記録的な猛暑となった今年の夏。涼を求めて山を目指した方もいらっしゃったのではないでしょうか?琵琶湖文化館のあるこちら大津で、高い山といえばもちろん、京都との境にそびえる比叡山。山へ登るルートはいくつかありますが、大津側からは、坂本からケーブルカーで登るのが比較的楽な行き方でしょうか?終点のケーブル延暦寺駅で降り、琵琶湖八景の一つにも選ばれた「比叡の樹林」の中へと続く山道をしばらく歩くと、平安時代の初めに最澄が開いた天台宗本山・延暦寺にたどり着きます。
この夏に、延暦寺を訪れた方はご覧になられたことでしょうが、ここは現在、平成の大修理が行われているところです。なかには、根本中堂と回廊をすっぽりと覆う、鉄骨造の真っ白な素屋根を見て、思わず引き返してしまったという方もいらっしゃったようですが。。。それはとても惜しい!実は今、この中には、「修学ステージ」なるものが設置されていて、伝統的な工法で行われている修理の様子が間近で観察できるようになっているんですよ。すでに8月1日から公開されていて、引き続き内部の参拝もできるとのことです。
さて、9月20日(木)に開催いたします「滋賀の文化財講座 花湖さんの打出のコヅチ」は、いよいよ皆さまからのご要望の多かった『建造物』のお話しとなります。建造物をテーマにするのは3年ぶり。今回は、滋賀県教委文化財保護課の菅原和之氏を講師にお迎えして、「世界遺産・国宝延暦寺根本中堂の魅力と平成の大修理」と題した、まさに“今でしょう!”という話題です。建造物がご専門で、今回の延暦寺の修理を担当されていらっしゃる方から、詳しいお話を直にお聞かせ頂ける貴重な機会ですよ!
また、今回の修理は、昭和29年の半解体修理から64年振りの修理だということですので、一生に一度あるかないかの機会かも知れません。現地を見てからお話を聞くか、お話を聞いてから見に行くか?ウ~ン、とっても悩ましいところですが。。。いずれにしても皆さま、今回の講座もお早目のお申込みをお忘れなく!
お申込みはこちらの専用フォームからどうぞ(電話・FAXでも受け付けております)。
中池にある歌碑、普段は水面下にあるコンクリート部分まで見えているではありませんかッ!(えっ?写真では分かり難い?スミマセン。これは一番雨風が強い時で、慌てて窓越しに撮影しているもので・・・。毎日見ているからこそ)これには僕もビックリ!思わず他の場所で作業をしていた職員さんを呼びに行き、「見て!滅多に見れんモンが見える!」と、その説明もいささかコーフン気味!!(笑)。ざっと見たところ普段より1m位は下がってます!いやぁ、不思議なことが起こるものデス。
←午後4時頃
・・・後から考えると支離滅裂(笑)。
翌朝、この綿で顔や肌を拭うと若やぐと言われたことから、若さを保ち長寿を願うとして、特に貴族の女性たちの間で、もてはやされたそうです。清少納言の『枕草子』や、紫式部の『紫式部日記』にもその様子が綴られています。そして、当館所蔵の月岡雪鼎(つきおか せってい)が描いた「十二月図」屏風にも九月にあたる部分に、この場面が描かれています。

ん~?とぐろを巻いた大蛇の弥三郎って、ひょっとして、台風(竜巻・つむじ風)の化身だったのではないでしょうか???

そんな秋の訪れを、当館でも感じる出来事があります。それは「赤とんぼ」が「あきつ君」のお友達だから?いえいえ、それだけではありません。当館は休館中ですが、他の博物館・美術館さんが、「秋の展覧会」に向けて収蔵品の借用に来られるため、その貸出業務の対応に「まもなく秋」を感じているのでございます。

そして、それぞれの仏さまの大きさに合わせて作られた「特注品」とも言える木製の担架に、仏さまに横になっていただき、安定している丈夫な箇所でしっかりと固定をするのです。そうしてようやく箱に入れられる状態となります。

近頃、文化館近くの湖岸で、このようなかわいい親子の姿を見かけます。ほのぼの癒される和みの風景です。水草をいっぱい食べて、大きく育ってくれることを祈りつつ、道行く皆さんもあたたかく見守ってあげて下さいね~。
僕も絵が上手だったらな~、エントリーするんだけどな~。

鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らし念仏踊りを踊る六斎念仏は、地域に伝わる民俗芸能としても注目されています。京都や若狭を中心に近畿の各地で行われていますが、滋賀県でも湖西の『真野の六斎念仏』『栗原の太鼓念仏』『針畑の六斎念仏』などが有名です。いずれも県選択無形民俗文化財に選定されていますが、後継者不足が深刻で、守っていきたい地域の誇りのうちの一つです。
この作品は、明治から大正時代に活躍した内海吉堂という画家が描いた作品です。上の方で咲く淡く黄色い花は「黄蜀葵(おうしょくき)」と呼ばれるトロロアオイ、青いラッパの形をした花はご存じアサガオで「牽牛花(けんぎゅうか)」、下の方の可憐な淡紅色の花は「秋海棠(しゅうかいどう)」というベゴニア属の花が描かれています。中にはカマキリなどの昆虫もあしらわれており、とても賑やかな作品となっています。
この時、文化館で交わされた数々の「会話」をご紹介しましょう。
先日、お仕事で

会場には他にも「これなんぞ??」と思われるものがいっぱい・・・。ぬぼ~っとしたこの方たちは一体ダレ?!何故ここにゲタがっ?!
ちなみに、会場に用意されているクイズに答えると、大津の粟津湖底遺跡(粟津貝塚)出土の貝殻がプレゼントされるそうです。大昔の人は、この貝(しじみ)をどのように食べたのかな?(僕の好きな佃煮ではなさそうな?!)ちょっぴりそんなことを考えながら、自分たちが住む地域のことを、もう少し勉強してみようかな・・・そんな機会となりました。
そして今日は、夏の一大イベント:びわ湖大花火大会が、大津市の湖岸で開催されます。文化館の近くには、湖岸の風を涼やかに感じながら花火を鑑賞できる「桟敷席」が用意されています。夕方にはグリーンの芝生の上にもイスが用意されていることでしょう。(文化館の周り一帯は有料観覧席です。)湖面に写る花火をスマホでパシャっ・・・。「いいね!」連発の花火大会です。是非いい思い出作りを~!
記録的な猛暑に、異例のコースを辿った台風12号と、日本の自然の厳しさを思い知らされるようなこの夏ですが(泣)、みなさまいかがお過ごしでしょうか?いよいよ8月となりました。この暑さはまだ少し続くようです。食事と睡眠を充分にとって、熱中症や夏バテにならないようにして、なんとか乗り切りたいですね。
琵琶湖文化館は、展示の方は今はお休み中ですが、先日も、いつもホームページを見て頂いている方々から、「”あきつブログ”はこまめに更新されているところがいい!」というお声をいただいたところです。これからも、みなさまに“日本らしさ”、“滋賀らしさ”、“文化館らしさ”を感じていただけるモノや出来事を、まるで「展示替え」を行うように、様々な形でお伝え出来ればいいなと思っております。ということで、8月も文化館ホームページにご期待下さいませ。
と思うほどに電気についての知識がありませんでしたが、それでも施設管理の仕事をしているのに「このままではイカン」と思い、意を決しこの度参加してきました。しっかりと学ぶためには、わからない事はメモをしっかり取って。大事なところも、ちゃんとメモを…なんだか、ノートをとりながら授業を受けていた学生時代がよみがえってきました。
そして、宿題も出ましたよ。「大きな事故を未然に防ぐには、日常の点検が重要」で、電気設備に異常が無いか、日頃から確認をしましょうということでした。内容はひとつひとつは難しいことではなく、「異臭や異音がしないか」「電気プラグにホコリが付着していないか」など。ですが、継続して意識することが難しい。う~ん…この難題な宿題、頑張らなければ。。。エアコンなどの使用で、電気の使用が増える夏です。みなさまも、この宿題をぜひやってみてください。

記録的とも言われる連日の猛暑のなか、昨日(7/19)の大津の最高気温は36.8℃にまで達したようです。本当に、頭の中身がトロ~ンと溶け出してしまいそうな暑い日でしたが、開催いたしましたよ!滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第2回。そして、なんと140名もの方がお越し下さいました。講座を楽しみにして来ていただいた方には、感謝の気持ちでいっぱいです!また、ご参加いただいた方には、講師による中身の濃いお話をしっかりと頭に詰め込んでいただくことができたのではないかと思います。
第2回の講座は、滋賀県教育委員会文化財保護課の古川史隆氏に「近江の慶派と快慶仏 圓常寺蔵阿弥陀如来立像を中心に」というテーマでお話いただきました。彦根市にある圓常寺のご本尊である阿弥陀如来立像は、今年3月、国の文化財審議会の答申を受け、今秋にも重要文化財に指定されることになっています。これを機に、今回の講座では、この阿弥陀如来像とその作者である快慶およびその一派(慶派)の作品について、仏像彫刻の基本用語の解説からはじまって、たくさんの写真を用いて、丁寧にわかりやすくご説明いただきました。
ところで、今回の講座では、初めての試みとして、県立図書館の方から講座に関連する図書の出張展示をしていただきました。受講者の方も、講座の前後の時間に興味津々でご覧になっておられましたよ。滋賀に残る文化財について深く知り、そこからさらに興味を他へも広げて行くそのお手伝いに、また新たな力強い応援をいただきました。県立図書館の職員さん、どうもありがとうございました!

