「花湖さんの打出のコヅチ」第4回のご案内

記録的な猛暑となった今年の夏。涼を求めて山を目指した方もいらっしゃったのではないでしょうか?琵琶湖文化館のあるこちら大津で、高い山といえばもちろん、京都との境にそびえる比叡山。山へ登るルートはいくつかありますが、大津側からは、坂本からケーブルカーで登るのが比較的楽な行き方でしょうか?終点のケーブル延暦寺駅で降り、琵琶湖八景の一つにも選ばれた「比叡の樹林」の中へと続く山道をしばらく歩くと、平安時代の初めに最澄が開いた天台宗本山・延暦寺にたどり着きます。

この夏に、延暦寺を訪れた方はご覧になられたことでしょうが、ここは現在、平成の大修理が行われているところです。なかには、根本中堂と回廊をすっぽりと覆う、鉄骨造の真っ白な素屋根を見て、思わず引き返してしまったという方もいらっしゃったようですが。。。それはとても惜しい!実は今、この中には、「修学ステージ」なるものが設置されていて、伝統的な工法で行われている修理の様子が間近で観察できるようになっているんですよ。すでに8月1日から公開されていて、引き続き内部の参拝もできるとのことです。

さて、9月20日(木)に開催いたします「滋賀の文化財講座 花湖さんの打出のコヅチ」は、いよいよ皆さまからのご要望の多かった『建造物』のお話しとなります。建造物をテーマにするのは3年ぶり。今回は、滋賀県教委文化財保護課の菅原和之氏を講師にお迎えして、「世界遺産・国宝延暦寺根本中堂の魅力と平成の大修理」と題した、まさに“今でしょう!”という話題です。建造物がご専門で、今回の延暦寺の修理を担当されていらっしゃる方から、詳しいお話を直にお聞かせ頂ける貴重な機会ですよ!

また、今回の修理は、昭和29年の半解体修理から64年振りの修理だということですので、一生に一度あるかないかの機会かも知れません。現地を見てからお話を聞くか、お話を聞いてから見に行くか?ウ~ン、とっても悩ましいところですが。。。いずれにしても皆さま、今回の講座もお早目のお申込みをお忘れなく!

お申込みはこちらの専用フォームからどうぞ(電話・FAXでも受け付けております)。

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台風21号と琵琶湖の水位

9月4日、近畿を縦断した台風21号。近年の台風、滋賀では夜:寝ている間に通過することが多かったと記憶していますが、今回の台風は、昼間の明るい時間帯:午後から夕方にかけて、暴風雨をともなって足早に通り過ぎていきました。文化館でも午前中は琵琶湖の方:北東からの雨風を受け、午後からは南側の壁面に猛烈な雨風が吹き当たっていました。「台風が今どの辺りにいる」というのを実感できるくらいの雨風を、文化館で経験するのは僕にとっても久しぶりです。

「南からの吹付けが強いなぁ。館内見回って来ようかな・・」と事務所の窓の外に目を向けると、そこには不思議な光景が広がっていました。・・・ななななんと・・・琵琶湖の水位がゴッソリ下がっているではありませんか!中池にある歌碑、普段は水面下にあるコンクリート部分まで見えているではありませんかッ!(えっ?写真では分かり難い?スミマセン。これは一番雨風が強い時で、慌てて窓越しに撮影しているもので・・・。毎日見ているからこそ)これには僕もビックリ!思わず他の場所で作業をしていた職員さんを呼びに行き、「見て!滅多に見れんモンが見える!」と、その説明もいささかコーフン気味!!(笑)。ざっと見たところ普段より1m位は下がってます!いやぁ、不思議なことが起こるものデス。

←午後4時頃

台風の時によく耳にするのは、海の『高潮に注意』ですよね?でもここは湖・・・しかも高くない・・・水面が低くなるってどういうコト?・・・風が水面を押さえ込んでる?・・・台風が琵琶湖の水を吸い上げた?・・・とかッ??!
人間、あまりにも不思議なことにブチ当たると、頭の中はパニック状態になるらしいです・・・後から考えると支離滅裂(笑)。

←午後6時頃

琵琶湖の南湖で発生したこの不思議な現象のメカニズムを、後日新聞報道で詳しく知りました。詳細はコチラ(2018.9/8付 京都新聞)。要するに「台風の低気圧が北湖の水を引っ張る一方、南からの強風が湖水を北へ押し戻した」のが原因らしいのです。いやぁ摩訶不思議。台風に何度も襲撃されるのは御免ですが、このような不思議な現象を目の当たりに出来るのは、文化館が湖上に建っているからこそ気付けた変化で、何だか得した気分となりました。

文化館のテッペンにいる大トンボ君の目にはどのように映っていたのでしょうか。きっと琵琶湖に生じている様々な変化を、誰よりも感じているのかもしれません。

筆:あきつ

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重陽の節句

いきなりですが。。。中国では奇数は縁起の良い”陽”の数とされ、奇数の月と日が重なる日を「節句」と定めて邪気を祓う行事が行われていました。1月1日(元日=のち1月7日「七草の節句」に変更)、3月3日(桃の節句)、5月5日(端午の節句)、7月7日(七夕)といった節句はお馴染ですが、9月にもこのような月と日の数字が重なる節句があるのをご存知ですか?

「9」は奇数の中で一番大きな数です。その「9」が重なる9月9日を『重陽(ちょうよう)』と呼び、この頃は旧暦(新暦で今年は10/17)で菊の見ごろであることから「菊の節句」とも呼ばれ、菊に長寿を祈る日となりました。菊は優れた薬効を持つ植物として古くから知られ、古い中国の書物には、菊が群生している谷を下ってきた水を飲んだ村人たちが長寿になったという話があります。そんな菊の薬効と伝説は、平安時代に日本にもたらされ、季節の行事として定着していったのだとか。

重陽の日には、菊の花を飾って愛でたり、酒に菊の花びらを浮かべた「菊酒」を飲んだりと、楽しみ方は色々とありますが、その内の一つに「菊の着せ綿」と呼ばれる風習があります。重陽の日の前日、菊の花に真綿をかぶせて一晩置くと、菊の香りと夜露がたっぷり染み込みます。翌朝、この綿で顔や肌を拭うと若やぐと言われたことから、若さを保ち長寿を願うとして、特に貴族の女性たちの間で、もてはやされたそうです。清少納言の『枕草子』や、紫式部の『紫式部日記』にもその様子が綴られています。そして、当館所蔵の月岡雪鼎(つきおか せってい)が描いた「十二月図」屏風にも九月にあたる部分に、この場面が描かれています。
手前に描かれている女性が、菊にかぶせた綿に手を触れている様子がうかがえますね。奥に見える高貴な着物を着た女性が、この綿で肌を拭うのでしょうか。。。菊花と描かれる女性たちの様子が喜々としていて、とても美しい作品です。

現代に生きる私たちにとって重陽は、五節句の内の一つでありながら、その風習に馴染み薄くなってしまっているように思われます。菊の季節はまだ少し先ですが、この機会に、大輪に咲く菊花に思いを馳せ、長寿を願ってみてはいかがでしょうか。

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ホームページ8月のアクセス数

今日は、8月のホームページアクセス数のご報告です。この一月もまた、1,890件とたくさんのご訪問をいただきました。毎月初め、ハラハラ、ドキドキしながらこの数字をチェックするのですが、今回はご覧いただいたページ数も増えていて、ますます嬉しい~です!!

実は、先月24日に、(公財)滋賀県文化財保護協会の主催で開催された「文化財の活用を通した地域資源化セミナー」に参加し、文化財や世界遺産・日本遺産などをめぐる昨今の状況をいろいろと学ばせていただいたところです。このセミナーには、文化財関係者の他にも、観光系のお仕事をされている方や、まちづくり部門の方々、一般事業者(企業)さんや学生さんなど、さまざまな分野から多くの方が参加されていたようで、こういった近年の幅広い方面からの文化財への関心の高まりが、当館ホームページのアクセス数の増加にもつながってきているのかしら?という前向きな思いを抱きつつ・・それぞれの分野が協力し合うことで滋賀の文化財を盛り上げていければいいなと思います。ということで、まずは、ホームページにご訪問いただいた皆さま、どうもありがとうございました!そして、これからも皆さまのご期待に応えて、内容の充実と、積極的な情報発信に努めていきま~す!

