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「花湖さんの打出のコヅチ」第3回 開催しました

 ここ最近はまるで梅雨に戻ったかのような雨続きでしたが 、この日は晴れてくれました!7月21日(木)、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第3回の開催日です。講座メイン会場には、開催を心待ちにした 92名の方がお越しくださいました。

講師の矢田直樹氏

 今回講師にお迎えしたのは、県文化財保護課の矢田直樹氏です。 おやおやこれは・・・なんてステキ な青のハッピ姿でのご登壇です♡ オトコマエ度が一層上がっております↑ (笑)!何を隠そうこの方、「県下随一のお祭りオトコ」と言っても過言ではない?!どんなお話が聞けることやら・・・とても楽しみです♪
 
 講座のテーマは「民俗文化財の保存修理」です。文化財保護法によると「民俗文化財」とは、衣食住、生業、信仰、年中行事に関する風俗習慣、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で、我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないものとされています。身近なものであればこそ、民俗文化財を継承していくための保存修理が大変重要となります。今回の講座はそんなお話です。

 保存修理の一例として、日野町にある馬見岡綿向神社の「祭礼渡御図絵馬(県指定)」について紹介されました。(※皆さん覚えていらっしゃいますか?平成30年度の打出のコヅチで紹介した“あの” 絵馬です。)
 約200年前に描かれた絵馬は、にかわの接着力が弱まったことで絵の具の剥落が見られ、修理にはにかわを挿して接着力を戻すという作業が行われました。縦206cm横422cmもある大きな絵馬を修理するのはとても大変で、剥落止めの作業だけでも一年かかったのだとか・・・調査も含めると2年の歳月をかけた大事業であったとのことです。
 修理完了後は、神社の建物などで保管することも考えられましたが、地域の繁栄を願って奉納された絵馬であるため、「地元の人達に見てもらうのが一番!」と、以前と同じように境内の絵馬殿に掲げられたそうです。とてもいいお話・・・心にグッときます。ヨッ!これぞ民俗文化財!!皆さんも文化財の在り方を考える、良いきっかけになったのではないでしょうか。

 また、近江の無形民俗文化財には曳山祭があります。祭りに使用される山車には、本体を造る建築・木工、塗装の漆工、飾り金具などの金工、幕の染織など様々な技法が用いられています。山車によっては、からくり人形の仕掛けがあったりもしますよね。講師のお話の中で「山車は“山 ”ひとつで、多様な工芸技術がある総合文化財」と言っておられたのがとても印象的でした。何だかとても日本人の魂に“響く”言葉だと思いませんか?
 後半では曳山の修理について、とてもよく分かる映像が紹介されました。 各分野の職人さん達が持てる技術を駆使して作業される姿や、文化財修理に対する熱い思いが伝わる映像です。こちらは滋賀県文化財保護課You Tubeチャンネルの「近江の曳山祭と曳山修理 祭りを支える技」で、ご覧いただく事ができますので、皆さんも是非チェックしてくださいね♪ 【ここまで曳山祭に特化した番組は全国でもとても珍しい、貴重映像が満載です!!】


 受講者の中には、曳山祭に直接関わっておられる方も参加されていたようで、「修理の様子は見ることができないので映像で見れて良かった」とのお声も寄せられました。

 民俗文化財には、少子高齢化や人口流出や、資金・原材料確保や修理技術の継承など、様々な課題があるそうです。使い続ける文化財として、また多様な素材や技術が使われている文化財を修理をすることで、民俗文化財としての価値を守りつつ、次世代に引き継ぐことになります。身近にある地域の文化を長く守り続けていく大変さと大切さを知る講義となりました。 ワッショイ!!

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びわ湖の日 一斉清掃に参加しました 

 滋賀県においては、7月1日は「びわ湖の日」です。1980年に「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」ができて1周年を記念し、この日を「びわ湖の日」と定められました。湖岸や河川・道路などを皆できれいに清掃する取り組みが県内各地で行われ、「滋賀ならでは」の良き伝統となっています。
 文化館が建つ湖岸一帯でも一斉清掃が行われ、当館も滋賀県が実施する「びわ湖を美しくする運動」に参加しました。

 例年ならば未だ梅雨の時期ですが 、今年は観測史上最も早い6月に梅雨明け。朝から気温も高く、熱中症に十分気を付けながらの活動です。参加されているのは、一般の方やご近所の事業者・各種団体などの皆さん。この日ばかりはお仕事の手を止めて、皆で一斉にご奉仕です。集合場所の大津港で火ばさみとゴミ袋を受け取り、いざスタート!知らない者同士が湖岸沿いを、ゴミを拾いながら進みます。

 歩いていると「あれ?あまりゴミが落ちていない?」
・・・なんて思った瞬間!たばこの吸い殻を発見!!草むらに隠れているプラスチックなど小さなゴミもしっかり拾います。湖岸の石垣には、歩道よりもたくさんゴミが・・・(泣)!飲みかけのペットボトルや空き缶、お菓子の袋、コンビニ弁当の容器・・・挙句の果てには絡まった釣り糸の針まで(危ない!)。これらが次々と参加者のゴミ袋に回収されていきます。

 約2km先のゴール地点では、拾い集めたゴミを分別。案の定と言いますか、やはりペットボトルのゴミが一番多かったです。これから夏真っ盛り。水分補給は必要ですが、皆さん飲み終わったペットボトルは、きちんと持ち帰って捨てましょう・・・ね。

 毎年この活動に参加されている方から、今年はゴミ少ないなぁ」とのお声がありました。エッ!コレで少ないんですか?!結構たくさん拾いましたよ?!! きっと、この清掃活動が始まった頃は、今よりも多くのゴミが捨てられていたのでしょうね。それが長年の活動を通して、徐々にゴミが減っていったのかもしれません。こういった活動のおかげで、県民の皆さんの環境美化に対する意識が変わってきたのではないでしょうか。ポイ捨てを無くして、キレイな琵琶湖が取り戻せますように!
 この活動に参加して、改めて琵琶湖の環境を考える、良き一日となりました。

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打出のコヅチ 番外編 ~ご質問にお答えします~

 前回のブログでご紹介した滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第2回。内容は延暦寺所蔵の「阿弥陀八大菩薩像」がメインでしたね。今日は、アンケートに書かれていたご質問内容 について、講師を務められた古川史隆氏にお尋ねしましたので、復習もかねて皆さんとお勉強したいと思います。

 (質問①) 高麗仏画が日本に伝わり7~800年経ているが、絹が虫あるいは劣化
       による
損傷がない。保存の工夫は、どうなのか。

 この仏画は14世紀頃の製作となりますので、確かにすでに700年近く経っています。ですが、スクリーンに映し出された図像は、阿弥陀様や菩薩様たちのお姿をはっきりと確認することができます。

 さて、長い歴史の中どのような保存がされていたのか、、、それは定期的な虫干しなのだとか。風通しによって空気を入れ替え、カビや虫の被害を防いでいるそうですよ。更には、50年・100年単位で修理を重ねることで、損傷の進行を防いでいるらしく、、、何とも長い年の間隔で、修理が繰り返し行われていたのですね。古いものを後世に残すということの大変さがわかります。そして、このような質問も…

 (質問②) 絹布に細密画を描くには「にじみ」も予想されるが認められない。
       どんな工夫があるのか?また、絹布のメッシュ数なども知りたい。

 ここ、これはまた専門的なご質問!詳しくみてみましょう。

 この作品の絵絹(えぎぬ)の組成(そせい)は、1平方センチメートル四方で、経糸(たていと)が約20本、緯糸(よこいと)が約30本とのこと。びっしり糸が詰まっているように見えても小さな隙間はできます。そこに絵を描いたら、たしかに滲んでしまいそうです。でも、ちゃんと対策があるのです。

 滲みの防止策は、絵絹に礬水(ドーサ)を塗布することが現在でも一般的なのだとか。礬水とは、獣の骨などから作られる「膠(にかわ)」と「明礬(みょうばん)」を混ぜたもので、絵が描かれる前の絵絹に塗布します。おそらく高麗仏画でも同様の処置が行われていたと考えられるそうです。絹に描くためには、こんなひと手間があったのですね。

 いかがでしたか?前回のブログは「阿弥陀八大菩薩像」の内容や表現方法を紹介しましたが、今回は文化財の保存方法・絹に絵を描く方法をご紹介しました。アンケートをきっかけに、こんなにも知識が深まるとは…「さすが、打出のコヅチ!」と言っていただきたい(笑)。

 皆さんにご記入いただいたアンケートは、毎回ドキドキしながら見せていただいております。アンケートをただのアンケートと思うべからず…。より良い文化財講座の開催につなげるべく、スタッフ一同、一生懸命取り組んでおります。

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「花湖さんの打出のコヅチ」第2回 開催しました

講座メイン会場:コラボしが21

 梅雨の晴れ間となった6月23日、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第2回を開催しました。会場のコラボしが21には、何と定員を超える方々が…。実は、、、です。滋賀県では15日にコロナの警戒レベルが引き下げられたこともあり、講座の受付についても柔軟に対応させていただいておりました♪元々が210人座れる大会議室です。運営側として、これまでと同様に会場の感染症対策も怠りなく、参加の皆さんには変わらずマスクの着用をお願いした上で、今回110名の方々にご参加いたさきました。皆さん、ご協力ありがとうございました。

