県博協 総会 in 長浜

皆さんは、滋賀県博物館協議会(県博協)をご存知ですか。県博協は、美術館・資料館なども含め県内の博物館施設(歴史・芸術・民俗・産業・自然科学等)が相互の連絡を図り、博物館活動を通じて県民文化の振興に寄与するため、昭和57 (1982) 年12月に設立され、今年設立35周年を迎えます。
現在、加盟しているのは69館。「意外と多い」「そんなにあったっけ?」と思われる方、こちらのポスターをどこかで見かけたことありませんか?これは35周年を記念して県博協が作成したガイドマップです。各博物館施設の名称と、イチオシの作品が掲載されており、どこにどのような博物館があるのか一目でわかるようになっています。そうなのです。県内には美術館・博物館が、いろいろあるのですよ。

先日、この県博協の総会が開催され、昨年度の事業報告や今年度の事業計画の説明があり、続いて、今後の研修会の予定、各館の取り組みの紹介、その他意見交換などが行われました。加盟館が一堂に集まり、連携して活動していくための貴重な機会となりました。

その後、会場館である長浜市曳山博物館を見学させていただきましたが、展示されていた実物の曳山は想像以上の大きさ!・・・となると、「この曳山の出し入れは、展示室のどこから、どうするの?」とついつい博物館目線の疑問が・・・いろいろと勉強になりました。。。

長浜曳山祭の曳山行事が、ユネスコ無形文化遺産『全国の「山・鉾・屋台行事」(33件)』の内の一つとして登録されたこともあり、街全体も盛り上げムードでいっぱいでした。博物館だけでなく、自治体と地域で盛り上げていく連携の「うまさ」は、見習うべきところも多く、「さすが長浜市さん」と思いながら、帰途に着いたのは僕だけではないハズ・・・です。地域から県全体へ、盛り上がる滋賀県であればいいな、と思います。

筆:あきつ

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平成29年度 第2回「打出のコヅチ」が開催されました!

梅雨入り宣言はとっくの昔にされたはずですが、このところとってもよいお天気が続いていて。。。会場の近くで満開となった紫陽花の花だけが、6月であることを思い出させてくれます。
会場というのは、「コラボしが21」のこと。昨日15日、滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第2回が、ここで行われました。少し汗ばむくらいの暑さの中、なんと173名もの方がお集まりくださったのです(新記録)!! 今回の講座のテーマは「究極の城 彦根城」。なんといってもこのタイトルですからね~。大勢の方のご参加は予想しておりましたものの。。。とうとうこれまでの講座の中で「究極の」参加者数となり、驚きと感動の一日となりました。

さて、彦根城は国宝・特別史跡にも指定されているということで、現地を訪れて、あの3層屋根の天守を見上げたことのある方も、たくさんいらっしゃることでしょう。ところが、今回の講師にお迎えした松下浩氏(滋賀県教育委員会文化財保護課)は、地上から見上げるのではなく、地図を用いるなどして、鳥のように(?)ひたすら空の上から、彦根城全体とその城下町を見下ろしてお話し下さいました。
確かに上からお城の全体を眺めてみると、そこに堀や石垣がどのように配置されていたのか、城の「縄張り」がよ~くわかりますよね。その上で、この彦根城と城下町がどのように造られ、拡張していったのかということを、関ケ原の合戦以後の徳川家と豊臣家の関係などの歴史的背景をも絡めながらご説明いただいたきました。この新たな視点からの解説で、彦根城という、軍事的要素と政治的要素が最高度に組み合わさった「究極の城」の魅力を、みなさまにじっくりと味わっていただくことができたのではないでしょうか?

講座後のアンケートにも、「丸ごと彦根城を知った気分」「今までただ眺めていたお城の全体に興味が深まった」「ゆっくり歩いて今回得たことを確かめてみたい」など、彦根城を中心とした今回の講座内容に関する感想をたくさんいただきました。さらにまた、「地域の文化財について理解することによって生活に満足感が増す」「(文化財の)保護や実態について考えることがなかったので、解説付きの講座を受講できるのはうれしい」など、「打出のコヅチ」全体についての嬉しいご感想もいただきました。どうもありがとうございました。みなさまのご意見・ご感想をもとに、打出のコヅチも「究極」を目指して行きたいなあ。。。と思っております。

次回は7月20日(木)、いよいよ当館の学芸員・渡邊勇祐が登場いたします。テーマは「日吉山王祭礼図を読み解く」。地域に残る文化財をじっくりと堪能できますよ。お申込みは電話・Fax・E-mailで琵琶湖文化館まで。次回もまた、多くの方のご参加をお待ちしております!

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お申込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第2回

天守が現存するということで有名な国宝・彦根城。今年は築城410年を迎え、さまざまなイベントが行われていますね。去る4日には、航空自衛隊ブルーインパルスによる展示飛行が催され、近世の城郭と現代の自衛隊との時空を越えた、地空にわたる見事なコラボレーションに、なんと5万人!!を越える観客が魅了されたということです。
ところで、空から見下ろすと、彦根城の堀や門が戦に備えてどのように配置されているのか、その「縄張り」がとてもよくわかるはずですよね。現代の防衛を司るパイロットさんの目には、いったいどのように映ったのでしょうか?ちょっと気になります。。。

さて、来たる6月15日(木)に開催いたします文化財講座「打出のコヅチ」第2回は、そんな彦根城の縄張りなどから見た、城と城下町の構造とそれらが築かれた歴史的背景についてのお話です。講師には、長年滋賀県を中心に城郭の研究に携わってこられた松下浩さん(滋賀県教育委員会文化財保護課)をお迎えいたします。
今回は大変人気の講座となっており、残席が少なくなってきております。参加を予定されていらっしゃる方は、どうぞお早目にご予約下さい。

講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで、以下の内容をお伝えください。

①お名前
②お住まいの市町名
③連絡先(電話番号)
④参加回(他の回と合わせての申込みも可)
⑤講座のことを何で知ったか

それではみなさま、
会場でお待ちしておりま~す!

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蟇(ヒキ)の訴え

先日、朝に湖岸道路を車で通る機会がありまして、その時にお巡りさんの苦労を目の当たりにしました。それは、琵琶湖の葦原から道路に飛び出してしまい、無残にも車に引かれてしまった大きなカエルのご遺体を、回収して下さっていたのです。
確かに、この時季ともなりますと、そこココに点々とご遺体が・・・「うわっ!」と思って避けるものの、対向車が来ていたら危いですし、その上雨でも降ろうものならツルっとタイヤが滑ってしまう惧れもあります。事前の危険回避・・・ご苦労様デス有り難うゴザイマス。。。

「お巡りさんも大変だなぁ~」と思いながらその後も運転していたのですが、僕の思考回路に何かが引っかかります。・・・大変なのはお巡りさんだけではなく、カエルさんの受難も見過ごせないのでは???!。広い道を渡ろうとしただけなのに・・・ごめんね。
と、ここで、カエルさんと会話モードになった途端、頭の中で、大きな蟇ガエルが僕を睨んできます。何だろう・・・あぁ、これは・・・。

当館の館蔵品「蟇図」です。咄嗟に僕の頭に浮かんだのはこの蟇ガエルです。この作品は、明治時代末から昭和20年代にかけて活躍した長浜出身の画家・清水節堂が描いたもの。筋骨隆々のガマガエル・・・どうですか、このリアル・・・。他に清水節堂が描いた作品では、米原市の徳源院所蔵の「幽霊図」が有名ですが、女性のオバケ(幽霊)が斬新な構図で描かれていて、それこそ夢に出てきそうなリアルさです。
文化館の「蟇図」のこの「睨み」も、一度見たら忘れられませんよね?!文化館にある近代の作品の中でも、目ガ離セナイ作品の一つです(笑)。