さて話は変わりますが、この8月は猛暑であったばかりでなく、台風の発生も例年になく多かったですね。前回(8月23・24日)の台風20号は、直撃はしていない滋賀県にも、人や建物、道路、農作物への被害といった爪痕を残して行きました(涙)。それでも台風の季節はまだまだこれから。昔から、立春から数えて210日(9/1頃)あるいは220日目を「二百十日」「二百二十日」といい、9月の上旬こそが大きな台風のよく来る時期です。この頃は、お米などが稔る季節でもあるため、九州~東北の各地で、風除けと五穀豊穣を祈っての「風祭り」が行われますが、滋賀県でも、甲賀市方面では「風没祭(かざごもり)」や「風籠り」といった行事が続けられているそうです。

ところで、新潟や福島の方では、「風祭り」で祀られる風の神様を「三郎」という名で呼んでいるとのこと。。。それを聞いて思い出したのですが、たしか近江にも「三郎」がいましたよね?ほら、伊吹山に住んでいた、あの怪力の大男「弥三郎」。この男、時々鬼のように暴れては村の人々を困らせていたので、とうとう佐々木頼綱という武士に討伐され。。。最後に正体が大蛇であったことが明かされたのです。が、それからまた何百年も経った元和7(1621)年に、山の木々をなぎ倒すような大風(弥三郎風)となって現れるという祟りを起こしたのだとか。。。ん~?とぐろを巻いた大蛇の弥三郎って、ひょっとして、台風(竜巻・つむじ風)の化身だったのではないでしょうか???

日本列島には、今もまた強い台風21号が接近してきています。今回も気を緩めずに、しっかりと備えをしておきましょう。そして、「風の(弥)三郎様」にも、もう大暴れをしないようにと、よ~くお願いしておきたいと思います。。。

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「花湖さんの打出のコヅチ」第3回 開催しました

昨日8月30日(木)は、「滋賀の文化財講座 花湖さんの打出のコヅチ」第3回の開催日。今回も190名と、たいへん多くの方にご参加いただくことができました。相変わらずの“暑い”日々が続いていますが、それ以上に“熱い”学びの意欲を持って会場まで足を運んでいただいた皆さまには、改めてお礼を申し上げます。

さて、第3回の講座は、当文化館の学芸員・渡邊勇祐が「神仏習合の世界-『耀天記(ようてんき)』を中心に-」というテーマでお話をさせていただきました。「神仏習合」は一昨年度の講座でも取り上げたテーマですが、今年は、文化館の収蔵品でもある『耀天記』という書物に注目して、比叡山を舞台に生みだされた神仏習合の一形態としての「山王信仰」が、具体的な教理を持つ「山王神道」へと発展していく姿をたどりました。

全国に約3,800社現存するという「日吉神社」で祀られる神々。明治時代に行われた神仏分離を経た現代では、仏教とは関わりのないものと捉えられがちですが、そもそもは天台宗の開祖・最澄が留学先の唐から持ち帰った神観念に大きな影響を受けたもので、仏教(天台宗)と関わりが深く、その中で重んじられていたものだったというのは意外でしたね。そして、今回の主題である『耀天記』に関して、書かれている内容や写本の筆跡などを詳しく見ていくことで、この書物の成立に関する謎が一つずつ解き明かされていったのは痛快でした。最後に残った謎は今後の課題(お楽しみ?)のようですので、いずれ謎が解けた際の続編にご期待下さい。

今回の講座内容は、一般にはややなじみの薄いテーマで、聞きなれない言葉も多く、内容的にもやや盛りだくさんだったかもしれませんが、会場では、受講者のみなさんが講師の話に熱心に聞き入り、積極的に学ぼうとされている姿がとても印象的でした。

また、講座終了後のアンケートには、「今までよく知らなかった事項を詳しく学ぶことができた」「難しかったが、新たな事を沢山聞けて面白かった」「神社と寺の関係をもっと知りたい」「久しぶりに比叡山に行きたくなった」「復習(?)もしてみようかと思う」などの、前向きで積極的なご感想をたくさんいただきました。。。ん?もしかして、今回の講座は、受講者の皆さまの「学びの意欲」をますます刺激してしまった、のでしょうか!?(笑)
「滋賀の文化財講座 花湖さんの打出のコヅチ」では、皆さまの意欲に応えるべく、文化財に関するさまざまなテーマでの講座をご用意していますので、ご興味を持たれた方はぜひご参加下さいませ(詳しくはコチラ)。

今回講座の様子は、ZTVコミュニティチャンネル(地デジ11ch)「おうみ!かわら版(滋賀)」(放送日:8/31・9/1・2・3)と「Weekly!かわら版(滋賀)」(放送日:9/2~9/8)でも放送されます。放送エリアは大津市・草津市・栗東市・守山市・野洲市・湖南市だということです。こちらの方も、ぜひチェックをお願いしま~す!

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収蔵品の他館への貸出し

8月も残りわずかとなりましたね。季節は間もなく秋、豊穣のシンボル:赤とんぼを街で見かけるようになりました(夏は山にいるそうです)。そんな秋の訪れを、当館でも感じる出来事があります。それは「赤とんぼ」が「あきつ君」のお友達だから?いえいえ、それだけではありません。当館は休館中ですが、他の博物館・美術館さんが、「秋の展覧会」に向けて収蔵品の借用に来られるため、その貸出業務の対応に「まもなく秋」を感じているのでございます。

ということで、今回、東京の三井記念美術館さんが彫刻の仏像8躯を集荷に来られた現場に潜入取材・・・僕:あきつがお邪魔させていただきました。
先ずは「前室」という部屋で、当館の学芸員と先方の学芸員さんが、仏さまの状態をチェックされます。大昔に作られた仏さまですから、決して状態が良いものばかりではありません。個々の仏さまによって注意点はさまざまです。気をつけないといけない箇所はどこか、修理されているところはないかなど、安全に輸送・展示をしていただくために、お互いの目で見て確認し、情報の伝達をするわけです。すべては安全のために。。。
そして梱包(こんぽう)です。梱包と言っても、引っ越しの荷物みたいに箱に入れるだけではありませんよ。仏さまには、どうしても木がもろくなってきている脆弱な箇所というのがあり、指先や耳たぶなど、か弱い部分は特に注意して薄葉紙(うすようし)で保護します。そして、それぞれの仏さまの大きさに合わせて作られた「特注品」とも言える木製の担架に、仏さまに横になっていただき、安定している丈夫な箇所でしっかりと固定をするのです。そうしてようやく箱に入れられる状態となります。

『以前はね、薄葉紙で保護した後、仏さまを晒(さらし)でグルグル巻きにして運んだものだよ』「ミイラ巻きというやつですね。それは開梱する時も大変でしたね」など、学芸員さんが交わされる会話を小耳に挟みつつ。。。
時代と共に輸送技術や輸送トラック、道路事情も良くなってよかったな~なんて思ったりしていました。おかげで仏さまも安心してトーキョーまで行けるのですもの。羨ましい!!

三井記念美術館さんの特別展「仏像の姿」では、当館の他にも近畿圏では京都や大阪、奈良、三重、岐阜などへも集荷に向かわれるそうです。僕の愛すべき滋賀の文化財が、東京の皆さんのお目にも留まりますように・・・。展覧会の成功を祈っていまーす!

筆:あきつ

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「伝えたい・残したい郷土の魅力~文化財かるた」絵札の絵

近頃、文化館近くの湖岸で、このようなかわいい親子の姿を見かけます。ほのぼの癒される和みの風景です。水草をいっぱい食べて、大きく育ってくれることを祈りつつ、道行く皆さんもあたたかく見守ってあげて下さいね~。

さて、ここからが本題です。みなさん覚えていらっしゃるでしょうか。ちょうど1年ほど前、滋賀県の教育委員会事務局文化財保護課さんが、ご当地かるたで滋賀県の「文化財かるた」の読み句を募集されてましたね。3,057句の応募の中から、44句が決定したことを、当ブログでも紹介させていただきました。そしてみなさん・・・今回、新たな「募集」が始まっていることをご存知ですか?!

今回募集されているのは、絵札の「絵」です!採用された44句の「読み句」にピッタリの「絵」を募集する!とのことです。これまた「読み句」より難易度が上がったような?(笑)!一般の部小中学生の部と分かれているようですので、みなさんふるってご応募下さい!

僕も絵が上手だったらな~、エントリーするんだけどな~。

俳句も絵も苦手な僕ですが、滋賀県の文化財や地域の魅力を再発見!するこのような取り組みは、是非とも応援したい!みなさん、個性あふれるユニークな絵札で、滋賀の文化財を盛り上げていきましょー!!

筆:あきつ

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「花湖さんの打出のコヅチ」第3回のご案内

お盆も過ぎ、朝夕はずいぶんと過ごしやすくなってまいりましたね。いよいよこれからは”勉学の秋”といったところでしょうか?
ところでみなさま、お申込みはもうお済みですか?来たる8月30日(木)は、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」の開催日。第3回のテーマは「神仏習合の世界-『耀天記』を中心に-」で、鎌倉時代にまとめられたと考えられる「山王神道」の書物、『耀天記(ようてんき)』を読みながら、中世近江の神仏習合の世界に分け入っていきます。講師には、いよいよ当館学芸員の渡邊勇祐が登場いたします!