それもそのはず・・・大人になるとよくわかる。織姫と彦星が出会うというお話ができた頃に使われていた暦は旧暦(太陰暦)で、旧暦の7月7日は、現在の暦では8月のお盆の頃にあたります。ちなみに今年の新暦7月7日は旧暦で5月24日・・・このズレが、七夕の夜の星空観察を楽しめない原因の一つだったのですね~。道理でキラキラのお星さまに会える確率も少なく、梅雨だ!雨だ!台風だ!!と、織姫と彦星の劇的な再会を阻むヤカラが多いワケです。(でもコレをお子さまに説明して理解してもらうのはムズカシイ・・・)そういえば、お盆の頃の夜空はとてもキレイに星が見えますね。。。
「いい感じ!」
梅雨明けの待ち遠しいこの頃ですが、皆様いかがお過ごしですか?本日はまず、6月のホームページアクセス数をご報告させていただきます。嬉しいことに、6月もホームページへご訪問いただいた方は引き続き増え、1,994件となりました。先月はブログで
ところで、昨日7月1日は「琵琶湖の日」でしたね。この前後一週間、「琵琶湖をきれいにしよう」「豊かな琵琶湖を取り戻そう」「琵琶湖ともっと関わろう」ということで、湖岸や川の清掃活動をはじめさまざまな取り組みに参加された(される)方も多いかと思います。
きれいになった文化館まわり、どうですか?湖岸を歩くみなさまにもまた、気持ちよく歩いていただけると嬉しいです。
先日、平成30年度滋賀県博物館協議会(県博協)総会が、長浜市のヤンマーミュージアムで行われました。
そして総会終了後には、会場館となった
本物のショベルカーを操作出来たりと、大人も子どもも楽しめる工夫が随所に盛り込まれていました。これまで「見せる」展示を行ってきた既存館にとっては衝撃の展示内容・・・まさしく「滋賀県にこんな施設があったのか?!」状態です。ともあれ、働いておられるスタッフの皆さんの笑顔がステキで、県内にこのように元気(!)なミュージアムがあることは良い刺激となり、県全体のレベルアップにもつながれば、と思います。
ところでヤンマーさんといえば、その創始者である山岡孫吉さんは、昭和36(1961)年、琵琶湖文化館開館式の式典で、テープカットをして下さった来賓の一人です。そのご縁で文化館的には、山岡氏の生い立ち、偉業、功績を称えた「山岡孫吉記念室」の展示が、一番グッとくるものがありました。良いご縁を結んでいただき、ありがとうございました。
梅雨空の合間を縫って開催されました、今年度第1回となる滋賀の文化財講座「花湖さんの打ち出のコヅチ」。会場となったコラボしが21の受付には、当講座のニューフェイス「花湖さん」もパネルでデビューを果たし、関係者一同、受講に来られた130名の方々をお迎えいたしました。「開催を待ってたよ」の一声に、私たちも笑顔で気持ちを引き締めたところでございます!
そして始まりました今回の講座は『日野町 馬見岡綿向神社の巨大絵馬-平成29年度 滋賀県新指定文化財から』という演題で、滋賀県教育委員会文化財保護課の矢田直樹氏にお話しいただきました。
「蒲生氏」が登場し、当時の日野の人たちが理想とした「日野祭」が描き込まれた壮大な『歴史絵巻』が繰り広げられているとのことです。(講師曰く、この絵馬の中には少なくとも315人もの人物が描かれているそうです!)描かれた様々な芸能は、蒲生郡周辺で行われている現在の祭礼にもつながっていることを、民俗文化財担当の矢田さんらしい切り口で、写真で詳しく説明して下さいました。
この絵馬の素晴らしいところは、その大きさもさることながら、江戸時代に製作され200年以上経てなお保存状態が良好な事、作者がはっきりしていること(谷田輔長)。何より日野商人に代表される地域の人々の氏神への篤い信仰と、祭礼行事の隆盛、地域の繁栄に対する願いが込められた民俗文化財であることが、県の文化財として指定された理由の一つであるとのことです。現在の日野祭に通じる歴史的変遷の過程を研究する上でも、とても貴重な資料と言えますね。
さぁ、今回の講座に参加して(このブログを読んで)、絵馬のある馬見岡綿向神社さんに行きたくなった人!(ハイッ!)。
一般参加も可能!是非この機会に訪れてみてはいかがでしょう。
ところで、この「花湖さん」は、びわこ花街道さんのイメージキャラクター(看板娘)でもあって、ご覧の通り、矢羽絣に紺袴という昔の女学生スタイルをした、古風な感じの(←ココがいいでしょ!)可愛いお嬢さんです。