素人ですが僕は思うのです。真剣に向き合われた絵は素晴らしいと。おそらく清水節堂もじっくりと「蟇」と向き合われたのでしょう。今の私たちの生活とは違い、おそらく自然や生き物がもっと身近であって、興味がそそられる対象であったに違いありません。田畑に響くカエルの大合唱を聞いて「うるさいなテレビが聞こえん」なんて、文句を言うこともなかったでしょうし、「あぁ、潤いの季節の到来だ」と感じ入ったことだろう・・・と思います。

そう考えると、この「蟇図」の蟇ガエルも、「おう、また会ったな」と言ってくれているような気がしてくるから不思議です。・・・そうですね、車の運転、気を付けよう。。。

筆:あきつ

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18,736

この数字、皆さん何の数字だと思われますか?実はコレ、昨年度、当館のHPをのぞいて下さった皆さんのHPアクセス数の合計です。

この時期ともなりますと、監査や理事会、評議員会などが行われ、昨年度の事業報告とともに様々な数字が活動成果として報告されます。HPのアクセス数もその一つ。休館中でありながら、年間18,736件、月平均にすると1,561件のアクセスをいただいたことは、当館の誇りでもあり、休館後8年が経っていながら、尚且つ皆さんに注目していただいている『証』だと、思っております。正直、顔がニヤける数字です(笑)。有り難うございます!これを励みに頑張ってまいります。

毎月ごとのアクセス数は、このブログでも報告していますが、年間合計にすると、結果がその成果として見えてくるから不思議です。ちょっと見方を変えるだけで新たな発見が・・・!そんな見方も出来るものだと、これからも滋賀の文化財に興味を持っていただいけるよう、情報発信を続けていきたいと思います。

筆:あきつ

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ホームページ5月のアクセス数

衣替えはかつて、6月1日と決まっていたものですが、最近は5月でも気温が30℃を越えることが珍しくなくなって、世間はこの日を待たずに早々とサマーな様の夏仕様です。
文化館も、5月としてはちょっぴりアツ~イ気分に包まれました。というのは?まず5月18日から、いよいよ今年度の文化財講座「打出のコヅチ」が始まりました!第1回目から113名と、たくさんのご参加を頂いて、実はちょっとビックリ。なんだか今年も嬉しい悲鳴をあげることになりそうな予感です(ウフッ)。また、今回初めて県外で展示されることになった、海北友松筆「檜図」も、大変多くの方にご覧いただけたようです。。。とにかく、この5月としては異常な暑さをも吹き飛ばす、嬉しい嬉しいひと月となりました。

さてさて、気になる5月のホームページアクセス数は、1,365件。こちらも順調に伸びてきております!! ユーザー数、ページビュー数、平均ページビュー数も共に増え、ますます良い兆しを感じております。ご訪問いただいたみなさま、どうもありがとうございました。

検索キーワードで7位に踊り出たのが「藤本鉄石」。藤本鉄石は、幕末の備前出身の尊王攘夷派の志士で、天誅組の総裁となり大和五条で挙兵するも、戦いに破れ戦死したという人物であります。実はこの方、武術だけでなく、和歌や書画にも優れた才能を持っていた方だそう。そのことをよく示す、文化館収蔵の鉄石の作品「山水図」について「収蔵品紹介」のコーナーに詳しい説明がありますので、ぜひ一度ご覧くださいね。

きっかけはいろいろでしょうが、こうして検索して下さって、文化館の収蔵品に注目していただけるのは本当に嬉しいことです。みなさんに注目していただいて、改めてその作品を見直すこともしばしば。。。今後また、まだまだ紹介していない収蔵品の数々を、「浮城モノ語り」(最新号はこちら)や、いろいろな機会に取り上げていきますので、どうぞご期待下さい。文化館の活動についても、ホームページなどを通じて逐次お知らせしていきます。こちらもどうぞチェックお忘れなきよう!
それでは、6月もまた、文化館HPをどうぞよろしくお願いいたします。

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「湖南 花の寺と磨崖仏めぐり」2017

湖南市では毎年、4月から6月にかけて「湖南 花の寺と磨崖仏めぐり」と題した一連のイベントが行われています。
イベント期間中には花の名所として知られる市内4ヶ所のお寺様(西應寺、正福寺、長寿寺、善水寺)の桜やハギ、サツキなどが見頃を迎え、湖南の仏教美術の一つの特色である、境内や周辺に所在する「摩崖仏(まがいぶつ)」とともに拝観することができます。また近くの岩根山を歩くトレイルウォーキングイベントなどもあわせて開催されます。
また一部期間に限ってですが、それぞれのお寺様では寺宝の特別公開が行われます。当館では、これに伴ってお預かりしている正福寺様の「鰐口」(滋賀県指定文化財・鎌倉時代)を、一時返還させていただきました。正福寺様ではこのほかにも、湖南市指定文化財の「山越阿弥陀如来画像」や「十三仏画像」が公開される予定です。(公開期間は6月1日(木)から6月7日(水)まで。※そのほか詳細についてはコチラをクリック)。
これを機会に是非、自然の美しさとともに湖南の仏教美術の魅力にもふれていただきたいと思います。

学芸員W

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平成29年度 第1回「打出のコヅチ」が開催されました!

「五月晴れ」というのは本来、梅雨の間の晴れ間のことを言うそうですが、今では、新暦5月の晴天のことを指すようになっていますよね。昨日のお天気は、まさに今風の方の「五月晴れ」。雲一つない青空が、まるで文化財講座「打出のコヅチ」第1回目の開催を祝ってくれているような感じもしました!! 講座の参加者は113名。中には「お天気がとても良いので出かける気分になりました」と言って来て下さった方もいて。。。本当にお天道さまと、ご参加いただいたみなさまに、感謝!! の一日でした。

さて、今年度第1回目の「打出のコヅチ」は、滋賀県教育委員会文化財保護課の古川史隆氏を講師に迎え、「金剛輪寺・十二神将像の魅力に迫る-平成28年度滋賀県新指定文化財より-」と題して、お話いただきました。
滋賀でも有数の古刹、金剛輪寺・護摩堂に安置されている十二神将像は、鎌倉時代中期の慶派仏師に連なる者の作と考えられ、その身体表現や表情などが優れており、数ある滋賀の十二神将像のなかでも、優品として高く評価されています。
講座では、京都・奈良など各地に残る作品との詳細な比較により、その特徴を捉え、また制作時期を押さえていくという、美術史の王道を行く研究方法も、写真をふんだんに用いた説明で、初心者の方にとってもわかりやすく、よくご理解いただけたのではないでしょうか?

実はこのお像たち、昭和52年に金剛輪寺で火災が発生した時の混乱で、手足の部材が脱落するなどの損傷に見舞われたそうです。その後、30年以上の時を経てようやく、当時のご住職が書付に残した「後の時代の修理を願う」という思いが叶い、平成25年から3年をかけての保存修理を経てほぼ元の姿に蘇り、今年3月に滋賀県指定文化財として指定されるに至ったそうです。こういったお話を伺うと、文化財を守り伝えていくことの大切さと難しさについて、改めて考えさせられます。。。

講座後のアンケートの中には、「今まで何とも思わず見ていたものに興味を持つようになった」「専門家により説明をうけて滋賀県の魅力が得られた」などの嬉しい感想が!ご参加いただいた皆様にも大変満足していただけたようです。

次回は6月15日(木)、県教委文化財保護課・松下浩氏をお迎えして、「究極の城 彦根城」というテーマでお話いただきます。今年は彦根城築城から410年ということで、盛り上がっていますね。講座でも、ホットな話題をお聞かせいただけるのではないでしょうか?お申込みは電話・Fax・E-mailで琵琶湖文化館まで。多くの方のご参加をお待ちしております!