仏教というのは、伝来当初より古来の神道と混じり合っていくのですが、平安・鎌倉時代にはそういった神仏習合の信仰形態は理論的にも整えられ、、、なんとビックリ!「日本の八百万(やおよろず)の神々というのは、御仏が日本の人々を救うために仮の姿で現れたものであ~る」、という説明がされるようになったんですって!そういった「神は仏で、仏は神なり」な~んていう驚くべき理論はこのころからいくつも生み出されるのですが、その一つである「山王神道」というのは、当文化館の西に聳えるあの比叡山を舞台に、天台宗(延暦寺)とそれを護る山王(日吉大社)への信仰が結びつく中から生まれたものだということです。

そして、この「山王神道」の教えをまとめた書物というのもまたいくつかあるんですが、今回の講座で取り上げる『耀天記』は、なかでも最も古いもので、さらにその“現存最古の写本”という”お宝本”が当館に収蔵されているのです!さて、この古い書物にはいったいどんなことが書かれているのでしょうか?気になるところですよね~。

講座では「神仏習合についてもっと詳しく知りたい」という方はもちろん、「“山王神道”とか“耀天記”とかは初めて聞く」という方にも、講師がやさしく分かりやすく解説いたしますので、ぜひこの機会に受講してみて下さい!お申込みは、こちらの専用フォームからどうぞ(お電話・FAXでも受け付けております)。それでは、多くの方のご参加をお待ちしておりま~す!!

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お盆の行事、あれこれ

地域によって違いはありますが、滋賀では本日13日から16日あたりまで、お盆休みに入るところが多いようです。盆と正月は「地獄の釜の蓋も開く」といい、この時期ばかりは、大人も仕事を休んで実家に帰省したり、どこかに旅行したり…はたまた、お家でゆっくりと過ごすという方もいらっしゃるのではないでしょうか。大切な人と過ごす時間、故郷の思い出、ご先祖様への感謝の気持ち。お盆休みって特別ですよね。そして、この特別な期間には、特別な行事が、各地で行われています。

その中の民俗行事のひとつに「六斎念仏(ろくさいねんぶつ)」があります。これは、もともと毎月6回ある斎日に念仏を唱えていたものが、民衆の間に広まりお盆や彼岸の行事となったところが多いようです。鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らし念仏踊りを踊る六斎念仏は、地域に伝わる民俗芸能としても注目されています。京都や若狭を中心に近畿の各地で行われていますが、滋賀県でも湖西の『真野の六斎念仏』『栗原の太鼓念仏』『針畑の六斎念仏』などが有名です。いずれも県選択無形民俗文化財に選定されていますが、後継者不足が深刻で、守っていきたい地域の誇りのうちの一つです。

また、文化館では、毎年お盆のこの時季に寄託品の一時返却をするお寺さまがあります。大津市比叡辻にある聖衆来迎寺さまでは、毎年8月16日に「虫干会(むしぼしえ)」が行われ、普段は見ることができない寺宝が特別に公開されます。文化館でお預かりしている文化財も、この時ばかりは里帰り。国宝「六道絵」を江戸時代に模写した掛軸15幅も公開され、数ある地獄の中の鬼たちの働きぶりが、この絵で見る事ができます。他にも重要文化財の「阿弥陀二十五菩薩来迎図」といった仏画や「堆朱香盒」をはじめとする工芸品などなど。当館はもとより、通常他館に寄託されている文化財も、この日に里帰りされて間近に鑑賞することが出来ますので、皆さまこの機会に是非訪れてみてはいかがでしょうか。

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作品と季節感

先月のことになります。七夕を前に、文化館で学芸員さんと交わしたとある「会話」の一部を紹介しましょう。
「七夕にちなんだ作品、館蔵品で何かないですか?夏っぽいイメージのものとか」
『○○と△△と□□があるよ』
「ナイスです!」
『七夕で彦星は牽牛(けんぎゅう)と呼ばれているから、牽牛つながりでアサガオは?』
「いい感じ!」
『でもアサガオは秋の季語だよ?!』「・・・・・」
この話題に聞き覚えのある人?!そうです。これは、7月5日付のブログ「七夕と朝顔と牽牛」で一部紹介した内容です。このブログでは作品として「牽牛花(けんぎゅうか)図」を紹介しましたが、実はこの時、別の作品が候補にあがっていました。それがコチラ、「秋叢冷艶(しゅうそうれいえん)図」です。ほら!こちらの作品にも可愛らしいアサガオが咲いています!
この作品は、明治から大正時代に活躍した内海吉堂という画家が描いた作品です。上の方で咲く淡く黄色い花は「黄蜀葵(おうしょくき)」と呼ばれるトロロアオイ、青いラッパの形をした花はご存じアサガオで「牽牛花(けんぎゅうか)」、下の方の可憐な淡紅色の花は「秋海棠(しゅうかいどう)」というベゴニア属の花が描かれています。中にはカマキリなどの昆虫もあしらわれており、とても賑やかな作品となっています。
どうしてこの作品が、7月の「牽牛花」を取り上げたブログで採用されなかったのか・・。皆さんお判りでしょうか?ズバリそれは季節感です。7月にアサガオを紹介するのは、現代の感覚からして「夏」のイメージとしてまだ許される・・・でも「秋」の季語。作品名にも『秋』が使われている。。。それに加え、トロロアオイも秋海棠も、開花の時期は8月頃からなのですよ!!ブログでは季節感を大切に、情報発信を心がけていますので、「この作品は未だ早い」・・・ということになりました。で、おめでたく(?)立秋も過ぎたことですし、本日、満を持してのご登場と相成りました。だってね、ブログで見た花が巷に咲いていて、「あぁコレかぁ~」という発見があった方が面白いじゃないですか?!ささやかな試みではありますが、文化館的「マメ知識」をお楽しみいただければ幸いです。

この時、文化館で交わされた数々の「会話」をご紹介しましょう。
『トロロアオイの花を見たことある?よく咲いてるよ』
「ハイビスカスみたい。見たことあるかも」
『オクラアオイっていう別名がある』
「本当に!ネットで調べたら食べられるって書いてある!」
「オクラ、だからネバネバ、納得!」
「ネバネバ、だからトロロ?なんと安直な!」
「(笑)(笑)(笑)」

・・・このように、「作品」について云々・・・とは違う、かけ離れたところで盛り上が(ってしま)った、とても愉快な職場です・・・あぁ楽しい(笑笑)。

筆:あきつ

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スマホ・デ・これなんぞ?

先日、お仕事で滋賀県埋蔵文化財センターへ行ってきました。こちらも夏のイベント真っ盛りで、ロビーでは「レトロ・レトロの展覧会2018 スマホ・デ・考古学」が開催されていました(~9月2日(日)まで)。

スマホ・デ・考古学?これなんぞや??と思っていたら、会場に設置されたQRコードをスマートフォンで読み取ると、更に詳しい情報が得られるという、何とも「今ドキ」の試みをされていました。中には「シジミちゃんねる」というかわいいタイトルで、キャラクターのシジミちゃん(むむむ?!ライバル出現??)が、愛嬌たっぷりに作品を紹介する動画を見ることができます。世間は夏休み・・・・これなら子どもさん達も、楽しくお勉強ができますね。

会場には他にも「これなんぞ??」と思われるものがいっぱい・・・。ぬぼ~っとしたこの方たちは一体ダレ?!何故ここにゲタがっ?!
考古学と一口に言えども、発掘される遺物は、時代も形も大きさも材質もさまざま・・・でも、昔の人々がこの土地で暮らし、生活していた証(あかし)なのですよね~そう考えると奥深い。。。なんだかとても不思議です。

ちなみに、会場に用意されているクイズに答えると、大津の粟津湖底遺跡(粟津貝塚)出土の貝殻がプレゼントされるそうです。大昔の人は、この貝(しじみ)をどのように食べたのかな?(僕の好きな佃煮ではなさそうな?!)ちょっぴりそんなことを考えながら、自分たちが住む地域のことを、もう少し勉強してみようかな・・・そんな機会となりました。

そして今日は、夏の一大イベント:びわ湖大花火大会が、大津市の湖岸で開催されます。文化館の近くには、湖岸の風を涼やかに感じながら花火を鑑賞できる「桟敷席」が用意されています。夕方にはグリーンの芝生の上にもイスが用意されていることでしょう。(文化館の周り一帯は有料観覧席です。)湖面に写る花火をスマホでパシャっ・・・。「いいね!」連発の花火大会です。是非いい思い出作りを~!

