人気上昇中?米原市杉沢遺跡

少し前のことですが、新聞に「発掘とアート つながりを紡ぐ」というタイトルの記事が掲載され(7月29日(土)京都新聞)、京都文化博物館で開催されている「京都の画家と考古学」という展示(8月20日まで)が紹介されていました。そして、記事の続きには、米原市の杉沢遺跡周辺で開かれる「芸術と考古学 夏休みの遺跡」展(8月25日~31日)の案内が掲載されていました。遺跡を発掘調査した立命館大学の学生さんたちと現代美術家が共同で、地中と地上に出土品と現代の作品を並べて作り出す展示会だそうです。考古学とアートの関係って、これまでもなかった訳ではないと思いますが、遺物だけでなく、遺跡の調査自体と結びつけた形でのアートというのは新たな発想で、ここから何が飛び出してくるのか楽しみです。

さて、杉沢遺跡というと、実は、琵琶湖文化館ともご縁のある遺跡です。今年の5月に、真陽社さんより『小林行雄考古学選集 第3巻 縄文文化の研究、通史・概説』という本が刊行され、そこに、昭和13年に東京考古学界から出された雑誌『考古学』掲載の「近江坂田郡春照村杉澤遺蹟」という論文が再録されましたが、この報告書に写真が掲載されている杉沢遺跡出土の石器(御物石器・多頭石斧)は、今は文化館の館蔵品となっています。
この論文、戦前に発表されたもので、編集した東京考古学界も今は解散していて、さらに著者のお一人である小林行雄先生もすでに亡くなられ。。。ということで、出版社の方は権利関係の確認に大変ご苦労されたようです。
それでも、いろんな方面を調査してようやく、写真に写る石器が今は琵琶湖文化館にあるということを突き止めて、当館に確認のお電話を下さったのです!!

というわけで、再録された本の最後には、出土品の所蔵者ということで「滋賀県立琵琶湖文化館」の名称を載せていただいております。いやぁ、出版物にたった数文字を入れるだけのことなのですが、そこにいたるまでの編集者さんのご苦労は、ホントに、並大抵のことではなかったとお察しいたします。それも、1枚だけでなく、1冊の本に掲載されるものすべてについてなのですから。。。当館としては、よくぞ探し当ててくださいました!! という感謝の思いで一杯です。
そして、このような学史的に有名な滋賀県の遺跡が、学史の中だけで終わるのではなく、新たな装いで今の時代に蘇り、またもう一方で、アートと協働するという最先端の活用がされるなんて(!!)、これもまたとっても嬉しいことです。そこにちょっぴりですが文化館が関わっているということも。。。
杉沢遺跡出土の石器は、現在、地元の米原市伊吹山文化資料館にて展示中です。みなさまには、こちらの方にも足を延ばしていただければ幸いです。

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琵琶湖と富士山をつなぐもの

直前の台風の影響が心配されたびわ湖大花火大会も無事に終わり(ホッ)、打出浜もサラッとした夏本番の空気感。。。まだまだ暑さは厳しいですね~。こんな時、湖も良いですが、高い山の上など、涼しいところにも行ってみたいな~などと思います。

さて、日本一高い山というと、富士山ですよね。富士のあの雄大な姿を見ると、たとえそれが描かれたものであっても、何か清々しくまた晴れ晴れとした気持になるのは何故でしょう。。。だから、銭湯の壁にまで(!!)描いてしまうほど、画題としてもポピュラーなものになっているのでしょうか。
文化館にも、その富士の優美な姿を描いた屏風絵などがございまして、少し前ですが、静岡県の方から、作品の写真貸出の依頼がありました。今年の12月にオープン予定の富士山世界遺産センター(仮称)で、富士山に関わる芸術を集めた展示をされるということです。富士山をモチーフにしたさまざまな作品が一堂に並ぶ姿は、きっと素晴らしいものに違いありません。どんな展示になるのか楽しみです!

ところで、琵琶湖の傍に住んでいて、「富士山」と聞くと、ダイダラ坊の話を思い出します。民俗学者・柳田国男先生の「ダイダラ坊の足跡」という論文によると、「むかしむかし大々法師(ダイダラ坊)という大男がいて、近江国で地面を掘って出た土をモッコで運び、東へ三歩半行った所で傾けたところ、出来たのが富士山。そして、掘った穴が琵琶湖になったのだ」と。
普通なら、「そんなことあり得へん~~!」と思うのですが。。。それで終わらないのが近江人のすごいところ!! この伝説にちなんで、毎年7月に琵琶湖の水が富士山頂まで運ばれ、8月の終わりには富士山頂の湧水が琵琶湖に運ばれるという行事まで行われているのですって!! なんとまあ、山の上から湧き出た冷た~い清水。ウフッ。。。想像するだけでちょっと涼しさが感じられます。
さあ、明日は「山の日」。みなさんもどうぞ、いろんな形で山と親しんで下さいね。厳しい暑さが、気持ち?和らぐかもしれませんよ。(写真は、琵琶湖とダイダラ坊のモッコの編み目からこぼれ落ちてできたという三上山。またの名を「近江富士」と言います。)

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お申込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第4回

皆さま、来たる8月17日(木)は何の日か?そうです、文化財講座「打出のコヅチ」開催日です。忘れてはなりませんよ?ただ、開催前に皆さまに一つ謝らなければなりません。「お盆ウィークは何かと忙しくて行けないから1週ずらして~」と、昨年のアンケートでご意見をいただいていたにも係わらず、今年もやはり第3週の開催となってしまいました。会場の都合等々、オトナの事情により敢え無く17日となってしまったこと、何卒お許し下さいませ。
その代わりと言っては何ですが、他の予定をスル~してでも参加したくなる?!いや参加した方がいい!!今回の文化財講座でございます。演題は『近江の曳山祭り』です。楽しみですね~祭りだなんてテンション上がりますね~。おや?僕だけですか?・・・何故??

実は!何度かブログでも紹介している「写真整理」の作業中に、またまた見付けてしまったのですよ、お宝写真!それは昭和37年に開催された「お祭り展」のものと思われる関係資料です。アルバムタイトルはズバリ「県下の祭り①~⑤」・・・だから先輩・・・タイトルがザックリし過ぎです・・・(笑)。 年代物の写真を前に、途方に暮れていた私たちですが、そこへ現れた救世主がこの方:今回の講座の講師先生でいらっしゃいます、滋賀県教委文化財保護課(民俗担当)の矢田直樹さんです。急遽こちらがお願いしたヘルプ!の要請を、快く引き受け下さった矢田さんは、お宝写真を眺めて、「おぉ~なるほど」「すごくいいですね」を連発!当時の様子にコーフンしながら、それはもう楽しそうに僕たちに詳しく説明して下さいました。だから僕のテンションも上がっているわけです↑↑。

17日の講座では、ユネスコの無形文化遺産の一つに登録された長浜曳山祭りや、大津・日野・水口・米原・大溝などの曳山祭りについて、詳しくお話しいただけるそうです。そもそもどのようなお祭りなのか、全国の山・鉾・屋台行事や県内の曳山祭りの特徴、そして「山」がなぜ動くのか等、興味深いお話しが盛りだくさんです。その中で文化館のお宝写真も特別に友情出演?!・・・皆さんの「知りたい」欲求の一助になれば幸いです。

会場は、コラボしが21(大津市打出浜2-1)3階大会議室での開催です。
お申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで!お申込み、お待ち致しております~!!

