琵琶湖文化館HPに寄せられたご意見・ご感想(2012年度)
充実度の高い「近江巡礼」展、新生美術館の構想に期待
京都府
2013/1/30
静岡市美術館で開催されている「滋賀県立琵琶湖文化館が守り伝える美 近江巡礼祈りの至宝展」を見学してきた。日曜美術館アートシーンの紹介に誘われて、である。最初、筆者は芳賀徹館長の「静岡県立美術館」の方かと勘違いしていたが、近年開館した市美の方であった(県立でもやれば良いのに)。内容はさすがに琵琶湖文化館というべき充実したもので、品格の高い展示手法も市美のこじゃれた雰囲気にマッチしていたというべきであろう。琵琶湖文化館HPに「満足度の高い楽しい展示」という展示評が出ていたが、まさにその通り。筆者は個人的に、荘厳寺蔵の「山越観音像」に衝撃を受けた。下半身を大胆に省略した観音像の意味するところは何なのか、研究上大きな課題を孕む像容だ。こうした資料が常に展示公開されるならば、美術史の研究上も意義のあること。貴県による新生美術館の構想に、益々期待を高めた。
満足度の高い楽しい展示、静岡市美術館「近江巡礼 祈りの至宝展」
2013/1/12
静岡市美術館で始まったばかりの「滋賀県立琵琶湖文化館が守り伝える美 近江巡礼祈りの至宝展」を観ました。目抜き通りに面した「葵タワー」の3階にあるアクセス抜群な会場に、私は初めて足を運びましたが、駅前のそこここに琵琶湖から顕現した薬師仏の大きなポスターや看板などが配されていて、期待感がいや増しに増してきました。展示室の演出は素晴らしく、まずは入り口の国宝シルエットの投影に興奮。第一部の神道美術・仏教美術、第二部の近世絵画ともに余裕をもって展示され、しかも数量的には国宝・重要文化財や県指定文化財が目白押し。満足度の高い良い展覧会でした。今回は三井展での仏教美術中心の展示とは趣を変え、近世絵画の優品も交えて陳列されていて、会場内の風景写真や映像の美しさとも相まって、三井展のときよりも一層完成度が高くなったようです。琵琶湖を望む景勝地、風光明媚な滋賀の魅力が東海圏の皆さんにも伝わったはず。グッズも充実、新生美術館での新展開を先取りしたような楽しい会場で、「春から縁起の良い」一日を過ごしました!。
「近美改築予算見送り」再考を
2013/1/10
今朝の京都新聞に、「近美改築予算見送り、慎重意見受け時間かけて議論」という記事が掲載されています。県は仏教美術や近代美術など「美の滋賀」の発信拠点を目指し、リニューアルする予定の近代美術館について、新年度予算案への増改築の設計費の計上を見送ることを決めた、との内容です。理由は県議会や経済界から慎重意見が出されたからだというのですが、納得できません。県議会の議員が全員反対しているということなら別ですが、議論すべしとの「声が上がった」のなら、むしろきちんと県議会でオープンな議論をしてもらえばよいのではないでしょうか?。まして経済界の指摘というのは県民の代表の声ですらありません。不透明で密室的な決定に、県民として強い不審を感じずにはおられません。開館時期も先送りになりそうですが、本当にそれでよいのでしょうか?。とくに、びわ湖文化館に収蔵されている国宝などの仏教美術は、早く新しい施設に移転しないとだめなのではないでしょうか。再考をおねがいします。
嘉田知事のリーダーシップで新施設の計画策定と着手を望む
京都府
2012/12/4
滋賀県の嘉田由紀子知事が、日本未来の党を率いて国政に声を挙げた。福島県飯舘村での第一声は、3・11を歴史の分岐点と見ての脱原発宣言で、学者らしい見識と政治家としての行動の両面に、力強さを感じる。原発問題は国民的課題であり、脱原発の実現に期待する。とともに、滋賀県の行政課題についても着実に道筋をつけられることを望みたい。特に筆者らは、県立琵琶湖文化館の休館問題が未だに明確な解決をみていないことを憂慮している。日本史研究会が声明を発してから5年近く経つのではないか。滋賀県の広報媒体等によると、移転に向けた検討がかなり進んでいる様子ではあるが、明確な青写真が公表されていない状況には不安を抱かずにおれない。嘉田知事の強いリーダーシップで、早期に新施設の計画策定と発表、着手を望む。