筆:あきつ

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ホームページ7月のアクセス数

記録的な猛暑に、異例のコースを辿った台風12号と、日本の自然の厳しさを思い知らされるようなこの夏ですが(泣)、みなさまいかがお過ごしでしょうか?いよいよ8月となりました。この暑さはまだ少し続くようです。食事と睡眠を充分にとって、熱中症や夏バテにならないようにして、なんとか乗り切りたいですね。

さて、先月7月の文化館ホームページへのアクセス数です。こちらは1,846件と、またまた多くの方にご訪問いただくことができました。そして、日本国内だけでなく、フランス、韓国、アメリカ、中国・台湾などの海外からもご覧いただいているようです。「牽牛花図」「湖魚図」と、7月のあきつブログでは、夏に相応しい“涼しげな”作品を取り上げましたが、これを見て、日本の夏を少しでも感じていただけましたなら幸いです。

先日、あるテレビの番組で放送されていましたが、日本の美術館には、海外の美術館にはあまり見られない特徴があるようです。何かと言えば、それは年に何回か行われる「展示替え」です。日本の博物館・美術館では、常設展の他に、企画展や特別展などと称した展示を年に何回か行う、つまりその度に展示替えを行うのがほとんど当たり前のことになっていますが、海外ではそれはあまり普通ではないということでした。

う~ん、言われてみるとそうかも知れませんが、ちょっと意外な気もいたしました。まあ、よくよく考えると、日本には四季があり、一年の中での温湿度の差も大きいですよね。だから、資料や作品にとっては、たとえ温湿度が管理された展示ケースの中だとしても、やはり長い間収蔵庫から出しておくことは、保存上好ましいことではありません。ただ、展示替えの度に、(例えば、その季節に応じた)作品を順繰りに出すようにして、展示公開と保存を両立させるというのも、日本の美術館・博物館がしばしば行ってきたことでもあります。そんな「展示替え」のある日本の美術館・博物館は、”何度でも楽しめる”と言って、今、海外からも大きな注目を浴びているということでした。

琵琶湖文化館は、展示の方は今はお休み中ですが、先日も、いつもホームページを見て頂いている方々から、「”あきつブログ”はこまめに更新されているところがいい!」というお声をいただいたところです。これからも、みなさまに“日本らしさ”、“滋賀らしさ”、“文化館らしさ”を感じていただけるモノや出来事を、まるで「展示替え」を行うように、様々な形でお伝え出来ればいいなと思っております。ということで、8月も文化館ホームページにご期待下さいませ。

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大人もお勉強(電気講習会)

夏休みに入って一週間。学生のみなさん、宿題は、計画的に進んでいますか?連日猛暑が続くなかの勉強、、、本当にツライですよね。ワカリマス。。。でも、「大人は勉強しなくてもいいから、良いなぁ~」なんて思ったそこの君!大人でも勉強をすることはあるのです。

先日『電気講習会(入門編)』に参加してきました。文化館で使用している電気は、一般家庭用(低圧)とは違い、大きな施設や工場などで使われる高圧電力で賄われています。受電設備も大きく、そのため定期的に専門業者さんに、設備点検をお願いしていますが、日常館内で仕事をしている私たちにとっては、要チェックな設備の内の一つです。文化館に勤め出したころの私は「高圧受電って何?」と思うほどに電気についての知識がありませんでしたが、それでも施設管理の仕事をしているのに「このままではイカン」と思い、意を決しこの度参加してきました。しっかりと学ぶためには、わからない事はメモをしっかり取って。大事なところも、ちゃんとメモを…なんだか、ノートをとりながら授業を受けていた学生時代がよみがえってきました。

講習会は、さすがに専門用語が多く、わかりづらいところもありましたが、専門業者さんがどのような点に注意して点検してくれているのか、また設備を監視する最新技術など、初めて知ることも多い講習会でした。また、家庭でもおなじみの、ブレーカーや照明、電気コードなどの注意点も教えてくださいました。近年要注意となっている地震火災について、「本棚などが倒れ電気コードが損傷→その後停電が復旧→通電の瞬間にコードがショート→近くの燃えやすいものに着火→火災発生!」という事例や、「地震で物が散乱した状態で通電→ストーブの周りで火災発生!」という事態が起こり得るということで、身の引き締まる思いでした。

そして、宿題も出ましたよ。「大きな事故を未然に防ぐには、日常の点検が重要」で、電気設備に異常が無いか、日頃から確認をしましょうということでした。内容はひとつひとつは難しいことではなく、「異臭や異音がしないか」「電気プラグにホコリが付着していないか」など。ですが、継続して意識することが難しい。う~ん…この難題な宿題、頑張らなければ。。。エアコンなどの使用で、電気の使用が増える夏です。みなさまも、この宿題をぜひやってみてください。

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夏休み企画② 作品から広がる世界

当館の館蔵品の中には、近代絵画の作品で、このように元気に泳ぐ魚がいっぱい、楽し気でにぎやかな「湖魚図」という作品があります。作者は、吉田虎之助という人物で、明治元年(1868)現在の草津市志那町に生まれ、村長や国会議員も務めた政治家です。何故そのような人物がこの琵琶湖の魚の絵を描いたのか、不思議ではありませんか?僕は不思議に思いました。ということで、ちょこっと調べてみることに致しましょう。

吉田虎之助氏は、明治45年(1912)の第11回衆議院議員総選挙に当選した地元の名士であるとともに、実は、琵琶湖で淡水真珠をつくることに尽力した人物でもあります。琵琶湖における淡水真珠の養殖は明治43年から始まりましたが成功せず、三重県鳥羽の御木本真珠の元技師であった藤田昌世氏らと、当時近江水産組合長を務めていた吉田氏が協力し、大正14年から新たに草津市志那地先の平湖で実験を開始します。吉田氏は有志とともに、「淡水真珠養殖研究会」を設立し事業化を進め、昭和5年(1930)にイケチョウガイで商品価値のある真珠養殖に成功すると、製品が出荷されるようになりました。昭和10年には吉田氏ら研究会のメンバーを中心に「淡水真珠養殖株式会社(翌年琵琶湖真珠株式会社と改称)」が設立されています。その後、日中戦争や第二次世界大戦が勃発したため、昭和17年(1942)に琵琶湖真珠株式会社は解散してしまいますが、その後も「琵琶湖産の淡水真珠を」という夢を抱いた人たちの手により、県内各地で幾度となく淡水真珠の養殖が行われました。

もうお気付きですね?吉田虎之助という人物は、滋賀県において琵琶湖という偉大な資源に目を向け、地域振興を試みた人なのです。そのような人物ですから、琵琶湖に慣れ親しみ、琵琶湖に住む生き物たちにも人一倍関心を持っておられたに違いありません。それをこの掛け軸が、物語っているように思えてきませんか?

「湖魚図」は、昭和38年(1963)、水族館を併設した県内唯一の博物館であった当館に、寄贈されたものです。もう一度作品をよく見てみると、魚一つ一つには名前が記されています。
地元滋賀で呼ばれている魚の名称、細部にわたるリアルな描写、これはまるで琵琶湖の『お魚図鑑』のようです(拡大画像はコチラ)
決して画家として有名な方の作品ではないですが、一つの作品から広がる世界、滋賀県の重要な歴史の一端を、垣間見た気がします。いやぁ~、大人になっても『調べる』って面白い!

ということで、少年少女、若人よ! Be Ambitious(大志を抱け)!子どもの頃に抱いた興味が、自分の人生にどう影響するかなんて、誰にもわかりません。もしかして一大事業を成し遂げるキッカケが、この夏休みにあるかもしれないのです!是非、いい出会いを、そしていい経験を~♪

筆:あきつ

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「花湖さんの打出のコヅチ」第2回 開催しました

記録的とも言われる連日の猛暑のなか、昨日(7/19)の大津の最高気温は36.8℃にまで達したようです。本当に、頭の中身がトロ~ンと溶け出してしまいそうな暑い日でしたが、開催いたしましたよ!滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第2回。そして、なんと140名もの方がお越し下さいました。講座を楽しみにして来ていただいた方には、感謝の気持ちでいっぱいです!また、ご参加いただいた方には、講師による中身の濃いお話をしっかりと頭に詰め込んでいただくことができたのではないかと思います。

第2回の講座は、滋賀県教育委員会文化財保護課の古川史隆氏に「近江の慶派と快慶仏 圓常寺蔵阿弥陀如来立像を中心に」というテーマでお話いただきました。彦根市にある圓常寺のご本尊である阿弥陀如来立像は、今年3月、国の文化財審議会の答申を受け、今秋にも重要文化財に指定されることになっています。これを機に、今回の講座では、この阿弥陀如来像とその作者である快慶およびその一派(慶派)の作品について、仏像彫刻の基本用語の解説からはじまって、たくさんの写真を用いて、丁寧にわかりやすくご説明いただきました。

配布資料にも、快慶の代表作をはじめとした関係諸仏のリストを掲載していただきましたので、これを参考に、これから各地の仏像めぐりをすることもできそうですね。また、平成25年度に行われた修理のお話しにも、みなさまとても驚かれたよう。普通はなかなか見ることのできない、梱包や運搬の様子に始まる仏像修理の過程を、順を追って見せて頂くことができました。

ところで、今回の講座では、初めての試みとして、県立図書館の方から講座に関連する図書の出張展示をしていただきました。受講者の方も、講座の前後の時間に興味津々でご覧になっておられましたよ。滋賀に残る文化財について深く知り、そこからさらに興味を他へも広げて行くそのお手伝いに、また新たな力強い応援をいただきました。県立図書館の職員さん、どうもありがとうございました!

