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御礼「近江湖南に華開く宗教文化-野洲・守山の神と仏-」展

 誰かが言いました。「開かない展覧会はない」・・・と。これは展覧会が始まる前の学芸員の苦悩を少しでも和らげるための、業界の合言葉(?)みたいなものです。でも今は「終わらない展覧会はない」・・・とでも言いましょうか、なんかちょっと寂しい・・・。あっっっっという間の42日間でした!
 10/8~11/27までの間、野洲市歴史民俗博物館を会場に開催してきた地域連携企画展「近江湖南に華開く宗教文化-野洲・守山の神と仏-」展が、無事終了し、本日、当館から出品していた作品が戻ってまいりました。

 
 ご来場いただいた皆さま誠に有り難うございました。
  皆さんお気付きでしたか?今回の展覧会では、[講演会・ギャラリートーク]がいつもより5割増し(?!)だったことを!初回担当が当館の和澄学芸員、第2回が守山市教育委員会文化財保護課の渡邊氏、そして最後を飾ったのが野洲市歴史民俗博物館の齊藤学芸員・・・という豪華ラインナップでした。それもこれも野洲市・守山市・琵琶湖文化館の「連携」展であったからこそ!それぞれの担当分野で持ち味を活かした充実の内容で、実施することができました。これぞ地域連携の醍醐味♪
 もとより、野洲市歴史民俗博物館には、とても勉強熱心な「友の会」さんが活動されています。講演会にも多数参加されてました?講師の言葉に対する「うなずき」加減や、ギャラリートークでの「通(つう)」なツッコミ(?)など、皆さんの反応がすこぶる上質!(笑)!博物館さんが、しっかりと地域に根を張った活動をしておられるからだろうなぁっと、ちょっぴり羨ましく思えたり・・・いやはや、今回の地域連携でもいろいろと勉強させていただきました!

  ご出品いただいた各社寺さま、ならびに本展の開催にご協力いただきました関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。

 会期終了間際、「これで見納め・・・展覧会が終わると寂しくなるなぁ」と名残惜しくも訪れた会場には、じっくりと作品を熱心に鑑賞する多くの方々がいらっしゃいました。その姿にまた元気をもらい、帰り道では、野洲の古社・兵主神社さんにお参りさせていただきました。こちらの紅葉もそろそろ見納め・・・寂しさが5割増しに・・・なるところでした、が!

 手水鉢に浮かべられていた、まん丸な菊の花を見て、元気5割増しにて帰宅することができました。よし!また頑張ろう♡

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パネル展と投稿御礼・記念マグネット

 本日は金曜日・・・今週も一生懸命働きました!!なんだろう、この達成感!!! それはですねぇ・・・充実した時間を過ごしていたから!なのです~♪
 というのも、皆さんご覧いただきました?「大トンボと琵琶湖文化館 写真パネル展-記録がつむぐ思い出写真-」。滋賀県庁と京阪びわこ浜大津駅ターミナルデッキで現在開催中です(11/30まで・県庁は土日閉庁)。両会場とも、スタッフが常駐しているわけではないので、日々、会場の様子が気になって仕方がない!!

  なので、仕事に行く前に、昼休みの休憩時間に、はたまた出張した帰り際に、ちら~っと立ち寄ったりしてみるわけですよ。すると、いいタイミングで、写真を投稿していただいたご本人と出会えたり、そのご家族の方とお話しできたり・・・するわけですよ。他にも、偶然通りがかって足を止めたであろうご年配の方や、ママさんとお子さんの「あら、トンボさんがいっぱいね~」なんてかわいい姿に出くわしちゃったりなんかすると、なんだかもう、それだけで胸いっぱい♡

 「あぁ、私、この場所でお布団敷いて眠りたい・・・ 」
アレ?この言葉、つい先日も聞いたような? (笑笑)。
詳しくは11/14付けブログ参照

 そんないい出会いをたくさんいただいた本パネル展は
皆さんの投稿写真に支えられております。ところで、この投稿写真を募集した際、チラシにはこう書かれていましたね。「ご応募いただいた方には記念に、投稿写真をマグネットにして進呈します。」と・・・。そういう“お約束”でした。

 ということで!今週は『投稿御礼・記念マグネット』の作成に、全集中!

 事務所の中は、さながら工房と化し・・・こちらはモチロン、職員自慢の手作りです♪投稿への感謝の気持ちは、すべてこのマグネットに込めました・・・・・♡
こうして並べると壮観です。宇宙が広がってます!

 → ご投稿いただいた皆さま、お待たせしました!本日無事、発送いたしましたので、週末にはお手元に届く・かな~?楽しみにしておいてください!

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滋賀県に新しい重要文化財の誕生

 おめでたいニュースが入ってきました。国の文化審議会は18日、新たに全国の美術工芸品の4件を国宝に、47件を重要文化財に指定するよう答申しました。このうち滋賀県では、以下の3件の美術工芸品が重要文化財に指定されることが決まりました。

【絵画】紙本墨画鳥獣人物戯画丁巻断簡 1幅:公益財団法人秀明文化財団(甲賀市)
【古文書】近江国比良庄絵図 1鋪:北比良財産管理会(大津市)
【歴史資料】国友一貫斎関係資料 953点:個人

近江国比良庄絵図(北比良財産管理会蔵)

 その中で文化館として、特に注目したいのが、当館でお預かりしている「近江国比良庄絵図」です。こちらは、鎌倉時代後期に作成された原図を室町時代に写したもので、比良庄域(現在の大津市北部)が墨線で書かれ、庄園内部には、寺社の堂舎や鳥居、樹木などが詳細に描かれています。鎌倉時代後期と南北朝期の裏書が存在しており、この絵図が周辺庄園との境相論(さかいそうろん:所領などの境界をめぐる紛争)に際して作成されたことが分かり、中世社会経済史研究のうえで極めて貴重であることから、平成12(2000)年に滋賀県指定文化財となりました。そして22年の時を経てこの度、国の重要文化財となることに決まりました。今後、事務手続きが完了したら、正式に重要文化財に指定されます。

 それにしても、県内に3件も重要文化財が増えるのは凄いことです。国宝・重要文化財保有件数第4位の滋賀県は、文化財の宝庫です。琵琶湖文化館では収蔵する重要文化財が一つ増え、文化財をお預かりしているものとして、より気が引き締まる思いです。大切な滋賀県の文化財。これからも、みなさんと一緒に大切にしていきたいです。それでは最後になりましたが、、、 !!重要文化財指定おめでとうございます!!

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パネル展 ニュースになります

 本日(11/15)から始まりました「大トンボと琵琶湖文化館 写真パネル展」! 初日から、写真をご投稿いただいた方など、多数の方が会場へお越し下さったとの情報が入ってまいりました♡早速のご来場、有り難うございます♪

 そしてこちらも嬉しいニュースです!本日、NHK大津で放送される「おうみ発630(18:30~」と「おうみ845(20:45~」の中で、このパネル展が紹介されることとなりました!!皆さんの投稿作品や会場の様子などをご覧いただくことができると思いますので、是非チェックしてくださいね。
(見逃してもネット配信がきっとあるハズ♪)
→〔見逃し配信ありました!→ 外部リンク

以上、文化館より速報をお届けしました!!

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大トンボと琵琶湖文化館 写真パネル展 始まります!~11/30まで

 ようやくここまで辿り着きました!いやぁ、思えば怒涛の日々を過ごしてまいりました!!すべてはこのパネル展のため! 「大トンボと琵琶湖文化館 写真パネル展~記録がつむぐ思い出写真~」。本日無事、会場設営も完了しました。皆さんの投稿写真が一堂に並んでおります~♪

展示作業中(県庁にて)


  作業中も足を止めて「いやぁ懐かしいわぁ」と見て行かれる方が多数♡そうでしょうとも♡投稿いただいた作品を含め、これだけ文化館一色に染まった展示は、平成19年度休館直前に当館で開催した「琵琶湖文化館のあゆみ」展以来です。それを他の施設をお借りして展示しようというのですもの、そりゃぁ無理もいたします(笑)。それだけの内容をこのパネル展に盛り込みました!

 〇こちらの想定を上回る投稿をいただいた写真たちは、154枚のパネルにギュッとまとめ
  て一堂に!
 〇昭和36年:湖上にお城が出来上がるまでの記録や、この度奇跡的に発見されたトンボの
  設計図など、超貴重な記録写真を余すとこなく大放出!
 〇琵琶湖文化館のこれまでとこれからをつなぐ思い出写真等々!
 ご覧になった方が「へぇ」「ほぉ」と楽しめる盛りだくさんな内容となっています♪

 そして今回の展示では、会場が①京阪びわこ浜大津駅ターミナルデッキと、②滋賀県庁の2会場となっていますが、展示されている写真は同じものです。設営の関係で、①浜大津の方が展示スペースに制限があったため、少し小さめの写真となっております。が、見応えは充分です。その代わり、皆さんの写真を少しでも大きく見せたいと取り組んだのが②県庁です。記録写真の説明なども詳しく書き込んでいます。皆さま是非お立ち寄りくださいね ♪

 準備を終えた担当者は言いました。「私、皆さんの投稿写真が並んだこの場所で、お布団敷いて眠りたい・・・」
(笑)。 パネルの編集は大変でしたが、皆さんの愛溢れる投稿のおかげで、幸せな時間を過ごすことが出来ました。有り難うございました。

 あと気になることと言えば、このパネル展を見た皆さんの反応・・・!
「大トンボと琵琶湖文化館 写真パネル展~記録がつむぐ思い出写真~」は11/15~11/30までの開催です。 どうか楽しく見て行ってくださ~い♪

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11/16放送「ヒト、モノ、コトを未来につなぐ Good Sign」琵琶湖文化館登場!