講師:古川史隆氏

 第2回は、「延暦寺の阿弥陀八大菩薩像について-令和3年度滋賀県新指定文化財紹介①-」というタイトルで、県文化財保護課・古川史隆氏(琵琶湖文化館兼務)がお話しいたしました。延暦寺所蔵の「絹本著色阿弥陀八大菩薩像」は、朝鮮半島の高麗時代に描かれた作品で、当時の仏教文化を物語る貴重な資料として、昨年度新しく滋賀県指定文化財となりました。現存する高麗仏画は、現在は160点近くが確認されており、日本には約110点が伝来しています。

 今回のテーマである「絹本著色阿弥陀八大菩薩像」は、法量が縦178.6cm横88.6cmと大きいもの。“絹本著色”とは、絹に色を付けて描かれたことを指しています。皆さん、この絵を描くときは「きっと大きな絹に描いたのだろう」って思いますよね。でも実はこの絵、5枚の絹を継いで一枚の絵とする“五副(ふく)一鋪(ぽ)” の絵になっており、その継ぎ方は大変珍しいそうです。仏画において、1枚の絵絹を使った一副一鋪や、3枚の絵絹を継いだ三副一鋪はよく見られるそうですが、五副一鋪はあまり例を見ない珍しい作なのだとか。

 「阿弥陀八大菩薩」の図像は、中国・日本に作例はなく、華厳信仰と阿弥陀信仰が融合した高麗独自の信仰を反映した図像との説があります。 更に特徴的なところは、通常なら阿弥陀八大菩薩像の最前列に配置される観音菩薩・勢至菩薩と第三列に配置される地蔵菩薩・弥勒菩薩が入れ替っていることです。明確な理由はわかりませんが、特殊な信仰形態に基づくもの考えられているのだとか。この絵には、願主の意図が込められているようで、「仏画」とは、実は種類豊富で奥深いものなのだと、今回改めて思いました 。

 高麗仏画は、今まで中国画(唐絵)とされていたため、研究が始められたのは戦後のことで、ここ数十年で研究の進展・成果が目覚ましいのだとか。参加された方からも「高麗仏画というものを初めて知った」との声もあり、あまり知られてこなかった高麗仏画が、今後更に研究されることで多くの方に知ってもらえるようになれば嬉しいですね。

 1時間30分の講座もあっという間。コロナ禍で皆さんからの質問をお断りしているのですが、アンケートを手渡してくださった方から「質問があったのでアンケートに書かせていただきました」とのこと。「おや。これはしっかりと講師の方にお伝えせねば!」と、早速質問を古川氏にお伝えしました。その質問と回答は??それは次回このブログでご紹介します。

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信楽焼 燈籠

 滋賀県立陶芸の森陶芸館で(6/9まで)開催されていた「ジャパン・スタイル-信楽・クラフトデザインのあゆみ」展。文化館として、どうしても気になる展覧会でした。というのもコチラのちらしにご注目ください。左上に掲載されているかわいいコ。ちょっと見た感じでは “宇宙基地?”みたい形をしていますが、実はこれあかりを灯す燈籠なんです。そして同じ形をした燈籠が当館にも・・・あるのでございまする!!

 皆さん覚えておられます?以前、あきつブログ「面会させてください・・・感動の親子対面?!」でも登場した窯業技術試験場さん。あの時は「服部岩吉胸像」の石膏型と完成品の焼物のご対面でしたね。
 窯業技術試験場は昭和2年(1927)に「滋賀県立窯業試験場」として建設されていますので、当館より少し年上・・・「従兄の兄貴」的な存在です。当館の前身である産業文化館の頃からお付き合いがあり、地場産業である信楽焼の展覧会を開催するなどタッグを組んで滋賀を盛り上げて来た歴史があります。その窯業技術試験場さんがこの度陶芸の森近くに移転されることとなり、その記念展が開催されました。

 ということで、先ずは昭和の面影を遺す窯業技術試験場さんへ! 対応していただいたのは、陶磁器のデザインなどを担当されている高畑氏。実は、信楽を舞台とした NHK連続テレビ小説「スカーレット」 の撮影に、全面協力されていた方なんですよ~。
 件の燈籠は、クラフトデザインの先駆者として活躍した日根野作三氏が手掛けたデザイン(1959)です。今回の展覧会のために、高畑氏が当時の資料を元に再現を試み、3回挑戦した中で、これは!と思うものを展覧会に出品したとのこと。 確かに敷地内のお庭には、試作品のコたちが・・・こんな苦労もされていたとは!

 普段身近な歴史・文化財とは異なる世界を拝見し、驚きの連続でした。移転のための引越し作業で大変お忙しくされている中で、親切にご対応いただき、本当に有り難うございました!

 その後、展覧会を開催されている陶芸の森陶芸館さんへ。会場入口に・・・ドドンっとありました!お目当ての燈籠!こうして改めて眺めてみても、とっても素敵なデザインです♡。
 企画担当された鈎(まがり)学芸員さんは、「この展覧会をきっかけに日根野作三氏のことや当時の作品について、いろいろな情報が集まってきた。これも成果です。展覧会を企画した甲斐がありました。」と、嬉しそうに話してくださいました。まさにその通り!!展覧会開催の意義が、改めて心に響きます。
 会場内にはその他にも、「スカーレット」で感じたような、昭和の活気に満ち溢れた時代のモノ作りの勢いとでも言いましょうか、自由でありながらも計算し尽くされた愛らしいデザインの作品たちを、たくさん拝見することができました。また、それらを改めて“今”の時代に見つめ直し活かすことで、信楽焼の新たな可能性が・・・更に広がりそうな素敵な予感♡がしましたよ。
***展覧会が終わってからのブログですみません!皆さんも見たかったですよね?!***

 さて、このお話しには、まだまだ続きがありそうです。そんな気配がプンプンしておりますよ♡。また皆さんにご報告できれば・・・楽しいことになりそうです♪

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蛍図で心のヨユウ

「まもなく梅雨入りかぁ」と、どんよりとした曇り空にため息をついてしまいがちなこの季節。・・・いえいえ、自然豊かな滋賀県の初夏は、それだけではございませんよ?!ちゃんとお楽しみがありますよ?!!
 そうです、ほたる♡の季節です!早い地域では5月下旬に「ほたるの乱舞」が地域ニュースとなっていましたね。明るくなが~く光って見えるゲンジボタルは、ちょうど今頃?!

  どうしてこの時季、こんなにもホタルのことが気になるのかというと、6/12付け京都新聞さんの地域面「いきもので知る 近江の文化財シリーズ㉟」にも掲載されましたね~当館の収蔵品「蛍図」!このホタル図のことをこの時季どうしても考えてしまう・・・(かなりマニアック(笑))。
 静けさを称えたホタルたち。江戸時代の絵画ですからね、音がないのは当たり前・・・ですが、夕闇の凛とした静寂の中に、静かに舞うホタルをうっとり眺める、そんな儚い空間と時間の余裕が「あぁ~現代にはないなぁ~」と、何故だか考えてしまうわけですよ。ふっと立ち止まってみるわけですよ我が人生。皆さんはそんなことありません?
ちょこっと“せわしない“時代の、心の余裕を、我がDNAは欲しているのです!!
 ・・・というのは言い過ぎかもしれませんが、夕暮れ時のお散歩には、そんな心を癒してくれる、『リッチ (贅沢)な時間 』 が待っているのかもしれませんヨ♡

  ところで、皆さんはご存じでしたか?ゲンジボタルは、生息地を含めて全国10カ所で国の天然記念物に指定されています。そのうちの2カ所がなんと滋賀県!米原市の息長(おきなが)地域と長岡地域です。特に長岡地域はホタルの発生地として唯一「特別天然記念物」に指定されています。

ということでチェックしてきました!長岡地域を流れる天野川沿いのホタル観賞エリア!

・・・すすすみません!!特別な機能も何もないフツーのカメラで撮影した結果、その凄さをこの写真ではお伝えしきれまセン。。。申し訳ない!

(同じ写真を、ちょっと明るく加工してみました・・・。)
 舞ってましたよ~。たくさん飛んでましたよ~。「ほ・ほ・ほ~たるこい」おじいちゃんと手をつないでこの唄を歌ってたお孫さん。このおだやかな時間が世代を超えて共有されることで、貴重なホタルの生息地は、これからも末永く守られることでしょう♪

 

  そんなことをしんみり考えた午後8時半・・・
 奇跡の出会いがありました・・・。
 ***この写真、何が起こっているか分かります~♡???

