琵琶湖文化館には、大津市出身の篆刻家・園田湖城(1886~1968)が篆書で書いた作品が2種所蔵されています。①は額装、②は軸装で、いずれも、湖城が亡くなった翌年の昭和44年(1969)、①は竹内碧外(1896~1986)氏により、②は森岡峻山(1907~1991)氏によりそれぞれ寄贈されています。
園田湖城は、昭和43年8月25日に亡くなりました。その翌年の4月22日(火)に京都大学教授・藤枝晃氏が園田湖城遺作展の相談のため琵琶湖文化館に来館しています。5月31日(土)に遺作展出展作業(午前11時30分から午後10時まで)があり、加藤紫山、藤枝晃、藤井守一、竹内碧外各氏他数名が陳列作業に従事しました。
この遺作展は、現・琵琶湖文化館の本館2階陳列室にて開催され、15日間の展示期間とはいえ、弟子や関係者により集められた湖城作品が一堂に会しました。会期中には講演会も開催され、約60名の受講者が集まりました。 
この時に展示された印材を押印し制作した「湖城翁印集」上下巻もまた、翌年8月18日(火)、ご子息の園田辰夫氏により館に寄贈されています。
滋賀県は園田湖城のほか、現在も使用されている明治以降の天皇御璽を拝刻した安部井櫟堂(1805~1883・彦根出身)も輩出しています。篆刻家たちは、書の世界で少数派であった篆書の芸術性に着目し、優れた篆書作品を遺しています。この2種の書もまた、篆書の優品といえます。
( 寺前 公基 )
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