 先日、晴天の青空のもと、びわ湖放送さんの取材がありました。

 「“Good Sing-良い兆し-”をキャッチする、それは滋賀・京都の魅力を再発見すること!」をコンセプトにした4分番組、そこで我らが琵琶湖文化館も取り上げていただくこととなりました!!

 撮影場所は、モチロン我がお城をバックに♡文化館のあんな事やこんな事、新・文化館開設に向けての野望(?!)まで、終始アツく、また、和やかに、語らせていただきました(笑)。

放送時間はちょっぴり遅めの深夜となります。

放送は、11月16日(水)23:38~びわ湖放送にて!
番組タイトルは「ヒト、モノ、コトを未来につなぐ Good Sign」です!


「ちょっと夜遅くて見てられへんなぁ~」という方は、番組終了後〔YouTube〕でもアップされますので、そちらで要チェック!!です!  【→外部リンクYouTube「市民の思い出が集う 大津のシンボル 大津市 滋賀県立琵琶湖文化館

 (ココだけの話ですが)ウワサによると、とんぼパネル展のこともチラっと取り上げて貰っているそうですヨ。皆さんの作品が放送されるカモ・・・ですヨ。放送を是非チェックしてくださいね~♪楽しみッ♪♪

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皆既月食 文化館 トンボ 投稿きました!

 有り難うございます~ご投稿有り難うございます~!11/8の皆既月食とトンボの写真、ご投稿いただきましたのでご紹介します!

 うぅっすみませーん!HP用に画質を落とすと綺麗な☆たちが見えにくくなってしまいましたー!!それでも美しいお月さまと大トンボ♡サイコーです!!
 現在、写真受付の担当が、11/15から始まる「写真パネル展」の準備に日夜勤しんでおりますので、「続・写真募集」でいただいた画像は、12/1以降に改めて専用サイトにアップさせていただきます。何卒ご了承くださいませ!

 とにかく即、この写真募集に応えていただいたのが嬉しくって、ブログにてご紹介させていただきました!皆さんもドシドシご投稿くださいませ!!

 ちなみに、当日の午後7時過ぎ、月が赤くなり出した頃の撮影者は3人。その後、人はどんどん増えて結果10人くらいは、いらっしゃったのではないでしょうか。私の当初の目的は、「文化館のトンボと月食のレアショットを撮りに来た人たちを撮る!」だったのですが・・・「お月さまも入れて人も撮りたい、でもフラッシュたけない」・・・で、散々な結果に。。。せっかくの機会だったのに!!無謀な野望に終わりました(笑)。

 で、本命のカメラで撮影した私のレアショットは・・・こここ怖くて見れない・・・絶対失敗してる・・・でも1枚くらいは奇跡のショットがある・かも?後日皆さまにご報告ができますように・・・(笑)。

 撮影に来られていた人の中には「大作戦!」に参加して下さっていた方もいらっしゃいましたよ~。「今日の分の投稿待ってます!」と伝えると「あれ?終わったのでは?」とのツッコミが(笑)。そうです。調子に乗って再開しております。皆さまのご投稿お待ちいたしておりま~す!
 大トンボはまだ、屋根におります!

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皆既月食 文化館 トンボ 写真募集!!!


9月に撮影のシルエット(写真加工してマス)

 本日、11月8日、午後6時頃から月食が始まります。月のすべてが影に入り込む「皆既月食」は、午後7時16分から午後8時42分まで!みんなで写真を撮りましょう!!文化館の大トンボと世紀の天体ショーを撮影する絶好の機会です!

〔写真投稿専用フォームはコチラから〕

 そして文化館では、このタイミングで「記録に残そう大作戦!写真募集」を再開します!「続」です(笑)!投稿いただいた写真は、文化館HPで公開いたしますので、皆さんぜひご投稿ください!!

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秋の景色と文化館

キレイに色づいた文化館周辺の街路樹

 ここ最近爽やかな、秋晴れに恵まれ、文化館の周りでは街路樹がキレイに色づいてきて、“秋本番”な景色を見ることができます。時折、風が吹いて舞い散る落ち葉が、より一層季節の景色に彩を加えてくれます。そして、あとには道に残った葉っぱたち… そうです。この季節、キレイな景色の裏では、落ち葉掃除が待っているのです。

 琵琶湖文化館は休館中ですが、館を含め周辺の掃除をさぼるわけにはいきません。早速箒を手に歩道を掃いていきます。途中イタズラな風に邪魔をされ、集めた落ち葉が再度舞い上がることも「待って!しばらくの間だけ風よ止まっていて!」そんなことを思いながら、落ち葉をかき集めていきます。通りの向こうでは、同じようにお掃除する方も、、、「お互い大変ですよね」と目で挨拶しながら。さぁ集めた落ち葉をゴミ袋につめて作業は終わり!…と思っていたら、数時間後に歩道を見たら元通りに…落ち葉との戦いは、まだまだコレからのようです。ですが、歩行者の方から「ご苦労様です」や「ありがとうございます」など、お声をかけていただくことがあります。お掃除をしていて何よりの励みとなっています。落ち葉の季節ははじまってばかり、まだまだ頑張ります!

 さて、野洲市で開催中の地域連携企画展「近江湖南に華開く宗教文化 -野洲・守山の神と仏-」は、最終日まで残り一カ月を切りました。先日、1回目の講演会&ギャラリートークも無事に終了し、11月は、第2回(11/12)と第3回(11/26)を予定しています(事前申込制:詳しくは銅鐸博物館まで)。さらに、後半には展示替えをして皆さまをお待ちしております。11/19(土)と11/20(日)の関西文化の日は、来館者すべての方が無料で見ていただけるスペシャルな日となっています。是非、この機会に足をお運びくださいね。
 そして皆さんから、たくさん応募いただいた力作が一堂に会す写真展「記録に残そう大作戦!〔大トンボと琵琶湖文化館 〕写真パネル展~記録がつくる思い出写真~」が、いよいよ15日から、湖都・大津の玄関口2か所で開催します(詳しくはコチラ)。大津に来られた際は、皆さんお立ち寄りくださいね。

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近江湖南に華開く 講演会&ギャラリートーク

 盛り上がってきましたね~♪我らが地域連携企画展「近江湖南に華開く宗教文化-野洲・守山の神と仏-」展!会場は野洲市歴史民俗博物館(銅鐸博物館)ですが、大津からも展覧会を盛り上げようと、遅ればせながら横断幕をご用意した次第です(笑)。

 道行く皆さんの目に留まることしか考えておりまセン!!(情報量少なすぎ?!)・・・散歩中に「おやっ?」と思われた方は、是非当館の掲示板でチェックしてくださいね!

 さて、何が盛り上がって来たかというと、先日(10/29)実施された本展の記念講演会・ギャラリートーク。会場にはたくさんの方がお越しくださいました。

野洲市銅鐸博物館提供

 冷めやらぬコロナ禍での開催ですが、数年前の事を思えば嬉しくて涙が出そう・・・。中には、「コヅチの現地探訪に参加できなかったからこっちへ来たわ」という方や、「探訪に参加してやっぱり今日も来てしまったわ」という方など♡いいですね~どっぷりハマってください(笑)。そんな魅力たっぷりの本展でゴザイマス♪

  さてさて、講師を務めた当館の和澄学芸員、何を熱く語ってくれたのかな?ブログでは紹介しきれませんが、ここではマイクの音声を拾ってみましょう。皆さん想像力を高めて↑↑↑下さい。

「こちらは発見後まもなく市の指定になった・・・飛鳥時代から栄えた深い歴史を・・・。」
「・・・このヒラヒラから・・・極めて希少な奈良時代の木彫で・・・との関係が・・・。」
「神仏習合の証し・・・元々の平安時代の部材が残っているのは・・・のみ。来歴を保とうとする修理の仕方は、先人の心のあり方が現れている・・・よくぞ残してくれた。」
「色使いが淡いのは鎌倉時代の特徴。時代が下るともっと表現がオーバーに・・・。」
「非常にエキゾチックで・・・。」「このカッパの頭が・・・。」

 かかかカッパ??!今、文字だけを読んでいる方には「?」だと思いますが、講演では出陳作品の拡大写真や、「○○寺にある類例」なども紹介され、とても分かりやすかったですよ。その後のギャラリートークでは、実物を目の前にして、皆さん『ほほぉ~なるほど』と感心しきり。「ほんまや!」の声を何度聞いたことか(笑)。とても熱心な参加者の皆さんに、講師も喜んでおりました♪
 今回の講演を聞き逃したという皆さん、或いはこのブログの内容がとても気になってしまった (!) という皆さん、答え合わせは是非会場で♪♪♪展示も分かりやすい!!