筆:あきつ

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武将の体格

とあるテレビ局の歴史系情報番組の制作クルーの方が、戦国武将の肖像が描かれている掛軸を撮影に来られました。その撮影の合間、立ち話程度に「この武将の体型・体格って、どんなだったのでしょうねぇ??」というような会話があったそうです。・・・ははぁ~んナルホド、番組を作る側としては、ソコが気になります?!
素人の僕は、正直そこまでこだわった見方をしたことはありませんでした。もし、お殿様に「肖像を描け!」と命令されたなら、その時点でおそらく格好良さは2割増し?!少し斜めの角度から、威風堂々、強気な眼差しで・・・というパターンの肖像画がほとんどではないでしょうか?
そこで気付いたコト・・・武将の肖像画には、体型・体格を想像させる「立ち姿」が残されていない?!戦や合戦の場面では、ガッチガチの甲冑姿ですもの、体型まで分かりませんよね。それが狙いだったのか、流行だったのか、座り姿の肖像が定番であるように思います。聞くところによると、エライ武将さまは神様・仏様と同じとされ、その威光により念珠や袈裟を掛けていらっしゃることもあるとかなんとか・・・そんな偉大な方に何時間も立ってていただくことはできませんよね?とにかく「戦国時代の武将の肖像画には立ち姿がない」というのが、『あきつ妄想研究所』の見方です。。。

あぁ、どなたか、「共同研究者求ム」です。きっとこのような場合は、当時の文書などを調べれば、何らか情報・ヒントを見付け出すことができるのでしょうね。今の時代なら、VR(仮想現実)でよりリアルに再現?3Dプリンターで立体に??あきつ研究所のモ~ソ~は膨らみます。。。

筆:あきつ

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ホームページ7月のアクセス数

いよいよ「夏本番!」と言いたいところなのですが、ここ最近梅雨が戻って来たかのような蒸し暑さに辟易してしまいます。通勤だけで滝のように汗をかき「もういっそ、湖の中に飛び込みたい!」なんて思ってしまう今日この頃。みなさま体調管理は万全ですか?水分補給は必須ですよ!

そんな毎日暑い中、あきつブログ恒例のホームページアクセス数ですが、7月はジメジメ~な暑さも吹き飛ばす(!?)結果となっておりました。なんと、アクセス数が1,530件と今年度に入って、初めて1,500件超えとなりました!ユーザー数の方も先月より増えて、こちらも今年度に入って一番となっております。そして、ページビュー数(何ページ見たか)も先月より大幅に増えておりました。より多くの方が琵琶湖文化館に興味を持っていただいたという結果が数字に出ているのかと思うと、夏バテ気味の私も元気が出てまいります。皆さまどうもありがとうございました。

今回訪問されている方の中では、東京を中心とした関東地方の方のアクセスを見かけました。これは、「収蔵品公開情報」でもお伝えしている、現在、三井記念美術館で開催中の「地獄絵ワンダーランド」を通して琵琶湖文化館のホームページを見ていただいているということでしょうか?(エヘッ)今回は地元・滋賀を含めた近畿のほかに名古屋や岐阜など東海地方の方々に熟読頂いているようです。
更に、昨年度末に訪問が多かったロシアの都市サマーラからの訪問も再開しています。またユネスコ記憶遺産への登録を目指している朝鮮通信使の関係でしょうか?韓国からもアクセスがありました。国内だけではなく、海外からもアクセス頂いて、ワールドワイドな状態に本当に嬉しいかぎりでございます。

夏休みも始まりました。8日(火)には「びわ湖花火大会」も開催されます。暑さに負けず、みなさまアクティブに行きましょう!!そして琵琶湖文化館はそんなみなさまの参考にしていただけるようホームページの更新を頑張っていきたいと思います。では、8月もよろしくお願いしま~す!

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平成29年度 第3回「打出のコヅチ」が開催されました!

梅雨が明け、青空となった7月の第3木曜日。そうです、この日は滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第3回が開催された日です。当日の日中の最高気温は33.4℃。カ~ッと照り付ける日差しはもう真夏。ちょっと外を歩くだけで汗ダクになり、水分補給の欠かせない一日でした。そんな暑い日にもかかわらず、講座には、147名というまたまた大変多くの方にお越しいただくことができました~!! ご来場下さったみなさま、どうもありがとうございました。

第3回は、当館学芸員の渡邊勇祐が登場し、「日吉山王祭礼図を読み解く-琵琶湖文化館蔵「日吉祭礼図」の図解を中心に-」というテーマで、お話させていただきました。「山王祭」というと、毎年3月から4月の中頃にかけて大津市坂本の日吉大社で行われる盛大なお祭りで、花渡り式、宵宮落としに続いて、琵琶湖上を神輿七基が走る船渡御が見どころ、というのが多くの方の理解ではないでしょうか?

この祭りの様子は、江戸時代に描かれた「日吉祭礼図」(当館所蔵)に、詳しく記録されています。ところが今回、この絵巻を講師の解説とともに詳しく読み解いていくと。。。かつてお祭りは日吉神社と延暦寺が一体となって行っていた(!!)とか、神事に僧侶も加わっていた(!!)とか、はたまた(他の屏風絵なども参考にすると)粟津の御供の神事はかつては陸上で行われていた可能性がある(!!)とか。。。今、私たちが見ることのできる姿とはかなり違っていたことが明らかになるという、いやはや、まさに「猿も木から落ちる」、あっいや違った!「目から鱗が落ちる」ような講座でありました。

さて今回は、大津の祭りということで、地元の方の関心も高く、実際に山王祭に携わっていらっしゃる方などもご参加いただいたようです。講座終了後の質疑応答の際には、「粟津の御供を陸上で行っていたという話は地元でも伝わっている」など興味深いお話もうかがいました。一つの作品を通して過去と現在が繋がり、さらに祭りを未来へ続けていくために何らかの形でお役にたてるなら、これは大変嬉しいことです。「日吉祭礼図」自体も、まだまだこれから研究の余地がある作品だということです。これからも地元の文化財として大切に守り、活用していきたいものですね。

次回の「打出のコヅチ」は8月17日(木)、県教委文化財保護課・矢田直樹氏を講師にお迎えして、「近江の曳山祭り」というテーマでお話いただきます。今、世界中から注目の的となっている曳山祭り。滋賀でも、長浜、水口、日野など各地で行われており、秋10月には、大津でも大津祭があります。こういった曳山祭りをもっともっと楽しむためにも、たくさんの方に講座をご聴講いただけたらと思います。お申込みは電話・Fax・E-mailで琵琶湖文化館まで。多くの方のご参加をお待ちしております!

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1枚の写真の確認 その②

さて、前回のブログに引き続き、一枚の写真からどこの「庭園か?」を突き止める:あきつのぶらり旅(そんな名前でしたっけ?)です。インターネットで検索をし、アタリを付けたのは、長浜市にある「孤蓬庵」さん。こちらは、小堀遠州(1579-1647)の菩提を弔うため、江戸時代前期に開山した臨済宗大徳寺派のお寺で、遠州が京都大徳寺に建立した孤篷庵にちなんで、近江孤篷庵とよばれています。昭和34年4月には、庭園の石組み等が江戸当初の遠州流庭園の基本的な条件を遺しているということで、滋賀県史跡名勝にも指定されました。
人里離れた山奥、喧騒を離れてひっそりと佇むその庵は、なんともしっとりとしたいい雰囲気・・・季節は初夏、鳴き始めた蝉の声はまだ疎らで、逆に静けさが際立ちます。中に入らせていただくと、開け放たれた襖の奥に見事な庭園が!!なんてステキ!心躍るとはこのことです。。。癒されるわぁ。。。

っと、ここで今回のミッションを思い出せ!・・・お目当ての石はいづこに???あった!ありました!本堂の南西側、イブキリンドウの群生が広がるその奥に、石組みが確かに!!あぁなんだろう。アイドルの追っかけをして現地でご対面しちゃった気分(笑)。テンション上がります~!
お庭の紹介には、【五老峰、海、舟石等を配した枯山水庭園】とあります。また、【小堀遠州の号でもある「孤蓬」とは、『一隻の粗末な葦舟』という意味で、この庭に因んだもの。美しい光の世界(浄土)を求めて、一隻の小さな舟(一人の人間)で大海原(社会)を漕いでいく私たちの姿を象徴しているように思われます】とも書かれていました。なるほど美しい悟りのお庭。白黒写真と同じ角度で撮ってみると・・・はは~ん、白黒写真には左手前の舟石や大海原が写っていない・・・だからパンフレットから外れたの・・・かな?