嘉田知事の卒原発と「新生美術館」実行に期待
2012/11/30
このたび、嘉田由紀子知事が子ども達の未来のため、卒原発の旗を掲げていただいたことに、県民のひとりとして感謝している。また仏教美術を愛する者として、「新生美術館」へ向けた着実な政策実行のため、引き続き知事としての活躍にも期待したい。新年からは静岡市立美術館を皮切りに、琵琶湖文化館の収蔵品を全国に巡回する展示会「近江巡礼」も始まるようだが、滋賀の誇る仏教美術と嘉田知事が、ともに日本中の注目を集めるときがいよいよ到来したのだと、静かな興奮を覚える。今の日本人には、勇ましい国防論や見せ掛けの愛国心などが必要なのではなく、先祖からの預かりものである文化財やお祭り、くらしの美などを確実に次世代へ伝え、未来へツケをまわさない責任ある生活文化を創造しようとすることこそが必要だ。一部ではすでに「近江ブーム」の声も聞かれる。滋賀の思想や文化を知ることが、日本の未来を考える上でお手本になるのだとすれば、県民の誇りこれに過ぎたるはなく、痛快である。
まさに全国巡礼の「近江巡礼」展、楽しみです
2012/11/23
若い方なら「近江巡礼展、キタ!」とでもいうのでしょう。「滋賀県立琵琶湖文化館が守り伝える美 近江巡礼-祈りの至宝展-」の開催が同館HP上にアップされました。びわ湖文化館の収蔵品を紹介する展覧会が静岡市美術館、仙台市博物館、島根県立古代出雲歴史博物館で巡回されるというお知らせで、とてもうれしく、楽しい話題に胸躍ります。これまで九州国立博物館にはじまり、韓国国立中央博物館、東京の三井記念美術館と、国立や海外、首都など中央志向の単独展覧会がおこなわれ、県民にとってもほこらしく、郷土の美や文化を見つめなおす機会となりました。今度は全国ツアー、しかも仏様の方から地方を「巡礼」してくださるという粋なはからいで、すばらしい(被災地にも「巡礼」される)。日本中に近江ブームが起き、関心をいだいた人が滋賀へ来てくださる、本来の「巡礼」につながると良いですね。楽しみです。
新美術館に向けて、しっかりとした建物と学芸員の確保を望む
2012/11/20
県立琵琶湖文化館の学芸員さんたちが連載する『毎日新聞』の連載「淡海のたからもの」に、ニューフェイスの「宮尾素子さん」が登場した。赤童子という作品について、わかりやすい論旨の解説を書かれ、さわやかな文体にも好感を覚えた。連載のファンである私としては、井上さん、上野さんに加えて多彩な執筆陣ができて、喜んでいます。美術館は作品をしっかり守り、展示する施設も大切なので、県は今後、整備費用56億~35億円といわれる経費をしっかり懸けて、琵琶湖文化館の仏教美術を継承する新建築を是非とも早期に建築いただきたい。そしてその上で、優秀な学芸員さんの確保が建物以上に大切なのではないでしょうか。今後の県の施策に大いに期待しています。
大津浮城歴史会館として開館を
大津市
2012/11/08
大津市内の城址を総称し大津浮城歴史会館として開館して欲しい。
坂本城・大津城・膳所城は今は其々の地域の城址公園のみ、大津城は何もありません。名神高速大津ICから、現在の建物は一望できる位置にあり、滋賀県に来られたお客様をお迎えする意味もあります。展望台に昇れば比良・上手くいけば伊吹山も見えます。内部にお城の資料・出土の写真などの展示館としても、併設としてロボット館としても未来と過去の学習館としても可能性は沢山あると思います。館長にはロボットのT氏にお願いしたいと思います。入場料は有料ですが200円程度としたいですね。貸し館(会議)等。
設備としては、エレベーター2基、空調の整備
建物としては耐震補強隠す補強ではなく、構造体が見える補強にしたいですね。
外装は吹付けでお城らしい化粧をほどこしたい。
南側の湖面に観光バスがおけるスペースの埋め立て若しくは、コンクリート製のデッキを設けたい。
しっかりとした美術館新館を望む
2012/10/09
