木造普賢菩薩坐像 1躯 | 滋賀県指定有形文化財 南北朝時代 |
(もくぞうふげんぼさつざぞう) 草津市 志那神社所蔵 | 像高 44.5cm |
合掌して瞑想し、静寂と慈愛に満ちた表情をしたこの仏さまは普賢菩薩と言います。現在は失われていますが、元は経典に説かれるように白象の背に置かれた蓮華の上に坐していたのでしょう。普賢菩薩は釈迦如来の脇侍としてよく知られていますが、その他にも法華経の護持者として、また女人の救済を行う菩薩として篤く信仰され、単独の仏像も多く造られてきました。 本像は、像高44.5センチの小像ですが、バランス良く整えられた体躯や重厚な衣の表現など強い存在感をもった仏像です。衣の部分には彩色が良く残っていて、金泥で描かれた文様が華やかです。 本像は像の底面に朱漆で記された造立願文があり、建武元年(1334)に仏師性慶によって造立されたことが分かっています。性慶は運慶の流れを汲む慶派の仏師で、本像以外にも京都・永明院の釈迦如来坐像などを造立したことが知られる南北朝時代の仏師です。 本像は南北朝時代の基準作例として貴重であると共に、当時の華麗な美意識を示す像としても注目されます。 >>>木造狛犬(草津市 志那神社所蔵) |
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〈銘文 像底布貼上朱漆銘〉 法印性慶造 (花押) 建武元戊戌十二月 日 |