(パンフレットに掲載されたのはコチラ:北東面の池泉回遊庭園→)

とは言え、出会えたこの感動、1人で持ち帰るには勿体ない。。。そこで庵にいらっしゃったご住職夫妻にお声をかけさせていただきました。「琵琶湖文化館で昭和30年代に開催した近江の庭園写真展の関連資料なのですが、この写真には裏書がなく、どこの庭園かわからないままに今日お訪ねさせていただいたのです」『まぁ、この写真だけでここまで・・・』『確かにこれはウチの庭です。石組は江戸時代から変わっていませんのでね。』そぉですかぁ、そぉですよねぇ、アリガトウゴザイマス!。
ご住職夫妻とお話しできたことで、今回の旅がさらに充実したものに感じられました。
・・・なんだろう、1週間分の肩凝りもフッ飛ぶようなこの晴れ晴れとした気分は。。。正にライブ。生ライブ!。皆さん、現地を訪れるということは、とても大切なことなのでゴザイマスネ(笑)。

ちなみにこのお話には続きがありまして、後日、紙焼き写真の元となるネガフィルムが見付かり、そこにはきちんと「どこの何か」が書かれていたという・・・見事なオチがありました。。。さすが先輩。。。

ということで、まだまだ続く写真整理(笑)。ン千枚の写真の内の1枚が判明しただけですが、今後も新たな出会いが見出せそうな、文化館の歴史をたどる、楽しい、写真整理の旅はまだまだ続きます。。。

筆:あきつ

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お申込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第3回

京都の方からコンチキチンと祇園祭の話題が聞こえてくると、梅雨明けももうじきであることを感じます。豪華絢爛な祇園祭の様子はまた、古くから屏風絵などの画題としても好まれ、数多く描かれてきたので、皆さまもそういった絵画を幾度となく目にされたことがあるでしょう。
祭りを描いた祭礼図と言えば、京都の祇園祭とならんで、こちら大津の春を賑わす日吉大社の山王祭の様子を描いたものもたくさんあります。文化館では、そのうちの一つ「日吉山王祭礼図」という江戸時代の絵巻物を所蔵しています。
来たる7月20日(木)の文化財講座「打出のコヅチ」第3回では、「日吉山王祭礼図を読み解く」と題して、この絵巻物に注目します。長い歴史のなかで少しずつ様変わりしてきたという山王祭。その本来の姿はどのようなものだったのでしょうか?当館学芸員・渡邊勇祐が、絵巻の見方、そして読み方を詳しく解説いたします。
山王祭に行かれた方も、またこれから見に行きたいとお思いの方にも、祭りについてよく知るためには必聴の講座です。ぜひぜひご参加ください!

講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで、以下の内容をお伝えください。
①お名前
②お住まいの市町名
③連絡先(電話番号)
④参加回(他の回と合わせてのお申込みも出来ます)
⑤講座のことを何で知ったか

それでは、みなさまと会場でお目にかかれることを、楽しみにしておりま~す!

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1枚の写真の確認 その①

この写真を見て、どこの何かわかる人?!!
現在僕は、写真資料の整理を行っています。こちらの写真は「庭園写真展」というBOXに入っていて、裏書のない、どこの庭園とも書かれていない白黒写真です。うぅ~ん・・・どこだろう・・・。
文化館の歴史を辿ると、昭和38年に「湖国庭園写真展」という展覧会を開催しており、「近江の庭園」というパンフレット(小冊子)も作成されています。どうもこの辺りにヒントがありそうな・・・?。以前に整理を行ったガラス乾板の中にも庭園の乾板がありましたし、年代的にはビンゴです。

パンフレットに掲載されている庭園は46ヶ所。その中にこれと同じ写真は採用されていません。おそらく関連資料として撮影されたものと思われますが、撮ったからには理由があるハズ・・・昭和30年代半ばの貴重な写真であるとするならば、そう簡単には諦められません。インターネットで[庭園 滋賀 指定]を検索し、続いて各有名どころの庭園を片っ端から調べていくと、一つ「もしかして?」と思われる画像に行き当たりました。いや、でも、写っている角度が違うので、確信は持てません。。。ここかなぁ。気になるなぁ。

それならば・・・!調査の基本である「現地確認」をするしかアリマセン!・・・いや僕の本職は事務職なんですケド?!。とりあえず気になってしまったのだからショウガナイ(笑)。行動あるのみ!です。

さて、このお話、少し長くなりそうなので、続きはまた今度ということで~~~。

※この時点で「これはあそこの庭園やで」と既に気付かれた方、即答できた方、僕、貴方とお友達でいたかった・・・。このブログでは、分からないことを何とか自分で解決しようと、悪戦苦闘する未熟な僕:あきつのドタバタ劇をお楽しみいただきたく、どうかあたたかい気持ちでお付き合い下さいませ。。。

筆:あきつ

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この夏は源信を学ぼう!

みなさま、ここ最近「源信」というお名前をよく見かけませんか?「源信」とは恵心僧都・源信のことで、平安時代に比叡山横川にいた天台宗のお坊さんです。彼が「往生要集」に説いた死後の世界である六道は、「六道絵」としても描かれ、私たちが想像する”地獄”という世界を確立しました。また、紫式部の『源氏物語』や芥川龍之介の『地獄変』に出てくる“横川の僧都”は、どちらもこの源信がモデルではないかと言われていますが、いつの時代にも影響を与えたお坊さんなのです。
今年はこの源信の没後千年という節目の年です。源信の出身地・奈良にある奈良国立博物館では、「源信 地獄・極楽への扉」展が7月15日から開催され、当館の収蔵品も出陳されます。(詳しくは「収蔵品公開情報」をご覧ください。)

そしてコチラ、滋賀県では、来たる7月9日(日)に「源信千年忌 往生要集六道絵の世界とその時代」という講演会が開催されます。実はこの講演会、近江歴史回廊倶楽部さんの主催で、講師として当館の上野良信学芸員が務めさせていただくこととなりました。源信が説いた浄土思想、そこから生まれた六道絵などの仏教美術について、詳しく解説させていただく予定です。一般の方の受講も可能です(ただし有料となります)ので、この機会にぜひ「源信とその時代」についてどっぷりとつかってみてください。

【仏教講演会】「源信千年忌 往生要集六道絵の世界とその時代」
】上野良信(琵琶湖文化館学芸員)
】13:30~15:30(13:00受付)
】大津ふれあいプラザ4階ホール
(大津市浜大津4丁目1-1 明日都浜大津)

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ホームページ6月のアクセス数

梅雨の真っただ中なのですが、地球温暖化の影響なのでしょうか?以前のようにしとしととした長雨ということは少なくなり、まるで熱帯地方の雨季のよう。晴れていたかと思えば、急変して激しい雷雨ということもしばしば。。。今日は今のところ曇り空ですが、いったいどうなるのでしょうか?天気予報もコロコロ変わり、予測のつかない毎日です。

予測のつかないものと言えば、こちらホームページのアクセス数もそうです。毎月はじめに、「たくさんの方に見ていただけたかしら?」と、心臓をドキドキさせながら集計データを見るのですが。。。さて、6月はというと。。。おかげさまで1,286件のアクセス数をいただき、平均サイト滞在時間も5月より伸びておりました!!多くの方に、じっくりと熟覧していただいているご様子で、こちらはホッと一安心。みなさま本当にありがとうございました。