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寿が結んだご縁

「小生、百壽図に興味を持っています」。
先日このようなメールをいただきました。インターネットで当館所蔵の「寿字群仙図」をお知りになり、それがどのようなものか、興味を持ってお問い合わせ下さったのです。
どれどれ、当館のホームページに確か紹介が・・・ない!掲載されてない!これは不覚!!失礼いたしました。。。

当館の「寿字群仙図」は、全体的に赤を基調に描かれ、「寿」の文字を画の中央に大きく配し、字の中に多くの仙人たちが生き生きと描かれている掛軸です(作者不詳)。「寿」「不老不死の仙人」「赤色」という「ハレ」の文化を体現した目出度さもあり、文化館では年明け、新年を寿ぐテーマ展などで展示をしていました。当時、学芸員さんが展覧会開催を告知する記者発表資料として、目出度さが「これでもか!」とわかるくらいの派手な写真を・・・ということで(笑)選ばれた写真が、この「寿字群仙図」でした。展示室に入ってすぐに目に飛び込んでくる鮮やかな朱色の大幅を、僕もよく覚えています。

さて、お問い合わせいただいたきっかけは「百壽図」でした。想像しておられたものとは少し違いましたか?それでも今回のやり取りを経て、『大変綺麗な図です』『また一つ、知見が得られました』と喜んでいただけたご様子のお返事をいただきました。聞けばはるばる関東地方からお問い合わせいただいたとのこと。「寿」がきっかけで結ばれたこのご縁、こちらも勉強させていただきました。有り難うございました。
現在休館中の当館では、皆さまに実物をご覧いただく機会がなかなか無いのが心苦しいところ。ですが、『新しい美術館の素晴らしい開館を御祈念申し上げます』と結んでいただいた今回のお問い合わせのように、次につながる「ご縁」を大切にしたいと思っております。

当館の「寿字群仙図」は、平成27年度に絵絹の糊離れから生じる「浮き」や「横折れ」などを修復し、準備万端、完全な状態で再び皆さまにご覧いただく日を心待ちに・・・今しばらく待機中です。

筆:あきつ

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お申込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第1回

いよいよ来週に迫りました!来たる5月18日(木)13時30分より、コラボしが21(大津市打出浜2-1) 3階大会議室にて、平成29年度滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第1回を開催いたします。皆さま、お申込みはもうお済みでしょうか?

今年度の「打出のコヅチ」第1回目は、「金剛輪寺・十二神将像の魅力に迫る―平成28年度滋賀県新指定文化財より」というテーマで、滋賀県教育委員会文化財保護課の古川史隆氏を講師にお迎えしてお話いただきます。

十二神将とは、薬師如来様のまわりを固め、しっかりとお守りしているあのマッチョな(!!)武装神集団のこと。奈良・新薬師寺の国宝・十二神将像が有名ですが、滋賀の寺院にも数々のすばらしい作品があります。中でも、湖東・金剛輪寺の十二神将像は、県内に伝来する十二神将像のなかでも指折りの優品に数えられるとか。ちょうど昨年の今頃、地元の愛荘町歴史文化博物館で行われた特別展「十二神将と四天王-武将形の守護神-」で、修理を終えたばかりのお像がお披露目されたので、ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回の講座では、平成29年3月にこの金剛輪寺・十二神将像が滋賀県指定文化財となったのを機に、講師の先生より改めてその魅力について語っていただくこととなりました。指定に至るまで文化財担当者として携わってこられた方ならではの、秘話を聞かせていただけるかもしれませんね。

講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館まで、
TEL:077-522-8179/FAX:077-522-9634
または、メール:biwakobunkakan@yacht.ocn.jpで、
①お名前
②お住まいの市町名
③連絡先(電話番号)
④参加回(他の回と合わせてのお申込みも出来ます)
⑤講座のことを何で知ったか
を、お知らせ下さい。

今年度も、多くの方のご来場をお待ちしております!

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名古屋で出会う

 皆様、連休は楽しく過ごされましたか?どこかへ行かれました?もしかして、出かけた先で文化館の収蔵品に出会われませんでした?実は私、この連休を利用して名古屋に行ってきました。お目当ては、徳川美術館・名古屋市蓬左文庫で開催されている春季特別展「金と銀の国 ジパング-輝きときらめきの美術-」展です。この展覧会に、文化館が浄厳院様からお預かりしている厨子入銀造阿弥陀如来立像(重文)が展示されているのです。

 当日は、大型連休ということもあり、多くの方が美術館に足を運んでおられました。家族連れから年配のご夫婦、カップルやお友達同士で見に来た若い人。外国人観光客の姿も!中に入ると、多くの方が展示ケースの中を熱心にのぞいていらっしゃいました。
 尾張徳川家のコレクションを所蔵するこちらの美術館の所蔵品の中には、興味が引かれるものがいっぱい!今女子に人気の日本刀の特集展示もあり、日本刀が多く展示されていました。説明を読みながら、その奥深さにため息が出てきました…。
 さて、お目当ての厨子入銀造阿弥陀如来立像ですが、数ある展示室のひとつの入り口を入ってすぐの所におられました。その名の通り厨子に入った阿弥陀如来様で、そのお姿は本当に小さいのですが、すぐに目を引く存在感がありました。金のような華やかさはないけれど、渋い落ち着いた姿がとても厳かです。金を主題にしたその他の作品も、決して華美すぎないものが多く、日本人の美意識を存分に楽しめる展覧会でした。

 徳川美術館・名古屋市蓬左文庫の「金と銀の国 ジパング-輝きときらめきの美術-」展は5月28日まで開催されています。皆さま機会があればぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか?(残念ながら、日本刀の特集展示は5月7日で終了しているようなので、お気をつけください。)

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ホームページ4月のアクセス数

今日は大型連休の合間の月曜日。道行く車には他府県ナンバーが増え、琵琶湖の沖にも釣り舟が増え、たくさんの方が滋賀で休暇を過ごされているようです。文化館の脇でも、ほら、亀の親子がのんびりと甲羅干ししていましたよ。亀と一緒にのんびりした~い!という誘惑にかられながらも、今日は大事な月初め。ワタクシのんびりしているわけには参りません。

そうです。月はじめのご報告、ホームページのアクセス数です!4月のアクセス数は1,266件。年度当初はちょびっと少なめの数からのスタートとなりましたが、平均ページビュー、平均サイト滞在時間は先月よりも伸びています。

検索キーワードとしては、まずは「日吉山王祭礼図屏風」。この屏風は当館の収蔵品で、今年度は7月の「打出のコヅチ」でも取り上げる予定ですが、4月に山王祭が行われた関係でお調べ下さったのかもしれませんね。お役に立てたなら嬉しいです。それから「打出のコヅチ」も急上昇!5月からの開催に向けて、お調べいただいているのでしょうか。実際、お電話やメールでのお申込みの際にも、「ホームページをみました!」というお声をたくさんいただいております。その、何気ない一言が、無性に嬉しい今日このごろです。。。

ところで、このところ世間でなにかと注目されている「学芸員」。英語ではキュレーター(curator)と言い、cure(治療)と同じく、その語源はラテン語のcūrāre(世話する)にあるということです。なるほど、学芸員は専門知識をもってモノのお世話をいたしますが、それに加えて、近ごろは博物館や美術館の持つ幅広い機能(そこには「癒し」も含まれるそう!)に注目が集まり、収蔵するコレクションを通して、ヒトのお世話をすることも大事なお仕事になっています。そして、そのヒトというのが、同時代のヒトだけでなく、将来のヒトをも視野に入れているのがまた、学芸員のお仕事の特色なのでしょう。

このブログでは、以前から文化館そして学芸員の日常を話題としてきましたが、今後も機会があれば取り上げて、みなさまに学芸員や博物館のお仕事、役割をより深く知っていただけたらなぁと思っています。というわけで、5月もぜひ「あきつブログ」をよろしくお願いいたします!