第2回の講座の様子は、ZTVコミュニティチャンネル(地デジ11ch)「おうみ!かわら版(滋賀)」(放送日:7/23・24・25)と「Weekly!かわら版(滋賀)」(放送日:7/29~8/4)でも放送されます。放送エリアは大津市・草津市・栗東市・守山市・野洲市・湖南市だということです。ぜひチェックしてくださいね!

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夏休み企画① 夏の友(宿題対策)に

太陽サンサン、湖岸の遊歩道でもセミの大合唱、いよいよ夏本番。県内の学校ももうすぐ夏休みですね。「いいなぁ夏休み・・・」と、つい羨ましく思ってしまう大人:社会人・・・です。
しか~し!子ども達も楽しいコトばかりではない!そう!夏休みの宿題!これ大問題!!

ということで、てっとり早く夏休みの宿題を片付けましょう~♪県内の博物館施設や資料館などでは、夏休みに合わせたイベントがたくさん企画されています。そのうちの一つ、滋賀県立安土城考古博物館さんの催しをご紹介しましょう。

博物館内にある発掘調査の「整理室」では、7月21日(土)・22日(日)に、「あの遺跡は今!」という催しが開催されます。県内から出土した考古資料について、発掘の専門家さんにいろんなお話を直に「きいて」、土器や瓦などの遺物に直接「ふれて」、体験できるプログラムが用意されているそうです。スマホを使って更に詳しく自分で調べることも出来るとか・・・。なにナニ?『王様でGO!』というコーナーでは、ペーパークラフトで、出土した古代の王冠を作ることができると?!夏休みの宿題、一つクリア!ですね~。

また、企画展では「寺と城-近江の瓦-」が、21日(土)から開催され、各時代の近江の瓦が一堂に展示されます。・・・たかがカワラと侮るべからず!時代によってその特徴は様々・・・安土城など織田・豊臣期の城郭瓦なども展示されるので、戦国好きにはタマラナイ!歴史の勉強にもなり、じっくりと調べ上げれば夏休みの課題にもぴったりです!ちなみにこの展覧会には、当館から寄託品も含めて、
飛鳥時代:崇福寺跡出土の軒丸瓦と軒平瓦
     東光寺遺跡出土の軒丸瓦(日本で2点しかないうちの1点!珍しい文様!)
奈良時代:紫香楽宮跡(甲賀寺跡)出土の軒丸瓦
が出品されていますので、こちらもお見逃しなく!(詳しくはコチラ:収蔵品公開情報)

いぃなぁ若者は・・・興味広がることいっぱいですね!大人も負けずに!暑さニモ負ケズに!夏を楽しみませう!!

筆:あきつ

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「花湖さんの打出のコヅチ」第2回のご案内

ある夜のことです。これは夢の中でのお話しです。

彦根は圓常寺の阿弥陀如来立像さまと、大津は石山寺の大日如来坐像さまが、お出会いになりました。そこで、こんな楽し気な会話をされていましたので、さっそくご紹介することと致しましょう。

阿弥陀さま:これはこれは、石山寺の大日さんではないですか?
      はじめまして。圓常寺の阿弥陀と申します。
大日さま :どうも、はじめまして。お噂はかねがね。。。おたく
      も私と同じ鎌倉時代の“慶派”仏師の作品だとか?
阿弥陀さま:ええ、そうなんですよ。“慶派”のなかでも快慶の作なんです。
大日さま :ということは。。。なんと、実の兄弟ではないかいな?自分で言うのも何やけ
      ど、私とよう似て、あんたもやっぱり細身で理知的なお顔をしてるわ。快慶
      仏は全国に40以上いてると聞いてるけど、滋賀にいるのがわかってるのは私
      ら2人だけ。。。ここで出会えたのも”仏さま”のお導きですかいな。
阿弥陀さま:私らも”仏さま”ですけどね(笑)。
大日さま :ほやほや、そやったなあ(笑)。ほんで、この頃はどうしてたんや?元気にして
      たか?
阿弥陀さま:実はねえ、5年ほど前にえらい修理をしてもらいまして。。。身体中、ぜ~んぶ診
      てもらって。。。おかげさんで、今は元気にさしてもろうてます。
大日さま :ほうかいな。ほら大変やったな。けど今度、私と同じ“重要文化財“組に入らる
      ことになったと聞いてるで。
阿弥陀さま:まあ、お耳の早いこと!けど、ほんまにおかげさまですわ。ほんで、7月19日
      の滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」でも、早速いろいろと紹介して
      くれはるらしいんです。ちょっと晴れがましいんですけど。。。
大日さま :いやいや、ええことやないか!どこであるんや?友達にも知らせとくで。
阿弥陀さま:おおきに。会場は大津にある「コラボしが21」ですねん。
大日さま :「コラボしが21」てか。どこにあるんや?
阿弥陀さま:ほら、あの琵琶湖文化館の、ほんほこやホン(すぐ近くです)。。。

と、まあなんと有り難い夢を見させていただいたことか(笑)!
ところで、阿弥陀さまがお話されていた滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」。みなさんも気になりますよね?7月19日(木)開催の第2回講座について、詳しくはコチラにあります。また、お申込みには専用フォームもありますので、ぜひご利用下さいね(電話・FAXでも受け付けております)。
では、たいへん暑い季節となりましたが、講座は涼し~い会場(コラボしが21)で行いますので、みなさまのご来場をお待ちしております。奮ってご参加を!!

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七夕と朝顔と牽牛(けんぎゅう)

ささの葉さ~らさら~♪もうすぐ七夕ですね。短冊にお願い事を書いて笹の葉に飾る・・・夜空の織姫さまと彦星さまが、年に1度だけ会えるというロマンチックなお話は、子ども心にウキウキする行事の一つでもありました。空を見上げて、天の川を挟んで織姫(織女星、こと座のベガ)と彦星(牽牛星、わし座のアルタイル)を探す・・・まだ純粋であった頃の淡い思い出。。。が、しかし!夜空を見上げてもなかなか見ることが出来なかった!という苦い思い出があるのは、僕だけではないはずデス!!
それもそのはず・・・大人になるとよくわかる。織姫と彦星が出会うというお話ができた頃に使われていた暦は旧暦(太陰暦)で、旧暦の7月7日は、現在の暦では8月のお盆の頃にあたります。ちなみに今年の新暦7月7日は旧暦で5月24日・・・このズレが、七夕の夜の星空観察を楽しめない原因の一つだったのですね~。道理でキラキラのお星さまに会える確率も少なく、梅雨だ!雨だ!台風だ!!と、織姫と彦星の劇的な再会を阻むヤカラが多いワケです。(でもコレをお子さまに説明して理解してもらうのはムズカシイ・・・)そういえば、お盆の頃の夜空はとてもキレイに星が見えますね。。。

そもそも「七夕」とは、五節句の一つで、五節句はもともと唐の時代の中国から伝わったものです。織姫=織女は機(はた:織物)を織る乙女のことですが、彦星の牽牛(けんぎゅう)は、「牛を牽(ひ)く」という意味があります。そして、この『牽牛』という名前を付けられた花が、あります。牽牛花、それが「アサガオ」です。中国でアサガオの種子「牽牛子(けんごし)」は、古くから生薬として重宝され、高価であり、その対価にウシが取引されたという故事が残されているそうです。あら、なんだかちょっとリアルなオトナの話になっちゃった(笑)。

七夕を前に、文化館で学芸員さんと交わしたとある「会話」の一部を紹介しましょう。
「七夕にちなんだ作品、館蔵品で何かないですか?夏っぽいイメージのものとか」
『○○と△△と□□があるよ』
「ナイスです!」
『七夕で彦星は牽牛と呼ばれているから、牽牛つながりでアサガオなんてどう?』
「いい感じ!」
『でもアサガオは秋の季語だよ?!』
「・・・」

あぁ、こんなところにも季節のズレが!・・・この話、実はまだまだ続きます。それはまたいずれ、ご紹介することといたしましょう。。。

お庭のアサガオが咲くのはまだもう少し先?かな?!大人になっても子ども心のロマンチックを忘れずに・・・アサガオの開花を楽しみに待つことといたしましょう。

筆:あきつ

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ホームページ6月のアクセス数

梅雨明けの待ち遠しいこの頃ですが、皆様いかがお過ごしですか?本日はまず、6月のホームページアクセス数をご報告させていただきます。嬉しいことに、6月もホームページへご訪問いただいた方は引き続き増え、1,994件となりました。先月はブログで紫陽花の花の作品を取り上げたからでしょうか???海外からも熱視線?!なんと花の都パリ(フランス)とアメリカからのアクセスだけで15%もありました。感謝!!

