかりと最澄について知って帰ろうと、耳を傾けながら、盛りだくさんの内容が映し出されたスクリーンを真剣に見ておられました。講師の独特の語り口が楽しく、時間がすぐに過ぎてしまったのが、本当に残念でなりません。アンケートを拝見していても、「あと30分くらい欲しい」「今回の続きをしてほしい」と、最澄についてもっと知りたくなったご様子。その姿は、最澄の「生まれ変わってもみんなで学ぼう」という考えそのもの。
6月10日は「時の記念日」です。当館のホームページではこの機会に、古くて、でも、どこか懐かしい「櫓時計」を、改めて皆さんにご紹介しようと、

そこで登場するのが、当館の櫓時計にも付いている「天符棒(てんぷぼう)」です。よく見ると、ギザギザの目盛がついた竿に分銅のようなおもりがあります。このおもりの位置を中心に近づけたり遠ざけたりすることで、時を刻む長さを調節したのです。と、ここで?クエスチョン?「あれ?そこは手動なの?」
当時の苦労を知るために(?!)、当館の櫓時計を動かしてみました。
内部には大小幾重の歯車が連動し合い、ゆる~く時を刻みます。そして思いのほか厳かに響き渡る鐘の音。(・・・必死に録音しようと頑張る学芸員→(笑)→→)
・・・おや?・・・
6月です。皆さんこの写真に見覚えはありませんか?そうです、5/27に東京五輪・聖火ランナーが文化館の前でトーチキス♡をしていた、





日没後の文化館はこんな感じです。
・・・ふっふっふっ[心の声])


文化館のこの心ばかりのささやかな演出を、楽しんでいただけたなら幸いです。
まったく厄介な雨降りです。来週には久々のお天道サマを拝みたいもの
この季節、元気なのは道端の雑草くらいで、あっという間に伸びて困りますよね~。文化館のすぐ側に建つ「明智左馬之助湖水渡りの碑」は、“見どころ”の一つとしても“紹介”されていますので、せめて長い草を刈りとってキレイにしておきました。ちなみに文化館前の石垣も、いつも以上にキレイにしております。皆さんゴミのポイ捨ては禁止ですよ。
そして我がお城:琵琶湖文化館。当館のてっぺんにはトンボのモニュメントがあり、巷では「トンボのお城」と呼ばれたりもしています。おや?なんだかカラフルな色が目に入りません?お気付きですか皆さん?!窓に何かが・・・。
雨降りの気鬱を吹き飛ばすが如く、毎度元気なあきつ君を窓ガラスに貼ってみました。いつも以上にカラフルな色合いで(笑)。おやおや5色のあきつ君です。なんだか「あきつ保育園」にでもなったような?(笑)?そうですね~お外で元気に走りまわる子どもたちに会いたいな~。
なんのことだかよくわからない方もいらっしゃると思いますが、27日の夕方遅くには、この付近で交通規制がかかり、文化館前の交差点も車で通ることができなくなります。ご注意くださいね。
皆さんは大型連休をどのように過ごされましたか?写真はご近所ウォークで見つけた可愛い梅の実。立夏の候、季節の移ろいに、ついつい「今年の梅酒はいつ頃?」と、問いかけてしまった自分がいます。


コロナ禍での開催は心配することも多く、実施について何度も話し合いを重ねた結果、「こちら側の体制をしっかり整えた上で、会場の定員を昨年と同様に」してであれば実施は可能!との判断に至りました。何より、昨年参加された皆さんがとても協力的 (感謝!!)で、「また楽しみにしてるわ」と声かけられたその言葉に支えられてきた私たちです。今、ここに、コヅチ14年目の開催に向けての一歩を踏み出します!あとは前進あるのみ!
※各会場で実施する回が異なりますのでご注意を!
野山の新緑が目に眩しい季節となってきましたね。この時期、年度末にまとめられた研究紀要や事業報告などが、各機関や施設から続々と届きます。これらの報告書には、各専門分野の詳しい調査成果や、さまざまな論文、最新の調査技術などについて、参考となる情報がいっぱい詰まっています。かく云う当館の「研究紀要 第37号」にも・・・!
①は、昨年度新たに滋賀県指定有形文化財に指定された独鈷杵と五鈷杵について、蛍光X線、X線CT装置による調査を実施したその最新報告です。金剛杵について、今までにこのような調査はほとんどされていなかったため、内部の構造や成分について、大きな成果が得られました。
②先ずはその難しい読み方から(笑)!「四分律刪繁補闕行事抄(しぶんりつさんぱんほけつぎょうじしょう)」。これまでおそらくは奈良時代の古写経の一部(断簡)・・・とされていたものが、全国的に珍しい奈良時代の「四分律刪繁補闕行事抄」の書写本であったことが判明。とても貴重な発見でその伝来も気になるところです。
③昨年、甲賀市歴史文化財課との共同調査で、龍福寺の四天王立像が平安時代にまで遡る古像であることが判明。

近くの桜も満開になって、還暦を迎えた文化館の新しい門出に、文字通りに花を添えてくれています。
ああ…でも、多くの方にホームページを見ていただいているということは、更新を頑張らないとッ!新年度も、情報盛りだくさんに、皆さんに更新を楽しみにしていただけるようなホームページにしていきたいと思います!
これはまさかのコウノトリ?!シラサギよりも大きくくちばしが黒い。アオサギよりもズングリで尾羽が黒い。ツルよりは・・・小さい?(すみません。野生の鶴を見たことがないので分かりません。)おやっ?!足にはちゃんと、タグが付いていますよ!
ただ、このコウノトリは田園に1羽だけで、お食事に夢中なご様子。。。お友達はいないのかしら?
今回の偶然の出会い(発見)は、どんなご縁を結んでくれるのでしょうか?「きっといいご縁がありますよ」と、
3/20は琵琶湖文化館60歳のお誕生日。還暦を迎えたその日、会場でギャラリートーク行いました。多くは語りません。こちらの写真で十分に伝わるのではないでしょうか?
琵琶湖文化館が博物館として幅広く収集してきたコレクション、それぞれの作品に対する愛溢れる万華鏡トーク(笑)。
何故この作品が文化館にあるのか、その作品の来歴、文化館が歩んできた歴史と共に、詳しく解説させていただきました。話を聞きながら、興味深そうに展示ケースをのぞき込む皆さんの姿に、私たちは純粋に喜びました。
とても楽しいお誕生日となりました!
中には「琵琶湖文化館」と会場の「安土城考古博物館」さんを勘違いして記入されている方もいらっしゃいましたが(笑)、そこはご愛敬!