 最後に、講師が2回言った言葉を、ここにメモっておきましょうか。
 「ついに・・・
  ついに野洲でも、“快慶”一派の作品が
  見つかったか、 と・・・。」

彼は2回言いました(笑)。

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「花湖さんの打出のコヅチ」第6回 現地探訪 開催しました

 10月27日、ついにこの日を迎えました。滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」現地探訪です。少し曇り空が広がるものの雨が降ることはなく、ウォーキングをするにもちょうど良い気候となりました。今回は、野洲市歴史民俗博物館(銅鐸博物館)で開催されている地域連携企画展「近江湖南に華開く宗教文化 -野洲・守山の神と仏-に関連した探訪となっており、「野洲市御上神社とその周辺」 をテーマとして、定員いっぱいの40名の方たちと共に、御上神社と2つのお寺を訪ねました。

 集合場所の御上神社の大鳥居前には、すでに受付開始時間5分前ですが、数名の参加者が、集まってこられました。皆さん、本当にこの講座を楽しみにしておられるのが伝わってまいります。今回講師を務めたのは、第4回でも講師を務めた琵琶湖文化館の和澄浩介主任学芸員です。野洲の地域連携企画展の担当も務めていますので、展覧会についてもお話いただきます。

入母屋造りの本殿と蓮形の礎石

 旅の始まりとなる御上神社の歴史は古く、「古事記」や「日本霊異記」「延喜式」にも載っています。境内にある本殿は国宝に、拝殿・楼門・若宮社・三宮社は、それぞれ重要文化財になっています。本殿の屋根は、一般的な神社の造りの切妻造ではなく、仏教建築に使われる入母屋造になっており、礎石には蓮の形が刻まれています。蓮と言えば仏様が乗っているお花…まるで寺院のようです。「古文書ではなく現物そのものを通して神仏習合を知ることができる」貴重な神社です。

 御上神社を後にした打出のコヅチ隊は、三上山を眺みながら北へ歩き出します。のどかな住宅街を1km程歩くと、次の目的地西林寺さんに到着します。ご住職に案内され本堂の中へ…。

 こちらの本尊「阿弥陀三尊像」は、鎌倉時代の仏師快慶一派の作風が強いお像となっています。中尊の阿弥陀如来像は、野洲市歴史民俗博物館(銅鐸博物館)で開催されている地域連携企画展に展示されており、お寺では脇侍である観音菩薩像と勢至菩薩像を拝見させていただきました。両菩薩が、強い前傾姿勢をとっている形は、快慶の高弟・行快風の作品では滋賀県には他に例がなく貴重です。普段は見ることができない像を特別に間近で見られる機会…皆さん、じっくりと鑑賞していました。中には、もう一度列に並びなおし2回見ている方も…。そうですよね、、、コチラに向かってくるかのような前傾姿勢が圧倒的で思わず見入ってしいました。

 西林寺を出発し、次は三上山の方に1.5kmほど歩いて宝泉寺に向かいます。本尊「阿弥陀如来立像」は、平安時代後期の特徴があり、仏師の祖と呼ばれる定朝(じょうちょう)の作風を踏襲しています。1メートル弱くらいの阿弥陀如来立像で、温和な作風が平安時代後期の特徴をよくあらわしています。当初の光背は飛天光だった可能性があるそうですが、光背の附属と思われる宝泉寺の「飛天像」が展覧会に出展されています。ですが、実際見るとこの飛天は15cm程の像…この阿弥陀様には、大きいような…?講師のお話では「本尊と飛天像のサイズが合わないため、別の平安時代の阿弥陀像についていたのではないか」とのこと。なんと、、、別の阿弥陀様があったとは!その仏様、いったいどのようなお像だったのでしょう??…う~ん。気になってしまいます。

 西林寺と宝泉寺のお像は、展覧会を開催するにあたり調査をした結果分かったものなのだとか。和澄学芸員からは「県内には古い良い仏像があり、まだまだ評価されていないままの文化財がいっぱいある。皆さんにその良さを知ってもらいたい」との話をされました。聞いている方、感嘆の声を上げ大きく頷いておられたのが印象的でした。ココにいる皆さんに、まだ知られていない“ 仏像の良さ ”が伝わっているの事を感じました。探訪に参加された方のお言葉にも「貴重な仏像を見せていただいて嬉しかった」や「湖南にこの様な場所があることを知ることができた」などあり、初めて知る仏像やお寺に興味を持たれた様子です。

 多くの方にご参加いただいた、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」も、この現地探訪をもって、本年度は無事にすべて終了致しました。皆さんから「来年も参加したい」との嬉しい声もいただいております。来年も、皆さんに楽しんでいただけるよう、スタッフ一同頑張っていきたいと思います。

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続)大作戦!〔大トンボと琵琶湖文化館〕写真パネル展 開催決定!

 皆さま有り難うございました~~~!たくさんの素晴らしい写真をご投稿いただき有り難うございましたーーー!!!「記録に残そう大作戦!〔大トンボと琵琶湖文化館〕写真募集」のコトでございますよ、皆さん。8月25日にスタートし、募集を締め切った10/11までの48日間で、県内外から延べ84人の方からご投稿があり、結果195枚の“とっておき”写真が、我が手元に届いております!ご協力いただきました皆さまに、心から感謝申し上げます!

 ということで!告知していた通り、皆さまから届いた写真を「パネル展」で紹介します!日程と会場が決まりました=令和4年11/15(火)~11/30(水)会場は、大津市内の2会場です♪
ふらっと皆さんに立ち寄っていただきたい・・・との思いから、
 ①京阪びわこ浜大津駅のターミナルデッキ(屋根のあるとこ!)
 ②JR大津駅から近い滋賀県庁(2階渡り廊下)
の2会場です。投稿写真に加え、アーカイブの古写真なども紹介する予定です。  [※2会場で展示する内容は同じ写真 です。]

 この2ケ月ほど、皆さんの投稿写真をウェブサイトで紹介するため、セッセと作業を続けてきた事務局ですが、皆さんの思いの詰まった投稿に触れるたびに、こちらの気持ちも胸いっぱい♡。普段カメラを持ち慣れない事務局職員ですが、皆さんに影響されて「自分も撮りたい!」と、走り回ることになりました。トンボと文化館・・・今更ですがカッコイイ・・・ですよね?(笑)。いやぁこれ以上はないというくらい「文化館」たるものにどっぷりハマリました(笑)。なかなかない経験をさせていただきました♪

 気付けばそこにあった文化館・・・(えっ?!琵琶湖の上??!)
 日常の何気ない風景の中に存在していた屋根の上の大トンボ・・・(いったい何故?!)
 ・・・もはや何も気にならない(笑)。それが琵琶湖文化館!デス!

 ということで、あまり時間がない!既にホームページ上で投稿作品を紹介していますが、コレきっと・・・ズラッと一堂に写真が並ぶと、かなり見応えのあるパネル展になりますよ!
 当初の予想を上回る投稿の多さに、事務局としては嬉しい悲鳴を上げておりますが、このままパネル展まで突っ走ります!
 あ、タイトルを言い忘れてましたね~↙↙↙

タイトル: お月さまとチュッ♡
          (事務局撮影)

〔大トンボと琵琶湖文化館〕写真パネル展
~記録がつむぐ思い出写真~
【詳しくはコチラ】 http://www.biwakobunkakan.jp/kiroku.html

皆さん楽しみにしていて下さい!

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近江湖南で「華」開いてます・地域連携企画展

野洲市歴史民俗博物館

  皆さんちゃ~んとチェックしてますよね?琵琶湖文化館地域連携企画展!10/8より、野洲市歴史民俗博物館〔銅鐸博物館〕において「近江湖南に華開く宗教文化-野洲・守山の神と仏-」展が、はじまってますよ~華開いてますよ~♪

 この度の展覧会、野洲市と守山市さんとタッグを組んだ地域連携展となっていますが、なぜこの「くくり」なのかピンと来ない人も、もしかして多いですか?
・・・お隣りの市だから?・・・うーっ、確かにそれも正解!なのですが、もはや忘れそうな過去の事となっていますが、「旧野洲郡」と言えば『あ~なるほど!』とわかっていただけるのでは?!

  野洲川の下流域に位置する野洲郡は、現在の野洲市全域+守山市と近江八幡市の一部が含まれ、野洲川や琵琶湖がもたらす恵みと、水路・陸路における重要な拠点として栄え、早くから仏教や神道文化が根付いた地域でもありました。 本展を開催するにあたり、昨年から現地(出品社寺さま)での事前調査を重ねに重ねての今回のお披露目。当館の学芸員、調査から帰ってくるたびに「いやぁ凄い」「県内でもなかなかお目にかかれない・・・ですよ!」と、コーフン気味に語っていたコトが、昨日の事のように思い出されて涙が出マス(笑)。これぞ地域連携でございます!

  地元の学芸員さんや文化財保護課職員さん達との強力な協力体制(!)で挑んだ本展・・・実は評判がイイ♡。
 当館は(残念ながらSNSでの情報発信には手が及んでませんが)、ちゃんと皆さんの情報はチェック!しています。「こんな展示するみたい」「展覧会はじまったよ」「行ってみた」関係のツイートには、軒並み『いいね』の数が・・・多い!気がいたします!!

 皆さんこんな展示を待っておられたんだな~楽しみにされてるんだな~と、ニンマリしてしまう今日この頃です♪(笑)。    

 

 10月 29日(土)には、当館学芸員が語る講演会も行われます〔事前申込制〕。コロナも少し落ち着いて、お出掛けしやすくなりましたもの…ぜひ本展を行楽のおともに!いえいえ、目的のメインに据えて!(笑)、文化と自然が豊かな野洲の地へ、足をお運びください♪

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地域連携企画展いよいよ開催!