また、6月から始まった文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」の関連では、各方面で情報掲載をしていただいておりますが、最近は「県の広報メール」や「SNSで知りました」という方も増えてきました。情報の拡散、、、有り難い!!また、開催翌日には、どのような講座内容であったかをブログで紹介していますが、6/22(金)はなんと1日で266件ものアクセスを頂戴しておりました!(普段だと平均70件くらいなんです!)皆さん、この報告ブログを楽しみにして下さっているのかな~?ちなみに、時間帯は夜8~10時頃のアクセスが一番多かったようです。
文化財講座のお申込みはもちろん、そのほかにも、面白く、ためになる情報が満載の文化館ホームページです。もちろん、最初は”ついで”で構いません。でも、せっかくですのでいろんなページを見ていただいて、あなただけのお気に入りページを見付けていただけると嬉しいです。

ところで、昨日7月1日は「琵琶湖の日」でしたね。この前後一週間、「琵琶湖をきれいにしよう」「豊かな琵琶湖を取り戻そう」「琵琶湖ともっと関わろう」ということで、湖岸や川の清掃活動をはじめさまざまな取り組みに参加された(される)方も多いかと思います。

ということで文化館でも、さっそく本日朝から、周辺の清掃作業を実施!
文化館はまさに琵琶湖の中に建っていますので、この周辺をきれいにすることは、つまり琵琶湖をきれいにすること!と、職員一同、背中に「あきつマーク」を貼って、はりきってゴミを拾い、草を刈り、頑張りました!
さらに、道路を挟んで建っている井上敬之助さまの銅像周辺も。。。琵琶湖を愛し、ずっと見守り続けてくれている敬之助さまには、特別にスッキリとしていただかなければ!たっぷりと汗をかきかき、頑張ってお掃除させていただきました!
きれいになった文化館まわり、どうですか?湖岸を歩くみなさまにもまた、気持ちよく歩いていただけると嬉しいです。

それではみなさん、7月も「あきつブログ」をどうぞよろしくお願いしま~す。

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滋賀県博物館協議会総会 ヤンマーミュージアムにて

先日、平成30年度滋賀県博物館協議会(県博協)総会が、長浜市のヤンマーミュージアムで行われました。
県博協は、県内の博物館施設(美術館・資料館なども含む)相互の連絡を図り、博物館活動を通じて県民文化の振興に寄与するために、公私の別・規模・分野などさまざまな特色ある博物館が協力して活動しており、現在70館が加盟しています。総会では、昨年実施された「県博協創立35周年記念事業」の報告や、今年度実施の広報計画、学芸員の研修事業、活性化事業などの予定が報告されました。加盟館が一堂に会するこの総会では、各館の取り組みなども紹介され、刺激を受けることも多く、大変貴重な機会となっています。

そして総会終了後には、会場館となったヤンマーミュージアムの館内を見学させていただくこととなりました。参加していた加盟館からは思わずこんなつぶやきも・・・「滋賀県にこんな施設があった?!知らんかったわ~ビックリや!」(笑)。それもそのはず、5年前に開館したばかりの新しい施設の中は、今ドキの体験型ミュージアム!屋上にはビオトープ、館内では大きなディーゼルエンジンが実際に動いたり、本物のショベルカーを操作出来たりと、大人も子どもも楽しめる工夫が随所に盛り込まれていました。これまで「見せる」展示を行ってきた既存館にとっては衝撃の展示内容・・・まさしく「滋賀県にこんな施設があったのか?!」状態です。ともあれ、働いておられるスタッフの皆さんの笑顔がステキで、県内にこのように元気(!)なミュージアムがあることは良い刺激となり、県全体のレベルアップにもつながれば、と思います。

ところでヤンマーさんといえば、その創始者である山岡孫吉さんは、昭和36(1961)年、琵琶湖文化館開館式の式典で、テープカットをして下さった来賓の一人です。そのご縁で文化館的には、山岡氏の生い立ち、偉業、功績を称えた「山岡孫吉記念室」の展示が、一番グッとくるものがありました。良いご縁を結んでいただき、ありがとうございました。

筆:あきつ

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滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第1回

梅雨空の合間を縫って開催されました、今年度第1回となる滋賀の文化財講座「花湖さんの打ち出のコヅチ」。会場となったコラボしが21の受付には、当講座のニューフェイス「花湖さん」もパネルでデビューを果たし、関係者一同、受講に来られた130名の方々をお迎えいたしました。「開催を待ってたよ」の一声に、私たちも笑顔で気持ちを引き締めたところでございます!
そして始まりました今回の講座は『日野町 馬見岡綿向神社の巨大絵馬-平成29年度 滋賀県新指定文化財から』という演題で、滋賀県教育委員会文化財保護課の矢田直樹氏にお話しいただきました。
「絵馬」といっても私たちがお願い事を書くあの絵馬とは違いますよ?!馬見岡綿向神社さんにある絵馬は、縦206cm横422cmの巨大絵馬。講座会場で使っているスクリーン(縦230cm横305cm)の横幅よりも大きいのです。
その巨大絵馬に書かれているのは、「祭礼渡御(とぎょ)」図です。祭礼渡御とは、ご神霊が神輿などでお旅所等に巡幸する事。絵馬には、日野のシンボルである「蒲生氏」が登場し、当時の日野の人たちが理想とした「日野祭」が描き込まれた壮大な『歴史絵巻』が繰り広げられているとのことです。(講師曰く、この絵馬の中には少なくとも315人もの人物が描かれているそうです!)描かれた様々な芸能は、蒲生郡周辺で行われている現在の祭礼にもつながっていることを、民俗文化財担当の矢田さんらしい切り口で、写真で詳しく説明して下さいました。

この絵馬の素晴らしいところは、その大きさもさることながら、江戸時代に製作され200年以上経てなお保存状態が良好な事、作者がはっきりしていること(谷田輔長)。何より日野商人に代表される地域の人々の氏神への篤い信仰と、祭礼行事の隆盛、地域の繁栄に対する願いが込められた民俗文化財であることが、県の文化財として指定された理由の一つであるとのことです。現在の日野祭に通じる歴史的変遷の過程を研究する上でも、とても貴重な資料と言えますね。
また、今回の講座には、馬見岡綿向神社の宮司さまも参加されており、最後に「是非実物を見て欲しい。自分が子どもの頃は絵や文字がもっと鮮明であった。県指定にもなり保存にも力を入れていきたい。地域の誇りとしてこの絵馬を伝えていきたい。」とお話し下さいました。

さぁ、今回の講座に参加して(このブログを読んで)、絵馬のある馬見岡綿向神社さんに行きたくなった人!(ハイッ!)。
馬見岡綿向神社さんでは、6/30(土)午後8時より夏越の「大祓」が行われます。献灯の灯りがともり、紙で作った人形に罪・ケガレを移して祓い清めて下さるそうです。一般参加も可能!是非この機会に訪れてみてはいかがでしょう。

筆:あきつ

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観音さまを知る講座

季節は梅雨時です。空気はドヨ~ン・・・気持ちもドヨ~ン。。。いまいちパッとしない日々が続きますが、こんな時には知的好奇心に磨きをかけましょう~。
ということで、今回紹介するのは、「観音さま」にまつわる講座です。数多くの観音さまが伝わる近江。観音さまは、地域に密着したもっとも親しみやすいほとけさまの一つとして、仏教絵画や仏像彫刻など様々な形で人々に信仰され、守り伝えられてきました。今回の講座では、『近江に広がる観音様の景色-古美術から探る観音信仰の諸相-』をタイトルに、3人の講師が様々な角度からお話をされます。

① 6月23日(土) 描かれた観音様 滋賀県立琵琶湖文化館 渡邊勇祐
② 7月 7日(土) 湖北の観音様 長浜市立長浜城歴史博物館 秀平文忠氏
③ 7月21日(土) 観音信仰の諸相 滋賀県立安土城考古博物館 山下立氏

この講座は、龍谷大学が市民向けに開催している生涯学習講座(RECコミュニティカレッジ)の一つとして、瀬田キャンパスのRECホールで開講されます(受講料必要)。WEBでの募集は終了となっていますが、電話でのお申し込みは受け付けておられるそうです。気になる方は、龍谷エクステンションセンター滋賀:077-543-7848にお問い合わせ下さい。(講座ナンバー「SB12」とお伝えください。)

梅雨時の雨にも負ケズ、恵みの雨と感謝して、観音さまのように微笑みをたたえて毎日を過ごしたいものですね。

筆:あきつ

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「花湖さんの打出のコヅチ」第1回のご案内

いよいよ今月から、平成30年度滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」が始まります!みなさま、お申込みはもうお済みでしょうか?