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文化館的おすすめGWの過ごし方

いきなりですが、ご覧ください!今日の文化館前の様子を。今年は特に短かった桜の季節も過ぎ去り、こんなにも青々とした新緑が見られるようになってきました。考えてみれば、もうゴールデンウイーク目前ですものね!

今年のゴールデンウィークは、土日も含めると、と~っても長いようで、楽しみにされている方も多いのではないでしょうか?お出かけするには最高の季節。どこに行こうかな?でも、あまり人の多いところはちょっと。。。とおっしゃるあなたに、今日は特別にとっておきの穴場をお教えいたしましょう!!

それは、草津市の琵琶湖岸近くにある国指定史跡・芦浦観音寺です。こちらのお寺さまは、年に2回、春と秋に特別一般公開(予約不要)をされており、文化館も毎年それに合わせて、お預かりしている寄託品の一時返却を行っています。

今年は、5月4日から7日(午前10時から午後3時まで)の4日間にわたって公開されるということで、木造阿弥陀如来立像(重文)、および木造地蔵菩薩立像(重文)がお寺に戻っての公開となります。実は、これらの仏さま、昨年度、無事に修理を終えられたところで、お寺での公開は30年ぶりだそうです。美しく蘇られたお姿、この機会にぜひ多くの方にご覧いただきたいものです。

ところで、この芦浦観音寺さまは、大きな濠と石垣に囲まれ、まるでお城のように堂々とした構えをされています。なぜこんな所にこれほどのお寺が?とお思いの方もいらっしゃるかも知れませんが、実は、あの信長・秀吉・家康らから、琵琶湖の湖上交通を管理する権利を与えられ、歴史上重要な役割を果たされた由緒あるお寺さまなのです。「近江を制するものは天下を制す」と言われ、琵琶湖とその水運を掌握していた芦浦観音寺さまが、日本中から熱い視線を浴びた時代があったということですね。

今は静かな場所ですが、豊かな自然と文化財に恵まれた芦浦観音寺さまを訪れて、かつての黄金の日々に思いを馳せてみるというのも、ゴールデンウィークの過ごし方としてピッタリなのではないでしょうか?みなさまもぜひ一度どうぞ。(芦浦観音寺さまのホームページはこちらから。)

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春の例大祭と指定文化財

以前のブログで、浅井氏の追善法要(仏事)に寄託品の「絹本著色浅井長政像」(県指定文化財)を一時的にお返ししていることをお伝えしましたが(詳しくはコチラ)、当館では、祭礼(神事)の際に寄託品を一時返却させていただくこともあります。
先週も春の例大祭にあわせて、指定文化財を返却させていただき、本日、祭礼でのお役目を終えて無事に当館にお戻りになりました。

今回一時返却したのは、東近江市のとある神社ご所有の鬼面2面で、毎年この時期にお返ししています。地元では「火祭り」と呼ばれ、多くの松明がたかれますが、他所のお祭りに比べて特徴的なのは、祭礼のなかに「御面渡御(おめんとぎょ)」という儀礼があることで、行事がこの鬼面2面を捧持し、囃子方を従えて一時間近くかけて集落を練り歩きます(左の写真はその時の様子です)。今回その様子を間近で見学させていただきましたが、祭礼中は周辺一帯に交通規制がかかり、大道路などでは交通警備員に誘導されながら慎重に運ばれていました。

また響き渡る囃子方の鳴り物にひきつけられて、家より続々と人々が外に出て来て、この鬼面に膝を屈し、深く頭を下げる姿は優れた美術工芸品であると同時に、今でも生きた信仰の対象(ご神体)であることを再認識する機会となりました。

ここでは面(おもて)という有形の文化財と信仰という無形の文化財が、相互に連関して独自の郷土文化を守り育んでいます。

学芸員W

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雷神アラワル

昨晩の低気圧に伴う大嵐で、滋賀県の桜もすっかり散ってしまいました。ですが、今日はその分、もう新緑と言っていい街路樹の緑がひときわ瞳に優しく映ります。
そんな滋賀県大津市打出浜ですが、観光に来られた方が、文化館をバックによく写真を撮っておられます。今の季節、夕暮れの淡い陽光がとてもきれいで、そこへきてこの特徴的な建物ですからね。写真に撮りたくなる気持ち、よ~くわかります。そんな撮影ポイントで、本日ちょっとした出来事がありました。

文化館の東隣りに設置されている、木製の桟橋(今は使用わていません)。経年劣化で腐食が進み、景観を損ねる存在として、道行く人からご意見をいただくこともしばしばでして。。。
そこへ現れたのが滋賀県の秘密兵器:雷神(船)です。この船は「電気ショックで外来魚を一網打尽」という秘密兵器(?)を備えた優れもの。今回特別に、この老朽化した桟橋に船を寄せて、腐って横たわっていた板を撤去して下さったのです。この素晴らしき琵琶湖畔の景観を愛する者として、非常に有り難いことでございました。

板を外しておられるところを目撃することは出来ませんでしたが、船には木槌が積まれ、用意周到に作業を行って下さった様子・・・女性の方も乗っておられました。その雄姿、見たかった~。水中に埋まっている柱部分は大きな重機がないと取れないので、今回は残っていますが、ご苦労いただいた分、おかげ様で見た目もこざっぱり。今日は水位も高く波も穏やかで、作業はしやすかったと言っておられました。ご無事でなにより、本当に有難うございました。

外された板を見ると、確かにボロボロで・・・でも壊そうと思ってもナカナカ壊れないシロモノで。。。さぁてどうしましょうか。とりあえず、錆びて折れ曲がった五寸釘と格闘・・・する僕たちなのでした。

筆:あきつ

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海北友松「檜図」:文化館以外で初公開!