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梅雨の訪れと6月のお知らせ

歌碑の上のカモ

  今日から6月です。そろそろ梅雨の到来のハズですが、雲が広がる空になっても、雨が続くということもなく。。。 文化館前の吉井勇の歌碑の上で、の~んびりと雲間から覗く太陽を浴びているカモを見ていると、梅雨入りにはまだもう少しかかりそう??…な気がしてきますね。

ですが、この時期の紫陽花を見ていると、青々とした葉っぱになり、花を咲かせ始めています。キレイに色づいて、ぼんぼりの様なお花を見せてくれるまでは、あともうチョット。その頃には季節がまた一歩、前進していることでしょう。

 5月の文化館は、「滋賀の文化財講座 花湖さんの打出のコヅチ」がスタート。おかげさまで、今年で15年目を迎えたこの講座、先月のホームページのなかでも、一番のアクセスをいただくほど大人気なのです。初回は25日に開催し(詳しくはコチラ)、皆さまからのアンケートでも「満足」とのご回答をいただきました。あらためてご意見・ご感想を拝見していると、他県から滋賀に移住してこられた方がおられ「滋賀県のことを知る機会ができました」とのこと、、県内に生まれ育ったという方からは「滋賀県の成り立ちを知らず、勉強になった」などのご意見も。。この講座を通して、多くの方に滋賀県のことをを知ってもらえたようで、とっても嬉しいです。

 次回「延暦寺の阿弥陀八大菩薩像について」は、6月23日(木)に開催します。“ 阿弥陀八大菩薩像 ”は 朝鮮半島を統一した高麗王朝の時代に描かれ、高麗時代の仏教文化を物語る貴重な資料として昨年度の滋賀県指定文化財に指定されました。県文化財保護課(文化館兼務)の古川氏 が作品を紹介しながら、その魅力について、お話します。5/24から受付募集していますが、若干お席が残っていますので、お早めにお申し込みくださいね。(お申し込みはコチラから)

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令和4年度「花湖さんの打出のコヅチ」第1回 開催しました

 皆さん待望のこの日がやってまいりました! 5月25日(水)「滋賀の文化財講座 花湖さんの打出のコヅチ」、今年度第1回目の開催日です。会場には、事前に申し込みいただいた100名の方がお越し下さいました。幸先の良いスタート♪これも講座を楽しみに待っていてくださる皆さまのおかげです。

講師:井上優

 今回の講師は県文化財保護課・井上優(琵琶湖文化館副館長兼務)で 「滋賀県の誕生と県政150年」というテーマで、お話しいたしました。
 2022年は滋賀県政150年を迎える年です。講座で紹介された歴史資料「滋賀県行政文書」は、県政150年の歴史を物語る基礎資料で、滋賀県指定文化財になっています。今年度“滋賀の文化財講座”の初回を飾るのに相応しいテーマなのです。

会場の様子

 「滋賀県行政文書」は、書類を綴じた本のような体裁にした「簿冊(ぼさつ)」の形になっていて、その数9,068冊。一括して、県指定文化財として県庁に保管されています。
 その内容は滋賀県の前身・大津県庁発足の明治時代(慶応4年含む)から、昭和初期(昭和20年)までの文書となっており、この文書を紐解けば近代滋賀県の歴史がわかるのです。その中には今では信じられない滋賀県の姿もあります。明治9年から明治14年にかけて、滋賀県は敦賀県を合併しており、この5年間は、現在は“海なし県”でお馴染みの滋賀が、なんと“海あり県”だったのだとか。この事実には、会場からも驚きの声が聞かれました。ちなみに、この時期の文書には、福井県である敦賀の行政文書も含まれているそうです。

 行政文書は、滋賀県立公文書館でのみ閲覧が可能です(利用申請が必要)。閲覧方法等詳しくは、公文書館のホームページをご覧ください。また公文書館では、企画展示や公開講演会なども行っているそうです。この講座で気になった方は、行ってみてくださいね。

スクリーンに映し出される大津事件の概要

 そして、県政150年を語る上で忘れてはならない出来事といえば、明治24年に起こった「大津事件」です。当館にその関係資料が収蔵されていることは文化館ファンの方なら、よくご存じですよね?!講座では、事件後を中心に当時の生々しい調書や、事件後の県と国についてより詳しく解説しながら語られました。事件のあらましなどは、教科書などでご存知の方もおられますが、事件のその後については、知らないという方が多かったようで、アンケートを拝見していると「大津事件を詳しく知ることができて良かった」といったお声もありました。

 平成20年度より、会場[コラボしが21]で始まった「滋賀の文化財講座」は、今年で15年目を迎え、参加人数は延べ7,000人を突破致しました。本講座は、皆さまの知りたい・学びたいという気持ちに支えられております。
 これからも、滋賀の文化財をとりまく魅力あふれる情報を、“ 打出のコヅチ ”のひと振りが皆さまの期待に応えられますよう、頑張ってまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いたします。

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テレビ放映のお知らせ / 大津事件関係資料

 当館が誇る収蔵品の数々。ときど~き、皆さんも良くご存じのテレビ番組に、登場していることをご存じですか?ということで、今日は(今日も?!)、マニアな文化館ファンクラブ(?)のために、近々放送予定の番組を要チェック!です♪

 さて、先日のブログでチラっとお見せしておりましたが、今回テレビに登場する収蔵品は、「大津事件関係資料」です。

 大津事件は、明治24年(1891)5月、来日中であったロシア皇太子ニコライに、滋賀県大津町(現:大津市)で警護にあたっていた巡査の津田三蔵が、 突然 持っていたサーベルで斬りつけた・・・!・・・近代化に向け歩み出した日本を、大きく揺るがせた事件として知られています。当館にはこの大津事件に関係する資料が収蔵されており、5月某日、カメラマンさんが撮影に来られたました。今日は、その時の様子をちょこっと潜入取材・・・デス♪

←こちら、仰々しくも、とある桐箱を手に登場する当館の学芸員。さて、その中身は一体・・・ 勘のいい人ならもうお分かりですね?実はこの中には、凶器となったサーベルが収められています。事件の最重要物品・・・。見ているこちらもキンチョーします・・・。

 →そして念入りな打合せ。どのように撮りたいのか、先方の意図や希望を聞きながら、サーベルの向きや角度を調整します。

← いざ、じっくり、 こってり、撮影中・・・。
ライトに照らされ、事件の生き証人は無言で語ります。。。 その頃、当館の学芸員は・・・ ?

← ・・・陰に隠れてコッソリ見守り中。。。(笑)。。。
 いえいえ笑いこっちゃない!大切なコトなのですヨ!

→その後、サーベルの刃こぼれについて詳しく説明。
 実はこのサーベルにはキズがありまして、これがニコライを斬りつけた時にできたキズか、はたまた、津田がサーベルを奪われ逆に打ち付けられた時に出来たキズか、真相ははっきりとはわかっていません。そのような情報も含めて丁寧に説明させていただきました。

 潜入できのはここまで!・・・さすがに撮影のお邪魔ばかりもしていられません。この後、事件の重要物品を もう1点、 撮影されたとのこと。それは何か?・・・それは放送を見てのお楽しみ~♪

 今回撮影された内容・・・その気になる番組は・・・ズバリ! 5月30日(月)放送のBS-TBS「にっぽん!歴史鑑定/大津事件」(22:00~23:00)デス!

 なぜ大津事件は起きたのか?歴史的背景を探りながら、司会の田辺誠一さん(俳優)が、謎を解き明かしてくださいます!これは必見♡皆さん要チェックですよ~ !!

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「青鬼踊」原稿発見のナゾ?!

  このたび、石山寺第50世座主であった故・鷲尾光遍(わしお・こうへん)師が作成した「青鬼踊」の歌詞原稿が、当館の資料の中から発見されました【詳しくはコチラ】

  「青鬼踊」は、石山寺で毎年5月に行われる青鬼まつりの中で、蛍の精と青鬼が酒を飲み交わして踊るもので、唄の作詞を鷲尾光遍師が手掛けられました。
 実はこの「発見」については、いささかナゾがございまして・・・というのも、①原稿が鷲尾光遍師の自筆かどうかについては研究中で、②なぜ琵琶湖文化館に残されていたのかも不明・・・なのです。おやおやこれ如何に・・・・・?

文化館マスコットキャラクター
トンボのあきつ君

 そこで登場するのが名探偵あきつ君♡見た目はトンボで頭脳はコドモ!しばしあきつ君の迷(?)推理にお付き合いくださいませ(笑)。

  さて1つめ、鷲尾光遍師が直々に書かれたのか?という謎です。 これは表紙をよ~くご覧ください。「青鬼踊 鷲尾光遍作詞」とあります。他の人が書き写したものであれば、石山寺の長たる「座主」さまに対して、名前を呼び捨てにするワケがない、少なくとも「鷲尾光遍師 作詞」など敬った言い方をするだろう・・・というのがあきつ君の見解です。出た!迷推理!!

謎解きは得意です

 更に・です。鷲尾光遍師は昭和34年(1959)、滋賀県立琵琶湖文化館建設後援会発起人代表の一人となるなど、琵琶湖文化館の建設や初期の活動に積極的に関与されています。当館には、師が書かれた「書」もございます。このあたり、2つめの謎とも関係してくるのですが、師と当館との親密な関係性がうかがい知れます。座主自ら書かれたものだから「光遍作詞」。皆さん、いかがでしょう?