先週末の新聞に、「新生美術館は規模2倍」と題して、びわ湖文化館の収蔵品などを展示する新しい美術館について、従来の近代美術館の2倍の規模が必要で、整備費用は56億~35億円との試算が発表されたと報道されました。びわ湖文化館の休館から久しく、「ようやく、ここまで来たのか」という感があります。県はぜひとも、56億円をかけて文化館の収蔵品を引き継ぎ、展示するのにふさわしいしっかりとした美術館新館を建設してください。県議会からは「これだけのコストを使うなら、一般の県民が広く喜んでもらえる内容の施設に」という積極的な提言とともに、「なるべく安く済む工夫を考えていくべきだ」とする「忠告」も出ているとの報道。一見もっともなようで、後者の「忠告」には決して耳を傾けてはなりません。文化館の貴重な文化財を安全に収蔵展示するためには、安普請の節約建築では絶対にだめです。全国有数の文化財を守るためには全国有数の一級建築が必要なのは自明のこと。未来の滋賀の文化のために、ここでケチることは絶対に禁物です。
文化財公開の努力を感じる三井記念美術館での特別展
2012/09/19
東京・三井記念美術館で開催中の特別展「琵琶湖をめぐる近江路の神と仏 名宝展」を鑑賞してきました。琵琶湖文化館の収蔵品を中心に、近江の古社寺に伝えられた名宝を一堂に展示する展覧会という前評判の通り、見ごたえのある素晴らしい展覧会でした。重厚な展示室の雰囲気に負けない、豪華な仏教美術の名品が輝きを放っていました。先日文化館のHPに投稿された意見に「豊かな近江の文化財が、時おり館外貸出展示をするとはいうものの、ほとんどは文化館の収蔵庫の中に眠っている」とか「貴重で優れた文化財を広く県民に国民に公開するのは文化財行政に携わる者の義務でしょう。」とありますが、県当局は十分公開に努めておられます。文化館移転後、閑静な瀬田の文化ゾーンで、今回の特別展のような豪華な展観がいつも鑑賞できるようになるとすれば、私にはそれも大いに楽しみです。仏教美術の展示館が、必ずしも有名社寺の近くなど「歴史的な場所」になければならないとは限りません。三井記念美術館での展示は、そのことを見事に証明したのではないでしょうか。
収蔵品について
かとう 京都市
2012/09/05
琵琶湖文化館が閉館して久しいのにいまだ再開のめどが立たぬことに怒りを覚えます。豊かな近江の文化財が、時おり館外貸出展示をするとはいうものの、ほとんどは文化館の収蔵庫の中に眠っているのです。貴重で優れた文化財を広く県民に国民に公開す るのは文化財行政に携わる者の義務でしょう。今なお収蔵品が増え続けていると聞けばさらに怒りは増します。死蔵するのなら収集すべきはないと思います。しかも文化館は耐震性に問題のある建物なのですから。
一方で瀬田の近代美術館と一体化するとの話もあるようです。当然ながら別館を新たに建てての話でしょうが、はたしてあの場所は文化館の収蔵品を展示するのにふさわしい場所なのか。仏像など歴史的文化財は歴史的風土の中に置かねばなりません。瀬田の文化ゾーンは確かにすばらしい場所ですが、どう考えても琵琶湖文化館収集文化財の安住の場所とは思えません。文化財というものに対する理解と収蔵品に対する愛情があれば近代美術館との一体化などという話は出てこないはずです。県の担当者の行政センスに疑問を呈さざるを得ません。
文化財保全に配慮された展覧会
2012/09/04
今週末、いよいよ「琵琶湖をめぐる近江路の神と仏 名宝展」が開幕する。滋賀県立琵琶湖文化館の収蔵品を中心に、滋賀の古社寺に伝えられた秘仏、名宝を一堂に展示する、東京初の展覧会だ。国宝6点、重要文化財56点、滋賀県指定文化財21点を含む約100点の名宝が出品されるといい、大いに期待している。筆者は特に、飯道寺十一面観音像の出品を喜んでいる。なお、美術館・博物館の情報サイト「インターネットミュージアム」によれば、「特に絵画は、文化財保護の精神に沿い、会期を3回に分けて、全作品を3回展示替えする贅沢な企画」だという。また、巡回せずに三井記念美術館だけを会場とした展覧会ともされている。これは誠に正しい見識だ。近年、集客目的での大規模展覧会が横行し、文化財の保全に不安を抱かせる事例が目立つ。主催者がおっしゃるように、展示替えプランに合わせて、何度も足を運ばせてもらうこととしたい。