 今週土曜日(10/8)から、琵琶湖文化館地域連携企画展「近江湖南に華開く宗教文化-野洲・守山の神と仏-」が始まります。文化館では、展示する文化財を会場である銅鐸博物館さんまで運ぶため、梱包作業が行われました。今回はその様子を、学芸員さんたちの邪魔にならないように少しだけ覗かせていただきました。

 展覧会に出展される文化財の多くは、社寺からのお預かりものです。貴重な文化財を会場まで運ぶためには、より一層の注意を払わなければいけません。こちらでは、担当学芸員と梱包・運搬のプロの業者さんが、文化財の梱包の仕方を話し合っています。「このお像は表面が少し脆いので気を付けてください」との言葉を聞いて、早速段ボールを組み立て、中に和紙で包んだ綿布団を何重にも敷き、ふんわりと包み込むように寝かせていきます。「あれ、それじゃ、輸送中動いちゃうのでは⁉」と心配になっていると、、、すかさず、綿布団と多くの薄い和紙を使い、箱の中で動かないようにしっかりと梱包されました。さすがです。

 そして、こちらでは像高が約85cmの仏像が梱包されています。先ほどとは違う梱包方法です。仏像を動かないように運ぶため、専用の木枠が使われています。仏像が傷がつかないように、薄い和紙や綿布団をしっかりと当て、平紐を使い木枠に固定していきます。「緩衝材にきちんと当たっているか」「ココも固定しましょう」など、仏像が動かないよう、何度も確認をした後、段ボールの板で覆って梱包完了です。
 今回あらためて、梱包作業を近くで見学していると、それぞれの仏像(文化財)に応じた形で梱包していくプロのお仕事に驚くばかりでした。

 そして、すべてを梱包し終えたら、トラックに積み込みです。大切な文化財を運ぶため、作業は、声を掛け合って万全の体制で行われます。トラックの中でもしっかりと固定して、いざ、会場となる銅鐸博物館さんに向けて出発です。これから一カ月半、みんな!いってらっしゃい‼

  いかがです?普段は見る機会が無い展覧会準備の裏側。文化館の文化財がどのようにして会場へ運ばれているのか、ほんの少々分かっていただけました?
 地域連携企画展「近江湖南に華開く宗教文化-野洲・守山の神と仏-」 は、10月8日(土)から11月27日(日)まで、野洲市歴史民俗博物館(銅鐸博物館)で開催します 。期間中には、関連事業の講演会もあります(事前申込制)。どうぞ皆さま、ご期待下さい♪


←画像をクリックするとチラシ[PDF]がダウンロードできます

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感謝感激!写真募集☆経過報告

  皆さま、写真のご投稿、有り難うございますぅぅ♪ホントに嬉しいです!!

 記録に残そう大作戦!を始めて早1ケ月あまり。始まった当初は、「本当に来るかな?ちゃんと来るかな?」とドキドキ案じておりました・・・ところがどっこい!順調に枚数を重ね今や60点を超える投稿作品が集まっております!!感謝感激~☆☆☆彡

  実は迷いました。投稿の写真は「今秋実施予定の「大トンボ写真パネル展(仮)および当館HPで紹介します」とチラシに書いています。『じゃぁそのHPでの紹介はいつするの?』。パネル展より先にHPで披露してしまってもいいものか・・・悩みました。その時、神サマのひと声が・・・『写真を送った人はいつ紹介されるかとドキドキ待っているんじゃない?』・・・ですよね~。他の人がどのような写真を送っているのかも気になりますよね~。皆さんの力作と一緒に愛のこもったコメントも紹介して、この大作戦を盛り上げたい!!・・・そこから事務局の戦いは始まりました(笑)。

 日々メールで送られてくる「とっておきの写真」たち。いただいてからあまり日数が経つのも申し訳ない・・・更新は早めに・・・。なので現在、トップページの下段にある「更新情報」にはお知らせしておりません!きりがないので (笑) !「随時更新中!」です! みなさんチェックしてくださいね~♪

 いつもの文化館なら、HPを更新すると、歩道沿いにある掲示板にもすぐにその情報を貼り出すところ ・・・ではございますが、今回ばかりは敢えて掲示しておりません。その代わりに道行人々の目に留まるよう、(写真撮影の邪魔にならないよう)掲示板側面を使って、投稿を呼びかけております!そこまでする?! (笑)!この思い・・・伝われ!!

とある文房具屋さんの店先で

 この度の大作戦では地元地域の皆さんに大変おせわになっております。「お店にチラシ置いて貰うわ。壁に貼れるポスターもある?」と声をかけて下さった商店街連盟の皆さん、チラシは地元自治会の組回覧にも入れていただきました。そしてご近所にある地元密着の郵便局さんでも特別にポスターを掲示していただいております(ここの駐車場からも文化館がいい角度で見えるのです!)  
 おかげさまで、確実に地元の方からの投稿が確実に増えています。

街角で見かけたポスター

HPでは投稿いただいた方のお住まいは公表していませんが、遠くは北海道から、他にも神奈川県や京都、奈良からも当館を懐かしんだ投稿が寄せられています。
 9月の中秋の名月、大津港で花火が打ち上げられた日、カメラをスタンバイしていた人々にダメ元でチラシを配り、投稿をお願いしたところ、皆さん本当に写真を送ってくださいました。なんと嬉しかったことか!!
 それぞれに文化館に思いがあって撮っていただいた写真、当館にとっても宝物です。

 記録に残そう大作戦!〔大トンボと琵琶湖文化館〕も、後半戦に突入です!!まだまだ、皆さまから”粋”な投稿作品が届きますように・・・心よりお待ちいたしておりま~す♪

←9月の月夜、職員が撮影した奇跡の1枚 (⋈◍>◡<◍)。✧♡

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「しが地域文化遺産フェスin多賀」が開催されます

画像をクリックするとチラシをダウンロードできます
(外部リンク)

 文化館のホームページをご覧になっている方は、文化財について興味がある方が多いのではないでしょうか?そんな皆さんは「文化財保護法」というものがあるのをご存じですか?文化財の保護と活用を目的とした法律です。法律というと難しく考えてしまい、国や、行政だけのものと思ってしまいませんか?ですが文化財保護法の改正を背景に、県内では地域総がかりで地域文化遺産の保存・活用が進んでいるのです。そうした新しい時代の文化財保護についてわかりやすく情報を提供し、自治体はもちろん民間企業やボランティア活動団体なども積極的に参加して、楽しみながら地域の文化遺産を守る取組を知ることができる画期的なイベントが、10月8日(土)に 滋賀県・多賀町教育委員会主催で開催されます。その名も「しが地域文化遺産フェス in 多賀」。会場は、「打出のコヅチ」のサテライト会場としてもお世話になった、あけぼのパーク多賀さんです。

 このフェスは、地域文化遺産を核としたネットワークの形成に繋げ、賑わいを創出することで、歴史・文化を活用した継続的な活動への足がかりとすることを目的として開催されています。当日はトークセッションが行われ、世界遺産を目指す彦根城や文化遺産の保存修理などについて、幅広いテーマでお話を聞くとことができます。我らが文化館についても「新・琵琶湖文化館がめざすもの」というタイトルで、井上優副館長(滋賀県文化財保護課)がお話します。今まで、大津でお話する機会が多かったですが、湖東・湖北の皆さんにも、是非聞いていただきたい内容です。
 さらに会場では、一般参加者からの文化財に関する幅広い相談を受け付け、その場で簡単な調査やアドバイスを行うコーナーがあるようで、、、こちらは個人で文化財について相談ができる貴重な機会となっているのではないでしょうか。お家に文化財があって「相談したい!」と思っている方に必見のコーナーです。他にも、文化財の修理に関する体験や、戦国武将のサインを探すワークショップなど、文化財に関するイベントが盛りだくさん。文化財について、楽しく学べる場となっています。会場ではマルシェも開かれ子供から大人まで楽しめます。ご家族揃ってお出かけください。

 また、9/27から10/16まで、会場となるあけぼのパークさんでは文化財に関する展示もされています。滋賀県からは「新・文化館に向けて」のポスター展示や、屏風と仏像がどのように作られているのかわかる構造模型を展示しています。多賀に足を運ばれた際は、こちらも是非ご覧になってくださいね。

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日本一安心な

 このタイトルに似合わず(?!)、先日、文化館に衝撃が走りました・・・。それはナゼ??!

  それはですね~~文化館の立地にあります。湖岸に建つ我がお城:琵琶湖文化館。そのお向かいサンと言えば??そうです、滋賀県警察本部!その滋賀県警さんが、この度、衝撃のポスターを作成されました。 それがこちら!

おっと中心がずれてしました!滋賀県警さんにお邪魔した時、ついつい ゆるキャラの「けいたくん」が可愛かったもので、ついつい撮っちゃいました(笑)。 気を取り直して改めて

・・・本命はコチラッ!!
    ↓

 分かります?近代的な滋賀県警さんとレトロな我がお城:琵琶湖文化館の背後にウルトラセブンが!!
 このとっても気になるポスターは、秋の全国交通安全運動に合せて皆さんに交通安全を呼びかけるため、作成されたものなのだそうです。う~んそれは気にしないと!!

 もともと、交通事故と死傷者の減少を図る7つの対策:交通安全対策強化プラン「+7(プラス・セブン)」があり、それを広く県民の皆さんにも知って貰おうという狙いがあったのだとか。
 ポスターには「7つの方法で交通事故のない平和な滋賀県をみんなで目指そう」と大きく書かれていますね。
・・・7つの方法・・・プラス・セブン・・・ウルトラセブン・・・これはウマい!!発想がユニークですよね~・・・全く感心・・・してばかりではなく!大切なのは中身です!!
  ●道路横断時の交通事故に注意しよう。(ふむふむその通り!)
  ●飲酒運転をなくそう。(絶対やったらアカンやつ!)
  ●みんなで声を掛け合い交通事故をなくそう。(住みよい滋賀県に!!) などなど。
ポスターは各警察署や交番にも掲示されているそうです。皆さんも注目して見て下さいね。

 それにしても、警察本部さんとウルトラセブンに守られる琵琶湖文化館って・・・日本一安心・・・ですね!

 文化館でも「文化財を守る7つの必殺技」を・・・皆さんにわかりやすく伝えるために、何か方法を考えたい!!
・・・ムムっ・・・ライバル出現!

