琵琶湖文化館 the Museum Of Shiga Pref
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近江の文化財

西郷隆盛 書跡「詠高山彦九郎詩」  江戸末期~明治初年
(さいごうたかもり しょせき「えい たかやまひこくろう し」)       紙本墨書 本館蔵  法量 本紙)縦 138.7 × 横 64.0 ㎝


 西郷隆盛(1823~1877)は、薩摩藩士として大久保利通等と共に倒幕を果たし、明治維新を成し遂げた立役者の一人として知らない人はいないでしょう。数年に一度はドラマに登場する人物として、「次は誰が演じるのか?」と話題になる程、人気の高い人物です。当館の収蔵品にも、大久保宛に書かれた「書簡」(個人蔵)があり、巷で話題となったことは記憶に新しいと思います。

 今回ご紹介するのは、堂々たる西郷隆盛の書作品で、28文字を3行に分けて書いています。内容は、尊王思想家として知られる高山彦九郎(1747~1793)の忠義心を称えた七言詩です。高山彦九郎は、吉田松陰や彼に学んだ志士たちに多大な影響を与え、西郷もその一人でした。

 その内容は、「純粋なる忠義・忠誠心は、多くの人びとの中で突出したものであり、この絵(肖像)は真を捉えている。この絵を見た盗人も、驚くことだろう。世の中を変える契機を作ったのはこの人なのだ。」という意味で、詩の二句目に「豪傑の風姿、画図に真なり。」とあることから、高山彦九郎の肖像画を見た西郷が、高山の人となりについて作詩したものと考えられます。

 その書風は、冒頭の文字を大きく書き、筆先を見せない蔵鋒の線、重厚でありつつも所々に渇筆(かすれた線)を用いてバランスを取る点など、西郷の書風の特徴が良く出ています。なお末尾の「南洲」とは、西郷の書家としての号です。

( 寺前 公基 )