検索用語の方も、まったく予測にない新たなものが毎月登場いたします。バラエティーに富んだ言葉での検索に、文化館のホームページがヒットするというのは、それだけこのホームページの内容が豊かであるという証拠でしょうか?ちょっとだけ自画自賛です(笑)。

今回は、「近江輿地志略 琵琶湖 名称 由来」というキーワードで、文化館サイトへ辿り着いた方がいらっしゃったようで、ご紹介しておきます。ここにある『近江輿地志略』というのは、江戸時代にまとめられた、近江国の地理や歴史について、とにかく何でもかんでも書いてあるチョー便利な(!!)本で、古い文献にある琵琶湖にまつわる様々な記述もたくさん集められています。
文化館では、滋賀県指定文化財となっている編纂者・寒川辰清の、なんと!!自筆本全100冊のうち94冊を所蔵しており、以前に「収蔵品紹介」でも取り上げています。いったいどんな本?とお思いになった方は、ぜひ一度のぞいてみて下さいね。内容については、翻刻版が出ているので、図書館などでご覧いただくこともできます。

さ~て、いよいよ7月に入りました。そろそろ夏休みのお出かけの計画も立てなければいけませんよね?文化館の収蔵品たちの中にも、この夏、滋賀を離れて、奈良や東京などあちこちの会場へおでかけするものがありますので、是非チェックしてみて下さい。(詳しくは「収蔵品公開情報」をご覧ください。)

それでは7月も、どんな話題が飛び出すか予測のつかない「あきつブログ」をどうぞ、よ・ろ・し・く!

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近世絵画の名品たち

このホームページの収蔵品紹介コーナーでも多数取り上げているように、琵琶湖文化館には仏教美術や歴史的な資料以外にも、江戸時代の絵画(近世絵画)の名品を数多く収蔵しています。そのため、近世絵画の出陳の依頼や本やテレビで紹介したいとの相談をよく受けます。

今回もその一例で、江戸時代の美術を網羅的に紹介した河出書房新社の新刊『江戸の美術 大図鑑』(監修:狩野博幸氏・並木誠士氏・今橋理子氏)において、当館の近世絵画5点が紹介されています。
掲載されている作品は、復古大和絵の土佐派に学んだ菊池容斎(1788~1878)の「鯉遊之図」や琳派・酒井抱一の内弟子である鈴木其一(1796~1858)の「紅梅水鳥図」、近年、奇想の画家として大人気の曾我蕭白(1730~1781)の「叡山図」(滋賀県指定文化財)、紀州三大南画家と称された桑山玉洲(1746~1799)の「山水図」、そして大陸の写実的な画法を学んだ宋紫石(1715~1786)の「柳汀双禽図」です。
このように琵琶湖文化館では、近世画壇の各派・各画風の作品を幅広く収蔵しており、さらに近江ゆかりの画人、画題の作品も重層してあります。
上記の作品はホームページの収蔵品紹介ですべてご覧いただくことが出来ますが、江戸時代の美術史全体のなかでどのように位置づけられる画人なのか、作品なのか、この本を読むと一層わかりやすく理解することができます。
このような形での当館の近世絵画分野の公開活用についても、皆さんに是非、注目していただければと思います。

学芸員W

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写真アーカイブ 番外編

以前のブログで、「湖上にお城ができるまで-写真アーカイブ」の一時休載をお伝えしましたが、2ヶ月が経った今回、「皆さまに紹介したい!」と思ったけれどコンセプトからすこ~し外れてしまうため、あきらめてしまった写真を1枚ご紹介しようと思います。

コチラの写真。はじめて見たとき「県庁が写っているけれど、どこの辺から撮影したものだろう?」と思っておりました。ですが、よ~~く目を凝らして見ると小さく”小舟入の常夜燈”が写っております。え?見えません?では、拡大してみますね。ほら、この通り!

江戸時代に小舟入(今の大津市中央4丁目)では石場と並び、草津・矢橋へ渡し舟を出していたそうです。“石場の常夜燈”は現在、文化館とびわ湖ホールの間にあるなぎさ公園の一角にあり(詳しくはコチラ)琵琶湖岸を歩く人々を見守っていますが、写真に写る“小舟入の常夜燈”は、湖岸道路(県道18号線)と京阪電車の線路が並走する南側、住宅街の中にひっそりと建っていてます。
ご紹介した写真は昭和30年代半ばに撮影されたもので、埋め立ての終わった打出浜 (現在の県警本部あたりでしょうか?) から、南側を撮影した写真のようです。今とは違って大きな道路もなく、高い建物もないため、県庁も顔をのぞかせています。

60年近くたった現在、湖岸沿いの歩道を歩きながら、南側を見ると、同じ場所とは思えないくらいに変わっています。様変わりした街の中に、200年たっても変わらない“常夜燈”があるのがとても不思議な感じがいたします。そして同時に古い写真に写っている今現在もあるものを見つけるとワクワクします。。。みなさまも懐かしい写真を片手にブラリと外に出てみてはいかがでしょうか?

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県博協 総会 in 長浜

皆さんは、滋賀県博物館協議会(県博協)をご存知ですか。県博協は、美術館・資料館なども含め県内の博物館施設(歴史・芸術・民俗・産業・自然科学等)が相互の連絡を図り、博物館活動を通じて県民文化の振興に寄与するため、昭和57 (1982) 年12月に設立され、今年設立35周年を迎えます。
現在、加盟しているのは69館。「意外と多い」「そんなにあったっけ?」と思われる方、こちらのポスターをどこかで見かけたことありませんか?これは35周年を記念して県博協が作成したガイドマップです。各博物館施設の名称と、イチオシの作品が掲載されており、どこにどのような博物館があるのか一目でわかるようになっています。そうなのです。県内には美術館・博物館が、いろいろあるのですよ。

先日、この県博協の総会が開催され、昨年度の事業報告や今年度の事業計画の説明があり、続いて、今後の研修会の予定、各館の取り組みの紹介、その他意見交換などが行われました。加盟館が一堂に集まり、連携して活動していくための貴重な機会となりました。

その後、会場館である長浜市曳山博物館を見学させていただきましたが、展示されていた実物の曳山は想像以上の大きさ!・・・となると、「この曳山の出し入れは、展示室のどこから、どうするの?」とついつい博物館目線の疑問が・・・いろいろと勉強になりました。。。

長浜曳山祭の曳山行事が、ユネスコ無形文化遺産『全国の「山・鉾・屋台行事」(33件)』の内の一つとして登録されたこともあり、街全体も盛り上げムードでいっぱいでした。博物館だけでなく、自治体と地域で盛り上げていく連携の「うまさ」は、見習うべきところも多く、「さすが長浜市さん」と思いながら、帰途に着いたのは僕だけではないハズ・・・です。地域から県全体へ、盛り上がる滋賀県であればいいな、と思います。

筆:あきつ

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平成29年度 第2回「打出のコヅチ」が開催されました!