ようやく滋賀でも桜の花が盛りを迎え、存分に春を感じられる季節となりました。今日は、陽気につられてお出かけするのにぴったりのイチオシ!展覧会をご紹介しましょう。

本日より、京都国立博物館で、開館120周年を記念する「春の特別展」として、「海北友松」展が開催されています。この展覧会は、ここ10年にわたり狩野永徳や長谷川等伯といった桃山絵師に焦点を当てて開催されてきた京博さんの特別展覧会の完結展としても、大変興味深いのですが、実は僕もある特別な理由から、とっても楽しみにしていたのです。

その理由の一つ。琵琶湖文化館では、昭和61年に開館25周年記念特別展として「海北友松」展を開催しています。そのサブタイトルは「-湖国が生んだ桃山時代の巨匠!-」。展覧会ポスターには、おそらく当時としては珍しい「!」マークがしっかり入っていましたし、当時の様子を知らない僕でもそのポスターから受ける印象には、「イチオシ感」満載だったので、図録をうっとり眺めたりしていたものです。
海北友松は、江北小谷城主浅井長政に仕えた重臣の子として近江に生まれ、独自の画風を築き上げました。その画風は、華麗な・・・というよりは、激しく凄まじくダイナミック?!「龍図」と聞いてギョロッと睨みを利かせた眼の水墨画を思い浮かべたなら、それはきっと海北友松の作品かも?この度の展覧会では、図録で見ていた作品もお目見えするそうなので、実物のその迫力をじっくり体感(拝見)したいと思います。

そしてお楽しみ理由のもう一つ。何を隠そう、この度の「海北友松」展には、当館の館蔵品も出品されています。それがナント!琵琶湖文化館以外では初の公開となる!「檜(ひのき)図屏風」です。今は休館していますが、開館していた当時、常設展示にさらっと海北友松の作品が並んでいたあたりが、琵琶湖文化館のすごいところだと思うのですが・・・(自分で言う?!)。
今回久方ぶりに皆さまにご鑑賞いただく機会を得ましたこと、とても嬉しく、また、大変有り難く思っております。

他にも滋賀県からは、湖北長浜の浄信寺さまご所蔵の滋賀県指定文化財「東王父西王母図屏風」が出陳されています。この機会に是非、「湖国が生んだ桃山時代の巨匠!」の作品を、会場でじっくりとご鑑賞くださいませ。展覧会は5月21日までの開催で、これらの作品は会期中通期展示で公開されています。

筆:あきつ

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今年度の文化館ホームページはどうなる?

 平成29年度になってから10日が経ちました。文化館ホームページのトップを見て、みなさま、「おや?」と思いませんでした?そう思われた方は、きっと何度も文化館のホームページにアクセスいただいている熱心な文化館ファンの方ですね~(感謝!)

 トップページでも紹介していた「湖上にお城ができるまで-写真アーカイブ」。去年の12月からスタートし、「建設当時の白黒写真が懐かしい」とご好評をいただいていたコーナーです。ここで一旦お時間を頂戴することにいたしました。

 というのも、このコーナー、建設工事の着工から完成まで、ほぼ一年間で出来上がるスピード感を皆さんに知っていただきたいという思いがありました。しかし、このまま掲載を続けると夏に冬の工事の様子を紹介することに…いや、それでは臨場感が、現場の苦労が伝わらない…。また、「これだ!」と思う写真を週に一度2枚ずつ紹介してきましたが、文化館に残された建設当時の写真はなんと1000枚以上!選ぶときに「あ!この写真はコレが写ってるから紹介したい!」「いや、でもこっちの写真には今では、なかなか見られないコレが写ってるし…」などなど、いろいろと考えていると、みなさまに紹介したい写真が増えていく一方となりました。出来る事なら全てを紹介したい!!でも残念ながらそれは難しい…。ですから、思い切ってここですこしお休みをいただいて、「コレぞ!」という写真を選び出す作業に集中させていただくことにしました。
 更新を心待ちにしてくださっていた皆さまには本当に申し訳ありませんが、9月からはいよいよ、建物が建設されていく様子を写した、珠玉の写真をご紹介する予定です。是非お楽しみに。

 「写真アーカイブ」をお休みしている間も、平成29年度の文化館のホームページは、収蔵品を紹介する「浮城モノ語り」そして、「収蔵品公開情報」なども随時更新していきます。そうそう、今年度「打出のコヅチ」詳細のチェックもお願いしますね!それでは新年度も、みなさま、どうぞお役立ち情報満載の文化館ホームページにおこしください。

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毎年の追善法要と寄託品

長浜市小谷山の麓にある小谷寺では毎年4月、北近江の戦国大名・浅井氏の追善法要が営まれます。当館では、それにあわせて寄託品の県指定文化財「絹本著色浅井長政像」を日帰りでお返しにあがっています。
法要では本堂の上座に本図が掲げられ、読経のなか参列者の方々が焼香するなど、終始法要の主役となります。

浅井長政(1545-1573)といえば、織田信長の妹・お市を正室とするなど織田家と友好関係を築くも、後に信長と敵対。天正元年(1573)には居城である小谷城が攻め落とされ自害し、浅井三代の歴史は幕を閉じます。

本図には、徳勝寺(徳昌寺・浅井氏の菩提寺)の住職・源秀の天正2年(1574)の賛文があり、長政の一周忌にあわせて、京の絵師に描かせたことがわかります。ちなみに長政の画像には、大別して本図と高野山の持明院本の二系統があり、後世、この原図2幅をもとに多くの作品が模写、制作されました(長浜城歴史博物館蔵本、安土城考古博物館蔵本など)。そういった意味でも貴重な作品ですが、今でも地域の方々の崇敬の対象としてお使いになられていることも、大変意義深いことといえるでしょう。

最近、近くを通る北陸自動車道に「小谷城スマートインターチェンジ」(3月25日開通)ができ、小谷寺を含め、小谷城址周辺へのアクセスはずいぶん良くなっています。これを機会に小谷城址や周辺の社寺、資料館へ是非、足を運んでみてはいかがでしょうか。

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無事にご帰還されました。

過去のブログでも紹介しました湖東のお寺様から一時寄託されていた仏像4躯(詳しくはコチラ)が、先日、お寺へお帰りになりました。
昨年からの本堂の防災工事に伴って、堂内に安置されていた重要文化財4躯を、約9ヶ月間当館にて一時保管させていただいていました。そして今回、本堂改修が無事完了したとのことで、県教委文化財保護課の職員の方や美術品取り扱い専門業者の方々などとともに、お返し上がりました。
返還した御像の中には、等身大の一木割矧造(いちぼくわりはぎづくり)の像などやや大型の作品もあり、総勢10名という大所帯での搬出・搬入作業となりました。現場では、お寺の方や檀家さん、そのほか関係者の方など多くの人々の見守るなかで、無事、須弥壇へ安置させていただきました。移動も含め一日がかりの返却作業でしたが、天候にも恵まれ、滞りなく作業を行うことができました。

4月、5月には各地の神社で春の例大祭が行われますが、それに伴って、当館ではご寄託いただいている宝物(御面など)の一時返還もピークを迎えます。当館のそういった活動も随時ブログで紹介していきますので、どうぞお見逃しなく!!

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ホームページ3月のアクセス数

比良山の上にはまだ雪が残り、朝の冷え込みもまた少し戻りつつありますが、季節はもう春です。4月です。文化館前の歩道の桜も、つぼみが少し膨らんできて、開花が待ち遠しくなってきました。本日から新年度がスタートした文化館。うららかな春の陽ざしのように、心穏やかに過ごしたいものだと思っております。

ところで、気になるのは3月のホームページアクセス数。 3月には1,439件と、安定した数のご訪問を頂きました。ユーザー数は前月より少~し減ったものの、ページビュー数は増え、コアなファンの方(?)にじっくりと、しっかりとご覧いただいたという印象を受けます。ついでに申し上げますと、平成28年度、一年間のアクセス数は18,736件、のべ11,031名の方にご覧いただくことができました!! ご訪問いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

さて、4月から新たに社会人になった方や、職場を異動された方もいらっしゃるのでしょう。朝の通勤電車で同じ車両に乗る方々のお顔ぶれも、今日から少し様変わりをしたようです。実は、文化館ホームページも、表のお顔「お知らせ」コーナーを、少しだけお化粧直しいたしました。お気づきになられましたでしょうか?