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「花湖さんの打出のコヅチ」第5回 開催しました

 9月も半ばを過ぎて朝夕は過ごしやすくなりましたが、日中はまだまだ暑い日が続きます。この日(9/15)も残暑が厳しい日となりましたが、そんな中86名の方が会場に足を運んでくださいました。滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第5回、今年度の座学の最終回です。

講師の田澤梓学芸員

 今回は、「琵琶湖文化館収蔵品にみる四季と年中行事」をテーマに、琵琶湖文化館の田澤梓学芸員が登壇しました。文化館の収蔵品には、四季や年中行事が描かれている作品が多くあります。作品に見られる季節の情景や描かれ方についてお話しました。

十二ヵ月図

 ホームページでも紹介されている「十二ヵ月図」 (月岡雪鼎筆)は、六曲一双の屏風の中に、ひと月ごとの歳時や風俗が描かれています。このような絵は「月次絵(つきなみえ)」とよばれ、平安時代ごろからやまと絵の主題として描かれてきました。当館の「十二ヵ月図屏風」は江戸時代の作ですが、古典に取材し平安時代の月次絵の要素を取り入れていることを、わかりやすく解説されました。

近江八景図

 次に紹介された「近江八景図」(吉田元陳筆)には、六曲一双の屏風に、粟津晴嵐、瀬田夕照、三井晩鐘、唐崎夜雨、矢橋帰帆、石山秋月、堅田落雁、比良暮雪の八景が描かれています。近江八景は、中国・湖南省にある洞庭湖の瀟湘八景の情景を近江にとり入れ、四季を追加したもの。皆さんご存知です?滋賀県と湖南省は、琵琶湖と洞庭湖のご縁がつながり、1983年から友好提携が結ばれているのですよ。講師からは「新しい文化館ができたら、近江八景と瀟湘八景、滋賀県と湖南省のつながりが分かる展示をしたい!」との野望が語られました。

 紹介された作品は、どちらも繊細に描かれていて「実物を見たい!」と思った方も、おられるハズ。そんな方に朗報です。今年度冬季に滋賀県立安土城考古博物館で開催される地域連携企画展「琵琶湖文化館収蔵品にみる四季」に、この二つの屏風が出展されます。来年の2月頃の開催のため、まだすこし先ですが、皆さんぜひ楽しみにしててくださいね。

 次回(10/27)は、いよいよ滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」の大トリ現地探訪となります。第4回で講師を務めた和澄学芸員を講師に、野洲市御上神社周辺を歩きます。こちらは、10月8日から始まる地域連携企画展「近江湖南に華開く宗教文化―野洲・守山の神と仏―」(会場:野洲市歴史民俗博物館)に関連した講座となっており、展覧会も合せてご覧になるとより楽しめます。ぜひ、コチラもよろしくお願いします。講座の申込みは、9月27日(火)午前8時30分より電話にて受付開始します。皆さんからのお申込みお待ちしております。

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「出張!お城 EXPO in 滋賀・びわ湖 2022」と武将カード

 みなさん、お城EXPOってご存じですか?お城EXPOは、お城好きの方々との交流を目的として毎年横浜にて開催される日本最大級のお城イベントです。実はそのお城 EXPOが・・・滋賀・甲賀市に「出張!」してきます!!

 滋賀で開催されるのは、今年で3回目。日程は9月18日(日)の1日のみ!会場となるのは甲賀市内の3会場〔あいこうか市民ホール、碧水ホール、甲賀市まちづくり活動センター「まるーむ」〕です。城のスペシャリストが登壇する「厳選プログラム」を初め、甲賀流忍術流派発祥の地である甲賀市ならではのオリジナル展示、お城をテーマとしたブース展示、子どもたちが遊べるお城型の巨大バルーンに屋外マルシェなど、盛りだくさんの催しが企画されています。

 さて、みなさん、本題は・コ・コ・か・ら・です。お城好きの方ならモチロン“武将”にも詳しいはずですよ・・・ね(?!)。それなら、会場の一つである甲賀市まちづくり活動センター「まるーむ」に注目ですよ~。滋賀県文化財保護課さんが出展されるワークショップでは、「近江ゆかりの武将カードガラポン抽選会」が行われます!

 はて?何故にワタクシ、ここまで「武将おし(推し)」なのか・・・ピンとくる方は?・・・ハイッ!!と手を挙げた方はかなりの「あきつブログ」マニア♥です。実は、8月10日付ブログの最後の方に、イラストで紹介しておりました、近江・滋賀にゆかりのある歴史上の登場人物たち。「この方たちの活躍の場は?」と前フリをしていたのですが・・・ ?

武将カード〔滋賀県作成〕

 なんとこの度!このイラストたちが「武将カード」になって皆さんのお手元に♥♥よもやよもや ・・・ビックリ!です(笑)。
 [表]にはイラストと人物紹介、[裏]には近江ゆかりの地が紹介されています。これは激レアです★★★

 た・だ・し・!今回のワークショップでは「ガラポン抽選会」となっています。お気に入りの武将がゲットできるかな?
 ガラポン抽選会への参加は無料ですが、出張!お城EXPOへの入場は有料です(小学生以下は無料)。詳しくは、「出張!お城 EXPO in 滋賀・びわ湖 2022」のウェブサイト、もしくは滋賀県文化財保護課(tel:077-528-4681)までお問い合わせください。

※全部のイラストが武将カードになったわけではありません。誰が抜けて誰が登場したのか、わかります?(コレはかなり難問です♪)

 お城EXPO?モ・チ・ロ・ン・文化館も参戦?!いえいえ、今回はチラシで参加です。会場には「記録に残そう大作戦!大トンボと琵琶湖文化館」のチラシを置いていただきます。みなさま、こちら「トンボのお城」にも是非注目してくださいね~~♪

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シャッターチャンスです

 記録に残そう大作戦!〔大トンボと琵琶湖文化館 〕事務局からのお知らせです。

 ・・・皆さま、この週末、タイヘンです・・・。と言うのも、10日(土)は中秋の名月なのでございます!気になる大津市のお天気は、″曇りのち晴れ″!もしかしてこれは満月に浮かぶ大トンボを撮影する、絶好の機会なのでは?!!

2020年撮影

 振り返れば、過去に何度もチャレンジしてきました・・・映画「E.T.」のポスターのような写真を、文化館のトンボで撮りたい・・・琵琶湖文化館職員の夢です。毎年「今年こそは」と意気込むものの、堪え性がなく、あきらめてしまったことが今になって悔やまれます。
  【過去の文化館写真集はコチラ
なので今年こそは何としても!!
 ただし夜間撮影の苦手な職員だけのシャッターだけでは心もとない・・・ ので 、ここは是非とも皆さんのお力が必要デス!中秋の満月と一緒に文化館を撮りませう!

 さ・ら・に・ですヨ!10(土)、11(日)は大津市のなぎさ公園おまつり広場で、「琵琶湖大津ビワコイ祭り2022」がおこなわれ、各日のフィナーレとして、湖上で花火が打ち上げられるようです!これは願ってもないチャンスです~。満月と文化館。花火と文化館。これは、撮影ポジションを決めるのに、右へ左へ忙しいことになりそうデス・・・♥。

 11日(日)のお天気は良さそうですよ~◎!皆さま是非、会心の1枚を、その貴重なお写真を、「大作戦!」にご投稿くださいませ~~~!

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大トンボと文化館 思い出写真 募集中!

 月日が経つのは早いもので、令和4年度も今日からもう下半期です。そんな中、実に衝撃的なニュースを皆さんにお伝えしなければなりません。

 我がお城:琵琶湖文化館の屋根の上には、羽根を広げた大きさが約3メートルにもなる大きなトンボのモニュメントがあります。昭和36年(1961)の開館以来、当館と共にあった大トンボですが、設置から60年以上が経過し、経年による劣化のため安全に支障をきたす恐れがあることから、この度、10月以降に予定している屋根および避雷針の改修工事に併せて取り外すこととなりました。

 琵琶湖文化館と言えば「トンボのお城」で通じるくらい、地域の皆さんに親しまれてきたシンボル的存在の大トンボ。屋根からいなくなってしまうのは大変寂しいことではございますが、一旦当館での役目を終えて、しばし羽根を休めさせていただきます。

 ということで、改修工事までの残りわずかな期間ではございますが、当館と共にある大トンボの雄姿を、末永く記録として残すため、皆さんから写真を募集することにいたしました。名付けて!「記録に残そう大作戦!〔大トンボと琵琶湖文化館〕」です!

 幼い頃に文化館へ行った思い出の写真や、湖岸の風景とともに撮影した写真、お散歩中にスマートフォンで何気なく撮ってみたちょっと気になる写真など、「琵琶湖文化館が写っている写真」であればOKです。特に昭和36~40年代の カラー 写真(トンボが金色に輝いていた!) をお持ちの方、是非ご一報ください。皆さんのお家にもきっとあるはず!この機会に、昔のアルバムを引っ張り出して懐かしく写真を眺めるのも楽しい時間となるハズです!