梅雨入り宣言はとっくの昔にされたはずですが、このところとってもよいお天気が続いていて。。。会場の近くで満開となった紫陽花の花だけが、6月であることを思い出させてくれます。
会場というのは、「コラボしが21」のこと。昨日15日、滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第2回が、ここで行われました。少し汗ばむくらいの暑さの中、なんと173名もの方がお集まりくださったのです(新記録)!! 今回の講座のテーマは「究極の城 彦根城」。なんといってもこのタイトルですからね~。大勢の方のご参加は予想しておりましたものの。。。とうとうこれまでの講座の中で「究極の」参加者数となり、驚きと感動の一日となりました。

さて、彦根城は国宝・特別史跡にも指定されているということで、現地を訪れて、あの3層屋根の天守を見上げたことのある方も、たくさんいらっしゃることでしょう。ところが、今回の講師にお迎えした松下浩氏(滋賀県教育委員会文化財保護課)は、地上から見上げるのではなく、地図を用いるなどして、鳥のように(?)ひたすら空の上から、彦根城全体とその城下町を見下ろしてお話し下さいました。
確かに上からお城の全体を眺めてみると、そこに堀や石垣がどのように配置されていたのか、城の「縄張り」がよ~くわかりますよね。その上で、この彦根城と城下町がどのように造られ、拡張していったのかということを、関ケ原の合戦以後の徳川家と豊臣家の関係などの歴史的背景をも絡めながらご説明いただいたきました。この新たな視点からの解説で、彦根城という、軍事的要素と政治的要素が最高度に組み合わさった「究極の城」の魅力を、みなさまにじっくりと味わっていただくことができたのではないでしょうか?

講座後のアンケートにも、「丸ごと彦根城を知った気分」「今までただ眺めていたお城の全体に興味が深まった」「ゆっくり歩いて今回得たことを確かめてみたい」など、彦根城を中心とした今回の講座内容に関する感想をたくさんいただきました。さらにまた、「地域の文化財について理解することによって生活に満足感が増す」「(文化財の)保護や実態について考えることがなかったので、解説付きの講座を受講できるのはうれしい」など、「打出のコヅチ」全体についての嬉しいご感想もいただきました。どうもありがとうございました。みなさまのご意見・ご感想をもとに、打出のコヅチも「究極」を目指して行きたいなあ。。。と思っております。

次回は7月20日(木)、いよいよ当館の学芸員・渡邊勇祐が登場いたします。テーマは「日吉山王祭礼図を読み解く」。地域に残る文化財をじっくりと堪能できますよ。お申込みは電話・Fax・E-mailで琵琶湖文化館まで。次回もまた、多くの方のご参加をお待ちしております!

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お申込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第2回

天守が現存するということで有名な国宝・彦根城。今年は築城410年を迎え、さまざまなイベントが行われていますね。去る4日には、航空自衛隊ブルーインパルスによる展示飛行が催され、近世の城郭と現代の自衛隊との時空を越えた、地空にわたる見事なコラボレーションに、なんと5万人!!を越える観客が魅了されたということです。
ところで、空から見下ろすと、彦根城の堀や門が戦に備えてどのように配置されているのか、その「縄張り」がとてもよくわかるはずですよね。現代の防衛を司るパイロットさんの目には、いったいどのように映ったのでしょうか?ちょっと気になります。。。

さて、来たる6月15日(木)に開催いたします文化財講座「打出のコヅチ」第2回は、そんな彦根城の縄張りなどから見た、城と城下町の構造とそれらが築かれた歴史的背景についてのお話です。講師には、長年滋賀県を中心に城郭の研究に携わってこられた松下浩さん(滋賀県教育委員会文化財保護課)をお迎えいたします。
今回は大変人気の講座となっており、残席が少なくなってきております。参加を予定されていらっしゃる方は、どうぞお早目にご予約下さい。

講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで、以下の内容をお伝えください。

①お名前
②お住まいの市町名
③連絡先(電話番号)
④参加回(他の回と合わせての申込みも可)
⑤講座のことを何で知ったか

それではみなさま、
会場でお待ちしておりま~す!

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蟇(ヒキ)の訴え

先日、朝に湖岸道路を車で通る機会がありまして、その時にお巡りさんの苦労を目の当たりにしました。それは、琵琶湖の葦原から道路に飛び出してしまい、無残にも車に引かれてしまった大きなカエルのご遺体を、回収して下さっていたのです。
確かに、この時季ともなりますと、そこココに点々とご遺体が・・・「うわっ!」と思って避けるものの、対向車が来ていたら危いですし、その上雨でも降ろうものならツルっとタイヤが滑ってしまう惧れもあります。事前の危険回避・・・ご苦労様デス有り難うゴザイマス。。。

「お巡りさんも大変だなぁ~」と思いながらその後も運転していたのですが、僕の思考回路に何かが引っかかります。・・・大変なのはお巡りさんだけではなく、カエルさんの受難も見過ごせないのでは???!。広い道を渡ろうとしただけなのに・・・ごめんね。
と、ここで、カエルさんと会話モードになった途端、頭の中で、大きな蟇ガエルが僕を睨んできます。何だろう・・・あぁ、これは・・・。

当館の館蔵品「蟇図」です。咄嗟に僕の頭に浮かんだのはこの蟇ガエルです。この作品は、明治時代末から昭和20年代にかけて活躍した長浜出身の画家・清水節堂が描いたもの。筋骨隆々のガマガエル・・・どうですか、このリアル・・・。他に清水節堂が描いた作品では、米原市の徳源院所蔵の「幽霊図」が有名ですが、女性のオバケ(幽霊)が斬新な構図で描かれていて、それこそ夢に出てきそうなリアルさです。
文化館の「蟇図」のこの「睨み」も、一度見たら忘れられませんよね?!文化館にある近代の作品の中でも、目ガ離セナイ作品の一つです(笑)。

素人ですが僕は思うのです。真剣に向き合われた絵は素晴らしいと。おそらく清水節堂もじっくりと「蟇」と向き合われたのでしょう。今の私たちの生活とは違い、おそらく自然や生き物がもっと身近であって、興味がそそられる対象であったに違いありません。田畑に響くカエルの大合唱を聞いて「うるさいなテレビが聞こえん」なんて、文句を言うこともなかったでしょうし、「あぁ、潤いの季節の到来だ」と感じ入ったことだろう・・・と思います。

そう考えると、この「蟇図」の蟇ガエルも、「おう、また会ったな」と言ってくれているような気がしてくるから不思議です。・・・そうですね、車の運転、気を付けよう。。。

筆:あきつ

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18,736

この数字、皆さん何の数字だと思われますか?実はコレ、昨年度、当館のHPをのぞいて下さった皆さんのHPアクセス数の合計です。

この時期ともなりますと、監査や理事会、評議員会などが行われ、昨年度の事業報告とともに様々な数字が活動成果として報告されます。HPのアクセス数もその一つ。休館中でありながら、年間18,736件、月平均にすると1,561件のアクセスをいただいたことは、当館の誇りでもあり、休館後8年が経っていながら、尚且つ皆さんに注目していただいている『証』だと、思っております。正直、顔がニヤける数字です(笑)。有り難うございます!これを励みに頑張ってまいります。

毎月ごとのアクセス数は、このブログでも報告していますが、年間合計にすると、結果がその成果として見えてくるから不思議です。ちょっと見方を変えるだけで新たな発見が・・・!そんな見方も出来るものだと、これからも滋賀の文化財に興味を持っていただいけるよう、情報発信を続けていきたいと思います。

筆:あきつ

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ホームページ5月のアクセス数

衣替えはかつて、6月1日と決まっていたものですが、最近は5月でも気温が30℃を越えることが珍しくなくなって、世間はこの日を待たずに早々とサマーな様の夏仕様です。
文化館も、5月としてはちょっぴりアツ~イ気分に包まれました。というのは?まず5月18日から、いよいよ今年度の文化財講座「打出のコヅチ」が始まりました!第1回目から113名と、たくさんのご参加を頂いて、実はちょっとビックリ。なんだか今年も嬉しい悲鳴をあげることになりそうな予感です(ウフッ)。また、今回初めて県外で展示されることになった、海北友松筆「檜図」も、大変多くの方にご覧いただけたようです。。。とにかく、この5月としては異常な暑さをも吹き飛ばす、嬉しい嬉しいひと月となりました。