それから、文化財講座「打出のコヅチ」のチラシが出来上がりましたので、さっそくお披露目!県内の博物館・図書館等へも発送いたしましたので、みなさまもぜひ手に取ってご覧くださいませ(実は、昨日ひそかに訪れた博物館にも、チラシを置いていただいているのを発見しました。それも一番手前に。。。どうもありがとうございま~す!!)。講座への参加お申込みも順調に頂いております。まだの方はどうぞお早めに!

それでは、平成29年度も琵琶湖文化館をどうぞよろしくお願いします。

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研究紀要第33号 発行しました

いよいよ年度末最終日、お忙しくされている皆さまにお知らせです。当館の『研究紀要第33号』、発行致しました! ブログでは、「原稿執筆の追い込みです!」とか、「赤ペン片手に校正中です!」とか、散々焦らせましたが(笑)、その出来上がりはと申しますと・・・ここで内容をちょこっとご紹介!

【滋賀県における「こけら経」について-東近江市松尾神社本殿伝来法華経を中心に-】
平成28年度滋賀県新指定文化財となった松尾神社の「こけら経」。遺跡から出土することが多い中で、神社本殿から発見された全国的にもめずらしいこの「こけら経」の調査事例を、特別寄稿により紹介。

【資料紹介 琵琶湖文化館蔵「日吉祭礼図」詞書(ことばがき)翻刻】
16の画面と15段の詞書からなる絵巻物「日吉祭礼図」の詞書を翻刻。数ある山王祭関係資料との比較研究の一助となす。

その他、平成28年度の活動紹介などを掲載しています。
更に今回は特別バージョンとして、【過去に開催した展覧会の軌跡-ポスター編-】を掲載!なんと贅沢にもフルカラーの仕上がりです。昭和36年から平成28年までに開催した展覧会のポスターを、一堂に紹介しています。開館より55年の節目にあたる年の紀要に、琵琶湖文化館のあゆみたる展覧会ポスターを掲載できたことは、僕たちにとっても幸せなことであり、記念に残る1冊となりました。

県内の図書館はもとより国会図書館や市町教育関係機関、博物館などにも送付しておりますので、是非皆さま手に取ってご覧くださいませ。

筆:あきつ

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ガラス乾板の整理③

さて、そろそろガラス乾板の整理も佳境です。ほんとはブログを書く時間も惜しいほどの佳境です(笑)。挑んでいるのは、とあるご縁で文化館にある「年代物」のガラス乾板です。
これがまた貴重なガラス乾板で、撮影された時期は不明ですが、個々の乾板には「昭一〇.七.七日写」などの日付が記されており、ということは本体の撮影はおそらく。。。そのガラス乾板に写っているは、県内の国宝や重要文化財などの指定文化財です。僕たちは「仏像ワンダーランド」への扉を開けてしまったようです。。。ようこそお越いでヤス(笑笑)。

これらのガラス乾板、大切に個別包装されており、「○○神社 □□立像 蒲生町」など、先輩学芸員さんと思われる誰かが、一度整理をして下さった跡がありました。しかもほとけさまの種類ごとに箱で分類されています。ナイスです先輩!・・・しかしここで気付くべきでした。町名が平成の大合併、市町村合併する前の表記であることに!しかもガラス乾板本体に記載されているのは、モチロンそれ以前、昭和初期の郡および町名!・・・あぁ、もはや既に記憶に薄い・・・「キタ!愛知郡!」「懐かし!伊香郡!」。現代っ子の僕たち?は、神社やお寺さんの現住所を調べるのにも一苦労することとなりました。

でも、今までのガラス乾板と違って、所在地も所有者も資料名も書かれているのだから「これは楽勝でしょう!」と、タカをくくっていた僕たち。そうは問屋ガ卸シマセン。作業を始めて3分で悲鳴・・・「昭和の文字が読めません(泣)!!」・・・乾板に書かれている文字はとても個性的で、且つ、部分的に崩し字、旧字体も混じっています。うぅ、また調べなくてはなりません・・・見る人が見れば簡単に読めるのでしょうが、これ、なんて書かれているかわかります?中には文字がかすれて消えてしまっていたり、暗号にしか思えない不可解な文字も。。。そんなこんなありましたが、2日もすると作業に目が慣れて、随分と読めるようになりました。フッフッフッ、僕たちも成長するのでゴザイマスヨ。(写真解読【帝釈天立像】【四号】)

結局、ワンダーランドの中には、仏像に限らず工芸や典籍、絵画作品も残されていることが判りました。作業を終えて、図らずも僕たちは、昭和初期の市郡町村にタイムスリップし、改めて滋賀県の文化財の層の厚さを堪能してきた・・・そんな気分です。いい旅でした。

かくして!僕たちが整理・リスト化したガラス乾板、その数1,591枚!当初想定していた数を上回る枚数となりました。約1ヶ月に渡る地道な作業。。。半分目が死んでる日もありましたが、なんやかんやと楽しく作業できました。意外とこういう作業が大好物な自分?新しい発見デス。
感謝すべきは根気よく一緒に取り組んでくれた職場の仲間です。くじけず頑張ってこれたのも皆さんのおかげです。とってもいいお仕事ができました!

さぁ、今年度も残り1週間!えっ?もう?!僕の本業:事務方の決算が、事業報告が!!・・・何をしてても追い込まれる運命にあるようです。頑張ろ・・・

筆:あきつ

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ガラス乾板の整理②

はい、今日も元気にガラス乾板の整理をしています。2月下旬から始めたこの作業も、ずいぶん手慣れてきましたヨ。
「展覧会資料」群のヤマを越えた僕たちは、次に「館蔵品」シリーズに突入しました。これは楽チン。だって「館蔵品」。見れば「誰」の「何」ていう作品か、すぐわかる。・・・と思うでしょ?!・・・そうですよ、すぐにわかるのは学芸員さん・・・だからガラス乾板にもあえて何も書かれていません・・・ヒントすらない。でも学芸員さんは本業が忙しいので、この整理作業のお役目をいただいたのは、僕たち、あきつ組・・・。ガラス乾板が入っている箱に「館蔵品 絵画」「館蔵品 書蹟」って・・・文化館がどれだけ所蔵していると思ってるのーッ!と、僕はいったい誰ニ、何ニ向かって叫んでしまったのでショウカ・・・とにかくやるしかないのです。。。
館蔵品の写真台帳とリストをつき合わせて、分からないところはベテラン学芸員さんに聞きながら、コツコツと作業を進めます。書跡・墨跡なんて、もはやトランプゲームの「神経衰弱」状態です・・・「あ、この書体どこかで見た」「この人の字は特徴があって忘れられん」「潔いこの一筆は誰?」・・・台帳とにらめっこしながら、行ったり来たりの作業です。
(これでも、ここにあるガラス乾板は、館蔵品のほんの「一部」なのですヨ。)

そして忘れてはいけないのが、作業する相手がガラスであること。学芸員さんのように白手袋を着用して、少々年代物なので取り扱いは慎重に・・・そして情報をパソコンに入力してリスト化・・・。この作業で、肩はパンパン、目はシバシバになり、また机作業で動きも少ないため、一気に老けた気がします。。。

でも、「館蔵品の作品がガラス乾板に残っている」っていうのも、ちょっと自慢じゃありません?!琵琶湖文化館の歴史の一部ですよね!そう思うと、とっても大切な作業に関わらせていただいているのだと、有り難い気持ちになるのです(そうなのだと自分に言い聞かせ・・)。なんだか僕たちの知らない文化館がまだまだ出てくる気がします。

さぁ、次は「何」シリーズ?!・・・悩ましいほどいっぱいあるのです~(泣笑)。

筆:あきつ

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H29年度 滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」受付開始!