 是非、思い出の写真とエピソードと共に、文化館にお送りください。写真は、白黒・カラー、昔のもの、最近のもの、新旧問わず幅広く募集しております。応募期間は、10月11日(火)まで。皆さまふるってご応募ください!(応募に関する詳しいことはコチラ

  この度のニュースは、「大トンボよどこへ・・・」といった内容で一部報道機関でも取り上げられました。それだけ私たちにとって、皆さんにとって、注目に値する身近な話題であったのだと、心に刻んでおります。撤去した大トンボは(仮称)新・琵琶湖文化館開設まで、現在の文化館内で保管し、開設後の取り扱いについては、検討の上決定してまいります。

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県民フォーラムⅡ「みんなで考える新しい文化館の展覧会」開催しました

 8月24日は文化館関係者にとって大事な1日となりました。この日、会場にお越しいただいたのは(仮称)新・琵琶湖文化館に関する県民フォーラムⅡ「みんなで考える 新しい文化館の展覧会」に参加申込みいただいた皆さん。昨年11月に「新しい文化館を考える」と題した県民フォーラムを実施しましたが、今回は“展覧会活動”に焦点を当てた企画です。会場のほかにオンライン配信も行い、こちらにも会場の参加者を超える人数のご参加があり、文化館の未来について、多くの方が関心を寄せていると実感しました。

 講演では、当館ОBでもある髙梨純次氏より、「新しい文化館の展覧会活動に期待すること」というタイトルでお話しいただきました。新しい文化館の展覧会活動で留意してほしい点として、「文化財の現地保存主義」「学術的に評価される質の高さ」「展覧会を保管してゆく企画」を挙げられ、他にも「堅実な質の高い展覧会」「学校教育との関係」などが語られました。会場参加の皆さんの真剣に耳を傾けておられる姿に、新文化館への期待が感じられました。

 パネルディスカッションでは、髙梨氏をファシリテーターとして、観音ガールとして活躍されている對馬佳菜子氏をコメンテーターにお迎えし、「展覧会企画案プレゼンテーション」を実施。県文化財保護課と文化館学芸員の4名が、展覧会の企画を発表しました。

井上優氏

 県の井上優課長補佐(琵琶湖文化館副館長)は、最澄や中江藤樹など未来を見つめた近江の人物にスポットをあて、歴史を知りながら滋賀の未来を展望する案や、地域文化財に関する取組を可視化した展覧会による、地域に根差した新しい博物館像を語られました。
 当日不在のため動画出演の古川史隆副主幹(琵琶湖文化館兼務)からは、「近江 梵鐘めぐり」と題した展覧会が提案され、梵鐘の造形や制作に関わった人、海外との交流を学び、更には来館者が梵鐘のある社寺に足を運ぶきっかけを提供。文化観光の拠点ビジターセンターとしての施設像が紹介されました。

左:田澤梓氏 右:和澄浩介氏

 文化館の和澄浩介主任学芸員は、風景写真や音を使うことで作品が伝わった土地や文化財を守り伝えている地域の人を感じられる、新しい展示手法を通じた来館者と地域・地域の人をつなぐ展覧会を提案されました。
 田澤梓学芸員からは、世界に数多くある「近江の文化財」の里帰り展示を通して、県内や国内外の近江の文化財をつなぐネットワークづくりの考えや、文化財を継承していくことを目的に、子どもが文化財に親しめるワークシートなどの提案がありました。

 コメンテーターの對馬氏からは、どの案も「歴史」だけでなく「アート」「デザイン」「まちづくり」などに関心がある人にも響くような展覧会になるとの意見があり、展覧会には「知識ベースで楽しめる人」もいるが「知識がない人」のために感性を呼び起こす仕掛けも必要であるとお話しされました。知識を持って展示作品を鑑賞することだけではなく、その作品に関連した音を流すことや、日本の博物館施設では禁止されていることが多い「作品の模写」により、対象物を隅々まで鑑賞する工夫など。。。“観る”ことに捉われない展示企画は、多くの人が楽しめるのではと期待が高まりました。

 終了後のアンケートには、「近江の歴史を未来に活かす展覧会が楽しみ」「視覚的だけではなく“音”という角度から展示する可能性もあるかと思った」「近江の特別な歴史的価値がわかる企画をしてほしい」など感想をいただきました。また、「展示の見せ方も時代に反映した対応が必要」「文化財の由来や地域との関わり、役目などをより一般人の興味を引く形で展示できるような仕組みが重要」「現物とホログラム・VRなどデジタル技術の融合で他館との差別化ができれば良い」などなど、参加者さんからの提案もあり、中にはアンケートの枠に入りきらないほどご意見を書いて下さり、皆さんが新しい琵琶湖文化館に大きな期待を持たれているのが伝わりました。

 今回も、貴重な意見をいただける機会を設けられたこと、心より感謝します。これからも皆さまからご協力いただき、共に新しい文化館をつくっていけたらと思いますので、よろしくお願いします。

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打出のコヅチ第4回 番外編 ~ご質問にお答えします~

 滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」に参加してくださったから、アンケートを通してご質問を頂くことがあります。第2回第3回に引き続き、第4回でも質問をいただきました。熱心な聴講生からのご質問。今回も早々に、講師を務めた和澄浩介学芸員に答えていただいたので、皆さんにもご紹介していきたいと思います。

 (質問①)敏満寺区の銅造大日如来像は慶派の作風が見受けられる
      とのことだが、慶派の金銅仏の作例はあるの?

  テーマとなった「敏満寺区の銅造大日如来像」は、ブログでも紹介したとおり、慶派の作風が見られるそうです。慶派で代表的な仏師・運慶や快慶は、東大寺南大門の金剛力士立像などが有名です。確かに木造の仏像が多い印象があります。 他にも金銅製の仏像はあるのでしょうか?さて、その答えは…?

 そもそも鎌倉時代の金銅仏は数が少ないですが、鎌倉時代前半までで慶派がかかわったと考えられている著名な像は以下のようなものがあります。

○法隆寺(奈良) 阿弥陀如来・観音菩薩像 重文
 法隆寺金堂西の間に安置されています。運慶の四男康勝が原型を造り、貞永元年(1232)
 に完成したことが光背銘文からわかります。常時拝観可能です。

○寿福寺(神奈川) 薬師如来坐像 重文
 銘文はありませんが、建暦元年(1211)に北条政子が子の源実朝の病気平癒を願って鶴
 岡八幡宮に安置した像であると考えられています。寄託先の鎌倉国宝館で展示されること
 があります。

○大報恩寺(京都) 誕生釈迦仏立像 重文
 大報恩寺には快慶の高弟行快が造った本尊釈迦如来、快慶と行快が造った十大弟子、慶
 派の有力仏師定慶が造った六観音がのこされています。この誕生仏も行快の作風が顕著で
 す。大報恩寺霊宝館で常時拝観可能です。

 やはり多くの仏像を作った仏師の系統です。少ないとはいえ、金銅仏はあるようです。ご紹介いただいた仏像は拝観可能なものも多く、ぜひとも慶派の金銅仏見てみたいです。さらには、このような質問も…

 (質問②)大仏殿様四天王が造り継がれてきたのは、図像(見本)があったから?

スクリーンに映る四天王像

 こちらは、講座内で紹介された「多賀町内の重源ゆかりの文化財」で、多賀大社から町内の真如寺に移された四天王像が、東大寺大仏殿の四天王に特有の形式(大仏殿様)であるという事が語られました。真如寺の四天王像は、江戸時代もので、東大寺大仏殿の四天王像よりも大分後になってから作られています。時代が違っても、大仏殿様がつくられたのは、やはり見本があるからなのでしょうか??さて、その答えは…

 大仏殿四天王像のような由緒正しい仏像や霊験あらたかな仏像は図像が描かれ、後世にその形が伝わっていきます。残念ながら大仏殿様四天王像を描いた古い図像は現存していませんが、醍醐寺(京都)所蔵の弘安7年(1284)の年紀を有する「東大寺大仏殿図」という絵図に文字で四天王の姿が詳細に記されており、これが運慶たちが再興した大仏殿様四天王像が注目されるきっかけになりました。
 なお図像があっても、まったく同じように写すわけではなく、時代やその時の状況を反映して変更を加えることがあります。運慶たちが再興した大仏殿四天王像も、焼失する前の姿からは若干変更を加えていたことが指摘されています。

 やはり、見本となるものがあったのですね。時代を反映して、変更を加ても形をしっかりと受け継いでいくなんて…各時代の仏師たちのすごさも伝わります。

  いかがでしたか?前回のブログでご紹介できなかった大仏殿様の四天王像などのお話しも含め、打出のコヅチ第4回をより深く知るきっかけとなりましたでしょうか。皆さんの知識欲のおかげで、仏像について詳しく学べる場となりました。これを機会に皆さま色々な仏像を見比べてみてはいかがでしょうか。

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「花湖さんの打出のコヅチ」第4回 開催しました

 8/18の大津市は前日夜から朝にかけて大雨が降りましたが、お昼には大雨がウソだったかのように晴れてきました。そんな中、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第4回を開催。93名の方が会場に足を運んでくださいました。

講師の和澄浩介学芸員

 今年度の文化財講座も後半戦。今回は「敏満寺区の銅造大日如来像と多賀町の文化財-令和3年度滋賀県新指定文化財紹介②-」と題し、琵琶湖文化館の和澄浩介主任学芸員が登壇。 昨年、新たに滋賀県指定文化財となった多賀町敏満寺区に所蔵の「銅造大日如来坐像」を中心にお話ししました。
 敏満寺は、10世紀頃に創建されたとされ、鎌倉時代以降に栄えたそうですが、浅井長政・織田信長に焼かれ消失し廃寺となり、現在は地名としてのみ残っています。鎌倉時代初期に作られたこの像は、運慶・快慶をはじめとした平安時代末期から鎌倉時代初期の慶派の作風を取り入れているのだとか。運慶・快慶といえば、奈良・東大寺の仏像で有名です。講座では何故、奈良から離れた多賀の地に、ほぼ同時期の慶派の仏像があるのかが語られました。

  「何故、慶派の仏像が多賀にあるのか?」 その秘密は、平家の焼き討ちで焼亡した東大寺の復興を担い、慶派を重用した僧侶・俊乗房重源(しゅんじょうぼうちょうげん)にあります。重源が行った作善(さぜん:善行)のリスト『南無阿弥陀仏作善集』には、重源が造立した仏像や創建・再興した寺院などが列記され、そこには敏満寺も記載されています。敏満寺の宝物を引き継いだ胡宮神社には、重源が敏満寺に施入した五輪塔とその寄進状が残っており、重要文化財に指定されています。また重源が敏満寺に送った書状も残っており、こちらには「東大寺東塔の再興供養に際して、敏満寺から法華経を読む童子を出す」よう要請する内容なのだとか。。。このことからも、敏満寺と重源には強い関わりがあったことがわかります。更に重源は、延命長寿を願って多賀大社に祈願したと伝わっており、多賀町内には重源ゆかりの文化財があるそうです。アンケートでは、「重源と胡宮神社の関係を初めて知った」「大日如来像だけでなく重源に興味を持ちました」「多賀に行きたくなった」との嬉しい感想をいただきました。一つの小さな仏像の形から東大寺や重源との関わりを知る、目からウロコのお話しに皆さん熱心にお話しを聞かれていました。あっという間の1時間30分となり、講座終了後には大きな拍手を頂きました。皆さん本当にありがとうございました。

 次回は、いよいよ 滋賀の文化財講座では最後の座学となります。第5回「琵琶湖文化館収蔵品にみる四季と年中行事」は、現在講座受付中です。それでは皆さま、また次回の講座でお待ちしております!!