さてさて、気になる5月のホームページアクセス数は、1,365件。こちらも順調に伸びてきております!! ユーザー数、ページビュー数、平均ページビュー数も共に増え、ますます良い兆しを感じております。ご訪問いただいたみなさま、どうもありがとうございました。

検索キーワードで7位に踊り出たのが「藤本鉄石」。藤本鉄石は、幕末の備前出身の尊王攘夷派の志士で、天誅組の総裁となり大和五条で挙兵するも、戦いに破れ戦死したという人物であります。実はこの方、武術だけでなく、和歌や書画にも優れた才能を持っていた方だそう。そのことをよく示す、文化館収蔵の鉄石の作品「山水図」について「収蔵品紹介」のコーナーに詳しい説明がありますので、ぜひ一度ご覧くださいね。

きっかけはいろいろでしょうが、こうして検索して下さって、文化館の収蔵品に注目していただけるのは本当に嬉しいことです。みなさんに注目していただいて、改めてその作品を見直すこともしばしば。。。今後また、まだまだ紹介していない収蔵品の数々を、「浮城モノ語り」(最新号はこちら)や、いろいろな機会に取り上げていきますので、どうぞご期待下さい。文化館の活動についても、ホームページなどを通じて逐次お知らせしていきます。こちらもどうぞチェックお忘れなきよう!
それでは、6月もまた、文化館HPをどうぞよろしくお願いいたします。

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「湖南 花の寺と磨崖仏めぐり」2017

湖南市では毎年、4月から6月にかけて「湖南 花の寺と磨崖仏めぐり」と題した一連のイベントが行われています。
イベント期間中には花の名所として知られる市内4ヶ所のお寺様(西應寺、正福寺、長寿寺、善水寺)の桜やハギ、サツキなどが見頃を迎え、湖南の仏教美術の一つの特色である、境内や周辺に所在する「摩崖仏(まがいぶつ)」とともに拝観することができます。また近くの岩根山を歩くトレイルウォーキングイベントなどもあわせて開催されます。
また一部期間に限ってですが、それぞれのお寺様では寺宝の特別公開が行われます。当館では、これに伴ってお預かりしている正福寺様の「鰐口」(滋賀県指定文化財・鎌倉時代)を、一時返還させていただきました。正福寺様ではこのほかにも、湖南市指定文化財の「山越阿弥陀如来画像」や「十三仏画像」が公開される予定です。(公開期間は6月1日(木)から6月7日(水)まで。※そのほか詳細についてはコチラをクリック)。
これを機会に是非、自然の美しさとともに湖南の仏教美術の魅力にもふれていただきたいと思います。

学芸員W

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平成29年度 第1回「打出のコヅチ」が開催されました!

「五月晴れ」というのは本来、梅雨の間の晴れ間のことを言うそうですが、今では、新暦5月の晴天のことを指すようになっていますよね。昨日のお天気は、まさに今風の方の「五月晴れ」。雲一つない青空が、まるで文化財講座「打出のコヅチ」第1回目の開催を祝ってくれているような感じもしました!! 講座の参加者は113名。中には「お天気がとても良いので出かける気分になりました」と言って来て下さった方もいて。。。本当にお天道さまと、ご参加いただいたみなさまに、感謝!! の一日でした。

さて、今年度第1回目の「打出のコヅチ」は、滋賀県教育委員会文化財保護課の古川史隆氏を講師に迎え、「金剛輪寺・十二神将像の魅力に迫る-平成28年度滋賀県新指定文化財より-」と題して、お話いただきました。
滋賀でも有数の古刹、金剛輪寺・護摩堂に安置されている十二神将像は、鎌倉時代中期の慶派仏師に連なる者の作と考えられ、その身体表現や表情などが優れており、数ある滋賀の十二神将像のなかでも、優品として高く評価されています。
講座では、京都・奈良など各地に残る作品との詳細な比較により、その特徴を捉え、また制作時期を押さえていくという、美術史の王道を行く研究方法も、写真をふんだんに用いた説明で、初心者の方にとってもわかりやすく、よくご理解いただけたのではないでしょうか?

実はこのお像たち、昭和52年に金剛輪寺で火災が発生した時の混乱で、手足の部材が脱落するなどの損傷に見舞われたそうです。その後、30年以上の時を経てようやく、当時のご住職が書付に残した「後の時代の修理を願う」という思いが叶い、平成25年から3年をかけての保存修理を経てほぼ元の姿に蘇り、今年3月に滋賀県指定文化財として指定されるに至ったそうです。こういったお話を伺うと、文化財を守り伝えていくことの大切さと難しさについて、改めて考えさせられます。。。

講座後のアンケートの中には、「今まで何とも思わず見ていたものに興味を持つようになった」「専門家により説明をうけて滋賀県の魅力が得られた」などの嬉しい感想が!ご参加いただいた皆様にも大変満足していただけたようです。

次回は6月15日(木)、県教委文化財保護課・松下浩氏をお迎えして、「究極の城 彦根城」というテーマでお話いただきます。今年は彦根城築城から410年ということで、盛り上がっていますね。講座でも、ホットな話題をお聞かせいただけるのではないでしょうか?お申込みは電話・Fax・E-mailで琵琶湖文化館まで。多くの方のご参加をお待ちしております!

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寿が結んだご縁

「小生、百壽図に興味を持っています」。
先日このようなメールをいただきました。インターネットで当館所蔵の「寿字群仙図」をお知りになり、それがどのようなものか、興味を持ってお問い合わせ下さったのです。
どれどれ、当館のホームページに確か紹介が・・・ない!掲載されてない!これは不覚!!失礼いたしました。。。

当館の「寿字群仙図」は、全体的に赤を基調に描かれ、「寿」の文字を画の中央に大きく配し、字の中に多くの仙人たちが生き生きと描かれている掛軸です(作者不詳)。「寿」「不老不死の仙人」「赤色」という「ハレ」の文化を体現した目出度さもあり、文化館では年明け、新年を寿ぐテーマ展などで展示をしていました。当時、学芸員さんが展覧会開催を告知する記者発表資料として、目出度さが「これでもか!」とわかるくらいの派手な写真を・・・ということで(笑)選ばれた写真が、この「寿字群仙図」でした。展示室に入ってすぐに目に飛び込んでくる鮮やかな朱色の大幅を、僕もよく覚えています。

さて、お問い合わせいただいたきっかけは「百壽図」でした。想像しておられたものとは少し違いましたか?それでも今回のやり取りを経て、『大変綺麗な図です』『また一つ、知見が得られました』と喜んでいただけたご様子のお返事をいただきました。聞けばはるばる関東地方からお問い合わせいただいたとのこと。「寿」がきっかけで結ばれたこのご縁、こちらも勉強させていただきました。有り難うございました。
現在休館中の当館では、皆さまに実物をご覧いただく機会がなかなか無いのが心苦しいところ。ですが、『新しい美術館の素晴らしい開館を御祈念申し上げます』と結んでいただいた今回のお問い合わせのように、次につながる「ご縁」を大切にしたいと思っております。

当館の「寿字群仙図」は、平成27年度に絵絹の糊離れから生じる「浮き」や「横折れ」などを修復し、準備万端、完全な状態で再び皆さまにご覧いただく日を心待ちに・・・今しばらく待機中です。

筆:あきつ

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お申込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第1回

いよいよ来週に迫りました!来たる5月18日(木)13時30分より、コラボしが21(大津市打出浜2-1) 3階大会議室にて、平成29年度滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第1回を開催いたします。皆さま、お申込みはもうお済みでしょうか?