  あきつ君の迷推理は続きます。2つめ、なぜ琵琶湖文化館に残されていたのか?という謎については、「三」の歌詞にご注目ください。
 かがやく光は 不夜城の
 とてもよいとこ よいながめ

 気付かれました?これって当館のコト・・・なのでは?当館の開館は1961年、師が亡くなられたのは1967年(88歳)。

昭和40年頃の琵琶湖文化館

 当時の文化館は夜になると本館頂上のトンボをはじめ、各階に設けられた照明設備が煌々と点灯し、周囲の漆黒とも相まってさながら不夜城のようだと言われています。ましてや5階は展望閣、琵琶湖の眺めも最高です。 ・・・これは間違いない、文化館のことを唄っている。。。そのご縁もあって、師からこの「直筆」の原稿を頂戴したのでは? ・・・と、あきつ君は申しております。

 ふむふむ、そう考えると「光遍作詞」という書きぶりも、なんだか幾分、師の照れ隠し(?!)的な要素が感じられないこともない?・・・師は、ちょっぴりお茶目な方であったのではないでしょうか、この青鬼踊の楽し気な詞からも、そのお人柄が偲ばれるようです。

  さて、如何だったでしょう、名探偵あきつ君の迷推理!お楽しみいただけました?あくまでトンボのあきつ君が申しておることでございます。笑ってお許しいただければ幸いです。さて、あなたの見解は?真相や如何に??

追記:皆さんにはこちらの方が謎かも?↓ ↓

① 何故、石山寺で青鬼踊りなのか。平安時代後期から鎌倉時代初期にかけて活躍した、石山寺屈指の学僧:朗澄律師(ろうちょうりっし)は、自分の死後、鬼となって経典・聖教類を守ることを誓ったと伝わっています。その遺徳を称えるお祭りが青鬼踊りです。長らく踊りは絶えていましたが、2019年の令和改元を祝って復活し、今年は5月15日(日)に行われます。

② 何故、歌詞にたくさん「蛍」が出てくるのか。古くから瀬田川の河口付近はたくさんの蛍が飛び交う蛍の名所として有名でした。「青鬼踊」の歌詞では、蛍の精と青鬼がお酒を酌み交わし、そのもてなしのお礼にと青鬼は如意の珠を授けます。その宝珠の威光で、蛍の精はいよいよ美しく瞬いた、という歌詞になっています。

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テレビ放映のお知らせ / 山法師強訴図

  当館が誇る収蔵品の数々。ときど~き、皆さんも良くご存じのテレビ番組に、登場していることをご存じですか?こちらも、ときど~き、あることなので、うっかり皆さんにお知らせするのを忘れて、家で慌てて布団から飛び起きることがあります(笑)。
 ということで、今日は、マニアな文化館ファンクラブ(?)のために、近々放送予定の番組を要チェック!です♪

 こちらはファンクラブにはもうお馴染みですね~。『ぬりえ 』 にもなりましたよ~作りましたよ~。そうです、山法師強訴図です。

山法師強訴図屏風(本館蔵)

 この屏風には、武装した比叡山の僧侶・僧兵(山法師)たちが、神の威光をかざして神輿(しんよ・みこし)を担ぎ、朝廷や幕府に無理やり訴えを通そうとする「強訴」の場面が描かれています。時代にして平安中期以降・・・強大な権力を持つ白河法皇が、朕(自分)の意のままにならぬものとして「賀茂川の水、双六の賽(さい)、山法師」の三不如意を挙げたという有名なエピソードもあります。実際の画題として描かれることは珍しく、本図は貴重な絵画資料となっています。

 この屏風が登場する、気になる番組とは・・・ズバリ! 5月11日(水)放送・NHK総合「歴史探偵/比叡山延暦寺」(22:00~22:45)デス。≪※見逃し配信5月18日 22:44まで

 番組紹介をチェックすると ・・・
[比叡山延暦寺を徹底調査!寺を開いた最澄の不屈の挑戦。比叡山に現れた「悪僧」の正体とは?焼き打ちにまつわる奇跡のエピソードまで…知られざる1200年の歴史に迫る。]
となっています。なるほど~・・・山法師強訴図が出てくる気配がプンプンしますな・・・ファンクラブならずとも、当館の地域連携企画展「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展をご鑑賞くださった皆さんなら、存分に楽しめる内容ではないでしょうか?(あ、十分にファンクラブの領域です(笑)。)
 伝教大師が亡くなって1200年、関連するテレビ番組や展覧会など、私たちには歴史を知り、歴史に学ぶ機会がたくさんありますね。

 さて、次にご紹介するのが、5月の文化館に欠かせないこの話題!皆さん、事件です・・・そう、「大津事件」!
 社会科の授業にも出てくるこの事件が発生したのは、明治24年(1891)5月11日。当館には事件に関わる重要な資料があり、某日も、カメラ取材に来られました。

 その番組は、その放送は・・・おぉ~っとぉ、まだ内緒なのでした!エヘッ。5月末の予定ということで、今日はご勘弁くださいませ。続報をお楽しみに♪

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いよいよ始まる“アレ”と思いがけない出会い

 さぁ!いよいよアレ始まります! 4/1付けのブログでお伝えしていたアレとは、、、そう。滋賀の文化財講座花湖さんの打出のコヅチです。4月になってから、多くのお問い合わせがあり、情報解禁したのが、4月後半だったにも関わらず、4月のホームページアクセスで一番の人気となりました。

 まだ新型コロナが心配なため、今年もメイン会場(コラボしが21)の人数を100人に抑えての開催となりますが、各市町のご協力もあり、全6カ所のサテライト会場を設けております。こちらも是非ともご利用くださいね。会場によって開催する回が異なりますのでご注意ください。
 初回は、5月25日(水)「滋賀県の誕生と県政150年」をテーマに、滋賀県文化財保護課兼琵琶湖文化館副館長の井上優がお話しさせていただきます。メイン会場の予約は若干名となっています。ご参加を検討されている方はお早めに。。。(※定員となった場合は、キャンセル待ちでの受付として対応させていただきます。)

 さて皆さん、ゴールデンウィークはどこかに出かけられましたか?今年は、3年振りに規制の無い大型連休となり、ニュースでも連日各地の観光地の様子が映しだされていました。関西では、琵琶湖畔で寛ぐ親子連れや、観光客でにぎわった京都清水寺の様子が映し出されていました。

諸大夫の間 矢印部分が「虎の間」

 連休中に京都に行く機会があったのですが、思いがけず京都御所で“岸岱の虎”と出会いました。“岸岱の虎”といえば、館蔵品の「巌上咆哮猛虎図」です。寅年の今年、文化館の新年の挨拶でもご紹介しました。この虎を描いた岸岱が京都御所内にある「諸大夫(しょだいぶ)の間」に同じく虎を描いているのです。「諸大夫の間」は、正式に参内した人の控えの間で、身分に応じて「桜の間」「鶴の間」「虎の間」へと通されたそうです。一番位が高い人が通された「虎の間」です。コチラの襖に岸岱の虎図がありました。建物内に入ることは残念ながら出来ず、外から襖を見る形となるのですが、館蔵品の猛々しい虎とは違い、少し落ち着いた感じが見て取れます。遠目からでもわかる隆起した虎の体つきが「巌上咆哮猛虎図」にそっくりで岸岱の虎と実感しました。

 連休中の出会いに思わず嬉しくなりました。京都御所は、一年を通じて公開されており、誰でも無料で見学することができます。皆さんも是非、文化館の虎との違いを見てみてくださいね。

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連載「滋宝」の立役者たち~全50回に贈る~

  今日はとても残念なお知らせです。 令和2年(2020)4月よりスタートしました朝日新聞[滋賀版]の連載「滋宝~琵琶湖文化館 収蔵品から~」が、全50回をもって終了いたしました。かれこれ2年続いた「滋宝」。休館中で展示・公開する機会が少なくなった当館の収蔵品を、隔週にわたり、カラー写真で大きく、その魅力を紙面とデジタル(ネット配信)で、紹介していただきました。皆さんからの反応も良く、「載ってるの見たわ」「楽しみに読んでる」と、お声掛けいただくことも多く、充実した内容でお届けできたことを、我々も嬉しく思います。

 3/10付けブログ「文化館で取り調べ?!」で少し”におわせて”いたのですが、実はこの日、執筆を担当した5人の職員と、編集を担当した記者さんが顔を合わせ、「滋宝」の最後を飾る総まとめの”座談会”が行われました。〔4/10紙面掲載・デジタル版

 この記者さんには本当にお世話になり、「気軽に読んでもらえる文章の書き方」や、「わかりやすく伝えるための写真・イラストの追加」「専門用語の言い換え」などなど、妥協を許さないあたたかいご指導(?!)を頂戴し、こちらも大変勉強になりました(笑)。
 皆さんは気付いておられないかもしれませんね。「紙面」に踊るキャッチーなタイトルと、「デジタル版」では微妙に言い回しが異なっていた回があります。紙面では地元の皆さんに読んでいただくため、タイトルに地名などは入りませんが、デジタル版では全国の読者に向けて、「近江の~」「滋賀の~」といった、細やかな工夫をされていました。記者さんのこの気遣い、この熱意、本当に有り難かったです。

 元々この分野にそこまで詳しくない方でしたが、連載をきっかけにどんどん深みにハマっていただき(笑)、「○○で△△を見て来た。滋賀にはいいものがいっぱいある。」と報告して下さるところなど、なんともお茶目な方で(笑笑)、興味の幅広さとフットワークの軽さに、我々も救われたものでした。総まとめとなった今回の記事でも、文化館をバックに皆の写真を撮る、そのこだわりといったら(笑)↓ ↓↓

 編集記者としてのこのこだわりが、熱意が、皆さんにも届いていたものと思います。連載50回の一番の功労者は、間違いなくこの記者さんかと!