まだかまだかと、心待ちにしていた方もいらっしゃることと思います。今年もやります!平成29年度滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」のご案内です。
滋賀の文化財についてのホットな話題を提供しておりますこの講座には、おかげさまで毎年たくさんの方にご参加いただいております。そのご期待に応えまして、今年もさらにパワーアップした内容でお届けしたいと思っております。専門の講師の先生方からは、滋賀の文化財の魅力について、わかりやすく丁寧な解説を、じっくりと聞かせていただけますので、はじめての方も、そうでない方も、どうぞ奮ってご参加下さいませ!

【内容・日程】
第1回 5月18日(木) 金剛輪寺・十二神将像の魅力に迫る
講師:古川 史隆(県教委文化財保護課)
第2回 6月15日(木) 究極の城 彦根城 
講師:松下 浩(県教委文化財保護課)
第3回 7月20日(木) 日吉山王祭礼図を読み解く 
講師:渡邊 勇祐(琵琶湖文化館)
第4回 8月17日(木) 近江の曳山祭り
講師:矢田 直樹(県教委文化財保護課)
第5回 9月21日(木) 朝鮮通信使と近江 
講師:井上 優(県教委文化財保護課)

【会場】コラボしが21(大津市打出浜2-1)3階 大会議室
JR膳所駅より徒歩約15分 
京阪石坂線石破駅より徒歩約5分
【時間】13:30~15:00(受付13:15から)
【募集人数】各回200名
【聴講料】無料(事前予約制・当日参加も可)
【主催】滋賀県教育委員会・滋賀県立琵琶湖文化館

【申込み方法】電話・FAX・メールで、
氏名(ふりがな)・住所(市町まで)・連絡先(電話番号)・参加回
・この講座を何で知ったか、をお知らせください。
【申込み先】滋賀県立琵琶湖文化館 〒520-0806 滋賀県大津市打出浜地先
TEL:077-522-8179
FAX:077-522-9634
メール:biwakobunkakan@yacht.ocn.ne.jp

さあ、皆さん、忘れないうちにお申込みを!そして、スケジュール帳にも予定を書き込んで下さいね~!では、会場でお会いできることを楽しみにしておりま~す。

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ガラス乾板の整理①

はい、このところブログの更新がままならず、スミマセン。というのも、この数週間、僕たちは「ガラス乾板(かんぱん)」と格闘していたのでございます。
みなさん「ガラス乾板」ってご存知ですか?僕もこの職場へ来て初めてその存在を知ったのですが、教科書にも出てくる坂本竜馬の写真を撮ったのは「湿版(しっぱん)」、で、その後に使われたのが「乾板」、いわゆる写真感光材料です。ガラスで出来ているため重くてかさばり、割れやすいので、その後フィルムが出てくるとそちらが主流となり、現在ではその存在を知る人も少ないかもしれません。

そのガラス乾板が、当館には「資料」として残されています。その整理を進めるわけですが、いざ作業を始めてみると、いろいろなシリーズに分類できることがわかりました。ですが、写っているものが「何」なのか、乾板はガラスなので、そこには何も書かれていません。情報としては箱に書かれているタイトルのみ・・・「湖東焼」「近江画人遺芳」「南蛮資料」「南画」「旧館写真」・・・南画って何が???その箱の中に、乾板が重ねられて入っている・・・もしくは大切に紙に包まれて入っている・・・一体どうすれば?
最初はハテナマークばっかりだったのですが、これが琵琶湖文化館の前身である滋賀県立産業文化館(昭和23年開館)から琵琶湖文化館の初期(昭和40年頃)までの間に開催された展覧会のククリであるらしいことがわかったので、ほっとひと安心。「旧館」とは産業文化館が武徳殿にあった頃、「現会館」とは旧滋賀会館に移った頃のこと・・・よし、なんとかなる・・・。
と思いきや!!その頃の展覧会のしおりやパンフレットには、ほとんど写真が掲載されていません。ですよね・・・今みたいに写真がたくさん載っている図録なんて、当時ではありえませんよね・・・甘かった・・・しおりに目録が載っていれば良い方で、中には作者紹介のみとか・・・となると、次に探すのは展覧会を開催した時の関係書類を綴じた綴りです。しかし、これまた先輩学芸員さんたちの達筆な文字が・・・読み辛い・・・。

そんなこんなありましたが、長い年月の間に離ればなれになっていた資料が「群」にまとまってくると、「こんな展示もしていたのか!」とちょっと感動。。。「この展覧会の出品作品全部並べて再現して欲しいなぁ」「面白そうな展示やなぁ」と、気持ちは当時の会場へ・・・陳列の様子や、写真パネル展を開催した近江の「石造美術」や「庭園」、「建物」など、今も現地やカラーのパンフレットなどで見られるものでも、白黒写真だとどうしてこんなに郷愁に駆られるのでしょうか。
ちょっと嬉しかったのが、産業文化館の報告書でしか見たことのなかった写真が出てきたこと!感動のあまり「アナタ!ここに!乾板にいらっしゃったの!!」と声に出してしまったくらい(笑)。このような思わぬ出合いが整理作業を楽しいものにしてくれました。
乾板を傷つけないように白手袋をしての作業は、緊張感もあって肩が凝って大変です。ですが、ひとつひとつのピースを合わせていくジグソーパズルみたいで達成感もあります。地道な作業ですが、僕たちの「乾板整理」は、まだまだ続きます。さぁ、次は何シリーズ?

筆:あきつ

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ホームページ2月のアクセス数

まだまだ明け方の冷え込みは残っていますが、日中の日差しはずいぶんと明るさを増して来ました。冬の間、湖面を賑わしていた水鳥たちも、季節の変化を敏感に感じ取っているのでしょうか、北の国への帰り支度を整えたようで、日に日にその数が減ってきました。水鳥の姿にずいぶんと癒されてきた私たちには、ちょっぴり寂しいことではありますが。。。また次の冬の再会を楽しみにしていますね~!

数が減った水鳥たちとは反対に、文化館へ訪れる人が増えたのがこの2月でした。とは言っても、インターネットホームページ上でのことですが。。。2月には1,444件のアクセスをいただきました!ユーザー数、ページビュー数(何ページ見たか)も共に先月より伸びております。

特に、サマーラ(ご記憶にありますでしょうか?昨年末にたくさんのご訪問をいただいたロシアの都市です!)からのご訪問が再開したようで、地元大津に次いで第2位のアクセス数となっています。サマーラの方々のお目当てが何なのか、検索キーワードをたどっても未だにはっきりとはしませんが、遠い北の国からも文化館が、そして滋賀の歴史と文化が注目されているということは、なんとも嬉しいことです。せっかくなのでこの際、ホームページのロシア語バージョンも作った方がよいのでしょうか~なんてネ⁈ とにかく、みなさんスパシーバ(ありがとう)です!

さて、最近の文化館の様子はと言いますと、日々の収蔵品の整理・調査を進めつつ、今は赤ペンをギュッと握りしめて、先日入稿した研究紀要の校正真っ最中です。

そうそう、今日、事務所にある鉢植えの桜の一番花が咲きました。街中のソメイヨシノが咲く頃には、研究紀要も無事発行されて、怒涛の年度末も乗り越えられている・・・のかな?! 春はすぐそこに!皆さん頑張りましょう。

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いよいよ明日から!