今年度の「打出のコヅチ」第1回目は、「金剛輪寺・十二神将像の魅力に迫る―平成28年度滋賀県新指定文化財より」というテーマで、滋賀県教育委員会文化財保護課の古川史隆氏を講師にお迎えしてお話いただきます。

十二神将とは、薬師如来様のまわりを固め、しっかりとお守りしているあのマッチョな(!!)武装神集団のこと。奈良・新薬師寺の国宝・十二神将像が有名ですが、滋賀の寺院にも数々のすばらしい作品があります。中でも、湖東・金剛輪寺の十二神将像は、県内に伝来する十二神将像のなかでも指折りの優品に数えられるとか。ちょうど昨年の今頃、地元の愛荘町歴史文化博物館で行われた特別展「十二神将と四天王-武将形の守護神-」で、修理を終えたばかりのお像がお披露目されたので、ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回の講座では、平成29年3月にこの金剛輪寺・十二神将像が滋賀県指定文化財となったのを機に、講師の先生より改めてその魅力について語っていただくこととなりました。指定に至るまで文化財担当者として携わってこられた方ならではの、秘話を聞かせていただけるかもしれませんね。

講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館まで、
TEL:077-522-8179/FAX:077-522-9634
または、メール:biwakobunkakan@yacht.ocn.jpで、
①お名前
②お住まいの市町名
③連絡先(電話番号)
④参加回(他の回と合わせてのお申込みも出来ます)
⑤講座のことを何で知ったか
を、お知らせ下さい。

今年度も、多くの方のご来場をお待ちしております!

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名古屋で出会う

 皆様、連休は楽しく過ごされましたか?どこかへ行かれました?もしかして、出かけた先で文化館の収蔵品に出会われませんでした?実は私、この連休を利用して名古屋に行ってきました。お目当ては、徳川美術館・名古屋市蓬左文庫で開催されている春季特別展「金と銀の国 ジパング-輝きときらめきの美術-」展です。この展覧会に、文化館が浄厳院様からお預かりしている厨子入銀造阿弥陀如来立像(重文)が展示されているのです。

 当日は、大型連休ということもあり、多くの方が美術館に足を運んでおられました。家族連れから年配のご夫婦、カップルやお友達同士で見に来た若い人。外国人観光客の姿も!中に入ると、多くの方が展示ケースの中を熱心にのぞいていらっしゃいました。
 尾張徳川家のコレクションを所蔵するこちらの美術館の所蔵品の中には、興味が引かれるものがいっぱい!今女子に人気の日本刀の特集展示もあり、日本刀が多く展示されていました。説明を読みながら、その奥深さにため息が出てきました…。
 さて、お目当ての厨子入銀造阿弥陀如来立像ですが、数ある展示室のひとつの入り口を入ってすぐの所におられました。その名の通り厨子に入った阿弥陀如来様で、そのお姿は本当に小さいのですが、すぐに目を引く存在感がありました。金のような華やかさはないけれど、渋い落ち着いた姿がとても厳かです。金を主題にしたその他の作品も、決して華美すぎないものが多く、日本人の美意識を存分に楽しめる展覧会でした。

 徳川美術館・名古屋市蓬左文庫の「金と銀の国 ジパング-輝きときらめきの美術-」展は5月28日まで開催されています。皆さま機会があればぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか?(残念ながら、日本刀の特集展示は5月7日で終了しているようなので、お気をつけください。)

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ホームページ4月のアクセス数

今日は大型連休の合間の月曜日。道行く車には他府県ナンバーが増え、琵琶湖の沖にも釣り舟が増え、たくさんの方が滋賀で休暇を過ごされているようです。文化館の脇でも、ほら、亀の親子がのんびりと甲羅干ししていましたよ。亀と一緒にのんびりした~い!という誘惑にかられながらも、今日は大事な月初め。ワタクシのんびりしているわけには参りません。

そうです。月はじめのご報告、ホームページのアクセス数です!4月のアクセス数は1,266件。年度当初はちょびっと少なめの数からのスタートとなりましたが、平均ページビュー、平均サイト滞在時間は先月よりも伸びています。

検索キーワードとしては、まずは「日吉山王祭礼図屏風」。この屏風は当館の収蔵品で、今年度は7月の「打出のコヅチ」でも取り上げる予定ですが、4月に山王祭が行われた関係でお調べ下さったのかもしれませんね。お役に立てたなら嬉しいです。それから「打出のコヅチ」も急上昇!5月からの開催に向けて、お調べいただいているのでしょうか。実際、お電話やメールでのお申込みの際にも、「ホームページをみました!」というお声をたくさんいただいております。その、何気ない一言が、無性に嬉しい今日このごろです。。。

ところで、このところ世間でなにかと注目されている「学芸員」。英語ではキュレーター(curator)と言い、cure(治療)と同じく、その語源はラテン語のcūrāre(世話する)にあるということです。なるほど、学芸員は専門知識をもってモノのお世話をいたしますが、それに加えて、近ごろは博物館や美術館の持つ幅広い機能(そこには「癒し」も含まれるそう!)に注目が集まり、収蔵するコレクションを通して、ヒトのお世話をすることも大事なお仕事になっています。そして、そのヒトというのが、同時代のヒトだけでなく、将来のヒトをも視野に入れているのがまた、学芸員のお仕事の特色なのでしょう。

このブログでは、以前から文化館そして学芸員の日常を話題としてきましたが、今後も機会があれば取り上げて、みなさまに学芸員や博物館のお仕事、役割をより深く知っていただけたらなぁと思っています。というわけで、5月もぜひ「あきつブログ」をよろしくお願いいたします!

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文化館的おすすめGWの過ごし方

いきなりですが、ご覧ください!今日の文化館前の様子を。今年は特に短かった桜の季節も過ぎ去り、こんなにも青々とした新緑が見られるようになってきました。考えてみれば、もうゴールデンウイーク目前ですものね!

今年のゴールデンウィークは、土日も含めると、と~っても長いようで、楽しみにされている方も多いのではないでしょうか?お出かけするには最高の季節。どこに行こうかな?でも、あまり人の多いところはちょっと。。。とおっしゃるあなたに、今日は特別にとっておきの穴場をお教えいたしましょう!!

それは、草津市の琵琶湖岸近くにある国指定史跡・芦浦観音寺です。こちらのお寺さまは、年に2回、春と秋に特別一般公開(予約不要)をされており、文化館も毎年それに合わせて、お預かりしている寄託品の一時返却を行っています。

今年は、5月4日から7日(午前10時から午後3時まで)の4日間にわたって公開されるということで、木造阿弥陀如来立像(重文)、および木造地蔵菩薩立像(重文)がお寺に戻っての公開となります。実は、これらの仏さま、昨年度、無事に修理を終えられたところで、お寺での公開は30年ぶりだそうです。美しく蘇られたお姿、この機会にぜひ多くの方にご覧いただきたいものです。

ところで、この芦浦観音寺さまは、大きな濠と石垣に囲まれ、まるでお城のように堂々とした構えをされています。なぜこんな所にこれほどのお寺が?とお思いの方もいらっしゃるかも知れませんが、実は、あの信長・秀吉・家康らから、琵琶湖の湖上交通を管理する権利を与えられ、歴史上重要な役割を果たされた由緒あるお寺さまなのです。「近江を制するものは天下を制す」と言われ、琵琶湖とその水運を掌握していた芦浦観音寺さまが、日本中から熱い視線を浴びた時代があったということですね。

今は静かな場所ですが、豊かな自然と文化財に恵まれた芦浦観音寺さまを訪れて、かつての黄金の日々に思いを馳せてみるというのも、ゴールデンウィークの過ごし方としてピッタリなのではないでしょうか?みなさまもぜひ一度どうぞ。(芦浦観音寺さまのホームページはこちらから。)