今年の講座について、すでにチラシやホームページでの案内をご覧になられた方も多いかと思いますが。。。コヅチ参加の常連さんならお気づきでしょうね?これまでとは何かが違います。そう!実は、今年の講座タイトルには、「花湖さんの」という言葉がついています。「花湖さん」というのは、この文化財講座のネーミングライツパートナーとなっていただいた、株式会社国華荘さん(大津市のおごと温泉で旅館「びわ湖花街道」を経営されています)が付けて下さった愛称なんですよ。

ネーミングライツ(命名権)というのは、一般に、公共施設などに企業名や商品名などを冠した愛称を付ける権利のことで、滋賀県ではこれが6件目となります。その中で初めて、(施設ではなく)講座・イベントに対して付けられたのが「花湖さんの打出のコヅチ」なんですよ!ご縁あってパートナーとなっていただいた国華荘(びわ湖花街道)さんとともに、文化財講座「打出のコヅチ」が、みなさまにより一層親しまれるものになれば良いな~と思っております。

ところで、この「花湖さん」は、びわこ花街道さんのイメージキャラクター(看板娘)でもあって、ご覧の通り、矢羽絣に紺袴という昔の女学生スタイルをした、古風な感じの(←ココがいいでしょ!)可愛いお嬢さんです。公式プロフィールには書かれていない、ここだけの話ですが、、、実は彼女、密かに”変身の術”を持っているようです。チラシやホームページ用に国華荘さんからいただいた花湖さんのイラストには仕草や髪飾りなど、TPOに応じていろいろな組み合わせがあるんです!その中から、「表情はどれにしよう?」「ちょっぴり笑顔がよい加減?」「吹出しはピンク色かな?」など、「あーでもない」「こーでもない」と言いながら組み合わせて、できあがったのが今回の「花湖さん」です。文化館キャラクターの「あきつ君」とともに、皆さん、ぜひぜひ可愛がってくださいね♪♪

さて、その記念すべき「花湖さんの打出のコヅチ」第1回目は、6月21日(木)に教育委員会文化財保護課の矢田直樹氏をお迎えして、「日野町馬見岡綿向神社の巨大絵馬-平成29年度滋賀県新指定文化財から-」というテーマでお話いただきます。講座の詳細についてはコチラから、また、お申込みには講座申込み専用フォームをご用意いたしましたので、そちらもぜひご利用下さい(電話・FAXでも受け付けております)。それでは、たくさんの方のご参加をお待ちしておりま~す!

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紫陽花づくし

今週初めに、東北でも梅雨入りをして、梅雨入り宣言のない北海道をのぞいて日本列島は本格的に梅雨の季節となりました。梅雨の花の代表ともいえる紫陽花たちも、「待ってました!」と言わんばかりに、そこかしこで咲きだしたのを見かけるようになりました。
文化館の近くでも、青・白・紫と色とりどりの紫陽花が咲いて、道行く人々の目を楽しませています。ちなみに紫陽花は土壌の酸性度によってその花の色を変えるそうですが、文化館の敷地内には、こんな鮮やかな赤色の紫陽花が咲いています。様々な色をつける紫陽花はまさに七変化!です。

さて、生花ばかりではありません。当館に所蔵されている紫陽花も多種多様に表現され、七変化に磨きをかけます。まずは、江戸時代に描かれた「花卉図」。こちらは6曲1双の屏風で、一面一面に数々の草花が描かれ、その中に大輪の紫陽花が描かれています。屏風の中心に白にも薄青くも見える花は、どこか瑞々しく感じます。
そして、こちらの湖東焼の鉢にも紫陽花が描かれています。先ほどの屏風とは違って、側面に控えめに一輪の紫陽花が描かれています。濃い紫色の蕾と白い萼片が描かれていて、これはガクアジサイなのでしょうか?現在よく見かけるセイヨウアジサイとは少し違うのがわかります。
最後は、滋賀県出身の谷口幸珉の「金銅製紫陽花文壷」です。一見するとどこに紫陽花があるの?と思いますが、何と金色のところをよく見ると、小さな萼片たちが密集して描かれた紫陽花模様であることがわかります。前二作と違って、紫陽花を幾何学的な模様として使った作品です。
 紫陽花ひとつをとっても、作者によってまったく違う表現に変わります。皆さまもこの時期だけの楽しみとして、紫陽花の七変化を見付けてみてくださいね。

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ホタルのヒカリ

5月下旬頃から、県内で「今年もホタル乱舞」のなんとも季節感あふれる情報が飛び交っています。1年でわずかの期間にしか見ることができない、この貴重な体験を「見逃してはなるまい!」と、仕事帰りに近所の小川へ見に行ってきました。
その日は、雨が降り出す前の蒸しっとした空気で、風もなく、絶好のホタル鑑賞日和。。。時間も狙い通りの午後8時! (見頃は夜の7:30~9:00頃なのだそうです)、川の緩やかな流れのところにホタルはいました!しかもたくさん!ホタルは、ゆ~ったり、の~んびり、明るく点滅を繰り返していたので、ゲンジボタルかな?子どもの頃から、ホタルは結構当たり前に見られるものだと思っていましたが(世間的には田舎と呼ばれる地域に住んでいます)、皆さんの近くではどうですか?

実は、当館の館蔵品の中にも「蛍図」という作品があります。作者の塩川文麟(しおかわ ぶんりん)は、江戸時代末期から明治時代初期にかけて活躍した日本画家です。雨に煙った風景や暮かけてぼんやりした風景を得意としていたようで、もしかしたらこの夏が始まる前の空気感も得意だったかもしれませんね。

現代なら、ホタルが発する淡い光を、「蛍光色」で表現できる絵の具やマジックはたくさんあります。しかし、この「蛍図」は、絹地全体に薄墨を施して夜景の雰囲気をつくり、ホタルにのみ彩色が施されています。ちょっとアップにしてみるとこんな感じ→。
ホタルの頭の部分に赤い絵の具を、発光する光は淡い黄色を彩色することで表現されています。水墨画の中に描かれることにより、ホタルの儚さがより感じられるようです。

ホタルの見頃も、桜のように南から北へ北上するそうです=ホタル前線!そろそろ季節は、光の点滅が早いヘイケボタルにバトンタッチ?滋賀ではまだまだホタルを楽しめそうです。

筆:あきつ

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ホームページ5月のアクセス数

日本列島の西の方からは早くも梅雨入りの声が聞こえてきましたが、文化館のある大津では6月に入ってから、意外にも?爽やかな青空が広がっています。梅雨を前にして「今のうちに!」なのでしょうか?文化館の周りではこの頃こんな方々が風通しをされていましたよ!まずは、こちら。いつもは琵琶湖の水中にいるカメさん達です。仲の良い3匹はご家族でしょうか?

そして、屋根の上を見上げると、トンボのあきつ君も羽根を大きく広げて、青空に向け軽やかに飛び上がろうとしています!みなさん今日は、爽やかな気持ちのいい日々を満喫されているようです。

さて、お待たせいたしました。気になる文化館ホームページ5月のアクセス数です。こちらはなんと!先月よりも大幅に増加し、1,904件のアクセスとなりました。ユーザー数も増えているんですよ!嬉しいことです!実は5月には、新聞記事にプレ講座のことや、文化館の開館当時のことが、大きく取り上げられたので(ご覧いただけましたでしょうか?)、それをきっかけにホームページにアクセスいただいた方が多かったようです。みなさま、どうもありがとうございました!

ところで、近頃の傾向として、文化財講座へのお申込みについて、メールでお申込みされる方が増えたように思います。ということで「講座申込み専用フォーム」をご用意しました!!これで、更に便利に気軽に、お申込みいただけます!もちろん24時間受付可!皆さん是非ご利用下さい!

文化財講座の方は、いよいよ6月から本編「花湖さんの打出のコヅチ」が始まります。先日、刷り上がったチラシ(初夏らしくグリーンが基調です)を、県内各地の博物館・図書館などに送らせていただきましたので、お近くの施設等で見かけたら、ぜひお手に取ってご覧くださいね。

では、これからも文化館の活動をどうぞお楽しみに。そして最新の情報について、ホームページでのチェックもお忘れなく!

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【明治モノ語り】:番外編

皆さんお楽しみいただけましたか?5月のあきつブログは、今年が「明治150年」にあたることから、「文化館的『明治』集中月間」として、館蔵品の中からいくつか作品紹介をしてきました。読みやすく親しみやすい文章で書くことを信条としたブログを中心に、「興味を持って貰えたら嬉しいな」と、そんな気持ちで始まった「明治モノ語り」。それなら統一タイトルは「チョコっと明治」にする?という提案がありましたが、職場内で異議申し立てがあり即却下・・・実際には、それこそ甘いチョコレートが必要なくらい知的労働に明け暮れる日々を送ることになりました。。。

少し僕の話になりますが、中学・高校と社会科の授業で近・現代は(3学期後半で時間がないため)先生もほぼスッ飛ばし・・・あまり記憶にゴザイマセン。ですので実は苦手です(泣)。
それでも、紹介する作品が決まり、職場の皆さんと「あーだ」「こーだ」話をしていると、いろんな発見がありました。(一番の発見は職員の中に「隠れ幕末・維新マニア」がいたこと!学生の頃に史実を追って様々な歴史の舞台を訪ね歩いたそうです!)
この1ヶ月、職場の皆さんに触発されながら、素人ながらにいろいろと調べ(学べた気になっている僕ですが)、身に沁みて感じたことがあります。それは「近代は史実がハッキリと残り過ぎているだけに、短い文章で紹介するのは存外に難しい!」ということでした。悩みながら作業を進める僕でしたが、そこは休館していても文化館!「この資料調べてみては」と助言をくれる、調べもの・調べ方についてのエキスパートが身近にいて下さったので、とても有り難かったデス。ご縁あって文化館のキャラクターとなった僕ですが、楽しくお仕事させていただいております。

