琵琶湖文化館 the Museum Of Shiga Pref
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近江の文化財

絹本著色浅井長政像  1幅 滋賀県指定有形文化財    室町時代
(けんぽんちゃくしょくあざいながまさぞう)小谷城址保勝会所蔵 法量  縦 85.3 ×横 33.9cm
 浅井長政(1545~73)は、久政の長子として生まれ、永禄3年(1560)に十六才で家督を継ぎ、小谷城主となりました。長政は家臣団の再編と、領国内の水利整備を行い、江北三郡の支配を強固なものとし、さらに湖南へと侵攻を進め、弱体化した京極氏の支配を脱して浅井氏の領国を拡大しました。しかし、織田信長による京への侵攻が大きな転機となります。一時は信長と連合を決意し、信長の妹であるお市を娶りましたが、元亀元年(1560)に織田勢が朝倉氏侵攻を始めると、叛旗を翻し信長を挟撃して窮地に陥れます。しかし、姉川・小谷城の戦いに敗れ、最期は小谷城にて自刃しました。  

 本図は上部に記された長文の賛により、天正2年(1574)に長政の遺影が無いことを惜しんだ徳勝寺(徳昌寺)四世の源秀が京都の絵師に描かせたものと分かります。露頂姿に、三つ重ね子持ち亀甲文の大紋を着し、金箔をあしらった輪袈裟を掛ける姿が丁寧な賦彩で描かれており、華やかです。また色白のふっくらとした頭部に、涼やかな目元と秀麗な唇が鋭い筆致で描かれ、その容貌は過酷な乱世を戦い抜いた武将とは思えない美しい若武者姿です。

 元は南部家の所蔵でありましたが、現在は小谷城址保勝会の所蔵となっています。
 
 ※令和4年(2022)7月30日から9月5日まで、小谷城戦国歴史資料館で開催された「湖北の雄・浅井三代と
  小谷城~いま蘇る小谷城下の寺院」に出展されました。