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春の例大祭と指定文化財

以前のブログで、浅井氏の追善法要(仏事)に寄託品の「絹本著色浅井長政像」(県指定文化財)を一時的にお返ししていることをお伝えしましたが(詳しくはコチラ)、当館では、祭礼(神事)の際に寄託品を一時返却させていただくこともあります。
先週も春の例大祭にあわせて、指定文化財を返却させていただき、本日、祭礼でのお役目を終えて無事に当館にお戻りになりました。

今回一時返却したのは、東近江市のとある神社ご所有の鬼面2面で、毎年この時期にお返ししています。地元では「火祭り」と呼ばれ、多くの松明がたかれますが、他所のお祭りに比べて特徴的なのは、祭礼のなかに「御面渡御(おめんとぎょ)」という儀礼があることで、行事がこの鬼面2面を捧持し、囃子方を従えて一時間近くかけて集落を練り歩きます(左の写真はその時の様子です)。今回その様子を間近で見学させていただきましたが、祭礼中は周辺一帯に交通規制がかかり、大道路などでは交通警備員に誘導されながら慎重に運ばれていました。

また響き渡る囃子方の鳴り物にひきつけられて、家より続々と人々が外に出て来て、この鬼面に膝を屈し、深く頭を下げる姿は優れた美術工芸品であると同時に、今でも生きた信仰の対象(ご神体)であることを再認識する機会となりました。

ここでは面(おもて)という有形の文化財と信仰という無形の文化財が、相互に連関して独自の郷土文化を守り育んでいます。

学芸員W

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雷神アラワル

昨晩の低気圧に伴う大嵐で、滋賀県の桜もすっかり散ってしまいました。ですが、今日はその分、もう新緑と言っていい街路樹の緑がひときわ瞳に優しく映ります。
そんな滋賀県大津市打出浜ですが、観光に来られた方が、文化館をバックによく写真を撮っておられます。今の季節、夕暮れの淡い陽光がとてもきれいで、そこへきてこの特徴的な建物ですからね。写真に撮りたくなる気持ち、よ~くわかります。そんな撮影ポイントで、本日ちょっとした出来事がありました。

文化館の東隣りに設置されている、木製の桟橋(今は使用わていません)。経年劣化で腐食が進み、景観を損ねる存在として、道行く人からご意見をいただくこともしばしばでして。。。
そこへ現れたのが滋賀県の秘密兵器:雷神(船)です。この船は「電気ショックで外来魚を一網打尽」という秘密兵器(?)を備えた優れもの。今回特別に、この老朽化した桟橋に船を寄せて、腐って横たわっていた板を撤去して下さったのです。この素晴らしき琵琶湖畔の景観を愛する者として、非常に有り難いことでございました。

板を外しておられるところを目撃することは出来ませんでしたが、船には木槌が積まれ、用意周到に作業を行って下さった様子・・・女性の方も乗っておられました。その雄姿、見たかった~。水中に埋まっている柱部分は大きな重機がないと取れないので、今回は残っていますが、ご苦労いただいた分、おかげ様で見た目もこざっぱり。今日は水位も高く波も穏やかで、作業はしやすかったと言っておられました。ご無事でなにより、本当に有難うございました。

外された板を見ると、確かにボロボロで・・・でも壊そうと思ってもナカナカ壊れないシロモノで。。。さぁてどうしましょうか。とりあえず、錆びて折れ曲がった五寸釘と格闘・・・する僕たちなのでした。

筆:あきつ

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海北友松「檜図」:文化館以外で初公開!

ようやく滋賀でも桜の花が盛りを迎え、存分に春を感じられる季節となりました。今日は、陽気につられてお出かけするのにぴったりのイチオシ!展覧会をご紹介しましょう。

本日より、京都国立博物館で、開館120周年を記念する「春の特別展」として、「海北友松」展が開催されています。この展覧会は、ここ10年にわたり狩野永徳や長谷川等伯といった桃山絵師に焦点を当てて開催されてきた京博さんの特別展覧会の完結展としても、大変興味深いのですが、実は僕もある特別な理由から、とっても楽しみにしていたのです。

その理由の一つ。琵琶湖文化館では、昭和61年に開館25周年記念特別展として「海北友松」展を開催しています。そのサブタイトルは「-湖国が生んだ桃山時代の巨匠!-」。展覧会ポスターには、おそらく当時としては珍しい「!」マークがしっかり入っていましたし、当時の様子を知らない僕でもそのポスターから受ける印象には、「イチオシ感」満載だったので、図録をうっとり眺めたりしていたものです。
海北友松は、江北小谷城主浅井長政に仕えた重臣の子として近江に生まれ、独自の画風を築き上げました。その画風は、華麗な・・・というよりは、激しく凄まじくダイナミック?!「龍図」と聞いてギョロッと睨みを利かせた眼の水墨画を思い浮かべたなら、それはきっと海北友松の作品かも?この度の展覧会では、図録で見ていた作品もお目見えするそうなので、実物のその迫力をじっくり体感(拝見)したいと思います。

そしてお楽しみ理由のもう一つ。何を隠そう、この度の「海北友松」展には、当館の館蔵品も出品されています。それがナント!琵琶湖文化館以外では初の公開となる!「檜(ひのき)図屏風」です。今は休館していますが、開館していた当時、常設展示にさらっと海北友松の作品が並んでいたあたりが、琵琶湖文化館のすごいところだと思うのですが・・・(自分で言う?!)。
今回久方ぶりに皆さまにご鑑賞いただく機会を得ましたこと、とても嬉しく、また、大変有り難く思っております。

他にも滋賀県からは、湖北長浜の浄信寺さまご所蔵の滋賀県指定文化財「東王父西王母図屏風」が出陳されています。この機会に是非、「湖国が生んだ桃山時代の巨匠!」の作品を、会場でじっくりとご鑑賞くださいませ。展覧会は5月21日までの開催で、これらの作品は会期中通期展示で公開されています。

筆:あきつ

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今年度の文化館ホームページはどうなる?

 平成29年度になってから10日が経ちました。文化館ホームページのトップを見て、みなさま、「おや?」と思いませんでした?そう思われた方は、きっと何度も文化館のホームページにアクセスいただいている熱心な文化館ファンの方ですね~(感謝!)

 トップページでも紹介していた「湖上にお城ができるまで-写真アーカイブ」。去年の12月からスタートし、「建設当時の白黒写真が懐かしい」とご好評をいただいていたコーナーです。ここで一旦お時間を頂戴することにいたしました。

 というのも、このコーナー、建設工事の着工から完成まで、ほぼ一年間で出来上がるスピード感を皆さんに知っていただきたいという思いがありました。しかし、このまま掲載を続けると夏に冬の工事の様子を紹介することに…いや、それでは臨場感が、現場の苦労が伝わらない…。また、「これだ!」と思う写真を週に一度2枚ずつ紹介してきましたが、文化館に残された建設当時の写真はなんと1000枚以上!選ぶときに「あ!この写真はコレが写ってるから紹介したい!」「いや、でもこっちの写真には今では、なかなか見られないコレが写ってるし…」などなど、いろいろと考えていると、みなさまに紹介したい写真が増えていく一方となりました。出来る事なら全てを紹介したい!!でも残念ながらそれは難しい…。ですから、思い切ってここですこしお休みをいただいて、「コレぞ!」という写真を選び出す作業に集中させていただくことにしました。
 更新を心待ちにしてくださっていた皆さまには本当に申し訳ありませんが、9月からはいよいよ、建物が建設されていく様子を写した、珠玉の写真をご紹介する予定です。是非お楽しみに。

 「写真アーカイブ」をお休みしている間も、平成29年度の文化館のホームページは、収蔵品を紹介する「浮城モノ語り」そして、「収蔵品公開情報」なども随時更新していきます。そうそう、今年度「打出のコヅチ」詳細のチェックもお願いしますね!それでは新年度も、みなさま、どうぞお役立ち情報満載の文化館ホームページにおこしください。

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