気付いたのですが、ひとえに「文化財」と言っても、楽しみ方がいろいろありますね。作品自体の美しさ、繊細さ、力強さなどを感じとる楽しみ方。作品の時代背景や作者の意図を読み解く楽しみ方。そして今回僕は、作品について「調べる」という楽しみ方を知りました。どれも、作品とじっくり向き合うことで得られる楽しみです。
文化財の楽しみ方は多種多様、広がる世界がいっぱいあります。一つの作品をきっかけに、皆さんもいろんな楽しみ方を見付けて下さいね。

ちなみに僕が書いた「大津事件関係資料」は内容的にほぼ番外編(ゴメンナサイ)。裏ネタ的要素が強いのですが、大津事件が起こった頃の滋賀県史関連の図書を調べると、必ずと言っていいほど、すぐ隣に「琵琶湖疎水」の記事が載っていました。なるほど琵琶湖疎水も明治期の滋賀県にとって一大事業。「調べる」楽しみの余波として、ここまで読んで下さった皆さんへ、今春のサービスカットをご紹介。是非訪ねてみたい明治の文化遺産です。

※「明治モノ語り」は今後も継続予定~乞うご期待!

筆:あきつ

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【明治モノ語り】山元春挙の書蹟

明治150年にちなんでの、ブログでチョコっと収蔵資料紹介、第3弾です!今回取り上げるのは、明治生まれで、湖国滋賀ゆかりの日本画家・山元春挙の作品。といっても、画家として有名な春挙の絵画作品ではなく、書蹟です。これまた珍しい?!!

まずは、山元春挙って誰?という人のために、ご説明を。明治4年(1871)、大津は膳所(文化館の近くです)に生まれた春挙は、円山応挙に始まる京都の円山派に絵を学び、16歳で京都青年絵画研究会に出品して入賞し(スゴイ!)、世間の注目をあつめます。以後、各種の展覧会や博覧会で順調に受賞を重ね、のちには京都市立美術工芸学校などの教授として、また画塾「早苗会」を指導して多くの画家を育てる一方、大正6年(1917)には帝室技芸員となり、昭和8年(1933)、63歳でその生涯を閉じるまで、近代京都画壇の重鎮として活躍した人物です。春挙はまた、伝統に基づきながらも時代に応じた新たな技法を積極的に取り入れ、日本画の近代化に大きく貢献した画家としても知られています(ホ~!)。

さて、こちらが春挙の書いた書です。全体に、線はやや細めですが、一字一字力強くしっかりと書かれています。右の大きな2文字は「撥雲(はつうん:暗雲を取り除くという意味)」ですね。そして、左の2行は「寒梅始綻/野村南(寒梅始メテ綻フ/野村ノ南)」と書かれています。こちらは、永源寺の開祖・寂室元光(1290-136)の偈頌(げじゅ:仏の教えを詩歌の形で分かり易く説いたもの)から採られたもののようです。句の意味は。。。え~っと、禅の言葉なのでやはり難解ですね~。ここはみなさま、自力で悟りを開いて頂くことにいたしましょう(笑)。

ところで、彼はなぜこんな禅語を書き残したのでしょう???春挙は特に、透明感のある鮮やかな色彩による風景画を得意としましたが、それらは精神性の深い迫真の画面が描かれているとして高い評価を得ました。実は、春挙という人は、20代の頃から京都の天龍寺に通い禅の教えを学んでいたようで、そこで禅を通して物事の内面を見る眼力を養っていたということです。なるほど!!春挙の絵の奥深くから滲み出てくる精神性というのは、対象の内側を深~く深~く見つめる中で、ようやく”暗雲”を取り除いて体得した「真理」なのかも知れませんね。そして、その真理はまた東洋の理想にまでつながるものだったのかも???春挙の絵は今までに何度も見ているのですが。。。禅だけに、ゼ~ンゼン気が付きませんでした(笑)。ワタクシまだまだ修行が足りませんね。

さてさて、「脱亜入欧」の掛け声のもと、近代国家建設への道を駆け足で進んだのが明治時代です。もちろんその頃と現代とでは、国の内外の状況は全く違いますが、時代はまた急速な変化を遂げつつあります。そんな中、私たちも物事の本質を見極める眼力をしっかりと養っていくことが大事なのでしょうね。春挙の書蹟を前にして、そんなことを思います。。。

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プレ講座を開催しました。

毎年、ご好評いただいている滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」。有り難いことに前年度で節目の10年目を迎え、講座開講11年目の新たなスタートを記念し、本編の開催に先立って、昨日、プレ講座を開催しました。講師は滋賀県教育委員会文化財保護課の井上優氏で、平成29年に県の指定文化財となった東近江市・松尾神社さんの「こけら経」について、お話しいただきました。年度当初の短い告知期間にも関わらす、86名もの方々にご来場いただき、誠にありがとうございました。
参加者の皆さんは初め、スクリーンに映された謎の渦巻き状の物体に、????といった反応でした。ところが、一括しているリング状のタガを外すと、実はお経(法華経と開結二経)の経文を約5000枚もの細い板材に一行ずつ書写した集合体であることがわかり、驚きを隠せない様子でした。さらに、1枚1枚の形状をみていくと、上部に細かい切れ目を入れるなど墓地で目にする塔婆形(圭頭)の細工が施されています。これは、お経を書写する写経供養と、造塔を建立して功徳を得ようとする造塔信仰を併せ持つことを示してるということです。
なお、こけら経の発見例は発掘調査による場合が多く、比較的状態が良く伝わる社寺での伝世品という例は少ないのが実情で、経文の内容が判然としないものが未だ2割ほどあるとか。しかし近年の、研究データの電子共有化によって、照会が容易となりつつあり、こけら経による仏教文化史研究、地域文化の研究も活発化の動きをみせているそうです。
そして本品が特記すべき点は、社殿本殿内陣の、しかも神様(主神)を安置する宮殿(くうでん)のすぐ側に置かれていたことで、神仏習合期のこけら経受容の内実を知ることのできる現在唯一の例となります。今後のさらなる研究が期待されます。
最後は講座の内容をふまえたクイズを出題。皆さんしっかりと学ばれたようで、正解者続出!?告知のとおり、素敵なプレゼントをお持ち帰りいただきました。

そしていよいよ6月からは本編がスタートします!今年はびわ湖花街道さんをネーミングライツパートナーに「花湖さんの打出のコヅチ」としてさらにパワーアップ(花湖さんについてはコチラ)。第1回は6月21日(木)開催で、文化財保護課民俗担当の矢田直樹氏が前年度に指定となった日野町・馬見岡綿向神社さんの「巨大絵馬」について報告されます(講座内容についてはコチラ)。是非是非、ご参加ください。

学芸員W

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【明治モノ語り】大久保利通の書蹟

今年は明治維新から150年。放送されている大河ドラマも、まさしくその激動の時代を描いた「西郷どん」で話題となっています。ドラマでは俳優の瑛太さんが、”せごどん”こと西郷隆盛の盟友でライバルでもある大久保利通を演じていますが、本日5月14日は、その大久保利通の命日にあたります。

幕末・維新…滋賀県とは所縁がうすいように思われますが、当館の館蔵品には、幕末志士や近代の偉人たちが書いた書蹟を多数収蔵しており、その中に大久保利通が書いた書蹟もあります。ということで、今回は、その作品をチョコっとご紹介します。

それがコチラ!う~ん、達筆すぎて難解ですよね。事務方で働く素人の私には全く読めません(笑)。聞くところによると、これには漢詩が書かれており、大久保利通が通州の運河を下った時に詠んだ詩だとか。通州とは、今の中国北京市通州区のことで、北京と天津を結ぶ運河の北に位置します。大久保利通は、明治7年(1874)5月に起きた台湾出兵の和平交渉のため、日本側の全権弁理大臣として、同年8月に清国の首都北京へ向かいました。難航した交渉はイギリスの調停もあり、10月末に和議が成立します。
幕末に、新時代を築くために奔走した大久保利通は、明治になってからも、日本のために尽力します。この書蹟の文字からも、その勢いのある力強さが感じられます。

盟友だった西郷隆盛は、征韓論によって野に下り、明治10年(1877)に西南戦争で自刃して亡くなりますが、大久保利通もまた翌年5月14日、東京・紀尾井坂で不平士族の暗殺によって亡くなります。奇しくも、維新で活躍した薩摩藩士2人は、同じ頃にこの世を去り、明治をたった10年しか見ることができなかったのですね。。。

文化館では、開館間もない昭和37年(1962)に「ここ百年書蹟展」が開催され、この書蹟も展示されました。「ここ百年」が、今や「ここ百五十年」。歴史と共に文化財も大事に守っていきたい。。。改めて、しんみりと思ったのでした。。。

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