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8月24日 県民フォーラムⅡ「みんなで考える新しい文化館の展覧会」開催!

  皆さま、8月24日(水)14:00からのご予定は?もうチェックして下さってますよね? 来る日、当館にとってとても大切な日。それは、(仮称)新・琵琶湖文化館に関する県民フォーラムⅡ「みんなで考える新しい文化館の展覧会」を、会場:コラボしが21において開催する日なのです~。

 前回(県民フォーラムⅠ)では、新しい文化館の役割や活動内容について、様々な角度からご意見をいただいたところです。

  今回のフォーラムは、タイトルを読んで字のごとく、「新しい文化館の展覧会」について皆さんからもご提案をいただく、前回より更に一歩踏み込んだ内容となっています。

 先ずはこちら学芸員の野望と言いましょうか、「こんな展示をしたい!」というところを発表させていただき、皆さまから「こんな展示を見てみたい!」という希望的ご意見も頂戴する、ドキドキ企画です♪

  思いは「新しい文化館をより良きものにしたい!」それに尽きます。皆さまと一緒に考え、期待を形に、より具体的なものにしていく。未来にはばたく夢のフォーラムとなりますよう、皆さまの知恵と力をお貸しください!ご参加、お待ちいたしております!

 聴講は無料ですが、事前に申込みが必要です。なお今回は、会場参加のほかに、オンライン配信(zoomウェビナー)での参加も可能となっていますので、、ご自宅でも聴講・参加していただくことが出来ます。

  〔しがネット受付サービス【会場参加】〕    もしくは

  〔しがネット受付サービス【オンライン配信】〕 からお申し込みください。

詳しくは、滋賀県文化財保護課
  【電話077-528-4681 FAX077-528-4833 メールbunkatsu@pref.shiga.lg.jp】
までお問い合わせください。

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ただいまお里帰り中!浅井長政像 [地元長浜で展示公開]

 今年の夏は、湖北がアツイ!!それは何故かって尋ねます?それは今年(令和4年)が、湖北の名将:浅井長政公の没後450回忌にあたり、長浜3館〔長浜城歴史博物館・浅井歴史民俗資料館・小谷城戦国歴史資料館〕で特別展 (~9/5まで) が開催されているから・なのです~~。
 これに合せて、当館が小谷城址保勝会さまよりお預かりしている浅井長政公の肖像画も、現在お里帰り中~小谷城戦国歴史資料館にて絶賛公開中デス!!

 戦国時代、北近江(現長浜市・米原市域)を統括し繁栄に導いた浅井氏三代(亮政・久政・長政)。中でも浅井家最後の当主となった長政は、地元のみならず、全国的にもとても人気のある戦国大名です。
【滋賀県民は「浅井長政」が「織田信長」並みに有名であると信じて疑わない・・・という説もあります(笑)。】
 歴史好きにはたまらない(?!)、アツイ湖北の夏を要チェック!!3館同時開催の特別展ですので共通チケットも用意されていて、おトクに会場を訪れることができます。

【長浜城歴史博物館 】
浅井三代に関する資料や、長政の長女茶々(のちの淀殿)が、父・長政の菩提を弔うために建立した京都の養源院に伝わる貴重な宝物を展示。
〔長浜・浄信寺所蔵/文化館寄託:東王父西王母図(県指定 海北友松筆 6曲1双)も公開中!〕    
 

【浅井歴史民俗資料館】
織田信長・徳川家康の連合軍と、浅井長政・朝倉義景の連合軍が激突した「姉川の合戦」を知りたければココ!
小谷城落城後、浅井三姉妹が隠れたと伝わる実宰院をはじめ、北近江の寺社に伝わる浅井三代に関係する資料や宝物を展示。  
 

【小谷城戦国歴史資料館 】
三代にわたり浅井氏の居城となった小谷城。信長も攻めあぐねた強大賢固な山城のことを知りたければココ!
小谷城下にあった寺院に伝わる寺宝や様々な資料を特別公開!
〔小谷城址保勝会所蔵/文化館寄託:浅井長政像(県指定 1幅)を公開中!〕  

 各会場には、滋賀のほかに、県外ナンバーの車もチラホラと・・・福井、岐阜、尾張小牧、三河、三重、大阪、なにわ・・・むむむ、敵情視察か?!

 いやぁ、アツイ・・・戦国がアツイ!実はワタクシ的に、理由がございまして・・・。というのも、最近たまたま、芳文社コミックスの『信長のシェフ』という漫画にドハマリいたしまして・・・ご存じです?(ドラマにもなってましたね。)現代の料理人が戦国時代にタイムスリップするという奇想天外なお話なのですが、これがまたよく出来たストーリー展開・・・漫画とは思えないリアルさ!なのです!!実はその影響・・・えへへ。
 浅井長政は3巻あたりから登場し、衝撃のラストは・・・おっとこれは、読んでのお楽しみ!とても魅力的に描かれています。歴史を勉強する学生さんにもオススメの漫画です(現在~32巻まで発刊:まだまだ続きそうな予感・・・!!)。

 当館に浅井長政公の肖像画をご寄託いただいているご縁で、ワタクシもかなり勉強いたしました。特に近江・滋賀にゆかりのある歴史上の登場人物については、ご覧の通りのマニアぶり↓(笑)。この方たちの活躍の場は? それも・ お楽しみに!・・・デス♪

筆:あきつ

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2022夏/滋賀でちょこっとテンション上げる↑↑

 学生の皆さんは現在夏休みの真っ盛り?大人は一所懸命・働いてますよぉ~。ということで!大人にも気分転換は必要!今日は、夏の滋賀で繰り広げられた「これな~んだ?」の、ちょこっとテンション上がる風景をご紹介します。

  先ずはコチラ。琵琶湖にナゾの要塞が出現してます!湖上に建つ当館以外にも、こんなモノが琵琶湖に出現ッ?場所は湖東:彦根市の松原水泳場。ピンときた人もいるでしょう。

  実はこれ、毎年、琵琶湖を舞台に熱い戦いが繰り広げられる「鳥人間コンテスト」(放送:読〇テレビ)のステージ、その成れの果て・・・デス。


 残念ながら本戦は7月23日と24日に終わっているので、滑走路(?)も取り外され、さながら「兵どもが夢の跡・・・」状態。それでも、何故かテンションが上がる、湖岸の風景でございました(撮影8月2日)。

  次に紹介するのは、田園に点々と並ぶ車の列・・・さて何でしょう?まるで映画の「フィールド・オブ・ドリームス」のような(あれ?わかる人少ない?)。車から降りて、皆さん同じ方向を向いておいでです。↓

 撮影は8月7日、場所は湖西:高島市。ピンときた人もいるでしょう。実はこれ、航空自衛隊「ブルーインパルス」の飛行を、今か今かと待ちわびる人たちの車の列です。[※メイン会場は今津総合運動公園でしたが、渋滞を避けるべく、隣りの新旭町に陣取りました(笑) ] そして午後1時半、6機の機体が青空に・・・!

  滋賀での飛行は、2017年の彦根市以来2回目。近づくエンジン音の「先の先」を見ないと機体が見つけられません!早!(笑)。この「来るぞ来るぞ」の高揚感は、子どもたちだけでなく、大人も存分に楽しめました♪


 
 この日、当初の予測3万人を上回る約11万人の来場があったのだとか。帰りの国道は、案の定の大渋滞が発生そうです・・・やはり!
 皆さん無事家にたどり着けましたか?気分転換できました?大変お疲れさまでした !  

  われらが「あきつブログ」、今日ご紹介した2件を何とか「文化財」に絡めて書こう・・・としたのですが、結果無理でした(笑)。そんな日もあっていいかな?あきつブログ♪

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打出のコヅチ第3回 番外編 ~ご質問にお答えします~

 前回「第2回」の講座ブログでも紹介しました「打出のコヅチ番外編」!ご好評につき「第3回」についても、皆さんのアンケートに書かれた質問について、この場を借りてお答えすることといたしましょう♪「番外編」を楽しみにして下さっている受講者もいらっしゃるようです。「しっかりお答えせねば」と今回も力が入ります。いただいた質問について、講師を務められた矢田直樹氏にお尋ねましたので、皆さんにもご紹介したいと思います。

 (質問①)修理・新調を請け負う業者は、ほとんど滋賀県内にあるのですか?