 コロナ禍での2年間、マスク越しのお付き合いでしたが、素顔はきっと、こんなイケメン?!(※イメージです※)。 素敵な企画を有り難うございました!

 そして、連載を読んでいただいた皆さま、誠に有り難うございました!これからもまた 、 違うかたちで、文化館から様々な話題を提供してまいりたいと思います♪皆さま今後とも、お付き合いの程よろしくお願いいたしま~す!!

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「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展 終了しました

搬入の様子

  2/5より開催されておりました「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展。4/3に50日間の会期を終え、本日、出陳作品が当館に戻ってまいりました。会期中多く方々にご鑑賞いただきましたこと、深く感謝申し上げます。

 皆さんからは、「とても分かりやすく展示されていた」「最澄が滋賀県出身と初めて知った」「家が天台宗ということもあり滋賀県在住であるため興味があったのでよかった」「単眼鏡で細部を眺めて悦に入る」などなどのご感想が寄せられ、それぞれの楽しみ方でご鑑賞いただいたようで、何より嬉しく思います。

  本展は、日本天台宗の宗祖伝教大師最澄が亡くなって1200年の節目であるこの機に、当館が収蔵する最澄に関わりある品々や、天台宗の幅広い信仰を示す文化財を中心に展示してまいりました。伝教大師最澄を中心に据えつつ、天台宗における仏教美術の広がりに注目した本展。例えどのように最澄が優れた人物であっても、最澄一人だけでは、今に残るこの豊かな文化財は、生み出されなかったと思います。最澄がたくさんの種をまき、円仁や円珍、良源や源信などが花を咲かせ、現代にまでつながる本当に多くの人々がその花を今に伝えている、そんな「文化(文化財)のあゆみ」を感じていただけたら幸いです。

 最後になりましたが、本展は、何やら静かで穏やかな、不思議なパワー ・・・ みたいなものに、守っていただいていたような気がいたします。皆さま本当に有り難うございました。。。

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3月のホームページアクセス数

 滋賀県では3月31日に桜の開花が発表されて、いよいよ春本番となりました。今年は1月2月に気温がグッと下がったためか、去年よりも9日遅い開花宣言となったようです。文化館周辺の桜の木もここ最近の暖かさで、ようやく咲き始めましたよ。
 桜の開花と共にスタートした新年度、本日は早速文化館ホームページアクセス数についてのご報告です。3月は、北は北海道から南は九州までと全国津々浦々から、2,341件ものアクセスをいただきました。年間では、27,000件を超えるアクセス数となっており、多くの方々にご注目いただいている、そのことが私達の日々の励みとなっています。皆さま本当にありがとうございます。

 安土城考古博物館で開催中の地域連携企画展「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」もいよいよ、残りわずか、今週日曜(4/3)までとなっております。思えば、コロナ禍になって早2年。ウィズコロナが日常となった中でスタートした展覧会ですが、多くの方にご来場いただいていると、報告を受けています。こお週末がラストです。くれぐれも皆さま、本展をお見逃しなきよう。良い週末をお過しください。

 そして、いよいよアレの情報が解禁となりそうなヨカン!?ここ最近、文化館には「今年はアレをしないのですか?」「あの情報はまだですか」と立ち寄られる方がいらっしゃいます。皆さん本当に心待ちにしておられる様子!そんな文化館で人気のアレとは!?…オッと今はまだナイショです。詳細発表をお楽しみに~!!

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「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展 ギャラリートーク②

 お待たせいたしました、13日に行われたギャラリートークの様子を紹介するブログの第2弾!引き続き、皆さまお付き合いくださいませ♪

 こちらには薬師如来立像、地蔵菩薩立像、大黒天の彫刻が並んでいます。ギャラリートークに参加された皆さんは気付いておられますかね~?担当学芸員がイチバン滑らかにお話ししたところ(?!なんせ彫刻が専門なもので(笑))。
 近江八幡市・東南寺に伝わる地蔵菩薩立像は、平安時代・9世紀にさかのぼる可能性もあるという県内屈指の僧形の古像です。東南寺は、最澄を開山とする天台宗寺院。最澄は”六地蔵”を造立したという伝承もあり、僧形の神仏と最澄の浅からぬ関係を彷彿させます。

 さて、ここからようやく第2章です(笑)。最澄が将来(請来)した天台宗の根本経典である法華経、先ずはその美しさをご堪能ください。藍で染めた紺色の紙に金や銀を使って筆で書かれた文字は、それはもう大変美しいものです。思わずため息が出てしまいますよ~。そして長浜市・大吉寺に伝わる両界曼荼羅図。密教の教えがこの2つの曼荼羅にギュッと詰まっています。雪深い古刹に伝わる大変貴重なお品です。

 こちらは展覧会後期からお目見えした3幅です。法華経の中で、特に女性からあつい信仰を受ける普賢菩薩さま(右図)。全国的にも珍しい、左足を踏み下げて蓮華座に座る阿弥陀如来さま(中央)。どちらも天台宗の教えから生まれた幅広い仏教美術の奥深い魅力をそなえています。そして「阿字図」(左図)。密教では梵字の初めの文字である「阿(あ)」。行者はこの阿字図の前で瞑想をおこない、罪や穢れを滅して悟りを開くとされています。

 最後に忘れてならないのが、天台を守る神々の存在です。最澄は、中国天台山の神に倣い、比叡山の神を山王(さんのう)と位置づけて天台の守護神としました。神さまと仏さまの最強タッグです。
 大津市坂本の日吉大社では、毎年春に山王際が行われます。当館所蔵の日吉祭礼図屏風には、山王祭を桟敷席で見守る僧侶が描かれています。江戸時代に描かれた作品ですが、現在にはないお祭りの風景。小さな一コマですが、こんなところにも仏と神のつながりを見て取ることができるのです。

 さぁて、駆け足で展覧会会場の様子を、ギャラリートーク形式に紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?興味を持っていただけました?この度の地域連携企画展、展示されている文化財は、考古資料を除いては、当館が県内の社寺さまからお預かりしている文化財、および館蔵品で構成されています。
 「出展された寺や神社の所在のわかる地図があればよいと思った。機会をみてその寺や神社を訪ねたいと思います。」これは展覧会アンケートに記入いただいたご意見です。本展をきっかけに興味をもっていただいたこと、大変嬉しく思います。

 ・・・ということで!遅ればせながらご用意いたしました![あゆみ展/ご出品社寺・機関 所在地図]!現地を訪れると、同じ県内でもそれぞれ地域によってその土地の”空気感”が異なることを実感します。滋賀の文化財は、地域の中の当たり前の風景の中で大切に守られ、伝えられてきたもの。実際に訪れることで気付くことがあります。(※普段公開されていない社寺さまもありますので、十分ご配慮いただきますようお願いいたします。)

 本展をきっかけに、さまざまな知見を広げていただければ幸いです。

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「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展 ギャラリートーク①

季節は一気に春うらら♪お出かけしやすい気候となりました。
現在安土城考古博物館で開催中の「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展。13日(日)には担当学芸員によるギャラリートークを実施、この日を待ちわびた方々が、多数会場にお越しくださいました。

当ブログでも、「会場の様子はまた後日・・・」と予告していたので、ギャラリートークの皆さんと一緒に、会場をのぞいてみましょう♪


皆さんが注目されているのが、最澄が僧侶としての人生を歩みはじめた近江国分寺を偲ばせる、近江国府跡から出土した遺物です。奈良時代~平安時代の貴重な瓦などを見る事ができます。

そして本展の最重要人物・伝教大師最澄さんの肖像について。おや?皆さんの記憶にある最澄さんの肖像画とは、ちょっと異なりますかね?
そうなんです。今回展示しているのは、とても珍しい「頭巾を被っていない」最澄さん。そのお隣は、少しあどけなさも残る若かりし姿の最澄さん。こちらも非常に珍しい肖像で、その伝承が気になるところです。

続いて、この辺りに展示しているのは、最澄が遺した言葉として有名な「一隅を照らす」などの記述がある文書のコーナー。(展覧会クイズの問題②・⑦で出題されている答えが見つかる重要なゾーンですので要チェックです!!)