学芸員の「いろは」を忘れずに
2012/08/12
びわ湖文化館HPに、「先を見据えた仏教美術館を」と題したご意見が寄せられていますが、私もその趣旨に賛成します。びわ湖文化館の収蔵品を近代美術館に移転するためには、歴史的美術品や文化財を安全に保管できるよう、最新建築技術による仏教美術館を整備すべきだというご意見だと思います。私はそれに加えて、仏教美術品を保存・管理できる専門の学芸員を複数名、新たに採用して文化財の保全に万全を期するべきだと思います。最近、あるテレビ番組で新しくオープンした県立博物館の学芸員さんが展示品の説明をしておられましたが、資料を持つ手にネイルアートのようなのが見えました。手首にもストーンブレスをされたままなのがとても気になりました。最近の博物館学では資料の取り扱いをどのように教えているのか知りませんが、かつては資料を触る時にはマニキュアをせず腕時計もしないのが学芸員の「いろは」と学びました。来るべき「新生美術館」では、立派な建物を作ることも大事ですが、資料を大切に扱える学芸員を必ず確保してください。
先を見据えた仏教美術館を
京都府
2012/08/09
滋賀県立琵琶湖文化館の収蔵品移転問題は、同県立近代美術館への一括移転と決したようで、まずは安堵している。とはいいものの、滋賀近代美術館も長年の作品収集活動により収蔵展示施設は満杯の筈。増築増床が不可欠と思われるが、脆弱な歴史的美術品や文化財を安全に保管するためには、十分に予算をかけて最新技術による美術館建築を建てるべきと存じます。滋賀の仏教美術をめぐる関心は全国的に高まってきており、昨年の「神仏います近江展」や『サライ』誌での二度にわたる特集などは研究者のみならず、一般の注目を集めた。休館中の滋賀県立琵琶湖文化館についても、昨年の韓国展につづいて、三井記念美術館で「琵琶湖をめぐる近江路の神と仏 名宝展」と写真展「水と神と仏の近江」を開催するという情報。京都、奈良のみならず、日本には滋賀の仏教美術のあることが、漸く浸透し始めたといえる。この時流に乗って、しっかりした仏教美術館を整備すべきです。
滋賀の仏教美術、関東初上陸に期待
2012/07/26
琵琶湖文化館のホームページなどで、東京三井記念美術館で行われる特別展「琵琶湖をめぐる 近江路の神と仏 名宝展」の情報がUPされましたね!。雑誌『カルタ』にも出ていました。一昨年は九州、昨年は韓国、今年は何処かと、秘かに注目しておりましたが、琵琶湖文化館の仏教美術がいよいよ首都上陸とか。東京で「近江」をテーマにした大きな特別展覧会が行われるのは、間違いなく初めてでしょう。東博「仏像展」での向源寺像公開や、白洲正子巡回展、雑誌『サライ』の琵琶湖路特集などで、滋賀の仏像への関心が徐々に高まってきたことろを捕らえてのこの企画、成功間違いない。「奈良や京都とは違った近江の神と仏の美の世界」が旋風を巻き起こすでしょう。関連事業として、「近江の風景や暮らしなどを紹介する写真パネル展も開催」とのことで、こちらにも期待します。
驚きました
東京都 奥村
2012/06/26
ひさしぶりにこのサイトを読みました。
ひところ移転先と噂されていた(?)安土も瀬田も「新快速が停まらなくて不便」ですが、[駅から24分歩けば確実にたどりつける]考古博と、バスで往復するしかない近美では、どちらが便利か?微妙ですね。また、アールブリュットにも驚きました。ここ数年、各地でアールブリュット関連の展示会はものすごく増えていて、県立の美術館で扱わないで民間にまかせておけばいいのにと思います(資金難の県にとって、購入にせよ寄贈にせよ、低コストでコレクションできるのが魅力ということなのでしょうか?)話がとりとめなくなりましたが、佛教美術を主軸にした復活がますます遠ざかったと知って、残念な気持ちでいっぱいです。栗東の歴史民俗資料館にしても野洲の銅鐸博物館にしても、数年前まではかなりよい企画展をやっていたのに、最近はさびしいニュースしかききません。県内の人文系で連携しての捲き返しを念願いたします。それでは