 講座では曳山の修理について、滋賀県文化財保護課制作の「近江の曳山祭と曳山修理~祭りを支える技~」の映像を視聴しました。総合文化財と言われる山車の各部分を修理する職人さん達の姿が紹介されていましたね。木材で出来た車輪は木工職人、塗装には漆塗りの職人、飾り金具には彫金の職人、幕を織る職人と、様々な職人さんが関わっておられます。

You Tube「近江の曳山祭と曳山修理~祭りを支える技~」より

 動画で紹介された大津祭の曳山の一つ「月宮殿山(げっきゅうでんざん)」の前懸幕については、京都の株式会社龍村美術織物さんが手掛けられ、古い幕を織られた当時に近い状態で再現する“復元新調”が、滋賀県守山市の工場で行われました。幕など織物関係は、京都の会社が修理することが多いそうですが、一方で、滋賀県の文化財保存技術として、「曳山漆工品修理」や「曳山車輪鉄輪修理」が選定されていることから、漆塗りや、車輪の補強で付いている鉄輪の修理などは、県内の職人さんが担当されています。

 県内にはこうした曳山の修理や復元新調する技術を持つ職人さんが少なくなっているのが現状です。山車に使われる飾り金具は、これまで長浜の職人さんにお願いすることが多かったのですが、 先般お亡くなりになられたので、今後どうしていくか課題となっています。さらに車輪の復元新調は、県内の職人さんだけでなく、岐阜県高山市の職人さんにお願いすることもあるそうです。車輪を修理したり作ることができる職人さんが少なくなっているのが現状です。メンテナンスのことを考えると、近くに職人さんがいると安心なのですが、曳山の修理だけでは生計が成り立たないという事情もあります。矢田氏が仰るには「保存修理を通して、県内を中心に、伝統の技術を持つ職人さんの技術継承や後継者の育成を図っていきたい 」とのこと。 伝統を守ることが、一朝一夕ではかなわない時間のかかる、大変なことだとヒシヒシと伝わります。

 (質問②)祇園祭の山鉾と近江の曳山は、作りに大きいな違いがあるのですか?

 今年3年振りに、山鉾巡行が行われた京都・祇園祭。ニュースで数々の山鉾をご覧になった方も多いのではないでしょうか。絢爛豪華な山鉾が圧巻でしたよね。ご質問は「“祇園祭”と“近江の曳山”との違い」についてですが、“近江の曳山”とひとことで言っても、大津祭や長浜曳山祭、日野祭、水口祭、米原曳山祭と、県内には様々な曳山祭があります。それぞれに個性があり、同じものはありません。

 例えば、長浜や米原の曳山には歌舞伎舞台があり、祇園祭の山鉾とは大きく異なります。山車の車輪にも違いがあり、 祇園祭の山鉾が四輪であるのに対して大津祭は三輪です。また、大津や日野や水口は、祇園祭の山鉾のように御所車の形ですが、米原と長浜の曳山は、直径90cmはある大きな丸太を使った車輪です。同じ県内の曳山でもここまで違うとは…!

 今回上げた例は、ほんの一部です。皆さんもそれぞれの曳山の違い見つけてみてくださいね。

 さて今回、アンケート通して、より深く民俗文化財のことを知ることができました。ブログスペースの関係上、全てのご質問にお答えすることは出来ませんが、この「番外編」をきっかけに、皆さんの興味の幅が広がればいいな~と思っています♪

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夏の勉強会 電気講習会を受けて

 暑い日が続きます。皆さん体調を崩していませんか?この時期、毎年言われるのが“熱中症対策 ”です。水分・塩分補給は当然ですが、ここ数年よく耳にするのが「適度にエアコンを使用すること」ではないでしょうか。電化製品も熱中症対策に使われるほど、私たちの暮らしに当たり前になっている電気。 皆さんは電気の事をどれくらい知っていますか?あえて考えない方も多いのでは? かく言う私も…ですが、先日電気について勉強できる機会をいただき、関西電気保安協会主催の「電気講習会(入門編)」を受講してきました。

 最初の講習会テーマは、「設備更新による省エネルギーについて」です。最近のニュースでも電力不足について取り上げられており、環境問題の他にも“省エネ”について考える機会が増えました。「使っていない電気をこまめに消す」など簡単にできるものもありますが、今回は、設備更新による省エネ方法です。特に空調設備は古い機器を更新するのが最も効果的なのだとか。産業用空調機の寿命は15~20年となっており、15年以上前の空調機を最新式に更新すると約30%以上の省エネ効果が得られるそうです。更には、長く使っていると摩耗故障が頻繁に起こり、修理にもお金がかかります。「古いものを直して使う」という行為はすばらしいですが、省エネを考えると必ずしも良い事だけではないようです。ただ、電気の使用を最小限に抑えることが“省エネ”と思っていたので、意外な内容に目からウロコの思いで話を聞いていました。

 後半は「電気事故」についてのお話でした。文化館で使用している電気は、高圧電力で、施設内に大きな電気室があり、受電設備の周りはフェンスで囲まれています。講座で紹介された事故事例は、この高圧受電設備において、機器の品番をスマートフォンのカメラで撮影しようとし誤って電路に接触し、感電事故になったケースです。何気ない油断が重大事故につながります。改めて電気の恐さを知り、専門家である電気主任技師さんと連携しながら、しっかりと保守管理をしていかねばと気を引き締めました。

コンセントは正しく接続しましょう

 また、感電事故は職場だけとは限りません。暗い場所でコンセントプラグの接続を行ったりしていませんか?誤った接続をしてしまい感電事故につながる恐れがあります。プラグの抜き差しは、普段から行う慣れた動作であるため、安易にしてしまいがちです。ご家庭でも注意して下さいね。他にも、経年劣化した古い機器の漏電など、身近な電気の危険が事例として取り上げられていました。家庭の電気は「“低圧”という言葉で油断しがち」なのだそうです。電気を正しく使うことの大切さを感じました。

 電気はあって当たり前ですが、その使い方を間違えれば危険なものであることを忘れてはいけませんね。夏になって電気を使う事が多くなってきました。皆さんも、古い機器の点検や、電気の使い方を今一度考え直してみませんか。

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「花湖さんの打出のコヅチ」第3回 開催しました

 ここ最近はまるで梅雨に戻ったかのような雨続きでしたが 、この日は晴れてくれました!7月21日(木)、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第3回の開催日です。講座メイン会場には、開催を心待ちにした 92名の方がお越しくださいました。

講師の矢田直樹氏

 今回講師にお迎えしたのは、県文化財保護課の矢田直樹氏です。 おやおやこれは・・・なんてステキ な青のハッピ姿でのご登壇です♡ オトコマエ度が一層上がっております↑ (笑)!何を隠そうこの方、「県下随一のお祭りオトコ」と言っても過言ではない?!どんなお話が聞けることやら・・・とても楽しみです♪
 
 講座のテーマは「民俗文化財の保存修理」です。文化財保護法によると「民俗文化財」とは、衣食住、生業、信仰、年中行事に関する風俗習慣、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で、我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないものとされています。身近なものであればこそ、民俗文化財を継承していくための保存修理が大変重要となります。今回の講座はそんなお話です。

 保存修理の一例として、日野町にある馬見岡綿向神社の「祭礼渡御図絵馬(県指定)」について紹介されました。(※皆さん覚えていらっしゃいますか?平成30年度の打出のコヅチで紹介した“あの” 絵馬です。)
 約200年前に描かれた絵馬は、にかわの接着力が弱まったことで絵の具の剥落が見られ、修理にはにかわを挿して接着力を戻すという作業が行われました。縦206cm横422cmもある大きな絵馬を修理するのはとても大変で、剥落止めの作業だけでも一年かかったのだとか・・・調査も含めると2年の歳月をかけた大事業であったとのことです。
 修理完了後は、神社の建物などで保管することも考えられましたが、地域の繁栄を願って奉納された絵馬であるため、「地元の人達に見てもらうのが一番!」と、以前と同じように境内の絵馬殿に掲げられたそうです。とてもいいお話・・・心にグッときます。ヨッ!これぞ民俗文化財!!皆さんも文化財の在り方を考える、良いきっかけになったのではないでしょうか。

 また、近江の無形民俗文化財には曳山祭があります。祭りに使用される山車には、本体を造る建築・木工、塗装の漆工、飾り金具などの金工、幕の染織など様々な技法が用いられています。山車によっては、からくり人形の仕掛けがあったりもしますよね。講師のお話の中で「山車は“山 ”ひとつで、多様な工芸技術がある総合文化財」と言っておられたのがとても印象的でした。何だかとても日本人の魂に“響く”言葉だと思いませんか?
 後半では曳山の修理について、とてもよく分かる映像が紹介されました。 各分野の職人さん達が持てる技術を駆使して作業される姿や、文化財修理に対する熱い思いが伝わる映像です。こちらは滋賀県文化財保護課You Tubeチャンネルの「近江の曳山祭と曳山修理 祭りを支える技」で、ご覧いただく事ができますので、皆さんも是非チェックしてくださいね♪ 【ここまで曳山祭に特化した番組は全国でもとても珍しい、貴重映像が満載です!!】


 受講者の中には、曳山祭に直接関わっておられる方も参加されていたようで、「修理の様子は見ることができないので映像で見れて良かった」とのお声も寄せられました。

 民俗文化財には、少子高齢化や人口流出や、資金・原材料確保や修理技術の継承など、様々な課題があるそうです。使い続ける文化財として、また多様な素材や技術が使われている文化財を修理をすることで、民俗文化財としての価値を守りつつ、次世代に引き継ぐことになります。身近にある地域の文化を長く守り続けていく大変さと大切さを知る講義となりました。 ワッショイ!!

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