ここで一つ、とっても”おめでたい”お知らせです。
学芸員が指を指しているところにご注目下さい!
展示されているのは、令和4年3月11日(一昨日)に、新たに県指定有形文化財に指定された、孔雀文馨(くじゃくもんけい)でございま~す!県の指定に「なりたてホヤホヤ」と聞いて、皆さんもビックリ(!)。それを早速見ることが出来た幸運に「おぉ~!」とドヨメキの声が(笑)。皆さん嬉しそうに頷いておられたたのが印象的でした♪
馨(けい)は、梵音具のひとつで、音を打ち鳴らすモノであり、使っているうちにどうしても摩耗し交換(処分)されることが多いのですが、こちらは鎌倉時代に制作されたものが今に伝わっています。しかも片面には「法花堂」の刻銘があることから、天台で特に重視された修行の一つ”法華三昧”を行う法花堂(法華堂)で使用されていたこともわかる、大変貴重なものです。
こちらは甲良町・西明寺さまから寄託されているお品ですが、この機会に皆さんにお披露目することができて、本当によかったです!

あぁっと、本日のブログも、ここで字数オーバーとなりました!まだ会場の半分も紹介できていませんが・・・。続きはまた次回「ギャラリートーク②」で!皆さん気付いてます?今回紹介している画像:小さいでしょ?これはもう、実物を会場で見るしかないのでは??(笑)!!「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展は4月3日までの開催です。

ハイキングにもいい季節。「安土=信長」イメージで近くの安土城跡に来られた観光客の皆さん!会場の安土城考古博物館へは、このピンクの「のぼり」旗が目印です♪かわいい「まめのぶくん」が皆さんを会場までご案内します。 散策がてら、是非本展にお立ち寄りくださいね♪♪

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文化館で取り調べ?!

本日、文化館の会議室で、なにやら、話し合いがおこなわれています・・・。どことなく近寄ってはいけない雰囲気が・・・。当館のメンバーは、皆あらたまった装いで、少し難しい顔をしているようです。・・・何事でしょう?

(・・・ハッキリとは聞こえませんが、断片的に聞こえてくるのは・・・)

「大変だったでしょう・・・?」
『・・・***な事もありました・・・』
「・・・当時のあなたは・・・話していただけますか・・・」
『・・・△△△・・・』
「・・・これからどうなさるおつもりですか・・・」
『・・・××○○します・・・』

「・・・!!!・・・」

  
こ・こ・コレはもしや・・・何かの取り調べ??!
・・・後日続報をお伝えします。

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壁画 杉本哲郎氏作「舎利供養」 新・文化館へ移設

皆さんは覚えておられるでしょうか?

文化館の小さい方の館:別館の壁に埋め込まれている巨大壁画「舎利供養」。こちらの展示会場は、昭和50年代半ばには一般の公開を取りやめていたので、「記憶にないな~」と言われても無理のないことかもしれません。

本図は、世界的に活躍した宗教画家である杉本哲郎氏(1899-1985大津市出身)が、滋賀県の依頼によって昭和24年(1949)に県立産業文化館において制作され、昭和35年(1960)に琵琶湖文化館に移設されました。

中央の絵がほぼ正方形(縦3.67m×横3.58m)、左右が横長(各縦1.88m×横5.14m)の、とても大きな壁画です。長らく皆さんにご覧いただく機会がございませんでしたが、このたび、大津市浜大津において令和9(2027)年度に開館を予定している新しい文化館に移設する方針が決まり、2月28日に当館において記者発表が行われました。

滋賀県では、本年度、この壁画の価値評価や設置構造の調査を実施しております。当初、壁画と建物自体のコンクリートがどの程度まで密着しているのか、心配するところでございましたが、躯体との間には空間があり、取り外すことが可能であることが確認されました。
一方で、経年による部分的な絵の具の劣化が見受けられるため、膠(にかわ)などをつかった剥落止めの措置を施し、移設の振動に耐えうるよう、対処する予定となっています。

記者発表の場には、杉本氏の孫である太郎さんも同席され、「祖父もきっと喜んでいるだろう」と感想を述べられました。
杉本氏が、実際に古代インドの仏教画を取材し、その知識と技術を駆使して壁面に直接描いた巨大壁画「舎利供養」。本図は、迫力に満ちています。
新・文化館にて皆さまにご覧いただけるよう、万全の態勢で準備を進めてまいります。

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2月のホームページアクセス数

日中は少し暖かくなったとはいえ、まだ朝晩の冷え込みが厳しいですね。文化館の事務所内にある鉢植えの桜は、例年ならそろそろ花が咲き始めるのですが、今年はようやく芽吹いたばかり…。やはり今年はいつもよりも寒いようです。しかし、春はもうすぐそこ!今日も張り切ってホームページアクセス数の発表とまいりましょう。2月のアクセスは、1,843件となりました。みなさんご訪問ありがとうございました。

この一カ月、いろいろと報道各社に文化館の話題を取り上げてもらう事が多かったように思います。皆さんの目にもとまりましたか?何といっても現在開催中の「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展、開催情報講座の様子など、各紙大々的掲載いただきました。
朝日新聞で、隔週連載中の「滋宝 琵琶湖文化館 収蔵品から」では、展覧会で公開中の作品の魅力もたっぷり紹介されています。
その他にも、高校生が新文化館の企画案を考えてくださった記事や、あきつ君を描いているオネエさんの話(!?!)などなど。把握できる限りの情報は、文化館前にある掲示板に貼らせていただいております。近くを通られたら、ぜひ立ち止まってご覧くださいね。
皆さんに読んでいただきたい記事が多く、限られた掲示板内のどこに貼ろうかと考えるのが、近ごろの嬉しい悩み…だったりします(笑)。ホームページだけでなく、掲示板も皆さまへの情報発信源として日々頑張りますっ!

「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展は、前期が3月6日(日)まで。展示替えを行い、後期3月8日(火)からは、新たに県指定の「普賢十羅刹女像」や、重要文化財「十禅師像」(どちらも成菩提院ご所蔵)などがお目見えします。本展をどうぞお見逃しなく♪

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「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展 関連講座開催!

日中の寒さが少しゆるみ、春の気配を感じた27日(日)、守山市にある湖岸沿いの”コーエン(公園)”では、黄色のカンザキハナナ(菜の花)が早春の風に揺られ、人々の目を楽しませておりました。
さて、日曜日になぜ湖岸沿いの道を車で走ったか、といいますと、目指すはモチロン近江八幡市安土町でゴザイマス!こちらの”コーエン”は、知的好奇心を満たす「講演」です♪

現在、安土城考古博物館で開催中の「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展。27日は関連講座「最澄時代の仏像と天台の美術」がおこなわれ、当館の和澄主任学芸員が講師を務めさせていただきました。

講座のタイトルでお気付きかと思いますが、和澄主任学芸員の専門分野は彫刻の「仏像」です。講座では最澄が生まれる少し前(奈良時代前半)、最澄青年期(奈良~長岡京時代)、そして活躍期から晩年(平安前期~)と、「おそらく最澄も見たであろう(?!)」時代の仏像の変遷について紹介されました。代表的な仏像を写真で比較すると、確かにそれぞれの時代によって特徴的な違いが・・・。ココは言葉で想像していただきましょう・・・「素材が違う」「8等身」「量感がある」「太ももパンパン」「圧倒的な迫力」「少しスリムになる」「スッキリとしたプロポーション」などなど。講師から紹介される魅惑の言葉に、参加の皆さんは、感心しきりのご様子でした。

後半では、最澄が将来(請来)した天台宗の根本経典である法華経から広がった仏教美術の世界を、展示中の作品と絡めて紹介。「最澄が大切にしたから法華経美術が発展した。その後に続く円仁や源信らによってさらに浄土教美術が発展した。元をたどると、良いものは何でも取り入れるような最澄の懐の深い教えがあったから。今回の展示からその一端でも感じてもらえれば」と、締めくくりました。
その後、展示会場では作品を熱心に鑑賞する皆さんの姿が印象的でした。

手前味噌な話ですが、こういう話を聞くと、本当に作品の見方が変わります。今回聞き逃したという方、3月13日(日)13:30からギャラリートークが実施されますので、ふるってご参加いただければと思います。

いい話を聞いてじっくり作品をみて・・・。会場を後に再び湖岸を走ると、遠くに見えるは比叡のお山と琵琶湖の夕景。いつもの景色がいつも以上に愛おしく有り難く、思わず手を合わせてみた自分・・・そんな帰り道となりました。

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高校生のアイデア拝聴! 新・琵琶湖文化館

このたび、滋賀県・文化財保護課さんでは、滋賀県立膳所高等学校の1年生で美術を選択している生徒さん達を対象に、全6回のカリキュラムで文化財に関する連続授業がおこなわれました。
実はこの授業に当館の学芸員も参加しておりまして、その内容はといいますと、「文化財を知り、考える」をテーマにしたフィールドワークや、文化財と「琵琶湖文化館」について、滋賀県の文化財の概要、琵琶湖文化館のこれまであゆみと新文化館の構想などを、座学で学ばれた、とのことです。

・・・!・・・今、サラリと書きましたがとても気になるワードがありました・・・そう!我らが「琵琶湖文化館」のことを授業に取り入れていただいてます~!特に、令和9年度(2027)に新しく生まれ変わる(仮称)新・琵琶湖文化館での取り組みの具体案、これを生徒の皆さんが一生懸命考え、アイデアを発表してくださるとのこと。なんて画期的なこの授業!わくわく・ドキドキ♪若い皆さんからどんなアイデアが出てくるのか、大人たちはそれはもう興味深々です(笑)。

ということで、21日に実施された発表会に潜入。。。4~6名のグループ毎に、「社寺」もしくは「仏像」のジャンルについて、課題や目的を整理し、生徒たちが思い描く「新文化館の具体案」が発表されました!ここでは項目だけご紹介しておきましょうか!?