文化館の建物にも愛着が
2012/06/12
久しぶりにお手紙します。今日も小雨の中、湖岸を歩いてびわ湖文化館の前を通りました。いつも掲示板にいろいろな情報がある中で、淡海のたからもの、には足をとめて読みいってしまいます。文化館の専門の学芸員さんが、美術品の価値やエピソードなどについて執筆されていて、豊かな内容にひきこまれます。館内には入れなくなって久しいですが、こうして所有品を学術的に紹介発信していただくことは、これからもぜひとも続けてください。ところで、滋賀会館や体育文化会館などの古い建物は、やはり壊されるのでしょうか?。そんなうわさを聞きました。びわ湖文化館の建物も、とても独特ではありますが、市民にとっては愛着のあるもの。中身が美術館に移ったあとも、何かの形で残されればよいのになあ、と少し寂しいきもちです。
滋賀らしい風土の名称を
2012/06/08
げんざい、県では休館になっているびわ湖文化館の機能を近代美術館に移し、さらに新しい芸術のジャンルであるアール・ブリュットの分野とあわせて、「新生美術館」として再生させようというプロジェクトが進行中です。ただ、「新生美術館」はあくまでも仮称であり、いずれ近代美術館の館名をあらため、あたらしい美術館にふさわしく命名される予定だと聞きました。それなら、わたしは「びわ湖文化館」もしくは「新びわ湖文化館」と名乗ればよいと思います。地元滋賀のアール・ブリュット作品は、信楽焼の土で作られており、知事さんも「かつて琵琶湖の底であったという地理的な条件から生まれた信楽の豊富な陶土」が、アール・ブリュット表現の支えだとおっしゃっていますよね(県のHPより)。現在のびわ湖文化館にある仏像も、滋賀のアール・ブリュット作品も、ともに滋賀らしいびわ湖の風土から生まれた「びわ湖文化」の一部。そうした意味で、「びわ湖文化館」の名称こそ、新生美術館の名前としてふさわしく思うのです。
郷土の良さ、改めて実感
2012/05/28
発売中の『サライ』6月号は、滋賀・琵琶湖路への旅の一大特集です。第1部の近江で国宝に出会う、第2部の湖国遊覧3コース、第3部美味処・温泉宿と、全面的滋賀特集。とくに仏教美術を中心にした旅案内といえます。このところ、近江の仏教美術が注目を浴び、一昨年の九州国立博物館展、昨年の神仏坐ます近江展、琵琶湖文化館の収蔵品などが全国誌に登場する機会が多く、滋賀県に住む仏教美術ファンとして感激しています。さらに昨年は韓国国立中央博物館での琵琶湖仏教美術展で、それが国際的な現象にまで高められました。琵琶湖文化館が財政難で「休館」していることを逆手にとり、かえって県外発信の好機として利用してしまうなんて、なかなか「やるな」と感心することしきりです。一部には、県外で名宝展をおこなうこと自体について批判的な見方もあるようですが、それがなければ、『サライ』など有力誌が琵琶湖路に目を向けてくれたとは思えず、県民が郷土の良さに改めて目を向ける機会もなかったでしょう。私は、今の滋賀県のやり方を支持します。
「美の滋賀」全国発信に期待
2012/05/23
「美の滋賀」全国に発信、仏教/近現代/アール・ブリュット、という記事を読みました。このところ県からアール・ブリュットについての強力な発信が目立ち、注目が集まっているところです。仏教美術についても、琵琶湖文化館の九州・韓国出張展示や「サライ」誌などの特集で根強い対外的人気が裏づけられ、あらためて県民の誇りとしての存在感をよびさましています。琵琶湖文化館については、財政難から一時は廃館整理の憂き目に沈みましたが、知事さんや県民の熱い思いに後押しされ、職員のみなさんの非常な努力で、新しい美術館への移行が方向付けられて、本当によかったと思っています。ただ、「仏教/近現代/アール・ブリュット」という異色の3本柱をうまく融合させ、具体的な美術館に結実させることは簡単ではありますまい。これからが正念場、ということでしょう。学芸員経験者である知事さんの強いリーダーシップ(予算を十分につけてください!)に、大いに期待しています。