現在休館中の文化館ですが、実はちょっぴり楽しみにしている展覧会があります。それは、明日から始まる安土城考古博物館さんの企画展「大湖南展-栗太・野洲郡の風土と遺宝」(会期:平成29年2月25日(土)~4月9日(日))です。きっとみなさまも、楽しみになさっていることと思います。

この展覧会には、旧栗太・野洲郡域に当たる湖南地域の仏像・神像たちが大集合!ということで、文化館が社寺さまからお預かりしている寄託品の中から10件の仏像・神像、そして絵画が、出展されます。ポスターやチラシにも掲載されているあの文化財たちですョ。(詳しくは収蔵品公開情報をご覧くださいね)。

まだまだ雪のちらつく日もありますが、時折みえる太陽は日に日に明るさを増し、春のお出かけにウキウキ心を弾ませる季節となってきました。この機会に、安土までちょっと足を延ばしてみませんか?普段はなかなか見られない文化館の収蔵品を含む、近江・湖南地域の優品(重要文化財・県指定文化財も多数!)に出会えますよ。

展示期間中には、企画展関連博物館講座も開催されます。第1回(2月26日(日)13:30~15:00)は、当館学芸員の渡邊勇祐が「湖南の仏教絵画」というテーマでお話いたします。実はこの学芸員さん、今、隣の席で講演会の準備に没頭中です。その様子から察するに、いつにも増して練りに練ったお話になりそうです。みなさま、どうぞご期待下さい!(展示会・講座についての詳細は、安土城考古博物館までお問い合わせください。)

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紀要の入稿完了!

本日、めでたく、「滋賀県立琵琶湖文化館 研究紀要第33号」の原稿を、印刷業者さんに入稿いたしました!(祝)!
ここまでたどり着くのに長かった~。1/20付ブログ『この時期の「写真使用の許可申請」』にも書いていますが、当館でも紀要の執筆・編集に、相当追い込まれていました(笑)。「この文章を直すとページ数が超えてしまう!」とか、「これは直したけれど、あっちの写真はグレースケール(白黒)に加工したかな?」とか、「ココの数字、半角に統一されてない!!」とか、慣れない編集作業に悪戦苦闘・・・そんなこんなありつつも、ようやく、ようやく、本日業者さんに涙の手渡し・・・肩の荷が下りました。あとはお任せします!体裁よくまとめて下さい!!

今回の紀要は、なんと写真画像160点という、豪華バージョン?です!何故そんなに画像が増えたのかというと・・・おっと、今、言ってしまってはモッタイナイ・・・。3月末発行予定!仕上がりをお楽しみに。

筆:あきつ

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PM虹

今日のお昼休みの出来事です。ベテラン学芸員さんが僕に向かって、何やら手を振って下さってます。310-2・・?・・とりあえず同じように手を振り返してみました。
「違う違う、きれいな虹が出てるんや」。
な~んだ(笑)そうでしたか(笑笑)。

窓の外を見てみると、確かにとてもきれいな虹が掛かっています。「こんな低い位置に虹が見えるのも珍しいなぁ」「?虹って太陽と自分の反対側に出るのですよね?」「何故高さが変わるの??」話もソコソコに、僕は早速カメラを持って撮影に走ります。

どんな角度で撮ればこの「いつもと違う感」が皆さんに伝わるのか・・・アップにしてファインダーを覗いてみると、いつもの街がなんとも妖しげで神秘的に見えてきます。あぁ、「今」あの虹の麓に居たい。。。
この時期、街に降り注ぐのが黄砂や大気汚染のPM2.5ではなく、こんな素敵な『PM虹』だったら、みんなが幸せな気分になれるのになぁ・・・な~んてね。

と、ここで琵琶湖文化館の業務に携わる事務職員として頭を切り替えます。職場の影響で、仏画や近世絵画を見る機会は多くあるのですが、「虹」を描いた作品って・・・僕は見たことない?・・・あったかな?
ベテラン学芸員さんに尋ねてみると、曽我蕭白の作品に虹を描いたものがある、とのこと。図録を見せて貰いましたが、なるほど半円形の赤っぽい虹が描かれています。他に浮世絵などには登場しているようですが、確かに虹を描いた作品は少ないのかも・・・というトコロに至りました。

・・・疑問デス。昔の人も虹を見てるはずですよね?心ウキウキしなかったですか?僕が絵師なら好んで画題に取り上げますがッ?!・・・う~んナゾです。。。落ち着いて考えてみます。
その1)そもそも「虹色=七色」の認識がなかった。
その2)絵の具の色で七色が出せなかった。
その3)虹:「虫」偏に「工」貫く・・・オメデタクはなかった?
・・・プチンッ(難しいことを考えて頭の思考回路が途切れた音)・・・
目の付けドコロとしては面白いと思うのですが、、、これは研究の余地あり?!昔の人がどのように虹をとらえ、感じていたのか、みなさん一緒に調べてみませんか??共同研究求ム!!

そう言えば、今朝通勤途中、既に3回虹を見て来ているのですよ。それでまた、偶然ラジオから流れる曲が、虹を歌った曲が多かったのですよ。・・・何故??!

そっか、今日はきっと虹色のステキな一日!

筆:あきつ

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ホームページ1月のアクセス数

気がつくともう、1月は行って(近江弁で言うと、「去(い)んで」?)しまいました。滋賀の今年の1月は、特に湖西や湖東地域が数十年ぶりという大雪に見舞われ、気温が氷点下となることもしばしばありました。かと思ったら、その後は3月のような陽気になったり。。。寒暖の差が激しいのは、季節の変わり目が近づいているということなのでしょうか?そういえば、昨日のニュースによると、琵琶湖で毎年春先に起こる「全層循環」(湖面と湖底の水が混ざり合う現象)が、今年は過去10年で2番目に早い、1月26日に起こっていたということです。季節は、湖水とともに確実にめぐっているようです。

さて、文化館のホームページですが、2017年最初の月のアクセス数は、1,230件でした。昨年末のちょっと異様なほどの盛り上がりからすると、静かなスタートとなりましたが、平均サイト滞在時間は順調に伸びています。寒さのため、外出がおっくうになる季節。屋内でじっくりとホームページをご覧くださったということでしょうか?中には、昨秋の近代美術館での展覧会の復習(?)をして下さっている方もいらっしゃるようで。。。噛めば噛むほど味の出てくるのが琵琶湖文化館!!ということかも知れませんね。嬉しいことです。

ここでサラッとチェックしておきましょう。文化館の収蔵品公開情報です。まず、本日2月1日(水)からは、宋紫石筆「柳汀双禽図」が、観峰館(東近江市)の『花鳥画を愛でる』に、そして、2月25日(土)からは、湖南地域の選りすぐりの名品10点が、安土城考古博物館(近江八幡市)で開催される『大湖南展-栗太・野洲郡の風土と遺宝』に出品されます。『大湖南展』の関連行事では、2月26日(日)に当館学芸員による講座も予定されていますよ!

また、1月31日(火)毎日新聞の地域面「名品手鑑」のコーナーに、当館館蔵品「鳥禽図(伊藤若冲筆)」が紹介されました。その反響たるや、早速「いつ見れるの?」「どこで見れるの?」と、お問い合わせの電話をいただいております。人気のある作品ですからね~。他館で展示される場合には、かならず公開情報でお知らせしますので、是非チェックして下さいね。

2月は一年の中で最も短い月。ぼ~っとしていると、またまた月日は逃げて行きます!今すぐ手帳に予定を書き込んで、しっかりと捕まえ、充実したひと月をお過ごしくださいませ。

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