〇VR仮想空間で素敵体験!
〇AR拡張現実でゲーム体験!
〇インスタで社寺フォトコンテスト!
〇おみくじ!御朱印!!

〇仏像ファッションショー!
〇お化け屋敷!?!
〇オリキャラ(オリジナルキャラクター)
必須!!
・・・だそうです♡♥♡

さっ、さすが若人!イマドキです!夢があってイイ!「楽しくしよう」という気持ちが前面に押し出されたアイデアです!机に向かって頭をひねるだけでは、到底出てこない発想。。。いやはやコーコーセー恐るべし(笑)♪
授業を終えて館に戻って来た学芸員は、開口一番に言いました「高校生に文化館のこと考えて貰って嬉しい!」「大人だけで話し合っている会議より”よっぽど”面白い」と・・・。いい刺激になったようです(笑)♪

今回の授業、さまざまなアイデアを直にうかがうことができ、こちらもビシッと気合が入りました!より良き新・琵琶湖文化館の建設に向けて、大人たち、頑張ります!!
授業に参加してくださった生徒の皆さん、声を掛けてくださった先生方、貴重な機会をいただき、誠に有り難うございました!大人たち、頑張ります!

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「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展 開幕しました!

2月5日より安土城考古博物館にて始まりました琵琶湖文化館地域連携企画展!初日は立春寒波に見舞われ県内北部に大雪警報が発令されるなど、内心ヒヤヒヤしておりましたが、会場の近江八幡市は晴れ間もみえるいいお天気!幸先の良いスタートとなりました♪

博物館に入ると、先ずお出迎えしてくれるのが、”信長バージョンの飛び出し坊や”です♡(もももしや・・・これは・・・とてもレアキャラなのか??!)ノブナガくんに導かれて会場に向かうと・・・・はい!ドンときたーっつ!!会場の入口です。↓↓↓

本展は、日本天台宗の宗祖伝教大師最澄が示寂して(お亡くなりになって)1200年の節目を機に、当館が収蔵する最澄に関わりある品々や天台宗の幅広い信仰を示す文化財を中心に展示公開しています。

皆さんご存じかもしれませんが、昨年から今年にかけて、国立3館(東京・九州・京都)で「伝教大師1200年遠忌」を記念した巡回展が開催されています。が、しかしこちらは、何と言っても日本仏教の母山とよばれる比叡山を仰ぎ見る、地元・滋賀での開催。しかもです、歴史的には禍根をのこしていたかもしれない(?!)比叡山(天台宗)の、宿敵ともいえるノブナガさまの”おひざ元・安土”において、最澄さんの足跡を紹介する展覧会を開催する、ある意味とっても画期的(?!)な展覧会なのです。
とはいえ、昨年9月には、「比叡山焼き打ち」から450年を機に、織田・明智の子孫の方々が延暦寺に招かれ、犠牲者の慰霊法要が営まれていますし、こうして平和な時代に最澄さんにかかわる展覧会を関係方々のご協力を得て、滋賀・安土の地で開催できることに、深く感謝申し上げたい次第です。

展覧会初日には、地元観光ボランティアガイドさんをお招きし、本展の魅力をたっぷりレクチャーさせていただきました。観光で滋賀を訪れる皆さんに、是非とも本展をPRしていただきたい!多くの方々にご来場いただけるよう、お力添えをよろしくお願いいたします!

おや?作品が展示されている会場の様子をまだ紹介していないのに、本日のブログ、もう字数をオーバーしてしまいました・か??おやおや。。。
お伝えしたいことは山ほどございますが、この続きはまたのブログで!気になる方は是非会場へ足をお運びくださいませ♪
急いで飛び出さなくても(?!)大丈夫ですよ~展覧会は4/3まで、会場は安土城考古博物館での開催です~♪

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1月のホームページアクセス数

新年が始まって、早一か月。今日から2月の始まりです。お正月から厳しい寒さが続いていますが、今日はこの寒さに負けずホームページアクセスについて発表して参りたいと思います!新年最初となります1月のアクセス数は2,014件となりました。多くのご訪問ありがとうございました。数あるホームページのコンテンツの中でも今回は、地域連携企画展「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」のページをご覧になっている方が多く、皆さんがこの展覧会を期待しておられるのだということが伝わってきます。

開催まで一週間を切り、今週の土曜日(2/5)に始まる今回の展覧会。本日、文化館では会場となる滋賀県立安土城考古博物館へ運ぶために、出陳作品の梱包作業が行われています。今日はその様子をチョコっと覗き見てみましょう。

「出陳作品の梱包」と言ったら、どんな作業をイメージしますか?「作品が壊れないように丁寧に包んでトラックに載せて、ハイ出発!」という感じでしょうか?…いやいや、そう簡単にはいきません。→こちらの写真では、学芸員がじっくりと屏風を見ていますね。これは、梱包する前に、輸送や展示などの支障がないか、安全に梱包・輸送するため注意するところはどこか等を、細かくチェックしていきます。そして、そのチェックが終わり問題が無ければ、ようやく梱包となります。これを作品一つ一つ丁寧に進めていきます。
今回、文化館から安土へ旅立つ収蔵品は約50件。屏風だけではなく、仏像や教典など種類は様々。これらすべてをチェックしていくため、学芸員さんは連日大忙しなのです。

最澄没後1200年となる今年。「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展は、最澄が誕生した近江の地で開催される貴重な展覧会で、当館が収蔵している最澄や天台宗にゆかりある品々がずらりと並びます。普段はなかなか見る機会の少ないものも多く必見です。ぜひとも、滋賀県と天台宗のつながりを感じに、会場に足をお運びくださいね。

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「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」まもなく開催!

皆さま、お待たせいたしました!ホームページでは予てからお知らせしておりました、令和3年度地域連携企画展第2弾「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」が、いよいよ2月5日から滋賀県立安土城考古博物館で始まります!(→画像からチラシをダウンロードできます。)
2022年の今年は、伝教大師最澄が没して1200年という節目の年です。今回の展覧会は、琵琶湖文化館の収蔵品を中心に、最澄に関わりある品や天台宗の幅広い信仰を示す宝物を中心に公開します。天台宗は、後の多くの宗派の基礎となり、延暦寺を中心とした比叡山は日本仏教の母山と呼ばれます。そんな日本天台宗の美術について、「面白そう!」と思ってくださった方も、「ちょっと難しそう…」と思われた方にも、今日は耳よりなお知らせです。

今回の展覧会の関連講座が、2月27日(日)に開催されます。本展の企画担当・琵琶湖文化館の和澄浩介学芸員が「最澄時代の仏像と天台の美術」をテーマにお話します。この講座を受ければ、この展覧会をより楽しめること間違いなし! 1月27日(木)より、受付開始です。皆さま、是非とも参加してくださいね。

講座詳細
テーマ:「最澄時代の仏像と天台の美術」
講 師:和澄浩介(琵琶湖文化館学芸員)
時 間:午後1時30分~3時
会 場:安土城考古博物館セミナールーム
参加費:300円(当日支払い)
定 員:50名(受付先着順)

申込方法:往復はがきによる事前申込
*往復はがき記入内容*
  往信裏面:①第65回企画展関連講座申込
       ②住所 ③氏名 ④電話番号
       ※往復はがき1枚につき1名
  返信表面:返信用の郵便番号・住所・氏名
  申 込 先 :滋賀県立安土城考古博物館
        〒521-1311
        近江八幡市安土町下豊浦6678
  ※2月18日(金)必着(定員になり次第終了)
 
 この講座は、先着順になっており定員に達したら受付終了となります。参加ご希望の方はお早めにお申し込み下さいね。詳しくは、滋賀県立安土城考古博物館(TEL:0748-46-2424)までお問い合わせください。皆さんのご参加お待ちしておりま~す!

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「勧請縄」ブームがアツイ?!

皆さんがお住いの近くに「勧請縄(かんじょうなわ)」もしくは「勧請吊(かんじょうつり)」はありませんか?
勧請縄は、集落の入口や社寺の参道に大きな縄を掛け渡し、安全や五穀豊穣を祈願する年頭行事です。滋賀県では、古くからさまざまな地域で勧請縄が受け継がれており、県内一円の「近江の勧請吊り習俗」が、県選択無形民俗文化財(記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財)にも選ばれています。

なぜ今この話題を・・・と思われるかもしれませんが、年末に用意する正月飾りの注連縄と違って、勧請縄は地域によって年明け1月から3月初め頃にかけて新しく掛け替えられることが多く、今、まさに、とても“フレッシュ”な状態を、見ることができるのです♪
そもそも勧請縄は、村に悪霊や疫病が入ってこないように、村の出入口に吊ったのが始まりといわれ、道を横切って両側の立木に渡して吊られます(いわば結界!これを「道きり」という)。
代表的な形は、太い主縄の中央にトリクグラズ(丸い輪)があり、その両側に小ぶりの小縄が吊り下げられるタイプ。
・・・なんだかもう、この「トリクグラズ」っていう呼び方だけで、心の、どこかの、何かを、クスグラれ・・・ませんか?祈祷札が掛けられていたり、トリクグラズが無かったり、小縄がすごく凝ったものであったり・・・形状は地域ごとにバラエティ豊かで、「一つとして同じ形はない!」と言ってもいいくらい。代々地域に伝わるものだから・・・なのか、その曖昧さ加減(?!)、人間臭さ(?!!)、「地元オリジナル感」(!!!)が魅力で、とても“たまらん♡”のデス。
でも、これはきっと、自分の集落で行われていればごく自然で当たり前なこと・・・ソトから見ることで、その魅力を知ってしまうのです。それが風習・・・!伝承されたその「当たり前」を愛でてあげたい~~滋賀っていいトコなんですよ!