まずは、江戸時代に描かれた「花卉図」。こちらは6曲1双の屏風で、一面一面に数々の草花が描かれ、その中に大輪の紫陽花が描かれています。屏風の中心に白にも薄青くも見える花は、どこか瑞々しく感じます。

その日は、雨が降り出す前の蒸しっとした空気で、風もなく、絶好のホタル鑑賞日和。。。時間も狙い通りの午後8時! (見頃は夜の7:30~9:00頃なのだそうです)、川の緩やかな流れのところにホタルはいました!しかもたくさん!ホタルは、ゆ~ったり、の~んびり、明るく点滅を繰り返していたので、ゲンジボタルかな?子どもの頃から、ホタルは結構当たり前に見られるものだと思っていましたが(世間的には田舎と呼ばれる地域に住んでいます)、皆さんの近くではどうですか?
実は、当館の館蔵品の中にも「蛍図」という作品があります。作者の塩川文麟(しおかわ ぶんりん)は、江戸時代末期から明治時代初期にかけて活躍した日本画家です。雨に煙った風景や暮かけてぼんやりした風景を得意としていたようで、もしかしたらこの夏が始まる前の空気感も得意だったかもしれませんね。
現代なら、ホタルが発する淡い光を、「蛍光色」で表現できる絵の具やマジックはたくさんあります。しかし、この「蛍図」は、絹地全体に薄墨を施して夜景の雰囲気をつくり、ホタルにのみ彩色が施されています。ちょっとアップにしてみるとこんな感じ→。
日本列島の西の方からは早くも梅雨入りの声が聞こえてきましたが、文化館のある大津では6月に入ってから、意外にも?爽やかな青空が広がっています。梅雨を前にして「今のうちに!」なのでしょうか?文化館の周りではこの頃こんな方々が風通しをされていましたよ!まずは、こちら。いつもは琵琶湖の水中にいるカメさん達です。仲の良い3匹はご家族でしょうか?
そして、屋根の上を見上げると、トンボのあきつ君も羽根を大きく広げて、青空に向け軽やかに飛び上がろうとしています!みなさん今日は、爽やかな気持ちのいい日々を満喫されているようです。
この1ヶ月、職場の皆さんに触発されながら、素人ながらにいろいろと調べ(学べた気になっている僕ですが)、身に沁みて感じたことがあります。それは「近代は史実がハッキリと残り過ぎているだけに、短い文章で紹介するのは存外に難しい!」ということでした。悩みながら作業を進める僕でしたが、そこは休館していても文化館!「この資料調べてみては」と助言をくれる、調べもの・調べ方についてのエキスパートが身近にいて下さったので、とても有り難かったデス。ご縁あって文化館のキャラクターとなった僕ですが、楽しくお仕事させていただいております。
ちなみに僕が書いた「大津事件関係資料」は内容的にほぼ番外編(ゴメンナサイ)。裏ネタ的要素が強いのですが、大津事件が起こった頃の滋賀県史関連の図書を調べると、必ずと言っていいほど、すぐ隣に「琵琶湖疎水」の記事が載っていました。なるほど琵琶湖疎水も明治期の滋賀県にとって一大事業。「調べる」楽しみの余波として、ここまで読んで下さった皆さんへ、今春のサービスカットをご紹介。是非訪ねてみたい明治の文化遺産です。
さて、こちらが春挙の書いた書です。全体に、線はやや細めですが、一字一字力強くしっかりと書かれています。右の大きな2文字は「撥雲(はつうん:暗雲を取り除くという意味)」ですね。そして、左の2行は「寒梅始綻/野村南(寒梅始メテ綻フ/野村ノ南)」と書かれています。こちらは、永源寺の開祖・寂室元光(1290-136)の偈頌(げじゅ:仏の教えを詩歌の形で分かり易く説いたもの)から採られたもののようです。句の意味は。。。え~っと、禅の言葉なのでやはり難解ですね~。ここはみなさま、自力で悟りを開いて頂くことにいたしましょう(笑)。

それがコチラ!う~ん、達筆すぎて難解ですよね。事務方で働く素人の私には全く読めません(笑)。聞くところによると、これには漢詩が書かれており、大久保利通が通州の運河を下った時に詠んだ詩だとか。通州とは、今の中国北京市通州区のことで、北京と天津を結ぶ運河の北に位置します。大久保利通は、明治7年(1874)5月に起きた台湾出兵の和平交渉のため、日本側の全権弁理大臣として、同年8月に清国の首都北京へ向かいました。難航した交渉はイギリスの調停もあり、10月末に和議が成立します。