是非みなさんも、「勧請縄」にご注目ください。湖東~湖南地域に多く伝わっていますが、きっとまだまだたくさんの「地域の当たり前=勧請縄の風習」が県内にはあるハズ!見つけられた人は文化館にご一報を!?!!

地域毎の違い、形状の違いの「面白さ」にハマると、勧請縄探しが『やみつき』になりますので、くれぐれもご注意を(笑)。以上、何故か今、「勧請縄」ブームが熱い、文化館からのお知らせでした♪

(あっ、しまった!現在、第38回クイズチャレンジで「勧請縄」を出題中なのでした!その答えを・・・イヒッ♪)

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12月のホームページアクセス数

新年あけましておめでとうございます!皆さん年末年始はいかがお過ごしでしたか?お家でゆっくり?それとも、しばらくご無沙汰だった方との感動の再会?楽しい時間を過ごされたことと思います。
ニュースによると、この年末年始の交通事情はコロナ前の水準に戻りつつあったようです。ウィズコロナが定着したとは言え、ここで油断は禁物。感染症対策も万全に新年の仕事始めと参りましょう。新しい年は、去年よりももっと過ごしやすい年になって欲しいです。

ところで今年は寅年。皆さんも年賀状に描かれる、多くの虎を見みかけませんでしたか。カワイイ虎やカッコいい虎、猛々しい虎など、様々なトラがおうちに届いたと思います。そこで文化館から、皆さんにご紹介したいのがコチラ!(→)「巌上咆哮猛虎図」です。この絵は、江戸時代の絵師・岸岱(がんたい)が描いた作品です。岩の上でどっしりと構え吠える姿が勇ましく、猛々しくもあり、しなやかでもあり。このご時世、新型コロナに睨みを利かせ、悪い気を追い払ってくれているかのよう・・・にも見えるから不思議です。
新年の幕明けに、猛虎の漲るパワーを享受して、明るい未来を創造ましょう~♪ご利益”大”です♪

さて、恒例のホームページアクセス数のご報告です。昨年12月のアクセス数は2,017件となりました。忙しい年の瀬にほっとひと息、当館のホームページで和んでくださった皆さま、ありがとうございました。収蔵品紹介のコーナーでは、寅年を迎えるにあたり、多くの方がこの「巌上咆哮猛虎図」にアクセスいただいたようです。更には、この絵から出題したクイズが載っている「クイズチャレンジ」もアクセス数を伸ばし、12月ホームページの一番人気となりました。皆さまに楽しんでいただけているようで嬉しいです!

さてさて、2022年はどのような年になるのやら…アクセス数の変動は?人気コーナーはいったい?2月には“アレ”が控えていますよ~。間もなく始まる“アレ”に期待大!!
皆さま、本年も何卒、よろしくお願いたします♪

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学芸員は走る

いよいよ年の瀬が迫ってまいりました。師匠も走る12月、これを師走(しわす)といいますが、文化館では学芸員が走ります。
12月、当館では寄託更新というとても重要なお仕事があります。文化財をお預かりしている県内各地の社寺さまをお訪ねし、今年一年お世話になったお礼と、来年も引き続いて大切な文化財をご寄託いただけるよう、お願いにうかがわせていただきます。

これには全寄託者さま・・・というわけもいきませんが、数日かけて県内を西へ東へ、学芸員が車を走らせます。

「今年もよう来た」と迎えていただけることが、嬉しくもあり、有り難くもあり。ご住職の変わりないご様子に元気をいただき、宮司さんとの何気ない会話の中で笑顔をいただき、代替わりされた総代さまにご挨拶をさせていただくことで、また来年のご縁を繋がせていただくのです。

書類上の手続きとはいえ、面と向かってお話しすることで、こちらも勉強させていただくことがたくさんあります。時にはさまざまなご相談を頂戴することがあり、「信頼を寄せていただいている」ことに感謝しつつ、気を引き締め直して、文化館としてどのような対応ができるか、考えを巡らせます。

おかげさまで今年も無事、ご挨拶回りを終えることができました。先輩学芸員さんから代々受け継がれてきたこの年末行事。寄託者さまから「文化館なら大丈夫」と言っていただけるよう、また来年も精進してまいりたいと思います。

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文化館の年末大掃除

年末は何かと忙しい…何といっても、新年を迎えるにあたっての大掃除!忙しい年末行事の代名詞ですよね。文化館でも大掃除を行いますよ。ですが、広くて大きな文化館。なかなか一日で終える事ができないので、今日はコチラを…明日はアチラを…とコツコツと進めております。そしてお天気も良く寒さも和らいだとある日にも外回りを中心に大掃除決行です。

館の外壁は、柄の長いほうきを使って「すす払い」。地味に腕がパンパンになる作業です。「毎年ニュースになるひ○にゃんのお城とどちらが大きいかなぁ」などと考えながら、孤独と戦ってマス。
窓ガラスは、秘密兵器の高いところまで拭ける窓用ワイパー(!)を駆使します。事務所がある連絡館は、全面にガラスが張られているため、一枚一枚をキレイにするのも一苦労!頼りになる助っ人さんと共に、ひたすら拭いていきます。「なかなか汚れとれへんな」「これ反対側の汚れやわ」…ここまで来たら、中途半端に終わらせません!急いで、室内に入り内側からも窓をフキフキ。全部拭きあげたら、本当にソコに窓があるのか信じられないくらいにキレイなガラスに生まれ変わりました!

湖上に建つ我らがお城・文化館。窓から見える景色は、天下一品(?!)。キレイにお掃除できたので、その景色がよりクリアに見えるようになりました。(←窓越しの風景)デスクワークに疲れた時に、そっと癒してくれる風景です。



さぁ、これでお正月にどの方向から神さまが来られても、ちゃんとお迎えできる状態となりました!スッキリです♪、、、と、そこへ神の一声が・・・「館内がまだ終わっていませんよ~」・・・ウッカリです・・・コツコツと進めマス。

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琵琶湖の水位が下がって見えてきた「お城のヒ・ミ・ツ♡」

このところ、まとまった雨が降っていません。夏(お盆)に降った長雨が遠い過去に感じられます[2021.9/1付ブログ]。するとどうなるか・・・皆さんもうお分かりですね?
⇒琵琶湖の水位が下がります。12月1日には△65cm!当館から見える景色で比べてみると・・・ご覧のとおり!8月お盆明けがだいたい+30cmでしたので、95cmもの大幅ダウン↓↓。こうなると滅多に見ることができないモノが見えてきます。
写真中央の歌碑、どっしりと湖中に埋まっているように見えますが、実は下部の方は今見えているコンクリートより細い支柱で支えられているため、水位があと15cmも下がれば、まるで浮いているかのような、不思議な光景となります。

そしてお城の形をした本館。普段は湖面ギリギリ・スカートと呼んでいるバルコニー(?)部分、今はその更に下の躯体が見えてきました。壁面は水の中でも、ちゃんとなだらかな曲線を描いているのですよ。お城の形に対する建設当時のコダワリが垣間見れてオモシロイ。。。

更に更に、今、巷でちょっとウワサになっていることがあります。「何だかこの頃、琵琶湖沿いの旧国道161沿いをゾロゾロ歩いている人がいる」「皆、畑を通り抜けて琵琶湖の方に向かっていく」・・・。この渇水の機会に見に行く人が急増しています。場所は大津市下阪本 ⇒ 琵琶湖岸 ⇒ なかなか見ることが出来なかったもの!!

それは何かといいますと・・・覚えていますか?令和元年度の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ⑥」現地探訪で訪れたことがありますヨ[2019.10/23付ブログ]。
左が2年前の写真、そして右のワイド画像が現在。

そうです!戦国武将・明智光秀が大津の湖畔に築いた坂本城跡の石垣(!)の一部が見えているのデス!!
2年前には、手前の石がチョコっと波間に見えるだけでしたが、今はご覧のとおり、「コの字型」に石が配置されているのがしっかりと分かります!

この歴史ロマンを一目見ようと、休日は若干人で混み合っています。隣接する公園駐車場は一時閉鎖されていますので、皆さんマナーを守ってお出かけくださいね。

以上、琵琶湖の水位が下がって見えてきた「お城のヒ・ミ・ツ♡」でした。

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